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(9)団体交渉における経理資料の提出

印刷用ページを表示する 掲載日:2014年2月24日更新
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(平成24年12月6日現在)

団体交渉における経理資料の提出  ~使用者からの質問

質問

 労働組合から一時金の要求がありましたが、業績が落ち込んでいるのでゼロ回答をしたところ、納得できないとして会社の経理資料の提出を要求してきました。労働組合からのこのような要求に対して、経理資料を提出しなければならないのでしょうか。また、提出するとなれば、どのような資料を提出すればよいのでしょうか。

答え

 使用者は、団体交渉において、交渉の対象とする事項によっては、会社の経営権に関する資料であっても提出しなければならない場合があり、また、誠意をもって交渉しなければなりません。 
 提出しなければならない資料は、会社の経営権から一定の限界はありますが、一般に妥当と認められている程度の経理資料は信義則上、提出義務があると考えられます。例えば、商法や企業会計原則で、公開を要求されている損益計算書、貸借対照表に加えて、組合要求に対する回答の算定根拠、さらには総収益及び総支出、人件費の推移等についての過去の実績及び将来の見込みなども対象になると考えられます。

解説

1 団体交渉の対象事項
 団体交渉においてどのような事項を交渉の対象にできるかについては、明文の規定がありませんが、使用者が団体交渉をすることを労働組合法によって義務づけられている事項(義務的団体交渉事項)は、「団体交渉を申し入れた労働者の団体の構成員たる労働者の労働条件その他の待遇や団体的労使関係の運営に関する事項であって、使用者に処分可能なもの」と解されています。
 一般的には、賃金、労働時間、安全衛生、人事異動、解雇の基準・手続などの労働条件等労使関係に関する事項が該当し、会社組織に関すること、管理者の人事、設備の更新、生産の方法など経営に属する事項は、労働条件その他の待遇に影響ある場合には、対象事項とすることができるとされています。

2 誠実な対応の要求

 労働組合に対し説明する場合、使用者は、たとえ組合の要求に応えられない場合であっても、誠意をもって説明する義務があり、納得させるために努力する必要があります。この、 誠意をもって団体交渉に応ずべき義務を怠った場合、労働組合法第7条2号に規定する不当労働行為に当たるとされています。 
 判例では、最高裁で、使用者が、自己の主張の論拠や具体的資料を示すなど、組合の理解を求める努力をすることなく、組合要求を拒絶し自己の主張を繰り返すのみであった事案につき、不当労働行為とした労働委員会の命令が、会社は誠実に団体交渉に応じなかった等として支持された例(判例1)があり、また、高裁では、組合が、給与制度の公開・昇進・昇格の基準の明示を求めた団体交渉で、会社が、社員の給与を決める唯一の目安となる「給与レンジ」等につき、管理資料であるとして開示しなかった事案につき、不当労働行為とした労働委員会の命令が、会社は要求に応えられない理由を具体的に説明する義務を誠実に尽くしているとはいえない等として支持された例(判例2)があります。

判例

○ 判例1 東北測量事件(最高裁判決 平成6.6.13 労働委員会関係裁判例集29集119頁 )
○ 判例2 日本アイ・ビー・エム事件(東京高裁判決 平成14.9.10  労働委員会関係裁判例集37集697頁)

 

 

 

 

 

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