まず、教師がひとりで抱え込まずに、学校長・学年主任・養護教諭・担任など関係する教師間で対応を検討してください。 基本的に、学校は子どもの味方となって支援します。具体的には、 (1)傷に対して、その都度保健室等で処置をしてあげます。この際、養護教諭は処置を通 して子どもとの関係づくりを心がけます。 (2)担任や他の教師は、子どもに対してじっくり話を聞いてあげたり、声かけをしてあげます。(この際、誘導尋問や親を責めるような話をしないように心がけます。) (3)親に対しては、問い詰めたり責めたりしないで相談にのれるような関係づくりに努めます。 学校は子どもの傷を心配していることを伝え、どうしてケガが多いのか、ケガを減らすためにどんなことができるのか、親の話をできるだけ聞き、一緒に考えることができるといいでしょう。 この際、子どもの立場が悪くならないように十分注意します。虐待する親は、生活する上で何らかの困難をもっていることが多いので、親の相談相手になり、親の負担を少しでも軽減できると改善されることがあります。 親の悩みを聞く中で専門機関を紹介し、専門機関の相談を受けられるようにすることも効果 があります。また、学校がモニターとして保護者と良い関係を保ちながら、注意深く経過を観察する必要があります。 子どもの身体、精神的な状況から、一時的にも子どもを家庭に帰すことが危険であると判断されるような場合(緊急性が高い場合)は、すぐに児童相談所に通 告してください。児童相談所が調査して必要と判断した場合は一時保護を行います。また、緊急性が高くなくても、今後に不安があり対応に困るようなら、児童相談所と連携して一緒に援助の計画を立て、地域ぐるみで援助活動を行います。 |