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県議会定例会(令和2年12月)

印刷用ページを表示する 掲載日:2020年12月2日更新

令和2年12月福島県議会定例会知事説明要旨(令和2年12月2日)

 12月県議会定例会が開催されるに当たり、当面する重要な議案を提出いたしました。
 以下、そのあらましについて御説明いたしますが、それに先立ち、県政に関する当面の諸課題について所信の一端を述べさせていただきます。

新型コロナウイルス感染症対策について

 はじめに「新型コロナウイルス感染症対策」について申し上げます。
 新型コロナウイルス感染症につきましては、11月以降、国内最多の新規感染者が報告されるなど、増加傾向が強まりを見せております。特に、北海道や首都圏、関西圏、中部圏等の都市部を中心に、連日、多くの新規感染者が確認されており、急速に全国的な感染拡大が進んでいる状況にあります。こうした中、政府においては、札幌、大阪両市における「Go To トラベル」事業の一時停止や利用の自粛要請を行うとともに、感染拡大防止に向けた自治体支援等を決定いたしました。また、感染が拡大している都道府県では、飲食店等に対し、営業時間の短縮や休業を要請するなど、短期間に集中して感染拡大を抑制する取組が進められております。
 福島県においても、10月に135名の感染者が確認され、1か月間では過去最多を記録するとともに、11月には、県内で最多の人数となるクラスターが発生し、その後も感染者が断続的に確認されるなど、いつどこでクラスターが発生してもおかしくない状況が続いております。
 特に、今後は、冬場の感染拡大やインフルエンザの同時流行に備えることが極めて重要であることから、改めて、県民の皆さん、事業者の皆さんには、基本的な感染症対策の徹底や、政府の感染症対策分科会が示した感染リスクが高まる「5つの場面」に加え、冬の期間における対策を十分に講じていただくようお願いするとともに、県においても、引き続き、医師会等関係機関の御協力を頂きながら、感染状況等の継続的な監視や、現在、順次指定を進めている診療・検査医療機関の充実を図るなど、相談・診療・検査体制をより一層強化し、状況に応じた感染症対策を速やかに講じることとしております。
 今後とも、新型コロナウイルスの感染拡大防止と、社会・経済活動の維持、回復の両立という大変難しい課題を乗り越えるため、国、各都道府県、市町村を始め、医療関係者、経済界など、関係機関と連携しながら、県の総力を挙げて取り組んでまいります。

東日本大震災からの復旧・復興について

 次に、「避難地域の復興・再生」についてであります。
 今年に入り、「道の駅ならは」の全面再開を始め、「道の駅なみえ」、「双葉町産業交流センター」がオープンし、地元産の懐かしい食や品々に多くの方が集い、にぎわいを見せております。避難地域において、こうした情報発信や交流の拠点が整備され、地域の魅力と元気をPRすることにより、地元の皆さんのきずなを深める場となることはもとより、周遊観光の振興や交流人口の拡大が図られ、避難地域全体の活性化につながるものと期待されるところであります。
 9月26日に、菅総理が就任後初となる地方視察で、本県を訪問されました。当日は、福島第一原発や東日本大震災・原子力災害伝承館、ふたば未来学園を視察され、これまでの復興に向けた歩みや本県が置かれている現状を改めて理解していただくとともに、ふたば未来学園の生徒の説明を通して、福島の未来を感じていただけたものと考えております。
 一方で、間もなく震災から9年9か月を迎える今もなお、3万7千人もの県民が避難生活を続けておられるほか、復興のステージが進むにつれて新たな課題も生じております。
 こうした中、6月の国への提案・要望活動を皮切りに、8月末に開催された福島復興再生協議会における各大臣への要望など、あらゆる機会を捉えて、私自身が直接、令和3年度の予算化と制度の充実を求めてまいりました。その結果、国の概算要求において、おおむね本県の要望を踏まえる形で御対応いただいたところであり、先月11日には、こうした要望が確実に年末の政府予算案等に盛り込まれるよう、国際教育研究拠点の新設を始め、第2期復興・創生期間における対応など、特に重要な項目を中心に、国に対し緊急要望活動を実施してまいりました。福島の復興はいまだ途上であり、長い時間を必要とします。引き続き、切れ目なく安心して福島の復興・創生を進めていくため、第2期復興・創生期間の初年度である令和3年度予算の確保に全力で取り組んでまいります。

 次に、「環境回復」について申し上げます。
 先月6日に、福島第一原発を視察し、1・2号機の排気筒の様子、防潮堤の設置、さらにはメガフロートの移設整備など、この一年間で廃炉が着実に前へと進んでいる状況を確認してまいりました。一方で、福島第一原発の廃炉作業は、燃料デブリの取り出しを始め、多くの困難な課題を抱えており、廃炉に向けた取組が、長く険しい道のりであることを改めて実感したところであります。福島第二原発も含め、廃炉作業が安全かつ着実に行われることが、福島の復興・創生の大前提であることから、今後とも、廃炉安全監視協議会などを通して、国及び東京電力が責任を持って、こうした難しい課題の解決に取り組むようしっかりと確認してまいります。
 トリチウムを含む処理水の取扱いにつきましては、これまでも機会を捉え、正確な情報発信に取り組むとともに、具体的な風評対策を示すよう、国と東京電力に求めてまいりました。このような中、県内外で開催された関係者からの意見を伺う場や書面による意見募集において、それぞれの立場から様々な意見が出されているところであり、引き続き、国の責任において、こうした様々な意見等を踏まえながら、県民はもとより、国民の理解が十分に深まるよう丁寧な説明を行うとともに、慎重に対応方針を検討するよう求めてまいります。

産業政策について

 次に、「産業政策」について申し上げます。
 新型コロナウイルス感染拡大により、国内外で多くの展示会等が中止を余儀なくされる中、創意工夫しながら、今年も、再生可能エネルギーや医療、ロボット、航空宇宙関連などの産業フェアを開催いたしました。オンラインでの開催や会場内において感染症対策を徹底する中で、ウェブを活用したセミナーやビジネスマッチングを行うなど、新たな取組に対し、出展や来場いただいた多くの方々から、好評を頂いたところであります。引き続き、あらゆる手段を講じながら、新産業の創出を進めてまいります。
 福島ロボットテストフィールドにつきましては、資格取得のための講習会や試験会場としての活用、総務省消防庁等との連携協定締結など、認知度の向上とともに幅広く利活用いただくための動きが拡大しております。引き続き、福島イノベーション・コースト構想の中核拠点として、県内企業にも積極的に活用いただくとともに、国内外から最先端の企業や研究者を呼び込むことにより、メードイン福島の革新的な技術や製品が生み出されるよう、関連産業の育成・集積に取り組んでまいります。
 新型感染症の影響により落ち込んだ県内産業は、一部に持ち直しの動きが見られるものの、依然として厳しい状況が続いております。引き続き、関係の皆さんと連携しながら、サプライチェーンの強化等による事業継続・雇用維持への更なる支援を行うほか、対象を拡大した宿泊割引の期間延長などにより、県内経済の再生に力を尽くしてまいります。

風評・風化対策について

 次に、「風評・風化対策」について申し上げます。
 風評払拭と風化防止に向けては、実際に福島に来ていただいて、本県の今の姿や魅力を見て、聞いて、感じていただくことが大変重要であります。こうした中、ホープツーリズムを組み込んだ修学旅行や企業の研修が行われるなど、県内外の様々な地域からお越しいただいているところであります。引き続き、関係機関や地域の方々と連携しながら、9月に開館した東日本大震災・原子力災害伝承館等の拠点施設を活用するなど、福島の現状について理解を深めていただくホープツーリズムの推進を強化してまいります。
 今年度は新型感染症の影響により、リモートでのトップセールスやPR動画を中心に、県産品のおいしさをお伝えしてまいりましたが、10月末には、県内量販店のお力添えを頂き、旬を迎えた県産品の魅力を直接PRしてまいりました。創意工夫をしながら、リモートなどの新たな取組を行うことも重要ではありますが、今回のトップセールスを通して、私自身が直接、消費者の皆さんにお会いしてPRすることが何よりも大切であり、伝わる力も大きいことを改めて実感したところであります。引き続き、関係の皆さんの御協力のもと、あらゆる手段を活用しながら、福島の様々な魅力が広く伝わる取組を進めてまいります。

東京オリンピック・パラリンピック大会に向けた取組について

 次に、「東京オリンピック・パラリンピック大会に向けた取組」について申し上げます。
 東京オリンピックにつきましては、大会組織委員会から延期後の日程等が発表され、従来の計画通り、あづま球場における野球・ソフトボール競技の開催と、復興のシンボルであるJヴィレッジからの聖火リレーのスタートが決定されたところであり、大会の成功に向けて、本県は引き続き、大きな役割を担うことになりました。
 改めて、この重責に応えられるよう決意を新たにしたところであり、大会の成功はもとより、これまで国内外から頂いた多くの御支援に対する感謝の思いと復興が進んでいる福島の姿の発信に向けて、しっかりと準備を進めてまいります。

県民の健康増進について

 次に、「県民の健康増進」について申し上げます。
 健康長寿への取組につきましては、県民の皆さんお一人お一人が、健康の大切さに気づき、生活習慣の改善を進めていただくため、「食」、「運動」、「社会参加」を柱に、身近なところから始めることが出来る様々な取組を、県民運動と一体となって展開しております。
 こうした中、新型コロナウイルス感染症の影響による生活環境の変化等に伴い、県民の皆さんの心身の健康悪化が懸念されており、今後は、新しい生活様式を取り入れた健康づくりの取組が大変重要となります。このため、10月末には、健康長寿ふくしまトップ会談を開催し、新しい生活様式に対応した健康づくりの在り方を発信するとともに、ウィズコロナの状況の中でも実践できるウォークビズPR動画を制作し、先月から配信しております。引き続き、関係の皆さんの御協力を頂きながら、出来ることから一歩ずつ踏み出していただけるよう、県民の皆さんの健康増進に向けた取組を進めてまいります。
 福島県立医科大学の保健科学部の設置につきましては、10月23日付けで国から認可されたところであります。新学部の開設により、既存の医学部、看護学部と合わせ、福島県の地域医療や災害医療の確保、県民の皆さんの健康増進に一層貢献することが期待されるところであり、引き続き、県立医科大学と連携しながら、全国に誇れる健康長寿県を目指してまいります。

農林水産業の再生について

 次に、農林水産業の再生について申し上げます。
 本県農林水産業を取り巻く環境が依然として厳しい状況にある中、9月のモロッコに続き、先月にはエジプトでも福島県産食品の輸入規制が撤廃されました。これにより、規制を設けている国・地域は、原発事故後の54から18に減少いたしました。科学的な根拠に基づく県産農林水産物の安全性を評価していただいたものと受け止めており、引き続き、関係機関等と連携しながら、安全性はもとより、品質の高さやおいしさを発信し、更なる規制の緩和・撤廃と輸出促進につなげてまいります。
 先月、福島県のトップブランド米である「福、笑い」を広く知っていただくため、プレデビューイベントを開催し、期間と店舗を限定した先行販売を開始いたしました。「福、笑い」は、生産者の高い技術や情熱を始め、各分野の第一線で御活躍されている多くの方々に御協力を頂いた、「ふくしまプライド。」が詰まった特別なお米であります。今後とも、「福、笑い」の名前の通り、みんなが笑顔になり、幸せになるよう、そのおいしさや魅力を積極的に発信してまいります。
 新型コロナウイルス感染症の影響につきましては、現在、回復基調にあるものの、米については、外食等の需要減少により、次年度に向けても更なる米価下落の懸念が高まっております。引き続き、影響の把握に努めるとともに、農林漁業者の経営安定化に向けた支援や、影響が大きい品目等の需要拡大に全力で取り組んでまいります。

子ども・若者育成について

 次に、「子ども・若者育成」について申し上げます。
 東京オリンピック・パラリンピックにおけるホストタウンの活動を通して、福島の子ども・若者と世界各国との交流が広がりを見せております。10月に開催された橋本大臣との意見交換会の中で、市町村長の皆さんから各ホストタウンの取組について御紹介があり、相互交流を始め、授業や学校給食などを通して、それぞれの国の文化や習慣に親しみ、理解を深める取組がなされております。こうした地域間の交流は、福島の未来の主役である子ども・若者が自らの夢や希望を叶え、世界に羽ばたいていくためにも大変重要であると実感したところであり、引き続き、市町村や関係の皆さんと連携を密にしながら、福島の次代を担う子ども・若者の育成にしっかりと取り組んでまいります。

インフラの復旧等について

 次に、「インフラの復旧等」について申し上げます。
 公共インフラにつきましては、10月に、小名浜港の東港地区において大型岸壁が完成し、大型船舶の初入港を記念して、小名浜港国際バルクターミナル供用式を開催いたしました。今回のターミナルの整備により、物流の効率化が図られ、地域産業の活性化に大きく貢献するものと考えております。引き続き、令和3年度の整備完了を目指すとともに、広域的な物流拠点として更に発展するよう、港湾の整備をしっかりと進めてまいります。
 10月末には、令和元年東日本台風による被害で不通となっていた阿武隈急行の富野駅・丸森駅間が開通し、約1年ぶりに全線での運行が再開されました。引き続き、地元自治体と連携しながら、地域住民の生活交通の確保と利用促進に取り組んでまいります。

地方創生・人口減少対策について

 次に、「地方創生・人口減少対策」について申し上げます。
 福島県は、出生数の減少や若者の県外流出などにより、依然として人口減少が続いております。こうした中、令和元年度における移住相談件数の調査結果が公表され、本県への相談については、昨年度を上回り全国で6番目に多い件数となりました。相談に来られる方にとっては、窓口での相談がUIターンへの第一歩であり、これらを実際の移住・定住につなげていくためには、オンラインの活用も含め、それぞれの意向に応じたきめ細かな対応や積極的な支援が大変重要であります。
 また、今般の新型コロナウイルス感染症の影響により、地方での生活に関心が高まる中、これまで転入超過となっていた東京都において、4か月連続で転出超過となりました。こうした中、東京一極集中を是正し、人、企業、経済活動の地方分散を進める動きが広がりを見せており、先月開催された北海道・東北官民トップ会合などにおいても、地方分散に向けて、様々な議論がなされたところであります。
 こうした流れを地方創生を進める好機と捉え、福島を新たな生活や仕事の場として選んでいただくため、先月には、「福島くらし&しごとフェア」や「30歳の大同窓会」をオンラインで開催したほか、本県の豊かな自然環境を発信することにより、交流人口の拡大やワーケーションの促進等を図るため、ふくしまグリーン復興推進協議会を設立したところであります。引き続き、こうした取組を通して、新たな流れを的確に捉えながら、地方創生・人口減少対策に力を尽くしてまいります。

 先日、県外の小学校の教頭先生から、心温まる御手紙を頂きました。その中には、幾度も下見を重ねながら、「見て、触れて、感じよう、福島の心、自然、文化」をテーマに、1泊2日で初めて福島へ修学旅行に行ったこと、福島県の皆さんの苦労や努力、そしてたくましさを学び、福島に住む皆さんの温かさに触れたこと、未来を創る子どもたちにとって価値ある修学旅行となり、更に考えを深め、発信していきたいといったことが、丁寧に書かれておりました。
 私はこの御手紙を拝見して、改めて、福島に来て、見て、感じていただくことの重要性、丁寧に正確な情報を発信し続けることの大切さ、そして何よりも、風化が叫ばれている中で、今もなお、福島を応援してくださる方々が数多くいらっしゃることを実感したところであります。
 今後とも、こうした福島に心を寄せてくださる方々のお力をお借りしながら、全庁一体となって、福島の今と様々な魅力が広く伝わる取組を進め、福島の未来を創るため、全力で挑戦を続けてまいります。

提出議案について

 提出議案について御説明申し上げます。
 令和2年度一般会計補正予算案につきましては、新型コロナウイルス感染症対策として、医療従事者への慰労金や手当金、医療機関において院内感染が発生した場合の経営支援、福島空港の利活用促進、宿泊割引への支援の継続、そのほか、オンラインストアを活用した農林水産物の販売促進、感染症の影響を踏まえた事業の見直しに伴う減額補正などを計上いたしました。
 これによる一般会計補正予算の総額は、143億4千1百万円となり、本年度予算の累計は、1兆5,869億6千2百万円となります。
 特別会計等補正予算案につきましては、福島県国民健康保険特別会計など6会計につきまして、それぞれ所要の経費を計上いたしました。
 その他の議案といたしましては、条例が「福島県森林環境税条例の一部を改正する条例」など10件、条例以外の議案が「当せん金付証票の発売について」など41件で、いずれも県政執行上重要な案件であります。
 慎重に御審議の上、速やかな御議決をお願い申し上げます。

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