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【2016年6月20日(月曜日)】 Vol145

印刷用ページを表示する 掲載日:2018年3月26日更新
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目次

  • リレーエッセイ
       県教育委員会委員 佐藤 有史(さとう ゆうし)
  • 日々の思い
       平成27年度教育者表彰(文部科学大臣表彰) 沢 宏一(さわ こういち)
  • お薦めの一冊コーナー
  • 学校自慢コーナー
    • 南会津町立南郷小学校
    • 須賀川市立岩瀬中学校
    • 福島県立岩瀬農業高等学校
  • お知らせ
    • 福島県教育委員会からのお知らせ
    • 福島県立図書館からのお知らせ
    • 福島県生涯学習課からのお知らせ
  • 編集後記     
       教育総務課長 高橋 洋平(たかはし ようへい)

リレーエッセイ

「子育てと教育」

県教育委員会委員 佐藤 有史(さとう ゆうし)

 私には現在高校2年、中学3年、中学1年の子供がいます。振り返ると産まれてくる時に切に願ったことが思い出されます。親なら誰でも思うことではないでしょうか。それは、無事に元気な声で「おぎゃー」と泣いてほしいと思ったことです。
 そして、生まれてくると同時に「この子が成人するまで、ひとり立ちするまで育てないと」という漠然とした覚悟を持った記憶が昨日のように思えます。
 漠然というのは、当時私は29歳で育てる自信もなく、手段もわからなく、ただ頑張るしかないと思ったのかも知れません。もしかすると、今もその気持ちは変わらなく、試行錯誤しながらの子育ての最中です。
 その時の子育ての原点は、自分の仕事を充実させることにありました。30歳で会社を受け継ぐことになり、経営状況を盛り上げることに精一杯のところもありました。そして、安定した収入こそが家族のためになると信じていました。

 そんな私の考えを変えた出来事が、東日本大震災でした。亡くなった方や、街を追われ家を失った方が大勢いる極限状態の中で、個の大事さに気付かされたのです。自分が生きてこそ、家族と共にすることができ、会社を展開させることができる。ひいては人のため、地域のために行動することができると考えるようになりました。
 震災の復興の一環で、外務省と福島県商工会議所青年部連合会の共催事業を県のサポートを受けながらニューヨークで行いました。福島の現状を、原子力発電所の事故や放射線の影響のこと、避難している方々が大勢いること、風評被害があることにも負けず精一杯生きていくんだ、元気なんだということを伝えてきました。
 当時の外務大臣は「これから福島で生きていく君たちには、アメリカで何かを感じ、何かを得て、将来の福島のために活かしてほしい。君たちが、ニューヨークに行く本当の目的は、その覚悟を持ってもらうことだ。」と仰せられました。まさしく、その言葉を胸に刻み続けたいと思いました。

 子どもたちが学ばなければいけないことはたくさんあります。知識、教養、知恵、精神力、体力、自分自身の個を大事にしながらも、周りの個を尊重し、集団の中で助け合う心など、総合的に高い人間力を備えてほしいと思います。
 親が子供を育てるのも、学校の集団生活の中で勉強し、体づくりをするのも、子どもたちが成長し独立し自分の人生を歩んでもらいたいからだと思います。その手助けをするのが親の務めなのかなと思っています。
 今の「ふくしま」に誇りをもってもらいたいですし、学び育った故郷だと自信をもってもらいたいです。家庭と学校の関係は車の両輪とよく言われます。親も先生も互いに学びながらよりよい相乗関係を築くことが、子どもたちの成長に大きく促されると私は信じています。

日々の思い

「もう一つの運動会」

前いわき市立平第一小学校長 沢  宏一(さわ こういち)

 「運動会」なんて、どこの学校でも毎年普通にやっていると思ったが、震災直後にはその運動会ができなかった。3年前に学校現場に戻り、体育館や校舎の中でお昼を食べ、午前中だけで終わっていた運動会を、先生方の協力と保護者の方々の理解で、3年がかりだったが何とか以前の姿に戻すことができた。
 退職して1ヶ月後、私は、その運動会に招かれて有り難く参観させていただいた。青空の下、子どもたちの軽やかな動きと明るい歌声、運営に携わる先生方のきびきびとした姿、そして保護者の方々の笑顔が校庭中に溢れており、懐かしさがこみ上げてきた。

 さて、ほとんどの学校で当たり前のように行われている運動会であるが、およそ20年前に勤務した小学校で、次のような出来事があったことを思い出した。

・・・午後2時過ぎ、運動会も無事終了した。後片付けが一段落し、子どもたちが帰宅した夕方から、村の集会所で運動会の反省会が開かれた。しばらく保護者の方々と楽しく懇談していた時に、6年生のA君のお父さんが感慨深げに私にこう言った。「息子は低学年のときは、ずっと運動会に出られながったんだ。体が悪がったがら、運動会って言うといつも見学だったんだ。それが今日の全校リレーで2回も走った姿を見て、俺涙出っちまったぁ。」と。
 そう言えば、人数の関係で6年生の何人かは、全校リレーで2回走っていた。そのときは「頑張って走っているな。」としか思わなかったが、お父さんからこの話を聞いて、考えさせられてしまった。大きく成長した我が子の走る姿を、幼いころと比べて見ていたお父さん。他の子どもたちのお父さんやお母さんも、きっと様々な思いを持って応援していたに違いない・・・。

 私たちは、子どもの姿から学ぶことは本当に多い。そして保護者の方から気づかされることも多い。しかし、教師自身が子どもたちや保護者の方々の心情に思いを寄せてかかわらないと見えてこないのも事実だ。
 この思いを寄せることの大切さを教えていただいたのも「運動会」だった。

 ※沢 宏一先生は、平成27年度教育者表彰(文部科学大臣表彰)を受賞されました。

お薦めの一冊コーナー

 このコーナーでは、県立図書館司書の「お薦めの一冊」を御紹介します。

『「表現の自由」入門』 ナイジェル・ウォーバートン/著、森村進・森村たまき/訳 岩波書店 2015

 表現の自由は、限界を有するのか?
 限界があるとすれば、それはどこで線引きされるのか?

 本書は、古典的な議論から現在的問題まで、「表現の自由」をめぐる諸対立を、事例を交えて考察しています。他人の感情を害し、傷つけることが明白な表現に、われわれはどう向き合うべきなのか。
 本書は120頁余りの紙幅ながら、現代社会を考えるひとつの枠組みを提供しています。

福島県立図書館
→ http://www.library.fks.ed.jp

学校自慢コーナー

 このコーナーでは、各学校の特色ある取組を御紹介します。詳しい内容を県教育委員会のホームページで紹介していますので、御覧ください。

「地域の人・自然・文化とひびき合い、ふるさとを誇る心を!」~学びを支える豊かな体験活動~

 南会津町立南郷小学校

 本校は、福島県南西部、標高530mの山間部にあります。学校統合から5年目を迎え、『ひびき合い、ともに高まる南郷の子』を教育目標に、73名の児童が元気に学んでいます。
 地域の人々とふれ合うことを通して、自然や文化・歴史、産業・公共サービスとひびき合う体験活動を豊かな学びにつないでいます。

「育みます『確かな学力』、培います『豊かな心』、養います『健やかな身体』」

 須賀川市立岩瀬中学校

 岩瀬中学校区(岩瀬中学校・白方小学校・白江小学校)が一丸となって、目指す子ども像の実現に向けて、児童や生徒、教職員間の交流活動や授業実践を行っています。
 「ふるさと岩瀬に誇りを持ち、夢や目標の実現に向かって努力する子どもの育成」を目標に掲げ、9年間の各年齢段階(前期・中期・後期)に応じた重点事項を設定して取り組んでいます。

「生物生産科の取り組み」

 福島県立岩瀬農業高等学校

 本校は来年度創立110周年を迎える伝統ある農業高校です。6学科のうちの一つである生物生産科では、2年次から二つのコースに分かれます。
 動物科学コースでは県内の農業高校で唯一ホルスタインの飼育管理を行っており、昨年秋に開催された全日本ホルスタイン共進会に「高校特別枠」で参加しました。また、植物科学コースでは、本校の地元である鏡石町との連携事業として「かがみいし田んぼアート」の作成をしています。

お知らせ

 梅雨の季節に思い出す句があります。
  -あぢさゐを小突いてこども通りけり- 小野淳子
 思わず触れたくなったのでしょう。元気な子どもの後ろ姿と揺れる紫陽花が目に浮かびます。
 さて、ここからは6月のお知らせコーナーです。

福島県教育委員会からのお知らせ

福島県教育委員会ホームページ「トピックス」

 最近の教育動向及び教育委員会事業等の様子を発信しています。現在、6月13日(月曜日)に実施した鈴木教育長と教育委員による現場訪問の様子を掲載しておりますので、どうぞご覧ください。

教育総務課 024-521-7759 
→ 教育総務課のトップページ

「モラル・エッセイコンテスト」(小・中・高校生・一般対象)~あなたの心温まる体験談・すてきなエピソードをお聞かせください!~

 普段の生活の中で、家族、友達、学校や地域のさまざまな人々とのふれあいを通して感じた心温まる話、あなたが体験したちょっといい話、
 今伝えたいメッセージなどを聞かせてもらえませんか。きっと同じ思いをした人がいることと思います。
 詳しくは、義務教育課にお問い合わせください。

義務教育課 024-521-7774
→ 義務教育課のトップページ

「ふくしま子ども宣言」作文コンクール(小学6年生対象)~テーマ「命を大切にする」~

 東日本大震災から5年が経ちました。未来に向かって着実に歩みを進める私たちですが、これまで以上に、いのちの尊さ、命の重みを実感することが増えました。先日の熊本地震では、被災された多くの方々も同じ思いをされていることと思います。そこで「命を大切にする」ことを、もう一度立ち止まって考えてみませんか。
 詳しくは、教育総務課にお問い合わせください

教育総務課 024-521-7759

県立図書館からのお知らせ

子どもの本がつなぐスマイルプロジェクト ~絵本はともだち~

 日時:平成28年7月3日(日曜日)12時00分から15時15分
 場所:白河市立図書館 地域交流会議室・多目的ホール
 対象:子どもと保護者・保育従事者・読書ボランティア・その他関係者
 内容:乳幼児とその保護者を対象に、絵本やおはなし、わらべうた、手遊びなどを楽しむ講演会を開催し、心を育てる豊かな時間を過ごす大切さを考えます。

ブラジルの絵本作家ホジェル・メロ ―本、それは差異の迷宮―(国立国会図書館連携文化事業)

 日時:平成28年7月27日(水曜日)14時00分から16時00分
 場所:福島県立図書館 講堂
 講師:ホジェル・メロ氏
 対象:中学生以上で公共図書館や学校図書館の関係者、児童文学・絵本研究関係者、出版関係者をはじめ、一般県民の方々
 内容:
  2014年度の国際アンデルセン賞・画家賞を受賞したホジェル・メロ氏をブラジルから招き、県立図書館で講演会を開催し、子どもの読書活動推進に資するとともに被災地復興の一助とします。
   
 参加は無料ですが、事前の申し込みが必要です。詳しくは、県立図書館企画管理部にお問い合わせください。

福島県立図書館 企画管理部 024-535-3200
→ http://www.library.fks.ed.jp

「ジャーナリストスクール開催事業」

 ふくしまの今、文化、スポーツを知り、学び、考え、そして伝えるために、小学5年生から高校生までを対象とした「ジャーナリストスクール」の受講生を募集します。特別講師には、分かりやすいニュース解説で人気のジャーナリスト、池上彰氏をお迎えします。
  
受講生募集
 日時:平成28年8月6日(土曜日)から8日(月曜日) 2泊3日
 場所:郡山自然の家(集合・活動・宿泊) ビックパレットふくしま(発表・解散)
 講師:ジャーナリスト 池上 彰  先生
 対象:小学5年生から、高校3年生まで
 参加費:小学生 4,290円  中学生・高校生 4,390円

参観者募集
 日時:平成28年8月8日(月曜日) 12時30分から14時30分
 場所:ビックパレットふくしま コンベンションホール
 内容:
  受講生が作成した記事の発表会を行います。池上先生には発表の講評と子どもたちからの質問や時事問題について分かりやすくお答えいただきます。

  ※7月13日(水曜日)より募集しております。
 お申し込み、募集等の詳細については「福島県生涯学習課」のホームページを御覧ください。

福島県生涯学習課
→ https://www.pref.fukushima.lg.jp/sec/11055b/27hurusatomanabi-bosyuu.html

編集後記

 「心が動けば頭も体も動く」
 これは鈴木教育長の言葉です。
  
 この言葉は、教育の一つの真理を突いていると思っています。子供が主体性や積極性、つまりはやる気(関心・意欲)を持った時には、ものすごい学ぶ力を発揮するものです。
 その逆に、子供自身が果たして何のためになるのか、何故やらねばならないか分からないことを、ひたすら暗記させられることは苦痛なことだし、身にならないことであります。

 私がこの言葉を聞いた時に思い出した名言があるので、この場を借りて御紹介します。アメリカの教育者William Arthur Ward(ウィリアム・アーサー・ワード)の言葉です。

  ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
    The Mediocre Teacher Tells.
    The Good Teacher Explains.
    The Superior Teacher Demonstrates.   
    The Great Teacher Inspires.
    
    いまいちな教師はただしゃべる
    まあまあな教師は説明する
    素晴らしい教師は自らやって見せる
    偉大な教師は子供の心に火をつける
  ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 いささか教師に対して厳しい言葉ですが、本質的な教育方法論だと思われますし、教育長の言葉やアクティブラーニングの視点とも軌を一にするものです。

 子供が「心を動かす」には、未知のものへの好奇心を持ち、もっと理解を深めたい!と思えるような授業づくりが欠かせませんし、キャリア教育・体験活動などを通じて、学びと実社会との関係を深めさせ、自らの生きる道を考えさせることなどが重要です。
 福島県の子供たちが学ぶことに興味や関心を持ち、将来の夢の方向性と関連づけながら、「心を動かして」学べるよう、先生も我々教育委員会も自らの心に点火して、やる気満々で頑張りたいと思います!

教育総務課長 高橋 洋平(たかはし ようへい)

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