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2015年10月JETスタディツアー参加者レポート09

2015年10月ツアー参加者09名前: オルガ・ネローニ(アメリカ)

 県内のJET参加者が誰も福島に配属された時に自分の安全に不安を感じたと思います。2011年のマスコミの報道によって、原発事故で荒らされた地域というネガティブなイメージを持っている人がほとんどです。私はこういう報道を疑って、いろいろ調べて見ましたが、福島に来るまでずっと不安な気持ちがありました。しかし、福島に着いてからすぐ安心しました。数字を見てだいぶ安心することができましたが(放射線量は私が住んでいたアメリカの地域と変わらない)何よりも、福島県民による安全の取り組みを見て安心しました。

 スタディーツアーで最初に向かったのが食の安全検査を行っている施設で、ひとつは福島の農産物などの検査を行っており、もうひとつは米専用の検査施設でした。日本の一般食品に含まれる放射性物質の安全基準はアメリカとEUの基準より何倍も厳しいです。お米の全量全袋が検査を受けています(販売されるお米、自家栽培のお米、加工食品にされるお米を含めて)。猪苗代の検査場で30キロの米袋ごとにベルトコンベア式の検査器で検査を行っています。各袋にバーコードが貼ってあり、消費者がそれを使ってお米の検査結果を調べることができます。検査体制は透明性を重要にしており、時間が掛かり、なかなか大変な作業ですが、おかげで生産者と消費者の安全が確保されています。

 他にも会津地方における、再生可能エネルギーを利用している活気ある発電所について学びました。酒造関係者を含む会津地方の住民が再生可能エネルギーに力を入れていることをみて感動しました。多くの分野で働いている地元の人が一丸になり提案した事業だということも称賛に値することだと思います。再生可能エネルギーの導入は原子力への依存を減らすには重要な取り組みであり、地元の人の環境保護に対する意識も深まります。

 スタディーツアーということで復興について勉強する部分も重要ですが、その他にも会津の観光地や特産品を楽しみました。会津地方は2011年による被害が比較的少なく、物理的な被害より観光客の減少による被害が大きいです。ツアーが3連休に開催されたのですが、鶴ヶ城や大内宿の観光客が少なかったように感じました。たくさん見どころがあるのにもったいないと思います。会津地方の自然がとても綺麗で(特にツアーが開催された秋の時期に)歴史に溢れています。アメリカから福島に引っ越して思ったのは現代のビルと何百年の歴史を持っている建物が共存しているのが面白いです。あかべこの発祥地である円蔵寺を訪問したのも楽しい経験でした。このツアーに参加することができてよかったと思います。私一人ではなかなか行けないようなところを訪れることができました。ツアーの話をして、家族や友達に日本や福島に興味を持ってもらいたいです。私と同じぐらい福島が好きになればと思います。
オルガ・ネローニさん 

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