【労働判例の紹介】平成24(ワ)12696号 損害賠償請求事件
平成24(ワ)12696号 損害賠償請求事件 |
(東京地裁 平成26年11月4日判決) |
◯ 長時間労働及びパワハラと飲食店店長の自殺との間には相当因果関係が認められ、上司であるエリアマネージャーは、当該店長の自殺について不法行為責任を負うとされた事案 事件の概要 Aは飲食店の店長として勤務していたが、自殺する前の2年9か月余の間、恒常的に1日当たり12時間30分以上の勤務をし、休日もほとんどない状態であった。 判決要旨 東京地裁は、以下のように判示して原告の請求を認めた。 Aは恒常的に長時間労働を行い、Yからパワハラを受けていたのであり、これらによってAには強度の心理的負担がかかっていたといえる。そして、自殺する直前の、Yの電話での発言がAに対して過度のストレスを与えたことが推認される。これらの事情からすれば、Aは自殺を惹起させ得る精神障害を発症していたものというべきである。 また、被告会社は、Aが長時間労働やYのパワハラにより、心身の健康を損なうことがないよう注意する義務(安全配慮義務)を負っていたにもかかわらず、これを怠っていたものと認められるから、同社には安全配慮義務違反(債務不履行)が認められ、Aの死亡により生じた損害に対して賠償責任を負う。 参考◆ 参考文献 『労働判例』(産労総合研究所)No.1109(2015.5.15)34~49頁 |
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