福島第二原子力発電所の廃止措置状況
令和元年7月31日、東京電力ホールディングス株式会社は、東北地方太平洋沖地震により運転を停止していた福島第二原子力発電所の全号機の廃止を決定しました。同年9月30日、電気事業法第27条の27の規定に基づき、9月30日を廃止日とした電気事業法変更届出書を経済産業大臣に提出しました。
廃止措置について
原子力発電所の廃止措置とは、運転を終了した原子力発電所から使用済燃料を取り出し、全ての施設を解体撤去することをいいます。なお、廃止措置の実施にあたって電力会社は、廃止措置計画書を原子力規制委員会に提出し認可を受ける必要があります。東日本大震災以降、玄海原子力発電所1、2号機、美浜発電所1、2号機、敦賀発電所1号機、島根原子力発電所1号機、伊方発電所1号機、大飯発電所1、2号機、女川原子力発電所1号機は、廃止措置計画を申請し認可されています。
令和2年5月29日に東京電力ホールディングス株式会社が提出した廃止計画書では、全体工程を4段階に区分し、44年かけて廃止措置を実施することとしています。第1段階(10年間)では、(1)汚染状況の検査、(2)汚染の除去、(3)放射線管理区域外(屋外)の設備の解体撤去(4)原子炉建屋内核燃料物質貯蔵設備からの核燃料物質の搬出(取出し)(5)放射性廃棄物の処理・処分を実施します。
東京電力ホールディングス株式会社 HPより
福島県の対応
安全協定
令和元年12月26日、発電所の立地県、町である福島県、楢葉町及び富岡町並びに東京電力ホールディングス株式会社は、発電所の廃炉に向けた取組が安全、着実かつ適時に進められ、周辺地域住民の安全を確保することを目的として、 「福島第二原子力発電所の廃炉の実施に係る周辺地域の安全確保に関する協定書」を締結しました。
事前了解
令和2年5月29日、東京電力ホールディングス株式会社から 「福島第二原子力発電所の廃炉の実施に係る周辺地域の安全確保に関する協定書」第3条の規定に基づき、福島第二原子力発電所1~4号機の廃止措置計画に係る事前了解願いが提出されました。今後、放射性廃棄物の取扱を含め、安全対策や環境保全などについて計画書の内容を確認していきます。
1 日時: 令和2年5月29日
2 場所: 福島県北庁舎
3 資料
会議・現地調査
令和2年7月14日(火曜日)、第73回目(令和2年度第1回目)となる廃炉安全監視協議会を開催し、福島第二原子力発電所の廃止措置計画について意見を交わしました。(詳細はこちら)
東北地方太平洋沖地震の影響
福島第二原子力発電所は、福島第一原子力発電所と同様に地震・津波の被害を受けましたが、全4基が運転中に自動停止しました。福島第一原子力発電所のように炉心損傷には至りませんでしたが、津波により1、2、4号機の海水ポンプを使用した除熱機能が失われるなど、一時は危機的な状態となりました。
海水ポンプのサポートを必要としない系統による冷却で時間を稼いでいる間に海水ポンプのモーター交換や仮設ケーブルの敷設を行い、海水ポンプを復旧したことで除熱が可能になり、全号機を冷温停止状態とすることができました。結果、福島第一原子力発電所のような過酷事故は免れました。
なお、原子力安全・保安院は、福島第二原子力発電所の事故についてINES(国際原子力・放射線事象評価尺度)レベル3(重大な異常事象)と評価(暫定)しています。
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