平成17年度第3回福島県入札監視委員会結果【概要】
 
1 日時 平成18年1月19日(木)13:00〜15:00
2 場所 杉妻会館 百合A
3 出席者
(委員)菅家委員、清水委員、平塚委員、松野委員(委員1名欠員)
(県)土木部政策監、建設行政グループ参事、建設行政グループ主幹
   建設行政グループ員3名
   各発注者(抽出案件説明者)
4 内容
(1)委員長あいさつ
(2)土木部政策監あいさつ
(3)審議等
   @抽出案件に対する審議
     指名競争入札        2件
     技術評価型指名競争入札   1件
     条件付き一般競争入札    1件
     随意契約          1件  
   A指名停止の運用状況について(報告)
   B談合情報への対応状況について(報告)
(4)その他
 
 
【質疑内容】
 
<指名競争入札1>
(委員) 今の入居率はどうですか。
(回答) 資料が手元にありませんが、高いところが嫌われて空き部屋はあります。予算的に厳しいですが、全面改修でエレベーターを入れたりしています。改修をしたところはほぼ100%の入居率です。
 
<指名競争入札2>
(委員)天井ルーバー撤去のルーバーとは。
(回答)格子状の照明など天井を保護するものです。
(委員)石綿除去には特別な技術は必要か。
(回答)ある程度の技術が必要です。防塵マスクなどを身につけるだけでなく、密閉度を高めて、外部に漏れないようにする必要があります。
(委員)アスベスト除去の技術を考慮して選考しているとのことですが、学校内で他にアスベストを使っている箇所はなかったのか。
(回答)疑わしい箇所のサンプルを調査した結果、ほかにはありませんでした。
(委員)アスベストの除去の方法は。
(回答)薬剤で固めて封じ込める方法と、取り除く方法があります。
    10年前は封じ込めをやりましたが、劣化してヒビが入りましたので、今回は除去する方法でやりました。
(委員)落札率は97.7%、高いですね。
 
<技術評価型意向確認方式指名競争入札>
(委員)上位15名に指名するのはなぜか、15位と16位の評価差が1.04であるが、16位を指名しない合理性はあるのか。
(回答)指名数を15社としているからです。
    競争性を高めるためと、個別の工事ごとの適性を見るため、最初25社を選考し、申込みで提出された書類で審査して、上位15社を指名します。
    制度上、僅差で落ちる場合もあります。
(委員)仮に、指名業者から辞退があった場合にはどうするのか。
(回答)指名を決定した後の場合は、そのままの数で行います。
(委員)15位と16位が同点の場合は。
(回答)16社を指名します。
(委員)僅差の場合には入れてもいいのではないかという考えもあると思う。
    耐震補強とはどのようなものか。
(回答)すじかいです。窓の内側に、必要なところにだけ施します。1階の面は多く、2・3階になるにつれて少なくなります。
 
<条件付き一般競争入札>
(委員)条件設定で過去の実績は、なぜ15年なのか。地域要件は、なぜ全県なのか。
(回答)県のガイドラインがあって、標準では10年のところ15年にしました。10年から15年にしないと、該当者が減って少なくなってしまいます。
    地域要件のエリアを全県にしたのは、Sランクが41社、そのうち県が把握しているトンネル工ができる会社は15社です。
(委員)電子公告をやる必要はあるのか。
(回答)県で把握している業者以外にも、入札に参加できる業者がいるかもしれないので、条件付き一般競争入札としました。
(委員)あえて電子公告をするのではなく、把握している業者の指名競争入札でよいのではないか。結果として、手を挙げたのは、把握している業者の半分。電子公告に頼った方法だけでは、問題ではないのか。
(回答)4半期ごとに、発注予定情報を公表しています。15社とありますが、参加機会の均等ということで、条件付き一般競争入札としました。県外という考えもありますが、地産地消もあり、県内業者でもトンネルはできるということで、公告しました。
(委員)工事名の経営体とは、農家のことですよね。
(回答)ソフト事業で、担い手を集積する目的もあります。
(委員)水路トンネルの幅が1.8mというのは大きいのですか。
(回答)水路トンネルとしては、小さい規格です。
 
<随意契約>
(委員)見積回数は一回だったということですが、普通は一回では決まらないのでは。
(回答)県の単価を公表しています。また、同じような工事の実績がある業者ですので、正確な積算ができるためと思われます。
(委員)更新よりもコスト的に有利であるのは分かるが、工法はこれしかないのか。
(回答)今回の工事には3つほど工法があります。それぞれ施工できる業者は、AS工法が全国で25社、県内で1社、NPC工法は全国で15社、県内はでありません。もう一つの工法は団体がなくなりました。
(委員)AS(エアーサンド)工法とは。
(回答)コンプレッサーを使って管の内側を研磨して、溶かした塗料を流して塗装をします。錆は磁石でとり、砂は骨材として再利用します。
(委員)この工法は、会津大学がはじめてですか。
(回答)他の県の施設でも行っています。
(委員)この工法は県内では独占ですね。他の業者の参入はないのですか。設備投資の関係ですか。
(回答)最近では、サビが出にくい管になっていますので、古い施設が対象となりますので、新たに設備投資をして参入するのは難しいでしょう。本当に古いものは解体しますので、今後の需要は伸びないと思われます。
(委員)一度管更正をしたものに、もう一度やることは可能か。
(回答)可能ですが、水圧に耐えることが出来るくらい管の肉厚が必要です。
(委員)水道管は40年が耐用年数だと思うが、この工法は有効か。
(回答)直径200mmまで可能ですが、水道管だと大がかりで、枝もありますので、水道管に有効かどうかはよく分かりません。
 
<まとめ>
(委員長)今回の抽出案件については、特に問題は見受けられなかったということでよろしいか。
(各委員)異議無し。
 
<指名停止の運用状況について>
(委員)件数が多いですね。
(委員)金山のは、手抜き工事ではなく、段取りを間違えたということですね。県の管理責任は。
(回答)事故調査委員会を設置し調査しました。再発防止対策については、内部で検討しています。
(委員)入札・発注に関して、問題はありませんね。
(回答)条件付きで行いましたが、ありません。
(委員)指名停止は、業者にとって重い、大手はどうか知らないが、地方の中小には命取りになりかねない。公共工事が減っている今はさらに大変だと思う。
    道路の段差で起きた事故の結果責任、自転車に乗っていた人の責任は、調べているのか。中小業者の指名停止は、地元企業を守るため、乱発しないようにしなくてはと思う。よく調べてやって欲しい。
(回答)詳細な報告を出先機関からもらい、内部組織の検討委員会で、なぜ起きたのか、責任はどこにあるのか、その度合いなどを調べ、検討しています。
(委員)独禁法の談合のペナルティが強化されたのは1月からか。
(回答)はい。課徴金の減免などリーニエンシーも同様です。
 
<談合情報への対応状況について>
 報告1
(委員)情報通りの業者が落札したそうですが、JV数は。
(回答)高校が12JVで36社です。中学校が15JVで30社、体育館が10JVで30社です。同じ会社もあるため全部で42社です。
(委員)3つの工事すべて当てたことになりますね。確率的には天文学的だが、どう評価するのか、偶然と評価するのか、このままのシステムでは見抜けないのではないか、チェックを強化しないと抜け道があるのではないかと考える。
(委員)JVの組み合わせは公表していないのに、組み合わせも合っている、ますますもって怪しい、ガセネタとは思えない。
(回答)結果が可能性が高いとしても、我々には捜査権はなく、公取に報告し委ねるしかありません。
(委員)事情聴取で、やったかと聞けば、やらないと言うのは当たり前で、翌日に入札をするというのは短絡的ではないか、形式的ではないかと言わざるを得ない。
    手続きに問題はないとは思うが、あとは公取に任せるというのでは…。前から言っているが、調査をしないで入札をさせて、情報通りであれば入札をいったん中断して後で調査をした方がいいと思う。
(回答)むずかしい問題です。見積で類似のものがあるかとか、意志のない者が同じ見積を出していないかを時間を掛けて見ていますが、これも意図的にやられると看破するのは難しいと思います。
(委員)情報が2回寄せられているが、初めの情報も半分合っている。そうでたらめでもない。この時にやりようがあったと思うが…、金額はいくらか。
(回答)14億4千9百万、8億4千万、17億3千2百5十万で、落札率は95%前後でした。
(委員)誓約書の記載内容はこの入札に限ったものか。
(回答)記載内容は、「この工事の入札に際し…」「今後とも遵守すること…」「写しの公取に送付されても異議なし」というものです。
(委員)県としては、やるべきことはやったということですか。結果を見れば、疑いは濃いと思いますよ。時間もあるので、次に移ります。
 
 報告2
(委員)これも情報通りですか。入札参加者は何社。
(回答)15社です。
(委員)1/15ですか。談合主導者、主導内容の具体的な内容は。
(回答)日水コンの総括部長が談合主導者と言われています、日水コンはコンサルの会社です。
(委員)総括部長からも事情を聴取して、指名業者の入れ替えをする気は無かったのか。
(回答)寄せられた情報によって調査に値すると考え、調査を実施しましたが、結果として、入れ替えはしませんでした。
(委員)事情聴取と見積書の確認に実効性があるとは思えない。やる気になれば、異なる数値でごまかすことは可能だと思う。調査の方法を考えるべきだ。
(回答)だまそうと思えば出来るというのは事実。やれる調査を実施し、談合の場合の指名停止の期間も厳しくしている。摘発されたらその会社の存続に関わるほど、全体的に抑止のための制度改革はしていますが…、メンバーを変えると悪用される恐れもあり、難しいです。
 
 報告3
(委員)入札参加者の数と山木の落札率は。
(回答)3つの工事の入札参加者は10社、7社、9社で、延べ26社で15社です。
    落札率は96.8%、96.7%、94.9%でした。
(委員)飛び抜けて低いわけではない。
(回答)特殊な工事で船がないと施工できないものです。条件付き一般競争で参加者を募りました。
(委員)福浜の入札結果は。
(回答)1件目が低い方から2番目、2件目は申込みなし、3件目は3番目でした。
(委員)30分ほど事情聴取した具体的な内容は。
(回答)相手は、代表者や役員の方などです。外部と接触しないように別室を用意しました。こちらは複数で対応し、相手は複数で来られても1名で対応してもらいました。
(委員)談合情報の内容によって、質問の内容が変わりますよね。相手の回答が信用に値するかどうかを判断するのが大事ということはわかりますが…。入札に参加する業者は事後公表ですよね。県職員も知ってはいるが…。
(委員)前の事例もそうですが、結果を踏まえて、情報提供者に当局として裏を取る権利はないのか。
(回答)聞くことはできますが、言うか言わないかは相手の問題もあり、聞いてません。
(委員)報告を受ける立場としては、コミュニケーションできない立場ですので、県当局が、県としてやることはやったと言われれば、我々委員もこれ以上言いようがない。
(回答)人員を増員し見積のチェックを入念に行ったり、入札参加者の事後公表など取り組みましたが、現状に満足しているものでもありません。正直、踏み切れない悩ましい状態で限界も感じている。
(委員)今回3件談合情報があって、かなりの確率で当たっている。予算の執行の問題もあるのでしょうが、もう少し時間を取って、情報の出所も含めて、会って聴くとかくわしく調査した方がいい。情報提供者と会うことはできないのか。相手は情報を教えたがっているのだから。
(回答)たぶん言わないだろうという先入観がありました。
(委員)談合防止という面でこの委員会が十分に機能しているとは言い難い、しかし、何かことがあれば、本委員会は責任を問われる立場にある。何とかしようと考えると、談合情報が入った件について、集中的に調べる方がいいのではないか。
    落札率の高さだけで談合の有無を判断するわけにはいかない。予定価格が事前に公表されているのだから、落札価格がそれに近づくのは自然で、予定価格が適正であれば、納税者の利益が損なわれているとは言えない。
    ところで、談合についてのこの委員会の役割はどのようなものか。
(回答)談合情報については、報告事項です。
(委員)報告事項であっても、この場の意見を受け、今後に生かしてほしい。
(回答)対応を改正する方向で検討します。
(委員)ぜひ、お願いしたい。入札の執行を決定したのは部長か。
(回答)事務所長です。建設行政グループや港湾グループと協議して決めました。
(委員)部の枠を越えて、警察を含め、横断的なプロジェクトチームを組織して対応するなどの道筋を作ってもいいのではないか。協力してやるべきだ。
    いつまでも同じではだめではないか。事情聴取など形式的になっていると思うし、いろいろな仕組みを考えるべきだと思う。
(回答)分かりました。
 
 
−以上−