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県議会定例会(令和8年6月)

印刷用ページを表示する 掲載日:2026年6月23日更新

令和8年6月福島県議会定例会知事説明要旨(令和8年6月23日)

 6月県議会定例会が開催されるに当たり、当面する重要な議案を提出いたしました。
 以下、そのあらましについて御説明いたしますが、それに先立ち、県政に関する当面の諸課題について所信の一端を述べさせていただきます。

中東情勢に伴う物価高騰等への対応について

 はじめに、「中東情勢に伴う物価高騰等への対応」について申し上げます。
 中東情勢に伴う石油関連製品の高騰・不足などを受け、県内では幅広い分野に影響が及んでおります。事態の収束に向けた動きも見られるものの、先行きは依然として不透明であることから、引き続き、県内産業の状況把握に努めるとともに、各地域に設けた相談窓口を通じて、経営に関する相談対応や資金繰りの支援等を行ってまいります。
 また、農林水産業におきましても、農家経営安定資金の融通を始め、価格が高騰している輸入飼料や施設園芸・漁船等の燃料に対する支援を実施しているほか、建設業に対しましては、資材価格の高騰や納期の遅れに伴う県発注工事の契約額変更、契約工期の延長等について柔軟に対応してまいります。
 加えて、今定例会においては、国の電気・ガス料金支援に連動した取組として、LPガスや特別高圧電力を使用する世帯・事業者等に対する県独自の支援を提案しております。今後も県民生活や県内経済への影響緩和に向け、国の動向等を注視しながら適時適切に対応してまいります。

東日本大震災からの復旧・復興について

 次に、「避難地域の復興・再生」についてであります。
 この春、避難地域では、大熊町と葛尾村における特定帰還居住区域の対象面積が拡張されたほか、浪江町と田村市都路地区において大規模な復興牧場が稼働するなど、復興に向け、新たな一歩を刻みました。
 また、天皇皇后両陛下におかれましては、愛子内親王殿下を御同伴の上、4月6日、7日の二日間にわたって本県への行幸啓を賜り、東日本大震災と原発事故からの復興状況を御視察いただきました。両陛下並びに愛子内親王殿下の温かなお心遣いや、慈愛に満ちた御言葉の一つ一つが、逆境から懸命に立ち上がろうとしている私たち県民にとって、何よりの励みとなったところであります。
 一方、本年度からスタートした第3期復興・創生期間においては、時間の経過とともに進む風化を抑制しながら、避難者の帰還や移住の促進、産業・生業の再生、福島イノベーション・コースト構想の推進など、これまで以上に力強い取組を進めていかなければなりません。
 このため、今月9日には、復興大臣を始めとする関係省庁、政党への提案・要望活動を実施いたしました。原子力災害からの復興・再生は、国の社会的責任の下、国が前面に立ち、最後まで取り組むことが大前提であることから、今後も国に対し、令和9年度予算はもとより、第3期復興・創生期間以降も必要となる十分な財源と枠組み、復興を支える制度の確保を強く求めてまいります。

 次に、「環境回復」について申し上げます。
 福島第一原発の廃炉につきましては、2号機において、今月2日から使用済燃料の取り出し作業が開始されたほか、ロボットアームによる原子炉格納容器の内部調査と燃料デブリを試験的に取り出すための準備が進められております。
 これらを踏まえ、先般、今後の本格的な燃料デブリの取り出しに向けた具体的な方策の検討や安全管理の徹底、県民目線に立った分かりやすい情報発信などを求めたところであり、今後も廃炉安全監視協議会等を通じて、国及び東京電力の取組をしっかりと監視してまいります。
 また、中央省庁における除去土壌の再生利用が進められる中、3月に高市総理が来県された際には、福島県外での最終処分に向け、段階的に2030年以降の道筋を具体化させていくことを明言されました。このため、引き続き国に対し、県外最終処分に向けた具体的な工程を速やかに明示するとともに、政府一丸となって取組を加速させるよう求めてまいります。

 次に、「風評・風化対策」について申し上げます。
 昨年度におけるホープツーリズムの参加者数・団体数が共に過去最高を更新いたしました。特に海外からの参加者が増加しており、インバウンドに対応した総合案内人の育成等、これまでの取組の成果が現れてきたものと受け止めております。
 そのような中、先月2日には、国営追悼・祈念施設と一体的に整備を進めてきた福島県復興祈念公園が開園いたしました。隣接する東日本大震災・原子力災害伝承館と連携を図りながら、ホープツーリズムのプログラムにも組み込むなど、多くの方々に公園を訪れていただき、震災の記憶と教訓を後世に伝え、復興が進む「福島の今」を実感していただけるよう取り組んでまいります。
 また、今年は現在の福島県が誕生してから150年となる大きな節目の年に当たります。先人たちが積み重ねてきた挑戦と誇りを継承し、新たな「ふくしまプライド。」を築き上げていくため、8月21日に県政150周年記念式典を開催するほか、官民一体となって様々な記念事業を展開してまいります。

 次に、「産業政策」について申し上げます。
 先月開催された全国新酒鑑評会では、20銘柄が金賞に輝き、2年連続となる金賞受賞数日本一を達成いたしました。この快挙は正に県民の誇りであります。今後も酒米開発や醸造技術の向上など、品質の高い酒造りを支援していくほか、酒まつり等のイベント開催や輸出の促進等を通じて、ふくしまの酒の更なる振興を図ってまいります。
 また、4月からスタートした「ふくしまデスティネーションキャンペーン」では、本県の魅力をいかした500件を超える多彩な特別企画により、多くの観光客で賑わいを見せております。
 そのような中、DC期間中に並行して開催された「大ゴッホ展」には、会期中、26万8千人を超える方々が来場されました。DCと連携したアートツーリズムの推進等を通じて、展覧会に訪れた多くの方々に、福島が誇る様々な魅力を「見て」「食べて」「感じて」いただけたものと確信しております。引き続き、宿泊支援事業「また来て。」割などを活用しながら、年間を通して、より多くの方々に来県いただけるよう取り組んでまいります。
 さらに、福島空港の利用拡大につきましては、7月と10月に福島と韓国を結ぶチャーター便の運航を予定しております。昨年度の空港利用者数も28万人を超え、震災・原発事故以降で最多となるなど、かつてのにぎわいを取り戻しつつあることから、更なる利活用の促進等を図ってまいります。
 一方、国際情勢の先行きが不透明となる中、エネルギー安全保障や成長投資といった観点からも水素の重要性が一層、高まっております。このため、先月29日、水素の普及促進に取り組む都道県等と共同で国への要請活動を実施いたしました。今後も関係自治体や民間事業者等との連携・協力関係を深めながら、官民一体で水素の社会実装を進める「水素大動脈構想」の実現に向け、燃料電池トラックの導入拡大や広域的なサプライチェーンの構築などに取り組んでまいります。

 次に、「農林水産業の再生」について申し上げます。
 近年、夏場の気温が上昇傾向にあり、県産農産物においても出荷量の減少といった影響が生じていることから、技術対策の周知徹底や高温に強い品種開発等を進めていくほか、畜産については、畜舎内の温度を下げる送風装置の設置や暑さに強い飼料作物の導入等を支援してまいります。
 また、林業につきましては、先般、帰還困難区域内の国有林について、森林整備実証事業を拡大する計画が国から示されました。県では、帰還困難区域における森林整備の再開に向け、国と緊密に情報共有しながら、森林整備と、その実施に必要となる放射性物質対策を一体的に進めてまいります。
 さらに、水産業につきましても、これまで県漁連と関係漁協が行ってきた自主検査の頻度や対象魚種が見直されるなど、震災前の状態に回復させるための取組が加速しております。このため、水揚げの拡大に必要な共同利用設備や水産加工機械等の導入支援を始め、担い手の定着に向けた支援の拡充など、本県水産業の復興に向けた取組を着実に進めてまいります。
 一方、先月発生した降ひょうにより、県内8市町村において、桃などの農作物に甚大な被害が生じました。私も実際に現地を訪れ、被害の大きさを実感したところであります。
 県では、関係機関・団体等との連携を密にしながら、病害虫防除等の技術支援を行うとともに、今定例会においては、被災農家の生産力回復と営農継続に向けた緊急支援や、被災果実の販売促進に係る支援等を提案しており、生産対策と販売対策の両面から、被災された農家の皆さんを支えてまいります。

 次に、「県民の健康増進」について申し上げます。
 健康をテーマとした県民運動に取り組む中、県民の皆さんの食塩摂取量が改善傾向にあるなど、一定の成果が見られる一方で、肥満者の割合や喫煙率といった健康指標は依然として厳しい状況にあり、今年度から始まった第3期県民運動においても、引き続き、健康増進に関する取組を強化してまいります。
 具体的には、アドバイザーの派遣による健康経営の伴走支援を始め、ふくしまアートウォーキングの更なる推進、景品と交換可能なポイント制度の導入やAIによる栄養チェック機能などを搭載した新たな健民アプリの活用等を通じて、県民の皆さんの健康づくりに取り組んでまいります。
 また、地域医療・介護・福祉提供体制の充実につきましては、物価高騰の影響を受けている医療機関、社会福祉施設等の経営安定化を図るため、光熱費等の運営費や賃上げに向けた支援などに加え、医療・介護現場におけるICTを活用した業務の効率化や職場環境の改善に資する取組等を支援してまいります。
 さらに、中東情勢の混乱に伴い、医療物資等の供給不足が懸念されていることから、先般、全国知事会社会保障常任委員長として、安定した供給体制の確保を国に強く求めたところであります。今後も社会情勢を見極めながら、持続可能な医療・介護・福祉提供体制の確保・充実に努めてまいります。

 次に、「子ども・若者育成」について申し上げます。
 この春、みなみあいづ支援学校が新たに開校したほか、県立高等学校の統合により、あぶくま柏鵬高等学校、いわき商業情報高等学校の2校が開校し、新入生を迎えることができました。引き続き、各学校の特色をいかした教育活動を展開していくとともに、個別最適化された学び、協働的な学び、探究的な学びへの転換を図る「学びの変革」と、その実現に向けた環境づくりとして「学校の在り方の変革」を両輪で進めてまいります。
 特に「学校の在り方の変革」につきましては、教職員の働き方改革が重要な課題となっていることから、先般、全国に先駆け、教職員の働き方改革に関する共同宣言を実施いたしました。県内全ての公立学校において教職員の働き方改革を促進する決意を示し、心身共に健康な状態で子どもたちと向き合うことができる持続可能な教育環境を創り上げていくことにより、「福島ならでは」の教育を加速させてまいります。

 次に、「インフラ整備と安全・安心の確保」について申し上げます。
 地域連携道路として整備を進めてきた、県道いわき石川線「石川バイパス」が8月23日に全線開通する見通しとなりました。これにより、中通りと浜通りの連携強化が図られ、広域的な物流網の強化や交流人口の拡大など、様々な波及効果をもたらすものと期待しております。
 さらに、来年夏には、新潟と福島の県境における通行不能区間の解消を目的とした、国道289号「八十里越」の暫定開通を予定しております。当該路線については、会津地方を始め、県南地域の自治体等からも大きな期待が寄せられていることから、引き続き、国や新潟県と連携しながら着実に整備を進めてまいります。
 一方、防災対策につきましては、4月20日に北海道・三陸沖後発地震注意情報が発表されるなど、激甚化・頻発化する自然災害への対応が課題となっています。
 このため、関係機関と連携し、災害の種別や進捗に応じた行動計画である防災タイムラインの策定に着手したほか、県として初の導入となる排水ポンプ車の運用開始、さらには、津波の浸水範囲等をリアルタイムで予測するシステムを東北の自治体で初めて導入するなど、様々な対策を進めてまいります。
 また、昨日より、新たな郡山合同庁舎の供用を開始いたしました。県中地域における行政の推進はもとより、免震構造や非常用発電機等を備えていることから、地域防災拠点としても的確に機能させるなど、地域の発展と安全・安心を力強く支えてまいります。
 そして、こうした自然災害と並び、県民生活に深刻な影響を及ぼしているのが、クマによる人身被害であります。県では、更なる注意喚起を促すとともに、河川敷の刈り払いといった出没防止対策を始め、センサーカメラによる監視やドローンを活用した捜索、クマ目撃マップの更新による即時性の向上、さらには、鳥獣対策の専門人材確保や緊急銃猟等の各種対策に取り組む市町村を支援するなど、被害防止対策を一層強化してまいります。

地方創生・人口減少対策について

 次に、「地方創生・人口減少対策」について申し上げます。
 先頃公表された国勢調査の速報値によれば、本県の人口は、前回調査から12万1,215人減少するなど大変厳しい状況となっています。
 こうした現状に歯止めをかけるため、昨年度立ち上げた「ふくしま共創チーム」の下、あらゆる主体と連携・共創し、「オール県庁」「オール福島」で取組を加速させてまいります。
 特に本県は、若年層の県外転出が顕著であり、こうした流れを変えていくためには、福島で働く魅力の戦略的な発信と、若者に選ばれる職場づくりを同時に進めていかなければなりません。このため、SNSの活用など「若者に届く」情報発信の強化や体験機会の創出、就職マッチングの支援等に取り組んでいくほか、今月2日には、県内企業の皆さんと共に「日本一、攻めの働き方改革が進む県」の実現に向けた宣言を行い、若者に選ばれる職場づくりを進めていくことを誓いました。安心して働き、挑戦することができる職場環境を実現するため、関係者が一体となり、攻めの働き方改革を加速させてまいります。
 また、現在、国が進めている地域未来戦略を踏まえ、本県版となる「(仮称)ふくしま地域産業成長プラン」の策定を進めております。航空宇宙や医療関連産業など、本県が強みを有する成長産業分野のクラスター形成を図るとともに、観光や県産品、農業分野等において「福島ならでは」の地域資源をいかした幅広い取組を進めることとしており、こうした対策を通じて人口減少のスピードを緩め、持続可能な地域づくりの実現を図ってまいります。

令和7年度決算見込みについて

 次に、令和7年度一般会計の決算見込みについて申し上げます。
 令和7年度予算につきましては、あらゆる主体と連携・共創し、誰もが活躍できる「福島ならでは」の県づくりに向け、復興・再生と地方創生を両輪で進めていくための当初予算に加え、クマ被害の増加を踏まえた緊急対策、さらには物価高への対応など、喫緊の課題に対応するため、9度にわたる補正予算を編成してまいりました。
 この結果、一般会計の決算見込額は、歳入で1兆3千344億円、歳出で1兆2千849億円となり、その差額である495億円から翌年度への繰越事業に充当すべき財源420億円を差し引いた実質収支額で、75億円程度となる見込みであります。

提出議案について

 次に、提出議案について御説明申し上げます。
 令和8年度一般会計補正予算案につきましては、国の電気・ガス料金支援と連動した取組や医療・介護サービス提供体制の充実、ひょう害への対応、インバウンド誘客の更なる推進など、緊急に措置すべき経費を計上いたしました。
 これによる一般会計補正予算の総額は、16億9千7百万円となり、本年度予算の累計は1兆2千623億4百万円となります。
 その他の議案といたしましては、条例が「福島県税条例の一部を改正する条例」など20件、条例以外の議案が「県の行う建設事業等に対する市町村の負担の追加及び一部変更について」など8件で、いずれも県政執行上重要な案件であります。
 慎重に御審議の上、速やかな御議決をお願い申し上げます。

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