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08:カダガン・カリーン さん(バルバドス)

 3月11日の凄まじい震災後、福島県民が一丸となって総力を上げ、復興に向かって進んでいる。建物やインフラの再建の取り組みと同様に、福島県に対する風評被害の払拭のための取り組みも必要。その一環として、県庁が県内のALT(外国語指導助手)を対象とした「JETスタディツアーin会津」を主催した。ツアーを介して福島県の復興活動の現状を国内外に向けて発信することが期待されているという。

  •  「JETスタディツアーin会津」

 一泊二日のツアーの最初の目的地は福島農業総合センターだった。福島県は日本で3番目に広い都道府県で、農林水産業は従来、重要な役割を担ってきた。しかし震災以降、原発事故の影響で福島県産農産品の安全性をめぐって、世間から大きな論争を起こした。福島県農業センターで、農林水産物の緊急モニタリング体制についての説明を受けた。驚くことに、日本の一般食品に含まれる放射性物質の基準値は1キロあたり100ベクレルである。ヨーロッパの1キロあたり1000ベクレルより遥かに厳しいことが分かった。

 続いて、私達は「起き上がり小法師」の絵付け体験に挑戦した。「起き上がり小法師」とは会津地方の伝統玩具で縁起がいいと言われている(だるまのように何回押しても倒れないことからその名を付けられたとか)。その後、私達は会津地方のシンボル――鶴ヶ城を見学したり、蔵の街――喜多方市でぶらり旅したり、美味しい地酒とかの有名な喜多方ラーメンを堪能することができた。ちなみに、喜多方市のとある酒のメーカーさんが風味を増すために商品にモーツァルトの曲を聞かせながら発酵させることで有名である。

 私は現地農家の家で一泊のホームスティをした。農家の住民一家が会津の郷土料理などで最高のおもてなしをしてくれた。そして私は農家でコットンの収穫や福島県の地域性や歴史などについていろいろと学ぶことができた。しかし、私は一番感じ取れることは、福島県の最も重要なお宝は、ここで生きる県民のみなさんであること。

 私は、福島県民が諦めずに故郷の再建に必死に働く姿勢は、やがて福島県を復興の道に導けることを強く信じている。私はいつも福島県の人々に元気付けられている。皆さんは誰もが自分の物語を持っており、誰もが東日本大震災を経験して、震災がもたらした苦い思いを乗り越えて、今もなおこの地で生き続けている。私は自分自身、これらの事情を目の当たりにしてきたから、日本国内のみならず、世界中の人々が私の住んでいる福島県に来て、それを感じてほしい。福島県民はとても親切で、自分の住まいだけでなく、自分の内心世界をも案内してくれる温かい方ばかりである。そして、彼らはこれからも、自らの遭遇だけでなく、世間の憶測と比較して現在送っている生活の現状を語っていく。

 私は今回のツアーをとても素晴らしいだと思う。そして、より多くの参加者がこの有意義なツアーに申し込むことを心より期待している。

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