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福島を再認識することができた

鶴ヶ城にて

名前: 張 乃吉

国籍: 中国

中国大学生福島応援視察ツアー参加者
(2014年10月)

訪問先:会津若松市など

メッセージ

 みなさん、はじめまして、私は張乃及と申します。中国の上海出身で、現在大学院で勉強しています。

 時間が経つのは早いもので、気が付けば福島から帰国してもう3日間が過ぎました。この3日間では、周りの友達から「日本はどうでうすか?福島はどうですか?」との質問は後を絶ちませんでした。たくさんの人からの質問に対して、私は「よかったですが、時間が短かったのは残念でした。」と答えました。ありのままの福島、ありのままの自然、上海から近辺の観光地に行ったのかのような感覚で、なにも不慣れなところがありませんでした。それでも、答えを模索しているうちに、私は別の角度から日本と福島を再認識することができました。

 3年前の津波による原発事故が発生したのをきっかけに、「福島」という言葉は私の視野に入りました。原発は広大な敷地を有するイメージから、一時「福島=原発」という誤認識も植え付けられました。3年の月日が経ち、福島の「危険さ」は少しずつ人々の認識から消えつつあります。これは、今度のツアーに申し込んだ一因でもあるのでしょう。

 成田空港に降り立つと、目の前のすべては新鮮で自然でした。見慣れたアジア人の顔、中国伝来のラーメン、中国人の添乗員など、日本にいながら故郷に帰ったかのような感じもしました。一方、中国と異なるラーメンの味や、コンビニに陳列されている各種の食べ物や新聞雑誌などは、普段の生活とはかけ離れており、日本の初印象となりました。

 ようやく深夜温泉旅館に着くと、初めて本物の日本式温泉に入浴することが出来ました。「体を洗ってから温泉に浸かる」という礼儀から一回の入浴は5分までという習慣まで、異文化に触れたことで私の視野を広げることができました。

 二日目の農家民宿は特に貴重な体験でした。中国では、道を尋ねると親切に案内してくれる人こといるが、初めて他人の家にお邪魔する際、多少唐突な感じがするかもしれません。しかし、喜多方市で初めて体験した農家民泊はまったく異なる感覚でした。成人式を迎えたばかりの私たちは、役場の農業課で勤めていたご主人をはじめ、農家の皆さんに盛大なおもてなしを受けました。豪勢な夕食はもちろん、ひと味ちがう手作り体験や、畑での農作業などを通じて、この地に伝承する素朴な民風に触れることができました。

 三日目では、会津大学との交流イベントを通じて、私は日本人学生の親切さを味わいました。会津大学の学生は、鶴ヶ城を案内してくれたほか、みんなで理想を語り合い、一緒に餅つき体験もしました。

  今回の視察ツアーで一番残念だったのはやはり日数が少なかったことです。もっと日本について、福島について深く認識したかったです。機会があれば、また日本に来て、まだ知らないことをいっぱい体験したいです。

 最後、この場を借りて、暖かく接して頂いた福島県民とこれから出逢うべき福島県民に伝えたいことがあります。福島の復興が一日も早くできるよう、そして皆様の生活がますます楽しく豊かになりますようにお祈りします。

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