身体的虐待が疑われます。身体的虐待は子どもへの拒否感や逆に子どもへの過剰な期待感により引き起こされるものです。保護者に、体罰では子どもの行動は改善されないことや、今後の健全な成長や発達を損なうことを、理解させなければなりません。 さらには、しつけと思っている行為が子どもにとって恐怖感や不安感を与えるようなら、それは虐待にあたることも理解させることが必要です。 ただ、「何の罪もない子どもを虐待するなんて!」と直接的に非難したり、拒否したくなりますが、虐待に結びつく親の中には、親自身が悩み、援助を求めている場合もあり、また、子どもの側にも虐待を誘発しやすい要因がありうることも念頭に置く必要があります。最初にマイナスイメージを持つと親との関係がうまくいかなくなり、問題の解決が難しくなる場合があります。 アドバイスをしても改善されないときは児童相談所や福祉事務所に通 告してください。 緊急度が高いと判断される場合は、保護者への指導よりも通告を優先してください。 緊急度が高い場合とは、生命に危険のある暴行で、外傷としては、骨折、頭部外傷、あざ(内出血)、切り傷、刺し傷、火傷などがあります。さらには、首を絞める、布団蒸しにする、溺れさせる、逆さ吊りにする、毒物を飲ませる、冬戸外に閉め出す、意識的に食事を与えないといった事例もあります。 なお、重症度を判断するための指標(「児童虐待対策に関する資料集(厚生省)」抜粋)は、以下のとおりとなっています。 |