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「福島県版ユニバーサルデザイン実現への提案」第2章2-3 チェック体制づくり

印刷用ページを表示する 掲載日:2013年12月1日更新
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福島版ユニバーサルデザイン実現への提案

第2章 ユニバーサル・デザインを生かした県づくり

2  ユニバーサル・デザインの普及のために

(3)チェック体制づくり

 ユニバーサル・デザインは、何よりも生活者のための考え方です。行政や専門家による基準とは別に、住民が生活者の感覚でものさしをつくり、自分たちで評価をしたり、判断する力を身につけることが必要です。  事業者や行政には、そうした利用者の視点や生活者の感覚を共有していく意識やしくみを持つことが求められます。そして、結果を急ぐことより、取り組んでいく過程(プロセス)と、よりよいものに改善していく姿勢や努力を重視していくことが必要です。

〈みんなで点検してみましょう〉

 まちを歩いて「おかしいな」と感じても、すぐに忘れてしまうものです。「こうすれば使いやすくなるのに」と思った心のつぶやきを、まず、その場所を写真に収めてかたちにしていくことから始めてはどうでしょうか。設置者や管理者も気がついていないことが多いのです。  一人ひとりのそのような行動を、例えば、住民による「まちなか探検隊」(仮称)に発展させ、商店、大型店、飲食店、観光施設、娯楽施設、道路、駅、公園、公衆トイレ、公共施設などの使い勝手を検証してみることを提案します。利用者にとって「いいもの」なのかどうかが、問題発見の入り口になります。気がついていなかっただけで、ユニバーサル・デザインになっているものを発見することもあるかもしれません。その結果を自分たちで例えば「五つ星」などで評価をし、設置者を顕彰することも考えられます。こうした活動は、さらに住民の関心を呼びおこすとともに、公共・公益施設などの設置者によるユニバーサル・デザインの取組みを促進することになるでしょう。

〈改善するしくみをつくる〉

 例えば、公共施設の建設にあたっては、計画時、建設中、完成後の各段階でだれもが使いやすいものになっているかどうかを確認し、評価することが必要です。確認にあたっては、専門家の助言を得るほか、住民に広くお知らせしてさまざまな利用者の声を聞くことが必要です。しかし、利用者が各人各様の考え方を持ち、個々に意見を主張するだけでは、良い結果を得ることが期待できません。そこで、当事者や利用者による協議会などを設置し、意見を集約する作業を行うことが考えられます。そこでは、行政、利用者双方の信頼関係が最も大切です。行政には、財源の制約などを含め、利用者が判断するために必要な情報を公開するとともに、できること、できないことをきちんと説明する責任が、また利用者には、節度のある判断と、自分たちの意見を主体的に集約していく責任が求められます。一連の作業を調整したり、支援したりするコーディネーター役としてNPOなどの参画も今後期待されます。  なお、行政には、こうした手続きおよび評価に伴う改善のための経費などを、事業計画にあらかじめ組み込んでおくような工夫が必要です。  民間の公益施設にも、このような取組みが普及することが望まれます。住民が参画することで愛着や信頼が生まれ、利用者の拡大にもつながるでしょう。

〈みんなのものさしをつくる〉

 住民や事業者、行政が自らのまちを点検し、より暮らしやすい生活環境づくりに取組んでいく中で、点検、評価を行うためのチェック項目などが蓄積されてくることでしょう。こうしたチェック項目を、利用者と作り手である事業者や行政が協調して「みんなのものさし」としてまとめていくことが必要です。その「案」は、広く県民に示し、修正を重ね、共通理解できる内容に更新していくことが大切です。住民、事業者、行政を結ぶNPOなど民間団体の参画も重要です。こうした取組みを通して、ユニバーサル・デザインの普及と、みんなが共通理解できる評価・認証・検証のしくみづくりへとつながっていくことでしょう。

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