ページの先頭です。 メニューを飛ばして本文へ
ホーム > 組織でさがす > 精神保健福祉センター > 自殺関連統計(計算方法など)

自殺関連統計(計算方法など)

印刷用ページを表示する 掲載日:2017年6月5日更新

「自殺対策の基礎知識」に戻る

自殺関連統計(計算方法など)

  (関連資料:自殺対策のための情報交換メール「自殺対策で用いられる指標」 [Wordファイル48KB]

自殺対策を行う上で自殺に関する統計を扱うことは必須です。

統計に詳しくない人でも計算することができるように、このページを作成しました。

では、さっそく計算してみましょう!!

自殺関連統計を求めるのに必要な数値を探す

まず、必要な数値を集めます。自殺者数と人口です。

(1)または(2)から全国と市町村の自殺者数を調べます。(全自殺者数および年齢別自殺者数)

(3)および(4)から全国と市町村の人口を調べます。(全人口および年齢別人口)
 <自殺率を求めるときは、該当期間の中間時点での人口を使います。
  ただし、年自殺率を求めるときは、国勢調査に合わせて10月1日人口を使うことが多いです>

自殺統計のための資料

資料ホームページ備考
(1) 自殺者数・自殺率
  (自殺統計(警察庁))
自殺対策/自殺の統計(厚生労働省)
(「自殺統計に基づく自殺者」をご覧ください)

このページには「人口動態統計に基づく自殺者」もあり
都道府県の数値が閲覧できます。

(2) 自殺者数・自殺率
  (人口動態統計)
人口動態調査(厚生労働省)
(調査の結果「統計表一覧」をご覧ください)
市町村は性別の数値のみです。年齢別はありません。
(3) 全国・都道府県人口人口推計(総務省統計局)
(4) 市町村人口(福島県内)福島県の推計人口

自殺統計を計算してみましょう! 

自殺統計を計算する
指標計算式備考
自殺率地域の自殺者数÷人口×100,000
年齢別自殺率地域の年齢別自殺者数÷地域の年齢別人口×100,000人口動態統計を使う場合、
市町村については年齢別自殺者数の
データがないので計算できません。
年齢調整自殺死亡率(全国年齢別人口×地域の年齢別自殺率)÷全国人口×100,000
 ↑ 全年齢分足し合わせます
人口動態統計を使う場合、
市町村については年齢別自殺者数の
データがないので計算できません。
標準化自殺死亡比
(全国標準を100として計算されます)
(地域の年齢別人口×全国年齢別自殺率)÷全国自殺者数×100
 ↑ 全年齢分足し合わせます
市町村でも計算できます。

Q. 警察庁の自殺者数と人口動態統計の自殺者数はどう違いますか?

A. 自殺者数にはおおよそ表に示した3種類の統計があります。それぞれ用途が違います。
  また、下記の違いのほか、警察庁の自殺統計と人口動態統計は自殺であることの確認の仕方が異なります。

自殺者数比較
統計地域分類の仕方用途自殺率計算
に用いる人口
備考
自殺統計/警察庁(発見地)発見された場所に基づく地域の安全対策総人口翌月に公表される  外国人を含む
自殺統計/警察庁(住居地)住んでいた場所に基づく地域住民への支援総人口翌月に公表される  外国人を含む
人口動態統計の自殺者数住民票の所在地に基づく地域住民への支援日本人人口

半年弱後に公表される  外国人は含まない

Q. 指標を計算するときには、総人口と日本人人口のどちらを使えばいいですか?

A. 次のように使い分けます。(上記の表にも示しています)
  (1) 自殺統計(警察庁)は国籍にかかわらずに自殺者数を数えるので「総人口」を使います。
  (2) 人口動態統計は日本人の自殺者数を数えるので「日本人人口」を使います

  なお、自殺率等の計算には、厳密には人口動態統計の自殺者数を使います。
  その理由は、各指標の計算の際、住民票人口を使うので、自殺者数も住民票に基いて数えなければならないからです。
  (住民票を置いたまま他地域に居住する場合に誤差が出てきます。)

Q. 自殺統計の指標のうち、どれを使えばいいですか?

A. 簡単には自殺率で構いません。しかし、高齢化率が全国と比べて著しく高い場合などは、他の3つの指標を使うことをお勧めします。
  その理由は、一般的に高齢者の方が自殺率が高いため、高齢化率が高いというだけで自殺率が高くなってしまうからです。

  その際、町村レベルの人口規模では標準化自殺死亡比を用いるほうがいいでしょう。
  その理由は、年齢ごとの自殺者数が少なすぎて、かえって誤差が出てしまうからです。

自殺率が多いか少ないかを評価する

自殺者数が数名程度の場合、1人の自殺者の増減だけでも大きく自殺率が変動してしまいます。その影響を考慮して評価するために、統計的な解析を行います。次の計算シートをダウンロードして、特定の集団(市町村など)の特定の期間の自殺率が全国よりも多いか少ないかを検定できます。

[準備するもの] 該当期間の全国の自殺率(年換算していないもの)、該当期間の該当集団の人口と自殺者数
[計算シートダウンロード] 自殺率信頼性計算シート [Excelファイル/22KB]
[計算結果の例] 市町村の自殺者数・自殺率・検定結果 [Excelファイル/19KB]
     (福島県内市町村の平成22年から25年までの人口動態統計に基づく年自殺率とその統計検定の結果)

※参考ページ:自殺関連指標を計算するためのエクセルシート(福島県)・・・各市町村の自殺統計を集約したものです

統計をどのように生かすか?

○ 統計結果を見て、現状を正しく評価するということが最も大きな役割です。

  ⇒ 多くの報道などでは、自殺者が多い、少ない、増えた、減ったといったことを、統計的な解析なしで記事にします。
    普段から数字に慣れておくことが大切です。

○ 統計を見たからといって、ほとんどの場合、一義的に対策が決まるわけではありません。

  ⇒ 自殺率が高い集団、あるいは自殺者数が高い集団への対策に重点を置くといった使い方もできますが
    最終的には対策は幅広く実施することが望ましいので、それに縛られる必要はありません。
    たとえ自殺率が低かったとしても、自殺ということは重く受け止めなければなりません。

  ⇒ 特定の集団で極端に高い自殺率が続いている、といった場合は、特別に対策を考えることが必要です。 

 

 

ご意見お聞かせください

このページの情報は役に立ちましたか?
このページは見つけやすかったですか?

※1 いただいたご意見は、より分かりやすく役に立つホームページとするために参考にさせていただきますので、ご協力をお願いします。
※2 ブラウザでCookie(クッキー)が使用できる設定になっていない、または、ブラウザがCookie(クッキー)に対応していない場合はご利用頂けません。