平成24年度 「水との共生」出前講座開催状況
平成24年度 「水との共生」出前講座開催状況
平成24年度に実施した「水との共生」出前講座の開催状況を紹介します。
◆指標生物を用いた水田農業の生物多様性評価法について
講師:福島県県農業総合センター 三田村敏正専門研究員
平成24年5月30日(水曜日)会津若松市北会津町において、約25名参加のもと出前講座を開催しました。
これは、北会津ホタルの里をまもる会の講演会として行われたものです。 講座では、三田村先生から水生生物の紹介、有機栽培等による田んぼの生物の違い(指標化)などについて説明していただきました。
参加者からは、「最近生物が少なくなってきたが、これからも少ないままなのか?」など、活発な質疑が行われました。また、童心に帰って話を聞いた、大変参考になったとの感想もありました。
◆水生生物について学ぼう
講師:福島虫の会 斎藤忠雄氏
平成24年7月31日(火曜日)会津美里町立本郷第一小学校会津若松市北会津町において、約45名参加のもと出前講座を開催しました。 これは、生活協同組合コープあいづと本郷第一小学校の夏休みの学習会として行われたものです。
講座では、当日コープの関係者に採取していただいた水生生物について、斎藤先生からの紹介、これによる水質の判別、また、斎藤先生が持ってきてくださった標本について説明していただきました。
参加者からは、「たくさんの種類の虫が見れてよかった!」「アリジゴクに成虫がいるのが分かってびっくりした!」などの感想がありました。
◆水生生物について
講師:喜多方ホタル夢づくりの会 生江公敏氏
平成24年8月4日(土曜日)喜多方市岩月町宮津地内において、出前講座を開催しました。これは、喜多方市上岩崎環境保全委員会と子供会育成会の学習会として行われたものです。
講座では、生江先生から、当日採取していただいた水生生物の特徴と水質の見分け方、ホタルの増やし方について説明していただきました。
参加者からは、「カワニナがいるのにホタルがいないのはなぜ?」等活発な質疑がありました。「学校で出来ないことが体験できた!」「もっとホタルを増やしたい!」などの感想もありました。
◆水生生物による水質調査~水生生物の同定~
講師:福島大学共生システム理工学類 塘忠顕准教授
平成24年9月8日(土曜日)西白河郡西郷村文化センターにおいて、出前講座を開催しました。これは、西郷くらしの会の「ステップアップ講座」の一環として行われたものです。昨年は、台風の影響で阿武隈川が増水していたため、場所を変更して水生昆虫の採取を行うなどしましたが、今年は晴天に恵まれました。
阿武隈川の源流域「剣桂」及びこの下流で生物を採取しました。上、下流部で約40種類の生物が採取でき、室内では顕微鏡や肉眼で同定実習を行ないました。その中で塘先生からは、「科」や「目」の違い、学術的分類方法について、説明していただきました。また、今後の講座での課題等について話合いました。
参加者からは、プロジェクター等の投影機を利用し、リアルタイムで先生に説明を受けることが出来れば、生物の特徴等の情報が共有でき、理解しやすいのではとの意見もあり、今後よりよい講座としていくことを確認しました。
◆水資源と放射能汚染
講師:福島大学共生システム理工学類 柴崎直明教授
平成24年10月21日(日曜日)伊達市保原町伊達市役所シルクホールにおいて、出前講座を開催しました。これは、NPO法人環境ワーキンググループ伊達の講演会として行われたものです。
「田畑の除染、樹木の除染等実施したが、その汚染水は河川に流入しているのではないか?河川等の現状、将来が心配だ」ということで、福島の水資源の現状やこれからの保全対策等について説明していただきました。先生自身の調査結果などから、原発事故直後は、放射性物質が検出されたが、現在はほとんど含まれていないこと、大雨時に土砂が混じれば土粒子に付着した放射性物質が検出される可能性があることなどが説明されました。 今後の課題として、水循環の特徴を理解することや代替水源の確保などを訴えておられました。