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(13)派遣労働者と派遣先会社との団体交渉

印刷用ページを表示する 掲載日:2017年12月14日更新
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(平成24年12月6日現在)

派遣労働者と派遣先会社との団体交渉  ~労働者からの質問

質問

 派遣先会社での労働条件を改善するため、派遣社員で労働組合を結成し、派遣先会社に団体交渉を申し入れました。ところが、派遣先会社から「派遣社員の使用者は、派遣元会社なので団体交渉には応じられない。」と団体交渉を拒否されました。
 勤務日の割振りなど派遣先会社が決めている労働条件もあるので、交渉内容によっては、派遣先会社であっても団体交渉の相手方となると思うのですがいかがでしょうか。

答え

 派遣労働者と派遣先会社との関係について、派遣先会社は、労働契約上の使用者ではありませんが、勤務日の割振りなど基本的な労働条件について部分的にでも労働契約上の使用者と同じように現実的かつ具体的に支配・決定しているような場合、それらの労働条件については、派遣先会社であっても団体交渉の相手方となり得ます。

解説

1 派遣労働者の定義
 派遣労働者とは、派遣元会社の命令を受けて派遣され、派遣先会社の指揮命令を受けて、労働に従事する労働者をいいます。
なお、派遣労働者にとって労働契約上の使用者とは、労働契約を結んでいる派遣元会社であって、派遣先会社は派遣労働者に対して仕事上の指揮命令権を持つに過ぎません。

2 団体交渉の使用者側の当事者

 労働組合法第7条2号では、使用者が雇用する労働者の代表者との団体交渉を正当な理由がなく拒むことを不当労働行為として禁止しています。
この不当労働行為制度上の使用者は、制度の目的に即して労働基準法や労働契約上の使用者よりも広い範囲で認められていることから、労働契約の当事者である使用者ではなくても実際に労働条件の決定権限や監督権限がある者は、団体交渉の当事者としての使用者と解される場合があります。

3 派遣労働者が加入する労働組合の団体交渉の相手方

 派遣労働者の賃金引上げや一時金の支給を交渉事項とする団体交渉の相手方は、労働契約の相手方である派遣元会社となりますが、派遣先会社が派遣労働者の勤務時間の割振りや労務提供の態様及び作業環境などを決定している場合には、これらの労働条件については派遣先会社にも使用者性が認められ、団体交渉の当事者となります。
 判例では、雇用主以外の事業主であっても、雇用主から労働者の派遣を受けて自己の業務に従事させ、その労働者の基本的な労働条件等について雇用主と部分的とはいえ同視できる程度に現実的かつ具体的に支配、決定することができる地位にある場合には、その限りにおいて、雇用主以外の事業主は労働組合法第7条の使用者に当たるものと解するのが相当であるとされています。

判例

○ 朝日放送事件(最高裁第三小法廷判決平成7.2.28労判668号11頁)

 

 

 

 

 


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