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県議会定例会(令和元年12月)

印刷用ページを表示する 掲載日:2019年12月11日更新

令和元年12月福島県議会定例会知事説明要旨(令和元年12月11日)

 12月県議会定例会が開催されるに当たり、当面する重要な議案を提出いたしました。
 以下、そのあらましについて御説明いたしますが、それに先立ち、このたび、天皇陛下におかれましては、即位礼正殿の儀を挙行され、御即位を内外に宣明されたところであります。心からお祝いを申し上げます。
 次に、今般の県議会議員選挙におきまして、晴れて当選の栄誉に浴されました58名の議員の皆さんに、深く敬意を表し、お祝いを申し上げます。皆さんには、県民の代表者として、福島の復興と地方創生推進のため、大いに力を発揮されますよう期待を申し上げる次第でございます。

台風第19号とその後の大雨被害について

 はじめに、「台風第19号とその後の大雨被害」についてであります。
 このたびの災害の犠牲となられた方々に、深く哀悼の意を表しますとともに、被災された皆さんに心からお見舞いを申し上げます。
 また、消防、警察、自衛隊、国及び全国の自治体、さらには、ボランティアや義援金等をお寄せいただいた方々など、多くの皆さんの御支援に対し、深く敬意と感謝の意を表します。
 12月9日現在、死者32名、住家の全壊1,339棟、半壊11,222棟、一部損壊5,717棟、床上浸水2,611棟、床下浸水463棟となり、公共土木施設や農作物、農地の被害額につきましては、土木関係で1,389億円、農林水産業関係で636億円、さらに教育施設、文化財、工場、店舗、医療・福祉施設等でも大きな被害が確認されており、いまだ400名を超える方々が避難所生活を余儀なくされております。
 発災以降、県内各地を視察し、収穫を目前にして被災され、肩を落とされている農家の方、事業再開を諦め、途方に暮れておられる方、さらには、震災からようやく再起したところで再び被災し、心が折れそうになっている方の悲痛な声を伺うなど、大変厳しい状況を目の当たりにしてきました。そのため、一日も早い災害からの復旧や被災された方々の生活再建に必要な施策について、来県された内閣総理大臣及び関係閣僚はもとより、関係省庁に対して緊急要望を実施し、激甚災害と大規模災害復興法に基づく非常災害の指定につなげることが出来ました。
 また、被災自治体への職員派遣や避難所への保健師の派遣を始め、被災された方々への県営住宅等の提供、通学用代替バスの運行、さらには、国など関係機関と連携した、道路・河川等の公共土木施設や農地・農林業施設等の復旧を速やかに実施するとともに、災害廃棄物の処分については、県の基本的考え方を公表し、広域処理に向けた調整や市町村の処理計画策定等の支援をしてきたところであります。併せて、喫緊に必要な事業を行うため、10月31日には、439億1千7百万円となる一般会計補正予算第3号及び、1億9千6百万円となる工業用水道事業会計補正予算第1号を専決処分するなど、総力を挙げて対応してまいりました。
 こうした中、先月1日に開かれた国の非常災害対策本部会議に出席し、私から内閣総理大臣に対し、震災と原発事故からの復興途上にある本県特有の事情を説明し、手厚い支援策の必要性を訴え、翌週8日には、「被災者の生活と生業の再建に向けた対策パッケージ」が閣議決定されました。災害救助法による住宅応急修理制度の支援対象の拡大を始め、中小企業等へのグループ補助金の特別措置、営農再開への支援、観光需要喚起に向けた対策などが示されたことから、14日には、76億8千7百万円となる一般会計補正予算第4号を編成し、被災者に対する手数料等の免除に関する条例と合わせて専決処分を実施いたしました。
 さらに、先月26日には、私から直接、経済産業大臣へグループ補助金の要件緩和等について要請活動を行ったほか、今期定例会におきまして、被災者生活再建支援法の支援対象とならない半壊及び床上浸水の世帯に対し、生活再建に向けた県独自の支援金の給付など、災害関連の予算案を提出したところであります。
 今後とも災害調査の進捗や国の動向等を踏まえながら、被災された方々が、再び前を向いて歩み出せるよう、きめ細かく対応していくとともに、これまで国に要望してきた、被災者生活再建支援法による支援金の支給対象の拡大を、全国知事会等と連携し、引き続き強く求めてまいります。
 なお、今回の災害を受け、県災害対策本部の活動等について、住民の避難行動などを踏まえ、第三者を交えた委員会において検証することといたしました。更なる安全・安心を確保するため、災害対応の改善に向けた取組を進めてまいります。

東日本大震災からの復旧・復興について

 次に「避難地域の復興・再生」についてであります。
 本県は、震災から8年9か月を迎えた今もなお、避難指示区域が存在し、4万人を超える方々が避難生活を続けておられるなど、依然として有事の状況にあります。
 こうした中、先月7日には、経済産業大臣を始め、関係省庁に対し、来年度の予算確保や避難地域の復興・再生、被災者の生活再建、風評・風化対策、福島イノベーション・コースト構想の推進などについて、要請活動を実施してまいりました。
 また、今月9日開催された復興推進委員会において、「復興の基本方針」案が示され、復興・創生期間後の復興を支える仕組として大切な体制・制度・財源が示されました。これまでの要望をおおむね反映しており、本県の実情を踏まえたものと受け止めております。
 福島の復興は長い戦いであり、復興に向けた過程で新たに顕在化する課題や、必要となる事業などにもしっかりと対応する必要があります。引き続き、福島の復興・創生が実現するまで、国が前面に立って責任を果たすよう訴えてまいります。
 福島イノベーション・コースト構想につきましては、先月、今後10年程度の取組の方向性を示す、産業発展の青写真を国と共に整理したところであり、「福島浜通り地域の国際教育研究拠点に関する有識者会議」においては、中間とりまとめが公表されました。引き続き、国や関係団体と連携しながら、本構想を推進し、浜通り地域の再生と県全体の復興・創生につなげてまいります。

 次に、「環境回復」について申し上げます。
10月31日、福島第一原発と福島第二原発を視察してまいりました。第一原発では、廃炉作業が進む一方で、過酷事故であるが故に難しい作業が続いていることを改めて実感し、第二原発では、施設の構造や維持管理体制などについて確認してまいりました。
 二つの原発の全基廃炉が安全かつ着実に行われることが、福島の復興・創生の大前提であります。今後とも廃炉安全監視協議会による監視を継続し、国及び東京電力に対しては、緊張感を持って、安全を最優先に廃炉作業を進めるよう強く求めてまいります。
 また、中間貯蔵施設及び特定廃棄物の埋立処分事業につきましては、除去土壌等の搬入などが安全・確実に実施されるよう、引き続き関係町と連携して取り組んでまいります。

 次に、「産業政策」について申し上げます。
 福島ロボットテストフィールドにつきましては、9月に開所した研究棟に、会津大学など既に16の事業者の入居が決定をし、革新的な取組が始まっております。引き続き、研究開発の支援、産学官ネットワークの構築や地元企業との連携を図りながら、関連産業の育成・集積を進めてまいります。
 海外との連携強化につきましては、10月に訪問したドイツ・ノルトライン=ヴェストファーレン州において、再生可能エネルギー及び医療関連産業分野の連携をより一層強化することで合意するとともに、州首相から来年1月に福島を訪問したいとの意向が示されるなど、本県とのより強固な信頼関係を構築することが出来ました。
 また、風力発電産業の国際的な先進地域であるドイツ・ハンブルク州及びスペイン・バスク州との間においても、再生可能エネルギー分野で互いの強みをいかし、経済交流を強力に進めていくことで合意いたしました。
 今回の訪問で強化したネットワークを活用し、県内企業の海外進出や事業拡大を支援しながら、新たな産業の創出と既存産業の振興に取り組んでまいります。

 次に「風評・風化対策」について申し上げます。
 依然として各方面に風評が根強く残る中ではありますが、昨年度における日本酒を始めとする県産品輸出額が過去最高を記録したほか、本県への教育旅行を実施した学校数が、震災前の約9割まで回復し、延べ宿泊者数も7割を超えました。さらには、タイ王国から、平成17年以来となるチャーター便が来年2月から連続で運航されることが決定するなど、これまでの取組が成果となって現れております。
 10月のヨーロッパ訪問では、各国においてセミナーやレセプションを開催し、福島の正確な情報を発信するとともに、欧州委員会保健・食品安全総局長との会談では、本県の取組をしっかり理解していただくことができ、極めて重要な機会となりました。
 こうした取組を着実に積み上げる中、先月には、シンガポール、そして欧州連合及び欧州自由貿易連合加盟国において輸入規制緩和が発表され、今後、規制を続ける国や地域に大きな影響を与えるものと期待しております。
 また、国においては、先月更なる風評対策として「風評払拭イニシアティブfor2020」をとりまとめ、輸入規制撤廃、インバウンド誘客や復興の現状などの情報発信に取り組むことが示されました。引き続き、国や関係機関、さらには、福島に思いを寄せてくださる方々との共働を進化させながら、一つ一つ丁寧に取組を進めてまいります。

 次に、「県民の健康増進」について申し上げます。
 健康長寿への取組につきましては、これまで市町村長や企業トップを対象としたセミナーや、県内各地で健康フェスティバルを開催するなど、介護予防を始めとする健康づくりへの意識醸成を進めております。
 先日、99歳まで元気に暮らせるまちづくりを目指す、平均年齢75歳の郡山市のサークルを訪問し、身近なところから健康づくりに取り組むことが、地域活性化にもつながることを実感し、私も皆さんのすてきな笑顔から元気を頂きました。
 今後とも、こうした活動が全県に広がっていくよう、「食、運動、社会参加」を三本柱に、地域や職場におけるライフステージに応じた健康づくりをオール福島で推進し、全国に誇れる健康長寿県の実現に向け取り組んでまいります。

 次に、「農林水産業の再生」について申し上げます。
 本県農業を取り巻く環境は、厳しい状況が続いている一方で、先月には、県産の花きが、東京オリンピック・パラリンピックにおけるビクトリーブーケに採用されたほか、大手オンラインストアによる県産農林水産物の売上額が、昨年より約1か月早く14億円を突破し、さらに、今年度の新規就農者数が、平成27年度以降5年連続で200名を超えるなど、明るい話題が増えております。
 先日、浜通りの被災地でICT農業に取り組む事業者を訪問した際、若手社員が「古里が大好きなので、農業で地域を活性化させたい」と語ってくれた姿に心を打たれました。今後とも、意欲ある若者が夢を持ち続けられるよう、スマート農業導入の支援など、産地の生産力・競争力の強化を進めてまいります。
 水産業につきましては、海産魚介類の出荷制限の対象魚種が一種類のみとなり、県漁連において、本格操業に向けた議論を開始する方針が示されるなど、再生への歩みが着実に前進しております。引き続き、県産水産物のおいしさと安全性の発信や、高品質化と適切な資源管理を図る、「ふくしま型漁業」の実現に取り組んでまいります。

 次に、「子ども・若者育成」について申し上げます。
 第72回全日本合唱コンクール全国大会において、郡山高校及び郡山第五中学校が文部科学大臣賞受賞という日本一の快挙を達成しました。
また、県内高校においては、GAP認証取得に積極的に取り組み、11月末現在で、認証取得した高校数が全国最多の10校となり、中でも福島明成高校がJGAPを取得した品目数で、さらに岩瀬農業高校がグローバルGAPを取得した品目数で全国の高校の頂点に立つなど、目覚ましい活躍を見せております。
 このように、仲間たちと想いを一つにして目標に向かって進む姿は、複合災害からの復興を目指す私たちを大いに勇気付けてくれております。引き続き、子ども・若者たちが、自ら考え、自らの未来を切り拓いていけるよう、充実した教育環境の整備に努めてまいります。

 次に「インフラ等の整備」について申し上げます。
 今回の台風第19号を始め、数十年に一度と言われるような甚大な災害が毎年発生しております。「防災・減災、国土強靱化のための3か年緊急対策」を着実に進めるとともに、引き続き強力かつ継続的に推進するため、必要となる予算・財源を安定的に確保するよう、全国知事会等と連携して、国に求めてまいります。
 JR只見線につきましては、「おいしさ満載。絶景!只見線」をキャッチフレーズに、列車と連携した奥会津を周遊するバスの運行など、路線に新たな魅力を加え、地域への誘客につなげる取組をJR東日本と連携して展開しております。今後とも、令和3年度中の全線再開を目指し、地元自治体や関係団体と連携を密にしながら、利活用促進に取り組んでまいります。

 次に、「次期総合計画の策定に向けた取組」について申し上げます。
 現在、総合計画審議会及び策定検討部会において、議論を深めているところであります。
 10月からは、県民の皆さんにとって身近な計画となるよう、将来を担う子ども・若者たちとの対話型ワークショップの開催や、市町村長との意見交換を実施しております。引き続き、幅広く意見を伺い、県民一人一人が豊かさや幸せを実感できる持続可能な県づくりを目指し、新たな総合計画の策定作業を進めてまいります。

地方創生・人口減少対策について

 次に、「地方創生・人口減少対策」について申し上げます。
 本県は、震災以降、18万人を超える人口が減少しました。また、先日、人口ビジョンの更新案を公表いたしましたが、出生数の減少などにより、今後も減少傾向が続くものと想定されます。
 人口減少は、今後の復興のみならず、地域コミュニティの存立にも影響を及ぼしかねない深刻な状況にあります。そのため県では、少子化対策はもとより、地域の活力を維持するため、地域や住民の方々との多様なつながりを強くするなど幅広い施策を展開しております。
 今月に開催する「ふくしま大交流フェスタ」や「30歳の大同窓会」など首都圏との交流イベントを始め、首都圏にお住まいの方を対象とした県内企業等での就業体験や、地域づくりに携わる方との交流など、両地域を結び付け、福島に可能性を感じていただける方を増やす取組を積極的に実施しております。
 今後とも、本県にゆかりのある方々とのきずなを大切にしながら、より多くの皆さんが福島とつながっていただくための新しい人の流れを創出するなど、移住・定住を進める人口減少対策に全力で取り組んでまいります。

東京オリンピック・パラリンピック大会に向けた取組について

 次に、「東京オリンピック・パラリンピック大会に向けた取組」について申し上げます。
10月に、国際オリンピック委員会のバッハ会長を訪問し、準備状況や震災からの復興状況等について、直接お伝えしてまいりました。会長からは、本県の取組を評価していただくとともに、再び福島を訪れたいとの御言葉を頂きました。
 また、10月28日に開催した東京2020オリンピック聖火リレーふくしま実行委員会において、本県実行委員会枠の66人の聖火ランナー候補者を選定し、組織委員会へ名簿を提出したところであり、年内にも決定されることとなっております。
 引き続き、復興五輪の成功に向けて、組織委員会等、関係機関との連携を更に密にし、オール福島の体制でしっかりと準備を進めてまいります。

提出議案等について

 複合災害からの復興途上にある中での台風・大雨災害という厳しい状況にあっても、地域の皆さんが助け合う姿や、県内外から駆けつけた多くのボランティアの方々が、泥まみれになって活動されている姿を拝見し、私は、胸が熱くなるとともに、未来への希望を感じとることが出来ました。
 特に、県内各地で高校生を始めとした若者たちが、自主的に立ち上がり、住宅の泥のかき出し作業などに懸命に取り組む姿は、被災された方々を元気付け、大きな手助けとなっており、私は大変心強く、誇らしく感じました。こうした行動は、これまで、復興・創生に取り組む中で、国内外から頂いてきた温かい御支援に対する感謝の思いから培われたものであり、福島の新たな力、強いきずなの象徴となっております。
 東京オリンピック・パラリンピックのビクトリーブーケに採用されたトルコギキョウの花ことばは「希望」、そして「感謝」であり、この言葉は、今の福島にとって正に大切な意味を持っております。
 福島県は、今回の災害により、二重、三重の被害を受け、被災された方々は、心が折れてしまいそうな状況にありました。しかしながら、私たちは、この8年9か月の間、一歩一歩復興を進めてきた過程で、危機を「希望」に変え、国内外からの温かい御支援に対する「感謝」の思いを胸に、どんな困難も克服できる力を育んでまいりました。これからも、私が先頭に立ち、何としても復興を成し遂げるという強い思いを持って、「チャレンジ県ふくしま」の力を結集し、次の世代が誇りを持てる新生ふくしまの創造を目指して、全力で挑戦を続けてまいります。

 提出議案について御説明申し上げます。
 令和元年度一般会計補正予算案につきましては、台風第19号等による災害からの復旧や生活再建に向けて緊急に措置すべき経費などを計上いたしました。
 これによる一般会計補正予算の総額は、599億3千3百万円となり、本年度予算の累計は1兆5,885億2千4百万円となります。
 特別会計等補正予算案につきましては、福島県国民健康保険特別会計など6会計につきまして、それぞれ所要の経費を計上いたしました。
 その他の議案といたしましては、条例が「福島県税条例の一部を改正する条例」など17件、条例以外の議案が「当せん金付証票の発売について」など36件で、いずれも県政執行上重要な案件であります。
慎重に御審議の上、速やかな御議決をお願い申し上げます。

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