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2015年10月JETスタディツアー参加者レポート04

2015年10月ツアー参加者04名前: サラ・チェイニー(アメリカ)

 ドイツに行ったことがないですが、蛇口を捻るとビールが出るような印象を持っています(水よりビールが安いため)。スイスに行ったことがないですが、聞いた話の影響で綺麗な山脈や高い物価がすぐ思い浮かびます。実際の経験がないと、人間の印象は他人から聞いた話によって形作られます、(それが良い話であろうが、悪い話であろうが)。2011年の前はほとんどの人が「フクシマ」という名を知らなかったが、今となると震災の想い、放射線、とてつもない被害と恐怖を連想させます。

 日本で3番目に大きい県として、震災で福島県の評判が深い傷を負い、観光業や食品などの生産業が重大な被害を受けました。それで福島県が復興の成果や県内の魅力を発信する取組みに力を入れています。JETスタディツアーはその取組みのひとつです。

 福島に一年間住んでおり、その前に被災地でボランティア活動をしてきましたが、それでもツアーを通し、新しい発見がたくさんありました。今まで考えたことがないようなことに急に興味を持つようになりました。福島県はどうやって代替電源を探しているのか?食品に含まれる放射性物質検査をどのように行っているのか?

 他のJET参加者と一緒に、私たちが住んでいる福島について学びました。福島県が日本をより安全で効率のよい国にする取組みをどうやって、私の安全を心配している家族や友達に伝えることができるかについて考えるきっかけにもなりました。

 一番印象に残っているのは福島県の農業総合センターを見学した時でした。放射線物質検査が行われている研究室の近くで、ツアーを終え時、センターの職員が次の言葉で説明をまとめてくれました。「論より証拠」。「言葉で争い、福島の安全をアピールするよりは毎日科学的証拠で福島の安全を証明しようとしています」。

 福島は震災で大きいな打撃を受けました。それでも日本のどこの地域よりも頑張って、風評被害と戦っています。しかし復興の情報が伝わらなく、世界がネットなどで発信されている情報を見なければ、福島のイメージはずっと4年前と同じままになってしまいます。これが震災で一番悲しいことのひとつのように感じます。

 スタディツアーのおかげで十数人のJET参加者が福島の復興の現状について学びました。参加者による口コミで情報の発信がさらに広がるでしょう。JETの出身国にいる家族や友達に伝わり、国境を越えて世界中に広がります。ツアーを通して、福島について学び、新しい友達を作り、とても楽しい時間を過ごしたのですが、何よりも情報発信の効果に期待するばかりです。少しでも福島のイメージ回復に効果があればと思います。
サラさん 

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