薬剤師のつぶやき
印刷用ページを表示する 掲載日:2015年10月27日更新
薬剤師のつぶやき ~残薬問題について~
宮下病院 専門薬剤技師(兼)薬剤部長
近藤 剛
今日の日本では、医療費の増大が社会問題になっています。その原因の一つとして、処方された薬が残ってしまう「残薬問題」があります。薬が残ってしまう原因として、厚生労働省の調査では以下の理由があがりました。
1 薬の種類や量が多く、飲む時間が複雑で飲み忘れた |
2 病気が治ったと自分で判断し、飲むのをやめた |
3 処方された日数と医療機関に受診する日との間隔が合わなかった |
飲み忘れの対処法として、一般的には、「いくつかの薬を飲む時間にあわせてひとまとめにする(1包化)」、「お薬カレンダーの利用」などが考えられますが、どの方法が一番良いかは、患者さんひとりひとりの家庭環境などでも変わってきます。
また、薬の数が合わないときの対処法として、当院では、入院した患者さんの場合は薬剤師が整理します。必要に応じて医師へ薬の中止等を伝え、薬の減量を提案しています。そして、処方する薬の数と次回受診日とを調整して、退院していただいています。
一方、外来の患者さんの場合は、まず残っている薬を病院へ持ってくるように患者さんに伝えます。医師には、その残っている薬を考慮して、次回受診時に薬を処方するよう提案しています。
日本の医療費が増大していくなかで、当院としましても、少しでも医療費削減に協力していきたいと考えています。ご協力をお願いします。