ページの先頭です。 メニューを飛ばして本文へ

2015年01月第ニ回留学生スタディツアー参加者レポート10(馮 麒さん)

大学名: 会津大学名前: 馮 麒(中国)

 ツアーの最初に、私たちは福島市に位置する「除染情報プラザ」を訪れ、放射線に関するノウハウや福島第一原発事故による放射能汚染分布状況について説明を受けました。私は、福島県のほとんどの地域は安全であること、すなわち、原発事故によって県内各地に拡散した放射線線量は人体に被害を及ばさない程度に抑えることができたことがわかり、今までの考え方を見直しました。福島の県民は現在安心・安全に暮らすことができるようになりました。

 続いて、私たちは「かーちゃんの力プロジェクト」を訪問しました。原発事故によって他所の町で避難生活を余儀なくされた女性たちが立ち上げ、ふるさとの特産品を再現し、加工食品にして販売するプロジェクトです。福島県民として復興のために尽くす努力と、持ち前の明るさで地域に注いだ活力が重ねて、かーちゃんたちの活動に心を打たずにはいられませんでした。訪問を終えて、次の視察先への道中、かーちゃんたちの手作り弁当を頬張りながら、温かい気持ちで胸がいっぱいになりました。

 午後、私たちは津波の被害を受けた南相馬市の小高区を視察しました。車窓越しですが、随所津波による傷跡が見られています。現地のボランティアガイドさんは、震災当時の惨状や地元住民が復興に向けて施した努力について紹介してくれました。その後、私たちは南相馬ソーラーアグリパークで再生可能エネルギーの利用及び現地の子供の支援への取り組みについて勉強しました。スタディツアーの初日の最後を飾ったのは甲冑の着付け体験でした。この体験活動を通じて、相馬地区の歴史についていい勉強になりました。

 翌朝、私たちは宿泊した旅館からNPO法人「みんな共和国」を見学しました。同団体の事業は、震災後に現地の子どもたちに安心して遊べる場所及び若いお母さんたちが気軽に育児体験を交流する場所(コーヒーショップ)を提供することです。震災は被災地の家屋と田んぼに甚大な被害をもたらしましたが、現地の子供たちの笑顔を見て、私は思わず彼らが大きくなって、福島県の復興を担うべく人材へと成長した姿を連想しました。世代を超えた福島県民のたゆまぬ努力は、やがて福島県に過去の輝きを取り戻すことに繋がると信じています。

 その後、私たちは水産試験場相馬支場に移動し、震災で中止となった福島沖の漁業や漁業再開のために行われている試験操業、そして多くの人が心配している水産品の出荷状況について勉強しました。担当者の説明を聞いて、私たちはこれまで抱いていた不安を忘れ、福島県が食の安全・安心を確保するための取り組みを理解するようになりました。水産試験場を後にして、私たちは相馬中村神社で由緒ある「相馬野馬追」の歴史及び現地の歴史について勉強するとともに、騎馬体験をさせて頂きました。今回のツアーの最後を飾ったのは和田観光イチゴ園でのイチゴ狩りでした。大きくておいしいイチゴを食べて、福島県産果物の魅力を十分に堪能することができました。

 一泊二日のツアーはあっという間に終わりました。今回のスタディツアーのおかげで、私を含めて参加者たち全員が福島県の現状を再認識することが出来ました。物事は、単なる他人の言い分に流されずに、自分自身による確認することが大切です。従って、今回のスタディツアーに参加した私はこれから、胸を張って福島県の正しい現状を伝えることができると思います。
 相馬中村神社にて

概要のページへ戻る