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県議会定例会(令和4年9月)

印刷用ページを表示する 掲載日:2022年9月20日更新

令和4年9月福島県議会定例会知事説明要旨(令和4年9月20日)

 9月県議会定例会が開催されるに当たり、当面する重要な議案を提出いたしました。
 以下、そのあらましについて御説明いたしますが、それに先立ち、県政に関する諸課題等について所信の一端を述べさせていただきます。

任期中を振り返って

 県民の皆さんから福島の復興と地方創生という大変重い負託を頂き、二期目の福島県政をお預かりしてから、間もなく4年の歳月が経過しようとしております。
 この間、本県は、令和元年東日本台風等災害を始め、新型コロナウイルスの感染拡大、さらには昨年、今年と二度にわたり、福島県沖を震源とする地震被害に見舞われるなど、度重なる困難に直面してまいりました。
 県内に甚大な被害をもたらした令和元年東日本台風等災害では、被災された方々の生活再建に向け、県独自の支援金制度を設けたほか、グループ補助金等による生業再生の支援、緊急水災害対策プロジェクトの推進など、災害からの早期復旧と総合的な防災・減災対策の強化に取り組んでまいりました。
 新型コロナウイルス感染症については、いまだ現在進行形であり、県民の皆さんの命と暮らしを守るため、検査体制の拡充や医療提供体制の強化、ワクチン接種の促進、積極的な需要喚起策の実施など、感染拡大防止と地域経済の維持・再生に県の総力を挙げて取り組んでいるところであります。
 また、二期目においても、現場主義の理念の下、県内各地に足を運び、市町村長や県民の皆さんの切実な思いを直接受け止めながら、それらを着実に県政へ反映させるとともに、あらゆる機会を通じて、本県の厳しい現状や課題を、国や東京電力に強く訴えてまいりました。
 その結果、復興庁設置期限の10年間延長や東日本大震災復興特別会計の継続等、第2期復興・創生期間を支える体制・制度・財源が確保されたほか、福島第二原発の廃止決定、特定復興再生拠点区域外の避難指示解除に向けた方針が示されるなど、本県の復興は新たなステージへと移行いたしました。
 さらに、二度にわたる地震被害に見舞われた際も、国に対し、三重、四重の困難を抱える本県の現状を強く訴えたことにより、グループ補助金の特例措置や半壊家屋の解体支援など、特例的な支援の実現に結び付けることができました。
 一方で、福島が抱える課題は、時間の経過に伴って複雑化・多様化しており、それら課題に対応するため様々な挑戦を続けてまいりました。
 東日本大震災及び原発事故からの復興・再生においては、双葉町や大熊町、富岡町、葛尾村の帰還困難区域の一部で避難指示が解除され、中間貯蔵施設への除去土壌等の搬入についても、帰還困難区域を除き、昨年度末までにおおむね完了したほか、JR常磐線の全線運転再開、相馬福島道路の開通など、復興を支えるインフラの整備も着実に進展いたしました。
 また、福島ロボットテストフィールドや福島水素エネルギー研究フィールドを始めとした、本県の復興をけん引する拠点施設が開所するとともに、東日本大震災・原子力災害伝承館の開館、さらには県内の高校生による語り部活動の実施など、複合災害の記録と教訓を後世につなぐ取組も進めてまいりました。
 昨年3月には、福島復興のシンボルであるJヴィレッジから東京五輪の聖火リレーがスタートし、7月には、あづま球場で野球・ソフトボール競技が行われました。
 東京五輪については、かねてから食材供給を目標の一つに掲げ、認証GAPの取得に力を入れてきた結果、取得件数が国内トップクラスとなり、選手村等においても県産農産物を活用いただくことができました。
 海外チームの監督や選手の皆さんからは、福島の食材に対する高い評価を頂き、それがメディアを通じて国内外に広く配信されるなど、本県の魅力の発信につながったと実感しております。
 こうした取組の積み重ねにより、昨年度は県産農産物の輸出量が過去最高を更新するとともに、本県のトップブランド米「福、笑い」が本格デビューを果たし、好評を博すなど、その品質の高さや安全性が着実に浸透しております。
 また、悪化傾向にある健康指標の改善に向けては、関係団体と共に「健康長寿ふくしま会議」を立ち上げ、食・運動・社会参加を三本柱に、ベジファーストやウォークビズの普及拡大、健民アプリによる運動機会の動機付けなど、様々な取組を展開してまいりました。
 さらに、医療・保健・福祉の充実を図るため、「障がいのある人もない人も共に暮らしやすい福島県づくり条例」及び「福島県手話言語条例」を制定し、共生社会の実現に取り組んできたほか、昨年4月には、県立医科大学保健科学部を開設し、高度な知識と技術を兼ね備えた医療従事者の育成・確保に努めているところであります。
 世界的に関心が高まっている地球温暖化対策につきましては、昨年2月に「福島県2050年カーボンニュートラル」を宣言し、本年5月には、削減目標や具体的な対策を示したロードマップを策定するなど、全県一体となった取組を進めております。
 震災以降、急速に進む人口減少への対応につきましては、今般の新型感染症により、地方分散の動きが広がりを見せていることから、これを好機と捉え、福島ならではの暮らしや魅力の発信等に取り組んできた結果、移住世帯が大幅に増加し、昨年度は過去最高を記録いたしました。
 本年度からは新しい総合計画もスタートし、本計画に基づき数値目標を着実に達成していくことで、急激な人口減少に歯止めをかけながら、全ての地域が輝く県づくりを進めてまいる考えであります。
 このように、本県の復興と地方創生は着実に進んでおりますが、依然として私たちの目の前には高く険しい壁が立ちはだかっています。
 そのような中、3月の地震で被害を受けた小学校を訪問した際、ある印象的な光景を目にしました。卒業式を間近に控えた校舎は甚大な被害を受けておりましたが、子どもたちが歩く通路だけは装飾が施され、地震の被害を感じさせないよう配慮されていました。こうした光景は、他の学校でも見られ、いずれも学校や地域の方々が、「子どもたちの門出を明るい気持ちで迎えさせてあげたい」との一心で取り組まれたと伺いました。
 どんなに苦しい状況にあろうとも、私たち福島県民は、誇りを失うことなく、何度でも立ち上がる「ふくしまプライド。」を持ち続けています。私は、そのような県民の皆さんと共に、何としてもこの逆境を乗り越え、県民の皆さんの笑顔を取り戻すため、先頭に立って福島の未来を切り拓いてまいる決意であります。
 次に、当面する県政の諸課題について申し上げます。

新型コロナウイルス感染症対策について

 はじめに、「新型コロナウイルス感染症対策」についてであります。
 8月に入り、一日当たりの新規陽性者数が過去最多を更新するなど、本県の医療提供体制は危機的な状況を迎えました。
 このため、先月12日に「福島県医療非常事態宣言」とともに、「BA.5対策強化宣言」を兼ねた「福島県感染拡大警報強化版」を発出して対策に取り組んでまいりましたが、新規陽性者数が減少し、確保病床使用率も宣言発出の目安となる50%を下回ったことなどから、昨日で終了し、本日から基本対策へと移行いたしました。今後も気を緩めることなく、基本的な感染防止対策の徹底を図ってまいります。
 一方で、長引く新型感染症の影響と、原油価格、物価高騰のあおりを受け、県内経済は厳しい状況が続いております。そのため、地域の小売店等で使用できるプレミアム付き電子商品券を新たに発行することとし、9月26日から受付を開始するほか、宿泊割引事業等を継続実施することで、感染拡大防止と地域経済の維持・再生の両立に努めてまいります。

東日本大震災からの復旧・復興について

 次に、「避難地域の復興・再生」についてであります。
 先月末、全町避難が続いていた双葉町の一部で避難指示が解除されました。今月からは浪江町で準備宿泊が実施されており、今週23日には飯舘村においても開始される予定であります。
 こうした中、先月開催された福島復興再生協議会では、国に対し、福島イノベーション・コースト構想の推進や、風評払拭・風化防止対策の強化など、本県の復興を更に加速させるために必要な予算の確保等を求めてまいりました。
 その結果、国の概算要求において、おおむね本県の要望を踏まえた内容が示され、先般改定された福島復興再生基本方針においても、福島国際研究教育機構の設立や特定復興再生拠点区域外における取組など、本県の復興を進める上で重要な項目が盛り込まれたところであります。
 福島国際研究教育機構につきましては、先月末に「新産業創出等研究開発基本計画」が策定され、機構が中核を担う研究開発や、その産業化、人材育成等について、国が総力を挙げて推進していくことが示されました。
 機構の立地場所につきましては、9市町から御提案を頂き、現地調査やヒアリングを行った上で慎重に検討を重ねた結果、本施設の候補地として浪江町・川添地区を、仮事務所候補物件として浪江町・権現堂地区公有施設を県から提案し、先週16日に国の復興推進会議で決定されたところであります。機構が地域と結びつき、その効果が浜通り、さらには県内全域に波及するよう、国、市町村、関係機関等と連携しながら取組を進めてまいります。

 次に、「環境回復」について申し上げます。
 福島第一原発・第二原発の廃炉につきましては、第一原発1号機の原子炉圧力容器を支える土台の損傷や、2号機における燃料デブリの取り出し延期など、県民の皆さんに不安を与える事象が発生していることから、引き続き、廃炉作業が安全かつ着実に実施されるよう、東京電力の取組をしっかりと確認してまいります。
 また、ALPS処理水の取扱いにつきましては、先月2日、東京電力に8項目の要求事項等を付した上で、ALPS処理水の希釈放出設備等の新設に係る事前了解を行いました。
 その翌日には、経済産業大臣に対し、事前了解時に示した要求事項等が確実に実施されるよう指導することを求めたほか、国が前面に立ち、関係者に丁寧かつ十分な説明を重ね、理解が深まるよう取り組むこと、さらには農林水産業を始めとする幅広い事業者が、将来に向け安心して事業を継続していけるよう、断固とした決意を持って万全な風評対策に取り組むことなどを要望してまいりました。
 今後とも国及び東京電力においては、この問題が福島だけでなく日本全体の問題であることを強く認識した上で、基本方針や行動計画に基づき、万全な対策を講じながら、最後まで責任を全うするよう、あらゆる機会を通じて強く求めてまいります。

 次に、「産業政策」について申し上げます。
 先般、本県で研究開発が進められている水素関連技術を活用した未来のまちづくりに向け、来年1月から燃料電池小型トラックによる県内スーパーや大手コンビニ等への配送を中心とした、水素の社会実装を開始することが決定いたしました。こうした取組は全国初の試みであり、今後も関係事業者等と連携しながら、復興の加速化やカーボンニュートラルに寄与する水素社会の実現に向け、積極的に挑戦を続けてまいります。

 次に、「風評・風化対策」について申し上げます。
 6月の英国に続き、7月にはインドネシアにおいて日本産食品の輸入規制が撤廃されました。これにより、震災後、55の国と地域で行われていた輸入規制は、12の国と地域にまで減少し、東南アジアにおいては全ての国で輸入規制が撤廃されました。
 こうした流れを更に加速させるべく、7月に都内で各国の駐日大使等を招き、県産品の安全性等をPRしたほか、先月には東南アジア5か国において、県産桃の販売とプロモーション活動を展開し、海外での販売強化を図ったところであります。
 また、今月1日から19日までの間、都内において「東京都心まるごとふくしまウィーク」を開催し、ふくしまの酒まつりを始め、様々なイベントを集中的かつ切れ目なく実施することで、本県の正確な情報や県産品の魅力等を強力に発信することができました。今後も、あらゆる機会を活用しながら風評の払拭と風化の防止に力を尽くしてまいります。

 次に、「農林水産業の再生」について申し上げます。
 今夏より、約3年振りとなる県産農産物のトップセールスを再開いたしました。東京、大阪などの大消費地や県内の直売所等を訪問し、「ふくしまプライド。」がぎっしり詰まった生産者自慢の逸品をお届けすることができました。
 さらに、大手オンラインストア3社と連携し、降ひょう被害で形が不揃いな桃などを御自宅用として販売するコーナーを設けたほか、肥料や資材等の高騰で影響を受けている生産者の方々を支援するため、県産農林水産物の販売を促進するキャンペーンを展開しております。今後も様々な手段を通じて県産品の魅力を力強く発信し、販路拡大を図ってまいります。
 また、JAグループと連携して進めている「ふくしま。GAPチャレンジ」につきましては、消費者の理解促進と購入機会の更なる拡大を図るため、7月に統一ロゴマークを作成し、対象商品への表示を開始するとともに、県内の大手スーパーにおいてGAPフェアを開催いたしました。今後も更なる認証取得を推進し、県産農林水産物のブランド力向上と産地競争力の強化に努めてまいります。

 次に、「子ども・若者育成」について申し上げます。
 先般、ふたば未来学園中学校バドミントン部が男子団体で全国優勝を果たし、聖光学院高等学校も夏の全国高等学校野球選手権大会でベスト4に入るなど、本県の子どもたち、若者たちが目覚ましい活躍を見せております。
 彼らの多くは、入学当初から新型感染症の影響に見舞われ、様々な葛藤や悔しさを抱えながらも、夢や希望を失うことなく、未来を信じて努力を積み重ねてきました。そうした思いが最後まで決して諦めないプレーとして表れ、すばらしい成果に結び付いたものと受け止めております。
 一方で、日常的な家事や家族の世話が負担となっているヤングケアラーの支援が大きな課題となっております。そのため、新たに専門家会議を設置するとともに、今月から実態調査を実施し、必要な支援を図ってまいります。
 本県の子どもたちが健やかに成長し、それぞれの夢や希望に向かって挑戦し続けることができるよう、引き続き、市町村や関係機関と連携しながら取り組んでまいります。

 次に「県民の健康増進」について申し上げます。
 新型感染症に伴う生活環境の変化等により、県民の皆さんの健康に対する関心が高まりを見せていることから、先月、健康長寿ふくしまトップ会談を開催し、未来の自分のための健康づくりをテーマに活発な意見を交わしました。
 今月末からは県内3会場において、約3年振りとなる参加型の健康づくりイベントを実施するなど、引き続き、関係機関の御協力を頂きながら、健康増進に向けた取組を積極的に進めてまいります。
 また、県内唯一の公立精神科病院として、現代の精神科医療ニーズに対応すべく整備を進めてきた「ふくしま医療センターこころの杜」が完成し、来月12日に開院いたします。新病院では、児童思春期病棟を新たに設置し、従来の専門外来に加えて、入院による治療体制を整えるなど、精神科医療の更なる充実を図ってまいります。

 次に「インフラの整備等」について申し上げます。
 6月27日に、小名浜港国際バルクターミナルが全面供用を開始いたしました。小名浜港については、取扱貨物量の増加や船舶の大型化への対応等、物流機能の効率化に努めてきたところであり、7月にはカーボンニュートラルポートの形成に向けた協議会を新設するなど、今後も更なる港湾機能の強化を図ってまいります。
 一方、先月初めの大雨により、県内も会津地方を中心に甚大な被害に見舞われました。特に橋りょうの倒壊によって一部区間が運休となっているJR磐越西線は、地域住民の皆さんにとって不可欠な日常生活の足であり、地域の活性化においても重要な社会基盤であることから、JR東日本に対し、一日も早い運転再開に向け復旧工事を進めていただくよう強く求めてまいります。

地方創生・人口減少対策について

 次に、「地方創生・人口減少対策」について申し上げます。
 先般、令和3年度における県内への移住世帯数及び移住者数が公表され、本県は過去最多となる1,532世帯、2,333人を記録いたしました。移住者の年代層を見ますと、全体の7割が40代以下となっており、若い世代の移住者が大きな割合を占めております。
 このため、首都圏在住の若い世代をターゲットとした移住セミナーやワーケーションツアーの開催等を通じて、福島での暮らしの魅力を発信するとともに、地域と交流する機会を設け、関係人口の創出・拡大を図るなど、地方への関心の高まりを的確に捉えながら、福島ならではの地方創生にしっかりと取り組んでまいります。

令和3年度決算について

 次に、令和3年度の決算について申し上げます。
 令和3年度予算につきましては、第2期復興・創生期間の初年度として、復興と地方創生を両輪に切れ目なく前進させるための当初予算に加え、新型コロナウイルス感染症対策、さらには令和3年2月に発生した福島県沖地震への緊急対応など、喫緊の課題に対応するため、19度にわたる補正予算を計上し、年度間を通して適切な執行に努めてまいりました。
 これにより、一般会計の実質収支は80億8千5百万円となったところであります。

提出議案について

 提出議案について御説明を申し上げます。
 令和4年度一般会計補正予算案につきましては、県民生活に深刻な影響を及ぼしている原油価格・物価高騰等への対応として、光熱費などが増加している私立学校や社会福祉施設等への支援、地域鉄道事業者への運行支援、輸入粗飼料価格高騰への支援に要する経費を計上したほか、新型感染症対策として、抗原定性検査体制の継続や感染症患者等への支援、ワクチン接種体制や宿泊療養施設の確保、福島県沖地震への対応として、中小企業等の施設復旧等への補助、阿武隈急行の復旧支援、8月に発生した大雨被害への対応として、被災した道路や河川の早期復旧などに要する経費を計上いたしました。
 これによる一般会計補正予算の総額は、356億2千万円となり、本年度予算の累計は、1兆3,312億8百万円となります。
 特別会計等補正予算案につきましては、福島県港湾整備事業特別会計など3会計について、それぞれ所要の経費を計上いたしました。
 その他の議案といたしましては、条例が「福島県都市の低炭素化の促進に関する法律関係手数料条例の一部を改正する条例」など4件、条例以外の議案が「県の行う建設事業等に対する市町村の負担の一部変更について」など20件で、いずれも県政執行上重要な案件であります。
 慎重に御審議の上、速やかな御議決をお願い申し上げます。

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