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2012年12月定例会 長期総合計画審査特別委員会 鈴木智委員

印刷用ページを表示する 掲載日:2013年12月1日更新
鈴木智議員 
委員名鈴木智
所属会派(質問日現在)自由民主党
福島県長期総合計画審査特別委員会平成24年12月
委員会開催日12月18日(火曜日)

鈴木智委員

 東日本大震災という未曾有の災害を受けた中で、本県の最上位の行政計画の見直しについて質問することに改めて身の引き締まる思いである。以下、通告に従い質問する。

 初めに、本県の人口についてである。

 総合計画の「はじめに」の中で、「1 東日本大震災・原子力災害からの復興再生に向けて」には「これからの福島県を担っていく若い世代が、夢や希望を持って人生設計ができる環境を創り、人口減少を抑制します」と記載されている。日本全体が人口減少に向かう中、大震災と原発事故という苛酷な状況下にある本県においては、いかに人口減少を抑制するのかが、我々に課された大きな使命である。

 私ごとだが、私が選挙に初めて立候補したとき、頼りになるのは同級生だと思い調べたところ、いわき市には3分の1しか残っていなかった。もちろん、やりたい仕事や目標などそれぞれの事情はあっただろうが、余りにも寂しく、これは何とかしなければと感じた思いを今も持ち続けて政治の場に立っている。

 多くの子供たちが最初に迎える大きなライフステージである高校卒業の後、県内外に就職や進学することになるが、逆に他県から本県に来る方もいると思う。

 そこで、18歳人口、つまり高校を卒業した生徒の1年後の人口の動きはこれまでどのようなものだったのか聞く。

企画調整部長

 各年齢別に3月1日の人口を基準とし、その後1年間の転入及び転出などの移動数を加減して得られる人口と比較すると、18歳人口はほかの年齢に比べ著しく減少しており、過去10年間においては毎年おおむね2,000人台の転出超過となっている。

鈴木智委員

 行政計画を策定する際には人口の予測が重要だが、今回の総合計画見直しの中では、この未曾有の大震災を受け、今後の年少人口の推移をどのように試算したのか。

企画調整部長

 14歳以下の年少人口の推移について、人口が緩やかに減少するシナリオAと、急激に減少するシナリオBの2つの考えのもとに試算した。現在、本県の年少人口は約250,000人だが、約30年後には前者で約180,000人、後者では約110,000人にまで減少するとの試算結果であった。

鈴木智委員

 私も12歳と7歳の子供がいる子育て世代の一員だが、その子供たちが私の年齢になる約30年後の試算結果なので、次の世代にどのようにバトンを渡すのか、計画の中できちんと考えなければならない。

 人口学においては、同じ世代の集団を指すコーホートという言葉がある。集団を5年刻みで1つのグループにまとめ、その増減を追い続けて算出されるのがコーホート残存率であり、これは人口の増減を把握するために有効な手法である。私の地元のいわき市を例に見ると、15歳から19歳までのグループが急に減少し、20歳から24歳のグループである程度は回復するが、完全には戻っていない。一部ではきちんと戻っている市町村もあるが、多くはいわき市と同じような傾向だと思う。ちなみに、昭和55年から60年までの数値を見ると、男子の18歳人口が非常に減少しているが、22歳や24歳になると数値はもとどおりに戻っていた。

 現在は男女の差はなくなってきているが、先ほど述べた高校卒業などさまざまな要因による人口の社会増減について、その原因も含め、県として継続して調査・分析する必要があると思うが、どうか。

企画調整部長

 委員の指摘は非常に重要だと考えており、総合計画の進行管理の一環として、毎年、人口に関する調査・分析を行う旨、総合計画案の第5章に記載している。

 特に、若い世代の社会増減は、本県の将来の人口構成に大きく影響し、さらに本県の復興・再生にとって非常に重要な問題であることから、注意深く推移を見守りたい。

鈴木智委員

 私のおいも高校卒業後には東京で就職したが、就職や進学を迎える18歳の子供たちが何を考えているのか、そしてこれから本県で住み続けるためには何が必要なのか、リアルタイムで捉え続けるよう強く要望する。

 次に、本県にとって最大の課題である人口減少の抑制にどのように取り組むのか、意気込みを聞く。

企画調整部長

 速やかな除染による環境の回復はもとより、生涯にわたる健康管理や教育環境の充実など、日本一安心して子供を生み、育てることができる環境づくりを進めるほか、医療関連や再生可能エネルギー産業等の集積による雇用の拡大、各種社会基盤や医療提供体制など、暮らしやすい生活環境の整備により、県外への人口流出の減少を図るとともに、県外避難者の帰還を促進し、人口減少の抑制につなげていきたい。

鈴木智委員

 これまで社会増減について聞いたが、次に、自然増である子供の出生数について聞く。

 夫婦の最終的な平均子供数をあらわす完結出生児数という数値がある。これは、国立社会保障・人口問題研究所が数年ごとに行う出生動向基本調査によって示されるものである。これを見ると、私が生まれる1年前の1972年は2.20であり、2.09だった2005年まではおおむね2を少し超えていたが、2010年の調査で初めて2を割り込み、1.96となった。

 ただ、私の子供が通う幼稚園や近所の夫婦を見る限りでは、1人っ子は意外に少なく、2人は超えているように感じており、本県における合計特殊出生率も、最近になって1.5を割り込んだとはいえ、平均よりは高いという事実もある。

 そこで、的確な子育て支援策を展開するためには、県内の完結出生児数も含め、あらゆるデータの把握や分析を行いながら今後の施策を展開する必要があると思うが、どうか。

子育て支援担当理事

 子育て支援策の実効性をより高めていくため、子供をめぐるさまざまなデータを収集・把握して分析することは極めて重要だと認識している。このため、子供の人口動態等を注視しながら、子育てに関する県民ニーズの把握や、子育て環境の変化に関する調査研究などを通して、政策課題の明確化と、それに対応した効果的な施策の展開に努めていく。

佐藤憲保委員長

 あらゆるデータを把握すべきとの質問なので、再度答弁願う。

子育て支援担当理事

 さまざまなデータの把握に努めていく。

鈴木智委員

 完結出生児数については、国が調査するものなので県ではデータを持っていないと聞いているが、絶対に必要なデータである。完結出生児数と合計特殊出生率の差について分析することで、しっかりした施策が見えてくると思う。

 例えば、完結出生児数と比較して合計特殊出生率が低いのであれば、結婚していない方を結婚に向かわせるための経済的な施策を展開しなければならない。また、両者の数値が近いのであれば、本当に子育てしやすい環境の整備に向けた見直しが必要になる。こうした分析が今後必ず必要になってくるので、きちんとデータを捉えるよう要望する。

 また、県では合計特殊出生率の向上にどのように取り組んでいくのか。

子育て支援担当理事

 合計特殊出生率は、人口動態やライフスタイルの変化の影響を受けて増減するものだが、今回の計画改定に当たり、その上昇を目指すこととした。このため、子供を生み育てやすい環境づくりを一層進めながら、結婚支援やワーク・ライフ・バランスなどの労働環境の改善を図る取り組みを行うとともに、個人の意思を尊重しつつ、結婚、妊娠及び出産についてのポジティブキャンペーンを展開することも今後検討していく。

鈴木智委員

 次に、男女共同参画についてである。

 先日内閣府が行った男女共同参画に関する世論調査によれば、夫は外で働き、妻は家庭を守るべきとの意見に51.6%が賛成とのことであった。この数字はずっと減少傾向にあったが、今回は増加に転じ、2009年の調査に比べ10ポイントほど増加しており、特に20代では19.3ポイントの大幅増となった。なお、この調査では、女性がふえたほうがよい職業として、国会議員、県議及び市町村議が54.5%、企業の管理職が46%、都道府県及び市町村の首長が42%とのことであった。

 子供を産むことは女性にしかできない大切な命の営みだが、それと同時に、女性が社会でその能力を発揮し、活躍することも求められている。男性も女性も、家庭や職場できちんと使命を果たし、それぞれの場で幸せをつかんでほしいと思っているが、厚生労働省の21世紀出生児縦断調査によれば、2005年に第1子を出産した女性の54.1%が出産前後に仕事をやめているという結果が出ている。

 そこで、県では女性職員の管理職登用の促進にどのように取り組んでいるのか。

総務部長

 県では、福島県職員男女共同参画推進行動計画に基づき、職員採用における女性割合の向上や、仕事と子育て・介護が両立でき、安心して働き続けることができる職場環境の整備を図るとともに、多様な研修機会の確保や、幅広い職務を経験させることなどにより、管理職層としての能力開発を進めながら、女性職員の管理職登用の促進に取り組んでいる。

鈴木智委員

 ただいまの答弁にもあった安心というキーワードは今後の質疑でも多く出されると思うので、しっかり留意して取り組んでほしい。

 次に、民間事業所の女性管理職登用数がモニタリング指標として採用されているが、県庁、市役所及び町村役場も地域では大きな事業所の1つである。各種施策の実施に当たっては、地域をリードする存在でもある役所等は先駆けた取り組みを行わなければならないことから、県や市町村など地方公共団体における女性管理職登用率も総合計画の指標として設定する必要があると思うが、どうか。

生活環境部長

 地方公共団体における女性管理職登用率は、総合計画の部門別計画であるふくしま男女共同参画プランの進行管理を行うため、毎年調査して公表している。しかし、県、市町村ともに全国平均を下回っていることから、管理職への登用など、女性の活躍の場を一層確保できるよう、まずは市町村男女共同参画計画の策定を積極的に支援していく。

鈴木智委員

 部門別計画の中できちんと対応するとのことなので、よろしく願う。

 私は、議会の「福島県総合計画」見直し調査検討委員会の委員としても議論してきたが、この計画をコーディネートし、しっかり活用するコントロールタワーをどの部署が担うのかがわかりにくいと感じていた。

 大震災を受け、県民を強く引っ張っていく前向きな未来志向と組織横断的志向がこれまで以上に必要となってくる。今後の総合計画の実行に当たっては、こうした考えをしっかり持って取り組むことを強く要望して、私の質問を終わる。

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