ページの先頭です。 メニューを飛ばして本文へ
ホーム > 組織でさがす > 教育総務課 > 【2017年4月20日(木曜日)】 Vol155

【2017年4月20日(木曜日)】 Vol155

印刷用ページを表示する 掲載日:2018年3月26日更新

目次

  • リレーエッセイ
       県教育委員会委員 岩本 光正(いわもと みつまさ)
  • 日々の思い          
       県教育委員会教育長 鈴木 淳一(すずき じゅんいち)
  • 就任の御挨拶
       県立高校改革監 岡崎 拓哉(おかざき ひろや)
       教育庁参事 齋藤 圭一(さいとう けいいち)
  • お薦めの一冊コーナー
  • 学校自慢コーナー
    • 下郷町立江川小学校
    • 浅川町立浅川中学校
    • 福島県立会津学鳳中学校
  • 読者投稿欄「みんなの学舎」    磐城桜が丘高等学校長 根本 良政(ねもと よしまさ)
  • お知らせ
    • 福島県教育委員会からのお知らせ
    • 福島県立美術館からのお知らせ
    • 福島県立図書館からのお知らせ
  • 編集後記
       教育総務課長 高橋 洋平(たかはし ようへい)

リレーエッセイ

「子どもの成長」

県教育委員会委員 岩本 光正(いわもと みつまさ) 

  先日、娘の大学の入学式に栃木県へ行ってきました。桜が満開で天気も良く、入学式には最高の日でした。それから数日後の4月10日に、県内の公立高校の入学式が行われ、天気も良く入学式日和ではありましたが、桜の開花は間に合いませんでした。会津は朝晩まだまだ寒いので、開花はもう少し先になるのでしょうね。
  春は、別れと出会いの季節などと言われますが、我が家では娘が親元を離れて半月近く経ちました。きちんと生活ができているのか非常に心配しています。

  離れてみると余計なことをあれこれと案じてしまいます。そんな中で、「親の仕事や役割って何だろう?」などと考えてみました。
  正解は分かりませんが「子どもが自立できるように育てること」なのかと考えます。学費の面は当然難しいことですが、一人暮らしなので身の回りの事はすべて自分でこなさなければなりません。
  我が家では、娘に家の手伝いをあまりさせていなかったので、自炊や洗濯など家事全般が一人で出来ているのか心配です。「後悔先に立たず」とは、こんなことなのだろうと妻に話すと、「ちゃんと出来るから大丈夫。」と一喝され、「親ばかだ。」とも言われてしまいました。私が思っているよりしっかりしているらしいのですが、子どもの一人暮らしを心配するのは私だけなのでしょうか。

 次に思ったことが、親と子の関係です。よく「子どもは親の背中を見て育つ」などと言われますが、子どもの成長とともに親も成長させてもらっているのではないでしょうか。
  生まれてから親としての自覚ができ、成長に合わせて色々試行錯誤を経て人として大きくさせてもらっているように思います。
  私の場合、娘が中学の時にPTAの役員にと声がかかり、お世話になっている学校だからと奉仕のつもりで入ったのがきっかけで、現在に至ります。その間、PTA活動に関わって色々な経験をさせてもらいましたし、多くの人とのつながりも増えました。こういったことも成長の一環なのではないでしょうか。
  皆さんも、子どもに関わって成長させてもらってはいかがでしょうか。私も成長の過程で、早く「子離れ」しなければと思う4月です。

日々の思い

「子どもが安心して学べる環境づくりを目指して」

県教育委員会教育長 鈴木 淳一(すずき じゅんいち)  

  東日本大震災、原子力発電所事故から6年が経過しましたが、昨年度は避難している子どもに対するいじめの問題が多数報じられるなど、未だ震災に起因する課題が山積しています。一方、イノベーション・コースト構想に寄与する人材の育成を目指す「小高産業技術高等学校」の開校や、地域とともに学び合い、支え合いながら生きる社会の実現を目指す「たむら支援学校」の開校、 避難指示の解除等に伴う小中学校再開に向けた動きも加速化しており、本県教育の復興は着実に進みつつあります。

  昨今、少子化や核家族化、過疎化が進み、子どもを取り巻く人間関係が希薄化しており、本県では震災等がこれに拍車をかけ、さらには家庭の経済状況による格差などの問題も指摘されています。学校では、いじめや不登校などの問題のみならず、そもそも人としての在り方を自覚させることやコミュニケーション能力の醸成などの課題まで抱えており、これらに学校だけで対峙することは困難な状況です。私たちは、児童生徒の学力や教員の指導力向上についての取組を進めながら、地域と連携した学校のチーム力強化や、子どもたちの学びのセーフティネットの構築に、全力で取り組まなくてはなりません。

  このような中、県教育委員会ではこれらの現状を分析し、課題に対応するための教育施策の方針を示す「頑張る学校応援プラン」を策定いたしました。本プランで示した5つの主要施策を、第6次福島県総合教育計画の重視する観点として位置づけ、戦略的に実行してまいります。

  教育は、子どもたちの夢や希望の実現を可能にするだけではなく、 ふくしまの未来を創る重要な役割を担っています。教育施策の推進に当たっては、学校現場の皆さんと思いを共有してまいりたいと考えておりますので、今年度も子どもたちのために力を発揮してくださいますようお願い申し上げます。

就任の御挨拶

教育庁県立高校改革監 岡崎 拓哉(おかざき ひろや)

  この4月に新設されました県立高校改革監に就任いたしました岡崎拓哉です。昨年度までは、知事部局の私学・法人課長として、私立学校を担当しておりました。
  教育庁には今回が初めての勤務であり、大変微力ではありますが、子どもと福島の未来のため、県立高校改革という重要課題に誠心誠意、取り組んでまいりますので、よろしくお願いいたします。

就任の御挨拶

教育庁参事        齋藤 圭一(さいとう けいいち)

  この4月に、知事部局の農林水産部農業総合センターから、人事・企画担当の庁参事に就任いたしました齋藤圭一です。教育庁には、平成25、26年度に職員課長として勤務しており、2年ぶりの復帰であります。
  本県の未来を担う子どもたちのために、教育行政の諸課題に全力で取り組んでまいりますので、どうぞよろしくお願いいたします。

お薦めの一冊コーナー

 このコーナーでは、福島県立図書館司書の「お薦めの一冊」を御紹介します。

『東日本大震災 ―救護活動から復興支援までの全記録―』 日本赤十字社企画広報室/[編] 日本赤十字社企画広報室 2013

 大災害が起こる毎にメディアに取り上げられる「日本赤十字社」。しかし、その活動内容について十分知っている方は少ないのではないでしょうか。 東日本大震災発生後、全国の日赤支部は被災各地へ職員を派遣していました。
 本書は、震災被災者への心身にわたる救援を実施した日赤の活動記録集です。 5月に当館では、日赤と連携した講演会等のイベントを開催します。本書を傍らにしながらイベントに参加し、各地で医療活動を続ける日赤について思いを巡らせてみてはいかがでしょう。

福島県立図書館
→ https://www.library.fks.ed.jp

学校自慢コーナー

 このコーナーでは、各学校の特色ある取組を御紹介します。詳しい内容を県教育委員会のホームページに掲載していますので、御覧ください。

「親和的な集団を目指して」

 下郷町立江川小学校

 本校は、平成24年度から「親和的な集団作り」をテーマに研究に取り組んできました。「江川っ子の絆9カ条」を基盤にして、学校の教育活動のあらゆる場面で、人とのつながりの大切さの理解と、その実践を積み重ねています。

「地域との交流を生かした特色ある教育活動~豊かな心を持ち、たくましい生徒の育成を目指して~」

 浅川町立浅川中学校

 本校は、「花火の里」として有名な浅川町の中心部に位置し、豊かな自然と田園地帯に囲まれた、現在、全校生徒220名の中規模校です。町内唯一の中学校として、心温かい地域の方々に支えられ、「花火の里」教室や「野田村歴史探訪学習旅行」などの特色のある教育活動を通して、「豊かな心を持ち、たくましい生徒」の育成を目指し、生徒と教職員が毎日の授業や学校行事等に熱心に取り組んでいます。


「スーパーサイエンスハイスクール(SSH)大学研修」

 福島県立会津学鳳中学校

 本校では、平成22年度から「会津学鳳高等学校・中学校」として、スーパーサイエンスハイスクールに指定され、平成28年度から平成32年度まで2期目の指定を受けました。「会津から世界を変える科学者の育成~グローカル人材育成プログラムの開発~」を研究開発課題とし、科学技術者として必要な資質や能力を育成するために様々な取組を実践しています。
 中学校では、高校で本格的に取組む課題解決型の学習に向けて、科学への興味関心を高めたり、世界や学問に対する視野を広げたりするために、第一線で活躍する研究者の講演を聴いたり、地元の高い技術を有する企業を訪問したり、また、SSHに取組んでいる高校生との交流をしています。 

読者投稿欄「みんなの学舎」

「白薩摩 色絵金襴手花生 (しろさつま いろえきんらんてばないけ)」           

磐城桜が丘高等学校長 根本 良政

  校長室前のガラスケースに、やや黄色がかった白地に金や朱などの彩色が施され、 臥竜梅(がりようばい)が描かれている「白薩摩 色絵金襴手花生」とういう花瓶が収められている。その隣に説明書き、下に薩摩焼陶工十四代沈壽官氏の写真が置かれている。説明書きには、十四代沈壽官氏は本校前進の磐城女子高等学校第4回卒業生大迫(旧姓渡辺)ナツ子氏、つまり、本校同窓生のご主人と記されているだけである。何時、誰が、何故、この花瓶を寄贈したのかについては答えてくれていない。この花瓶についての謂れを明らかにしたいとの思いが強くなった。
  手掛かりを求めて校長室を見渡すと、机の正面にある本棚の上に、「動く轆轤に 動かざる芯」平成12年2月29日 陶工十四代沈壽官と記された色紙が目に留まった。色紙の日付を手掛かりに本校百周年記念誌「桜丘の百年」に当たると、平成元年度以降の進路・文化講演会関係一覧のその他の講演会に、全校生徒を対象に第一体育館で同日に開催された沈氏による「夏女文庫」寄贈講演が記載されている。しかし、ここにもまた講演会開催の経緯についての記載がない。

  そこで、「夏女文庫」を手掛かりに図書館を調べてみると、確かに図書館の中央よりのところに「夏女文庫 2000年1月吉日 寄贈者 大迫ナツ子(旧姓 渡辺)」のプレートが付された書架が2つ並んでおり、司書室に保管されている寄贈文庫関係書類の中に寄贈を願い出た十四代沈壽官氏からの手紙が確認できた。
  手紙には、沈氏が400年前に豊臣秀吉の朝鮮侵略の際、薩摩島津氏によって連れてこられた陶工の子孫であること、妻のナツ子氏は戦時中に東京から現在のいわき市小川町高崎に疎開し、磐城女子高等学校に入学して教育を受けたことを誇りに、平成11年6月に急逝されるまで心の糧として様々な苦難を乗り越え、十四代沈壽官氏の妻となっては懸命に家を支えてきたこと、 厳しい歴史的こだわりのある遠い鹿児島の地で明るく堂々と生きてきたことを、 故郷と、同じ志を受け継ぐ後輩に伝えたかったであろう妻の思いを察し、妻の母校に図書の寄贈を申し出たことが綴られている。当時の学校司書と沈氏及び秘書との連絡文等から、「夏女」は、ナツ子氏が季刊の壽官陶苑のたよりに「陶苑日記」を掲載していた際の記名「夏女記」に因み、「ナツジョ」と読み、文庫は「夏女文庫」と名付けられたことがわかる。
  沈氏は妻の母校に総数780冊の書籍と書架2つを寄贈し、第十五代沈壽官を襲名したばかりの息子さんら家族と共に前述の2月29日に来校し、贈呈式と講演をしている。玉手匡子同窓会長によると、この時に十四代沈壽官氏が自ら沈家を象徴する白薩摩を寄贈されたのではないかとのことである。

  十四代沈壽官氏は司馬遼太郎の短編「故郷忘じがたく候」の主人公として登場している。作品中に気さくで大らかな薩摩人である沈氏と、夫に促されてお茶を入れる夫人の姿がある。

  「『沈寿官(ちんじゆかん)』」と標札があがっている。鹿児島旧士族沈寿官家はその韓国ふうの姓名が世襲であり、戸籍名であり、むろんいまの第十四代目の当主もその名なのである。・・・十四代沈寿官氏が近眼鏡をかけて縁にすわり、大きな体をゆすって機嫌よく迎えてくれた。その老熟(ろうじゆく)した作品から想像していたよりもはるかに若く、あとできいたところでは昭和2年うまれということであった。薩摩人は客のために笑顔を吝(おし)まないといわれているが、沈寿官氏はその点、いかにも隼人(はやと)ふうであり、座布団をすすめ、 膝をゆるめることをすすめ、夫人を督励(とくれい)して茶をすすめ、さらに焼酎をすすめた。座談がとぎれても笑顔を遏(や)めず、とぎれるごとに話の継ぎ穂をさがすために大きな体を立ちあがらせては、部屋のすみから古い陶器を持ってきて私にみせてくれた。」

  沈氏には、朝鮮から薩摩に連行され、その薩摩の地で故郷を思い、故郷に似た景観の地を選んでそこに住み、地元の土を材料に陶工の技を駆使して世界に誇る薩摩焼をつくりあげてきた彼に至る一族の姿と、疎開先の磐城女子高校で教育を受けたことを誇りとし、その所在地から遠く離れた薩摩焼の窯元に嫁ぎ、どんなに辛くても母校で受けた教育を糧に笑顔を絶やさず働いて窯元を支えてきた妻ナツ子氏の姿が重なったものと思われる。前述の手紙には、ナツ子氏の恩師四家ケイ先生が沈家を訪ねてナツ子氏と家族に会われた際に、沈氏の母が家の未来を託し得る最高の嫁に恵まれ、恩師の教育と磐城女子高等学校という学校に心から敬意を表し感謝したとある。

 「白薩摩 色絵金襴手花生」にはこのような思いが詰まっていると解される。 35000名以上の卒業生一人一人が思いを寄せる磐城桜が丘高等学校で学んでいる生徒諸君、諸君も故郷を愛し、本校で学んだことを誇りに持ち、人生を切り開いていってくれることを願う。

お知らせ

 新学期の登校風景。横断歩道では、中学生が小学生に「またね。」と言って分かれて行きました。学校や教室では、どんな物語が始まるのでしょうか。
 さて、ここからはお知らせコーナーです。

福島県教育委員会からのお知らせ

読者投稿欄「みんなの学舎」原稿募集のお知らせ

 メールマガジン『うつくしま教育通信』「みんなの学舎」では、投稿規定に沿って、原稿を募集してます。みなさんの学校で起こった心温まる出来事、学校にあるちょっといい話、がんばる仲間や先生とのエピソード、現在、通われている学校自慢、お子さまが通う学級自慢、懐かしい母校での思い出、心に残る先生の姿等、あなたの心のエピソードを紹介してください。

投稿規定

  • 毎月10日を締め切り日とし、集まった原稿の中から1編を掲載させていただきます。
  • 原稿は800字程度とし、様式は特にありません。
  • 他との二重投稿、採否の問い合わせはお断りします。
  • 掲載する場合は、こちらで添削させていただく場合があります。
  • 郵便番号、住所、氏名、年齢、職業(学校名)、電話番号をメール本文に明記してください。メルマガでは、市町村名のみ掲載いたします。(匿名・本名対応可能)
  • 原稿は、次のアドレス、もしくはFaxでお届けください。
福島県教育委員会「みんなの学舎」
投稿規定 → 「みんなの学舎」原稿募集のお知らせ[PDFファイル]
宛  先  → k.kouhou@pref.fukushima.lg.jp
      → 教育総務課 Fax024-521-7969

美術館からのお知らせ

[企画展]「国立西洋美術館所蔵 ミューズ:まなざしの先の女性たち」

 日時:4月22日(土曜日)から7月2日(日曜日) 月曜日休館
 時間:9時30分から17時00分(最終入館は16時30分まで)
 場所:福島県立美術館
 内容:
  昨年建築作品が世界遺産に登録された国立西洋美術館のコレクションから、合計103点の絵画、版画、彫刻、そして指輪作品が出品されます。 芸術家たちのまなざしの先にあった、魅力あふれる女性たちの姿をぜひお楽しみください。
 観覧料:一般・大学生1,000円、高校生600円、小・中学生400円

福島県立美術館 電話024-531-5511
→ http://www.art-museum.fks.ed.jp/

図書館からのお知らせ

[イベント]「ふれて 学んで 赤十字パーク2017 in 県立図書館」

 日時:5月3日(水曜日・祝日)から5月31日(水曜日)月曜日休館(祝日の場合は火曜日休館)
 時間:9時30分から19時00分(土曜日曜祝日は17時30分まで)
      ※5月3日は、11時00分よりオープニングセレモニーがあります。
 内容(1):資料展示 エントランスホール 
      赤十字社のおいたちから現在の活動を紹介
 内容(2):フラワーアート 図書館前広場
 内容(3):健康講演会 5月13日(土曜日)13時00分kら14時30分 第一研修室 定員60名
 テーマ「心臓病について」
       講師 福島赤十字病院 第1循環器内科部長 大和田尊之先生
 内容(4):映画上映会 5月14日(日曜日)講堂(事前申込不要)
      「チェブラーシカ 動物園へ行く」「ちえりとチェリー」
      3回上映((1)9時30分から11時15分、(2)12時30分から14時15分、(3)14時30分から16時15分) 
 内容(5):救急法講習会 5月20日(土曜日)13時00分から14時30分 定員30名
 内容(6):幼児安全法講習会 5月27日(土曜日) 13時00分から14時30分 定員20名

 その他:参加費はすべて無料。講演会、講習会は事前申し込みが必要です。

申し込み及び問合わせ先:日本赤十字社福島県支部 電話024-545-7996
問合せ先       :福島県立図書館 資料情報サービス部
               電話024-535-3218
                 → https://www.library.fks.ed.jp

編集後記

 先日、本県の指導主事の会議で話をさせていただきました。指導主事とは、教育課程や授業への指導助言、教員の研修会の講師などを務める、本県教育界のリーダーです。教育センターの会議室ぎっしり(200人以上)の指導主事の先生方を前にして話すのは、とっても緊張しました!
 私からは「頑張る学校応援プラン」と合わせて、僭越ながらリーダーシップの話をさせていただきました。プランの実現には指導主事のリーダーシップが欠かせないと思ったからです。

 ハーバード大のロナルド・ハイフェッツ教授は、その論文の中で、リーダーシップには、専門家として解決に向けた知恵を授けられる「技術的な問題」と、課題を抱える人たち自身が変わらなければならない「適応が必要な問題」があるといい、 ケネディ大統領などを事例にしながら、本当のリーダーに必要なのは危険や困難にさらされながらも「適応が必要な問題」に積極的に関わることだといいます。
 例えば医師に当てはめてみると、患者は苦しいので、医者の技術的・専門的知識で病気のすべてを解決してくれることを望むでしょうが、本当に病気を治すには、患者自身にも生活習慣の改善などに対峙させ、厳しい現実に自らを適応させる助けを行わなければならない。これはリーダーシップの本質だと思います。

 そして教育にも通じます。本プランに掲げるアクティブラーニングも、授業を講義形式から対話形式にするという「技術的」な側面だけでは、本質は変わりません。 教員自身がアクティブラーニングを子供たちにとって本当に必要なものと捉え、これまでの方法を変えなければなりません。子供たちも聞いているだけの授業から脱して、頭を回転させながら友人と議論を交わし、主体的に探究する必要があります。 これは教員にとっても、学習者にとっても今までのやり方を変えるという挑戦であり、しんどいことなのです。
  地域と共にある学校の実現にあたっても、コミュニティスクールという制度を導入しても、地域や親が学校に頼りきりという状態では本質は変わりません。しかし、仕事なども忙しい中で、学校に積極的にコミットすることは容易ではない場合もあるでしょう…。

  頑張る学校応援プランに書いてある「学力向上に責任を果たす」「教員自身がアクティブラーナーに」「チーム学校」「地域と共にある学校」「創造的復興教育」「学びのセーフティネット」などの方向性は王道であり、これを4年かけてしっかり実現していきたいと思っています。しかし、県教育委員会が声高に正しいことを叫ぶだけでは何も変わらない。つまり「正しいことは、いつでも正しいとは限らない」のです。

  我々が、本当に子供の成長を願うとき、予算や制度、教育方法という技術的な問題の克服だけでは不十分で、一人ひとりの大人が子供との向き合い方を変えなければならないという「適応が必要な問題」にぶつかります。これを乗り越えていくとき、本プランに書いてある「正しいことが、本当に正しいことになる」のだと思っています。
  福島の子供や教育を、社会全体でよりよい方向に向けるためにも、プランの実現や本県の教育に、何卒ご支援とご協力をお願いします。もちろん 私自身も変革させながら、福島の子供たちのために率先して汗をかきたいと思っています。

 (ちなみに健康診断で肝臓の数値が少し悪かったため、今年度から休肝日を設けるというチャレンジ(適応が必要な問題)にも取り組んでいるところです…)

教育総務課長 高橋 洋平(たかはし ようへい)

Adobe Reader

PDF形式のファイルをご覧いただく場合には、Adobe社が提供するAdobe Readerが必要です。
Adobe Readerをお持ちでない方は、バナーのリンク先からダウンロードしてください。(無料)

ご意見お聞かせください

このページの情報は役に立ちましたか?
このページは見つけやすかったですか?

※1 いただいたご意見は、より分かりやすく役に立つホームページとするために参考にさせていただきますので、ご協力をお願いします。
※2 ブラウザでCookie(クッキー)が使用できる設定になっていない、または、ブラウザがCookie(クッキー)に対応していない場合はご利用頂けません。