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中通り15(白河市):南湖仲夏(ハマナカアイヅ)

印刷用ページを表示する 掲載日:2014年7月9日更新

 福島県・白河市の一角に佇む「日本最古の公園」はご存知ですか?

 その名は、「南湖公園」です。

 補足に説明すると、日本の公園制度が発足したのは1873年で、この南湖公園が完成されたのは1801年でした。つまり、「公園」という言葉よりも、歴史を持っているわけです。

 それでは、どうして南湖公園は日本最古の公園と呼ばれるようになったのでしょうか?

 実は、この南湖公園は当時の白河藩主・松平定信公によって築造されました。当時、松平氏は身分の差を越えて、庶民が憩える「士民共楽」という思想を掲げ、この地をレクリエーション地として開放しました。

 これは後に、「公園」という言葉が持つ「公衆が憩いまたは遊びを楽しむために公開された場所(区域)」定義が合致していることから、「日本最古の公園」と呼び名が高いです。
水天一色の南湖 楽翁(松平定信公)の渉世十法

 南湖公園では、随所に和歌と漢詩がペアになっている看板が存在しています。

 その数は十七つで、通称「南湖十七景」です。

 実は1820年に、南湖公園の築造者・松平定信公が南湖湖畔に十七の景勝地を選定し、各景勝地に和名と漢名二つの名称を付けました。

 そして親しい公家や諸国の大名・儒者にその景勝についての和歌や漢詩を依頼し、寄せられた自筆を一石に刻み、「南湖碑(南湖十七景詩歌碑)」を建立しました。

 後世の有志たちは、このその十七の景勝地が忘れられないように、各景勝地に個別の石碑が建てられ、 その南湖碑・石碑が現在も残っているのです。
このような看板は随所見られます その正体は詩(歌)碑だった

 湖に沿って一周すると、目の前に現れた日本庭園の美しさに目を奪われて、中に入ってみました。

 庭園の名称は「翠楽苑」で、南湖の「緑」(翠)と公園の理念である「士民共楽」から一字を取って、融合した名前です。
日本庭園ならではの美しさがここにある 抹茶と銘菓を頂きながら、風景を楽しむことも可能

 庭園の風景を一望する「松楽亭」で、抹茶と季節の銘菓を頂きました。この建物は、茶道や華道、句会など様々な伝統文化活動を行うことができるといい、取材の日も茶道教室が開かれていました。

 スタッフの紹介によると、翠楽苑はほんの二十年前までは、野球場でした。

 かつて炎天下の下で青春をすごした球児も、いまやすっかり大人になりました。

 思いの地を受け継いだこの庭園で美景を眺めて一服しながら、過ぎ去りし日々を追憶するのも、なかなかいいシーンではありませんか。

 おっと、あまりにも居心地がよかったので、ついつい妄想してしまいました。

 次の取材時間を忘れてしまうほど、のんびりの時間を南湖公園で堪能しました。

 「たまに行くならこんな公園」で、スロータイムを満喫してみてはいかがですか?

(投稿者:徐)

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