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地球探検 ウガンダ共和国 田中俊隊員 4

印刷用ページを表示する 掲載日:2013年12月1日更新

地球探検

 ウガン便り

Vol.4 ムピジ県の水事情

  私の活動するムピジ県は、タウン周辺には水道(写真1参照)が通っており、容易に水を得ることができます。他方、村に入ると人々は井戸やプロテクティッド・スプリングなど(写真2、3参照)から生活用水を得ています。

タウンで見られる水道←写真1 タウンで見られる水道でちゅ!

村落で見られる井戸←写真2 村落で見られる井戸

プロテクティッド・スプリング←写真3 プロテクティッド・スプリング  

  これらの水源の多くは、日本のODAや他国からの援助によって建設されました。しかし、一たび井戸が壊れてしまうと、機能しないまま放置されてしまうケースがしばしばあります。井戸の故障原因は、長年の使用による老朽化や井戸利用者の乱暴な使い方による破損、井戸部品の盗難などです。

   井戸が使えなくなると、人々はやむを得ずため池(写真4、5参照)や小川などから生活用水を得ることとなりますが、衛生状態の悪い水源がほとんどで、人々はしばしば下痢に悩まされています。2010年のこの世の中で、白く濁った水を飲まなければ生活できない人々がいる現状は、私にとって大きなショックでしたが、同時に、何としても水問題を改善しなければ!と活動の原動力にもなっています。

白く濁ったため池から水を汲む子ども←写真4 白く濁ったため池から水を汲む子ども  

藻が生え濁ったため池←写真5 藻が生え濁ったため池

  現地には井戸修理のメカニックがいますが、村人がメカニックとコンタクトを取れずにいつまでも修理してもらえない、またメカニック自体も井戸修理のみで生計を立てるのが困難で、修理の仕事を放棄してしまうケースもあります。

   今から約10年前、新規の井戸が大量に建設されたときに、ウガンダ政府は井戸の維持管理を村人に任せることに決め、維持管理を中心に行う井戸管理組合を井戸利用者から組織しました。しかし、この時の組織化が不十分で、井戸管理組合の役割である「井戸利用者からの料金徴収」や「井戸周辺の清掃」、「井戸周辺の動物除けフェンス建設」などが適切に行われず、結果、上記のように機能せず放置されたままの井戸が数多く存在しているのです。

   配属先の水衛生事務所は井戸修理に力を入れていて、今年度(10年~11年度)予算で11基の井戸修理が決まっていますが、県内に630以上ある水源(その内故障し、放置されたままの水源は約50%)をカバーしきれていないのが現状です。

(2011年3月)

田中 俊 平成22年度1次隊 村落開発普及員 ムピジ県水衛生事務所