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2017年01月留学生スタディツアー参加者レポート01

大学名:  福島大学名前: 王 映昆 (オウ・エイコン)

 福島での交換留学が決まったことを知って、親族や友達が心配の声を掛けてくれました。善意ゆえの心配だと分かっていました。かつて福島に行く前の自分も同じように、原発事故が起きた福島県に対して多少の不安や心配を抱いていました。幸いなことに、この複雑な気持ちは交換留学への妨げにならなかったです。実際に福島県に来て、ここで勉学して、暮らしてみると、自然に福島への理解を深めて、かつてのモヤモヤとした気持ちも消えつつあります。この場を借りまして、自分が福島県で見て感じたものをシェアさせて頂きたいと思います。ここ2、3ヶ月に、出来事がいっぱいあって、たくさんのところに行ってきましたが、ここでは割愛します。さて、南相馬の見学はじめ、今回のスタディツアーでの見聞を皆さんに伝えたいと思います。

 まずは食品の安全問題。県内の農家たちは自家栽培の野菜や果物を農産物直売店に併設した検査場に持ち込んで、放射能検査を受けます。野菜や果物などについてはサンプリング検査の方式を採用しますが、お米については全量検査が行われているようです。検査済みで安全性が確認された農産物のみ出荷・販売ができると言います。放射能の単位についてはよくわかりませんが、ここではデータの説明はいたしません。とにかく、通常店頭で販売している野菜や果物、お米、肉類などの農産物はすべて安全であることがよくわかりました。
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 その後、私たちは南相馬市の小高区を訪問し、福島第一原子力発電所から半径10キロ~20キロ範囲内のエリアを見学しました。ここ小高区は、2016年7月に避難指示が解除されたばかりでした。駅前通りでは、震災の影響で倒壊の恐れがある家屋の解体工事に急ぐ作業員たちが目立つばかりで、通行する車の姿がまばらです。
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 震災前数万人が住んでいた街の現人口はわずか1000人程度に留まっていますが、心温まるエピソードがありました。ひまわりカフェ(図4)の女性従業員たちはみんなそれぞれの本職を持っていますが、毎週の土日はこの小さなカフェに集まり、訪れてきた人々に憩いの場を提供するとともに、小高区の復興に力を注いでいます。私は去年12月に気仙沼市を訪問しました。同じ津波による被害を受けた町でしたが、気仙沼の復興は小高区より進んでいるような気がします。理由について深く知りませんが、ただただ小高区が一日も早く元気を取り戻してほしいです。
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 ほかに印象に残ったのは、汚染土壌を積んだフレコンバッグです。土地の除染作業の難しさを物語る一枚でした。
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 そして、福島県環境創造センターで見学した時に見た福島県内各地の空間線量のデータです。
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 今回のスタディツアーのおかげで、福島県の現状をより詳しく理解することができました。私は、心から福島が好きです。福島の澄んだ空気が好きです。福島の程よい賑わいが好きです。頑張れ、福島!

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