ページの先頭です。 メニューを飛ばして本文へ

ふくしま宣言

印刷用ページを表示する 掲載日:2013年12月1日更新

ふくしま宣言

 3.11ふくしま復興の誓い2012で発表した、ふくしま宣言の全文です。

3.11ふくしま復興の誓い2012「ふくしま宣言」

 2011年3月11日午後2時46分。

  あの日、あの時を迎えるまで、このふくしまの姿を誰が想像できたでしょうか。 

 大地震、大津波は、多くの尊い命と穏やかだった私たちの暮らしを、非情にも奪い去りました。 

 原子力災害は、美しいふくしまを一変させました。 

 さらに、風評被害は、地域の活力を奪い、私たちの心までも深く傷つけました。

 この1年、福島県民は、深い悲しみや悔しさを抱えながら、ある人は、住み慣れた土地を追われ、ある人は、少しでも元の暮らしを取り戻そうと汗を流し、またある人は、家族離ればなれの生活を選びました。

 そして、見えない放射線への不安とも闘いながら、それぞれが必死に毎日を生き抜いてきました。 

 これほど厳しい状況にあっても、取り乱すことなく、地域のきずなを大事にしながら、一生懸命頑張っている県民の皆さんを、私は誇りに思っております。200万県民一人一人の努力と温かい心に、深く敬意を表します。

  

 全国、そして世界の皆さん、これまでの、心のこもった数え切れない御支援に、福島県民は大いに助けられ、励まされ、勇気をいただきました。改めて、心より感謝を申し上げます。

 皆さんの支えと県民の努力があって、このふくしまにも、今ようやく復興の芽が出始めました。 

 この小さな芽を、私たちみんなの手で、しっかりと大きく育てたい。そして、やがて大きくなったその木の下に、笑顔あふれる子どもたちが集まる、そうしたふくしまを、私は創っていきたいと考えています。

  

 地震・津波という自然災害に始まり、原子力災害さらには風評被害、人類がこれまで経験したことのない、このような多重の災害が、なぜ起きてしまったのか、私たちはしっかりと考えなければなりません。

 「自然の脅威に対する十分な備えができていたか。」

 「科学技術の力を過大に評価していなかったか。」

 「原子力を扱うことの難しさと正面から向き合ってきただろうか…。」 

 これらの問いの中に、未来への大切な教訓があるはずです。

 私たちは、科学技術の力を過信することなく、自然の持つ力の大きさをもう一度しっかりと心に刻み、全ての人が安心して暮らせる社会づくりを進めていきます。 

 そして、二度とこのようなことが起きないよう、県内の原子力発電所を全て廃炉とすることを求めながら、再生可能エネルギーを推進し、原子力に頼らずに、発展し続けていくことができる社会を目指します。 

 今、全世界の人がFUKUSHIMAを見つめています。私たちは、地域の発展と地球環境の保持が両立できる新しい社会の在り方を、さらに、そこに暮らす人々が共に支え合い、地域の文化や誇りをつないでいくことの大切さを、復興していく自らの姿をもって、世界に示してまいります。

 ふくしまが選んだ道は、決して平坦な道ではありませんが、県民は、すでに前を向いて立ち上がり、歩き始めています。県民が心を一つにして、この困難に立ち向かってまいります。

  

「私たちは必ず、美しいふるさとふくしまを取り戻します。 

私たちは必ず、活力と笑顔あふれるふくしまを築いていきます。

そして私たちは、このふくしま復興の姿を世界へ、未来へと伝えます。」

  

 災害発生から1年を迎えた本日、これを「ふくしま宣言」として、全世界の皆さんにお誓いいたします。

                                               2012年3月11日 福島県知事 佐藤雄平  

Adobe Reader

PDF形式のファイルをご覧いただく場合には、Adobe社が提供するAdobe Readerが必要です。
Adobe Readerをお持ちでない方は、バナーのリンク先からダウンロードしてください。(無料)