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県議会定例会(平成30年9月)

印刷用ページを表示する 掲載日:2018年9月18日更新

平成30年9月福島県議会定例会知事説明要旨(平成30年9月14日)

 9月県議会定例会が開催されるに当たり、当面する重要な議案を提出いたしました。
 以下、そのあらましについて御説明いたしますが、それに先立ち、県政の諸課題について所信の一端を述べさせていただきます。

任期中を振り返って

 平成26年11月、県民の皆さんの負託を頂き、福島県政をお預かりしてから、はや4年の歳月が経過しようとしており、今議会は私にとりまして任期中最後の定例会となります。
 歴史上誰も経験したことのない、地震、津波、原発事故、そして風評被害という複合災害に、県議会の皆さんを始め県民の皆さんと共に正面から向き合い、「新生ふくしま」の創生のため、全身全霊を傾注してまいりました。避難指示の解除、面的除染の終了、各種インフラや本県の未来を拓く拠点施設の整備進展、さらには天皇皇后両陛下の御臨席を仰ぎ、被災地では初となる全国植樹祭の開催など、これまでの努力が一つ一つ成果となって現れてきたと実感しております。心から感謝を申し上げます。
 この4年間、私は、福島復興、地方創生を福島県知事の使命として胸に刻み、就任時に掲げた三つの基本理念、「継往開来」「現場主義」「進取果敢」を徹底して貫き、県政運営に当たってまいりました。
 県内の59市町村全てを毎年訪問し、市町村長との意見交換や地域で頑張っている皆さんと交流を重ね、様々な思いや要望等を伺い、広く県政に反映させてまいりました。県民の皆さんの思いを常に心の真ん中に置いて、復興・創生を進めるための財源確保や各種制度の整備、そして福島第一原発の安全かつ着実な廃炉、県内原発の全基廃炉、的確かつ迅速な賠償、さらには、中間貯蔵施設の受入など、国や東京電力に対し、「言うべきことは言う」「ならぬことはならぬ」との強い姿勢で先頭に立ち交渉を行ってまいりました。
 この結果、正に苦渋の決断であった中間貯蔵施設への搬入受入に当たっては、30年後の県外最終処分を担保するための法制化を実現させました。福島イノベーション・コースト構想につきましては、国家プロジェクトとして位置付けられ、構想の具現化が進んでおります。今年6月には、これまで繰り返し求めてきた、福島第二原発を廃炉とする方針を、東京電力が表明するに至りました。また、JR只見線の復旧につきましては、国による財政支援制度が法制化され、復旧工事が開始されたところであります。
さらに、風評・風化の二つの逆風に立ち向かうため、国内でのトップセールスやチャレンジふくしまフォーラム等での情報発信を行うとともに、ヨーロッパ、北米、南米、東南アジアなどに直接出向いて、福島の今を発信してまいりました。熱意を持って語りかけることでその思いが相手の心に届き、共感・共鳴の輪が広がることにより、信頼関係、ネットワークが構築され、復興に立ち向かう新たな勇気を頂きました。
 農産物の輸出につきましては、震災後ほぼゼロとなった状況から、生産者を始め関係の皆さんと一丸となって取り組んだ結果、昨年度は輸出量が、震災前の水準を超える210トンとなりました。「ふくしまプライド。」が詰まった農産物は、世界で通用することが証明され、挑戦を続ければ、必ず成果につながるという希望を持つことができたと考えております。
 避難地域の復興再生につきましては、小中学校の再開や商業施設の開設支援、ふたば医療センター附属病院や附属復興診療所の開院、広域路線バスの運行開始など、普段の生活を一つ一つ取り戻していくためのきめ細かな施策を展開してまいりました。さらに、甚大な被害を受けた地域の再生を図るための大胆な施策として、福島イノベーション・コースト構想を推進し、ロボット、再生可能エネルギー、農林水産などに関する先端技術の開発・実証が進められ、浜通りはもとより県全体を力強く復興させる動きが本格化しております。
 震災以降悪化している健康指標の改善につきましては、「食」「運動」「社会参加」をキーワードに、健康づくりをテーマとした県民運動を展開し、ウォークビズや健民アプリを導入するなど、全国に誇れる健康長寿県を目指した取組を実施してまいりました。
 また、仕事と生活を両立するワーク・ライフ・バランスや職場における健康づくりを進める健康経営の啓発を進め、趣旨に賛同し、参加してくださる企業、団体が増えてきております。
 さらに、地域医療の充実につきましては、県立医科大学の新学部(仮称)保健科学部の整備を始め、医療従事者の育成・確保に取り組むとともに、ふくしま国際医療科学センターを中核とした疾病予防対策を進めているところであります。
 人口減少の問題につきましては、直近の国勢調査において、福島県の5年間の人口減少率は全国ワースト2位となり、総務省の人口動態調査でも大変厳しい結果となりました。こうした中、結婚・出産・子育てに関する切れ目のない支援を進め、交流人口の拡大、若者の定着・還流、定住・二地域居住など、福島ならではの地方創生に取り組んだ結果、合計特殊出生率が全国の水準を上回るとともに、若い世代の移住者の増加などにより移住世帯数も震災前を超え、明るい話題が増えてまいりました。
 震災から7年半が経過し、帰還困難区域の復興再生への動きが一つ一つ着実に進むなど、福島の復興は新たなステージへ移行しております。しかし、本県はまだまだ重い課題を抱えており、依然として有事の状況にあります。こうした厳しい状況にあっても、希望を持ち続けることが大切であることを私たちは学びました。
今後とも、県民の皆さん、そして国内外の福島を応援してくださる方々と共働しながら、果敢に挑戦を続けることで、福島の復興・創生を更に前進させ、次の世代へとつなげていけるよう全力を尽くしてまいる決意であります。

東日本大震災からの復旧・復興について

 次に、当面する県政の諸課題について申し上げます。

 はじめに、「避難地域の復興再生」についてであります。
 7月28日、原発事故対応の拠点となっていたJヴィレッジが、日本サッカー協会名誉総裁の高円宮妃殿下御臨席の下、再始動いたしました。どんな困難も克服できるという希望の光を国内外に発信する福島復興のシンボルとして、今月供用を開始した全天候型練習場など国内屈指の施設をいかし、スポーツの振興はもとより、双葉地方、そして福島県全体の活性化につながる取組を進めてまいります。
 今年は「復興・創生期間」の折り返しの年を迎え、残された期間は2年半となりました。しかし、未曽有の複合災害により、現在も厳しい状況にある福島の復興は、まだまだ長い時間を要します。そのため、8月に開催された福島復興再生協議会においては、国に対し、ポスト復興・創生期間を見据えて、県・市町村と共に復興のビジョン・構想を描き、復興の道筋を示せるよう必要な検討を進め、十分な財源及び体制を確保するよう求めてまいりました。
 応急仮設住宅の供与期間につきましては、国から同意が得られたことから、2020年3月まで延長することといたしました。なお、富岡町及び浪江町の全域と葛尾村及び飯舘村の帰還困難区域につきましては、復興公営住宅等の生活環境の整備が進んでいることから、関係町村と協議を重ねた結果、今回の延長をもって原則終了することといたしました。引き続き国、避難元自治体等と連携を図り、生活再建に向けた支援に万全を期してまいります。
 福島県における復興祈念公園につきましては、7月に国と共に基本計画を策定したところであり、引き続き、地域の歴史・文化を継承し、人々の心のよりどころとなるような、本県にふさわしい公園の整備を進めてまいります。

 次に、「環境回復」について申し上げます。
 中間貯蔵施設及び特定廃棄物の埋立処分事業につきましては、先月、環境安全委員会を開催し、国における輸送や施設整備の状況について確認を行ったところであり、引き続き立地町と連携し、事業が安全・確実に実施されるようしっかりと取り組んでまいります。
 福島第一原発の廃炉・汚染水対策につきましては、今後とも国と東京電力の取組を監視するとともに、トリチウムを含む処理水の取扱いにつきましては、環境や風評への影響などを国民や県民に丁寧に説明し、先月末に開催された公聴会での意見等を踏まえ、慎重に議論を進めるよう、国及び東京電力に対して求めてまいります。
 福島第二原発の廃炉につきましては、正式決定に向け検討を進めるよう、引き続き東京電力に求めてまいります。

 次に、「産業政策」について申し上げます。
 福島ロボットテストフィールドにつきましては、7月に施設が一部開所し、既に企業による実験等が実施されております。施設の利活用を進めるとともに、新たな産業の育成・集積を図りながら、地元企業の参入について支援してまいります。
 福島の経済を支える商工業を始めとした既存産業の振興につきましては、今後とも中小企業等の経営基盤の強化や事業承継の支援を始め、人材確保・育成などに積極的に取り組んでまいります。
 再生可能エネルギーにつきましては、浪江町において、福島水素エネルギー研究フィールドの建設工事が開始されました。我が国の水素社会の実現に寄与し、ここから生み出される水素が、2020年東京オリンピック・パラリンピックを始め、様々な場面で活用されることを通じ、復興が進む福島の姿を国内外に広く発信できるものと考えております。引き続き再生可能エネルギー産業の育成・集積を推進してまいります。

 次に、「風評・風化対策」について申し上げます。
 金賞受賞数6年連続日本一、さらには、インターナショナル・ワイン・チャレンジ2018においてチャンピオン・サケを受賞した県産日本酒の魅力を発信する新たな拠点として、ニューヨークにおけるふくしまの酒専門コーナーと福島県観光物産館大阪サテライトショップを開設いたしました。引き続き、酒どころふくしまの知名度の向上に取り組んでまいります。
 また、6月に震災以降初めて県産水産物の常設販売コーナーを首都圏量販店5店舗に開設し、その売上げが順調に推移しているほか、大手オンラインショップでの今年の売上額が、昨年よりも1か月半早く6億円を超え、さらには、先月のタイにおける桃のトップセールスでも現地の関係者から好評を得たところであります。
 こうした中、更なる風評払拭に向け、食品の衛生管理システムの国際基準であるHACCP(ハサップ)の考え方に、放射性物質対策を取り入れた新たな食の安全確保対策、「ふくしま食品衛生管理モデル」を導入するとともに、認証GAPを取得した農産物の生産を拡大するなど、消費者の安心につながる取組を進めてまいります。
 観光誘客につきましては、昨年、外国人宿泊者数が、平成22年の実績を震災後初めて上回るなど回復しており、引き続き全県的な観光の復興に向け、年間を通した切れ目ない誘客のために、今年も「福が満開、福のしま。」ふくしま秋・冬観光キャンペーンを実施するとともに、教育旅行の誘致、ホープツーリズムの推進、国内外からのチャーター便の運航促進、本県の宝であり豊かな自然を象徴する「ふくしま尾瀬」の魅力発信等に積極的に取り組んでまいります。

 次に、「農林水産業の再生」について申し上げます。
 50年を超える栽培の歴史がある南郷トマトが、農林水産物の地域ブランド価値の向上や生産者の利益保護を目的とする地理的表示、いわゆるGI制度に、福島県で初めて登録されました。
 今後とも、認証GAPの取得を始めブランド価値や生産者の意欲が更に向上する施策を進めながら、来年度開設する福島大学食農学類とも連携し、本県農業・農村の振興を図ってまいります。
 猛暑と少雨による農作物等への対策につきましては、必要な技術対策の発信や現地巡回指導に加え、福島県農業等災害対策補助事業による支援を実施しているところです。引き続き、関係機関と連携し、的確に対応してまいります。

 次に、「子ども・若者育成」について申し上げます。
 ふたば未来学園高等学校に併設する中学校につきましては、名称を「ふたば未来学園中学校」と定めることとし、引き続き特色ある教育を実現するための検討を行うなど、来年4月の開校に向けた準備を進めてまいります。
 県立の各学校における冷房設備につきましては、この夏の猛暑を踏まえ、児童生徒の健康管理や安全を確保するため、速やかな導入等に向けて検討いたします。
 また、市町村立の各学校については、国の予算の動向を見ながら、市町村の整備要望が採択されるよう、引き続き支援してまいります。
 青少年の健全な育成につきましては、自らの性的な画像を送ってしまう、いわゆる自画撮り被害から青少年を守るため、全国的にも先進的な取組となる、福島県青少年健全育成条例の一部を改正する条例案を今定例会に提出しているところであります。
 先月、猪苗代中学校バドミントン部が、全国中学校体育大会において、史上初となる男女団体、男女シングルス、ダブルスの完全制覇という快挙を成し遂げました。こうした子ども、若者たちの活躍は、自らの能力と可能性を信じて挑戦する大切さを示してくれました。今後とも、一人一人が自分の持つ力を更に高め、自らの未来を切り拓いていけるよう、福島ならではの教育に、教育委員会と連携して取り組んでまいります。

 次に、「インフラの復旧等」について申し上げます。
 交通ネットワークの整備は、交流人口の拡大や産業の活性化に必要不可欠なものであります。こうした中、常磐自動車道の(仮称)小高スマートインターチェンジ設置に向けた動きや会津縦貫南道路の工事進展、さらに今後、国道401号(仮称)博士トンネルの整備に着工するなど、県内各地で交通網の整備が進められております。引き続き、復興・創生の推進力となる各種インフラの整備に取り組んでまいります。
 JR只見線の利活用促進につきましては、先月、駅と観光拠点を結ぶバスの実証運行を開始したほか、今月から、自然や歴史、文化などの地域資源を活用した企画列車を運行することとしております。今後とも、関係自治体やJR東日本等と連携しながら、全線復旧に向けて取り組んでまいります。

県民の安全・安心について

 次に、「県民の安全・安心」について申し上げます。
7月に行われました全国知事会議においては、頻発する災害を受け、防災、減災、危機管理、復旧・復興へのプロセスなど幅広い意見交換が行われました。近年の災害は、規模、深刻さが従前と異なることから、迅速な復旧・復興が可能となるよう、現行制度の見直しや財源措置の強化などを全国知事会と連携して国に求めてまいります。
 災害時の対応強化につきましては、民間企業・団体と災害時応援協定の締結を進めるとともに、「自助・共助・公助」それぞれの強化と相互補完性の確保を推進し、市町村や関係機関、県民の皆さんと連携した安全・安心の確保に取り組んでまいります。
 また、喜多方市高郷町揚津地区の地すべりにつきましては、地下水の排水処理の実施により、現在、沈静化しており、引き続き、市及び関係機関と連携して、地域住民の安全・安心を第一に対策工事を進めてまいります。

東京オリンピック・パラリンピック大会に向けた取組について

 次に、「東京オリンピック・パラリンピック大会に向けた取組」について申し上げます。
 2020年東京オリンピックまであと2年となり、先般、聖火リレーが本県からスタートすることが決定し、先月24日には、県内ルート案の選定等を行う「東京2020オリンピック聖火リレーふくしま実行委員会」を設立したところであります。
 また、野球・ソフトボール競技の開幕戦があづま球場で開催されることとなり、中でも、大会全体で一番初めの開催となるソフトボール競技は、6試合が行われることが一昨日発表されるなど、福島県は、復興五輪の非常に重要な役割を担うこととなります。
 今後とも、大会の成功に向けて、関係の皆さんと力を合わせて準備を進め、これまでの御支援に対する感謝の気持ちと、復興が進んでいる福島の姿を国内外に広く発信できるよう、しっかりと取り組んでまいります。

平成29年度決算について

 次に、平成29年度の決算について申し上げます。
 平成29年度の予算につきましては、復興の加速と本県ならではの地方創生を推進するための予算として編成し、直面する課題に対処するため7度にわたる補正予算を計上してまいりました。この予算の執行に当たりましては、経費の節減・合理化を心掛け、実施に移すなど、年度間を通して適切な執行に努めてまいりました。
 これにより、一般会計の実質収支は72億7千万円となったところであります。

提出議案について

 提出議案について御説明を申し上げます。
 平成30年度一般会計補正予算案につきましては、県民生活における安全・安心の確保や復興・創生の実現に向けて緊急に措置すべき経費などについて計上いたしました。
 その主な内容といたしましては、県有施設のブロック塀に関する安全対策や県産材を活用した木製フェンスを設置するモデル事業の実施、福島空港の活用による外国人観光客の更なる誘客促進、中間貯蔵施設に係る地権者支援を始め地域振興に関する交付金の交付、福島大学食農学類における地域課題の解決に向けた講座設置への支援などに要する経費を計上いたしました。
 これによる一般会計補正予算の総額は、100億5千5百万円となり、本年度予算の累計は、1兆4,595億9千2百万円となります。
 特別会計等補正予算案につきましては、流域下水道事業特別会計など3会計につきまして、それぞれ所要の経費を計上いたしました。
 その他の議案といたしましては、条例が「福島県税条例の一部を改正する条例」など11件、条例以外の議案が「公の施設の指定管理者の指定について」など29件で、いずれも県政執行上重要な案件であります。
 慎重に御審議の上、速やかな御議決をお願い申し上げます。

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