喜多方市
印刷用ページを表示する 掲載日:2013年12月31日更新
塩坪遺跡
喜多方市高郷町塩坪の阿賀川岸にある、旧石器遺跡である。総数866点の石器が出土している。主な資料は、ナイフ形石器22点、彫刻刀形石器5点などの石器のほか、139箇からなる礫群が発見されている。礫には火熱痕が認められる。今から15,000年前の後期旧石器時代の遺跡で、福島県を代表する旧石器遺跡である。旧石器時代の阿賀川沿いの人々の生活を物語るものといえる。
飯豊山神社
福島・山形・新潟三県にまたがる飯豊山(2,105m)は、古くから五穀豊穣や成人儀礼の山として、多くの人々が登拝する信仰の山である。村々には発拝を記念して、「飯豊山」と刻まれた石塔が多く建立されている。飯豊山には御秘所や剣ヶ峯など急峻な崖があり、無事ここを駆け山頂の飯豊山神社に礼拝する。飯豊山登拝は、十五才の少年たちが白装束に身を包み、水垢離をとるなど身を清めて臨む。先達と呼ばれる案内がつく。こうして無事、登拝すると一人前の大人として村から証認される習俗が昭和20年代までみられた。
喜多方市山都町一ノ木は、飯豊山登拝の表山道にあたり、登拝者の宿が多く連なっていた。一ノ木にも里宮としての飯豊山神社がある。飯豊山には一王子社を本社とし、五王子社まで五社があり、これを合わせて五社権現という。一ノ木の飯豊山神社には、五社権現の本地仏である五大虚空蔵菩薩像が保管されており、夏の登拝時期にはこれらを山頂の飯豊山神社に移しまつる。
飯豊山はかつては女人禁制の信仰の山であったが、現在は登山を目的とした観光の山である。