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2015年01月第ニ回留学生スタディツアー参加者レポート19(洪 秀姃さん)

大学名: 東日本国際大学名前: 洪 秀姃(韓国)

 今回のスタディツアーを通じて、私は福島住民が東日本大震災の後どのように復興に励んでいるのかを確認できました。初日のハイライトは「かーちゃんの力」プロジェクトでした。自治体や大学の協力で故郷の特産品や加工食品を生産販売をしている女性たち(=「かーちゃん」)たちのお話を聞いて、とても驚きました。「かーちゃん」たちはの笑顔の裏には、福島産で食品生産するにあたってほかには味わえることのない苦痛と工夫がありました。バスで移動中に頂いたお弁当もとても美味しく、「かーちゃんの力」プロジェクトをもっと色んな人にも知ってもらいたいと思いました。

 その後、南相馬市観光ボランティアガイドによる案内で、被災地の現状について勉強しました。南相馬ソーラーアグリパークでは、(再生可能な)自然エネルギーについて学びました。ソーラーアグリパークを訪ねる学生たちは多いらしく、特に担当者の半谷さんが語る「日本と福島の未来を担う子ともたちを育てる」というお話が印象的でした。

 翌日、今回のスタディツアーで一番印象に強く残っているNPO法人「みんな共和国」を訪れました。放射線で親たちは子どもの外出に不安を感じていました。そのような悲しい事情から、子供も親も安心して遊べる場を作りあげたのは「みんな共和国」でした。特に、生まれて初めて水遊びをする我が子の姿を見て、思わず泣いた親たちのお話に、私も悲しみや寂しさを感じました。いっぱい遊んで、いっぱい感じる年ころの子供のはずですが、外に出れない理由は分からなくもないとはいえ、やはり残念に思います。どうか福島の子ともたちが室内だけでなく、お日様の下で自然をたくさん感じながら笑顔でいて欲しいと願いました。

 その次に訪れた水産試験場相馬支場では、福島の水産品はまだまだ乗り越えなければならない壁が多いということが分かりました。それらの壁を打ち壊すのには時間が必要だと思いますが、漁業を生業とする人たちのためにも、早く元通りに戻って欲しいと思いました。

 そのほかにも相馬中村神社で乗馬を体験したり、和田観光いちご組合で放射線の影響を受けない農法で育った苺を食べたりしました。そのいちごの味は忘れないほど美味しかったです。

 スタディツアーを通じて、嬉しい事はもう一つありました。新しい友たちができました。国籍は違いますが、日本に来て勉学することは共通しており、学生同士との出会いはとても大切な機会だと思います。日本、それも福島に来ているみんさんの話を聞くと、私と同じ喜びや悩みを持つ人がいることが分かりました。特に同じくいわき市に住んでいる友たちと知り合ったことはとても嬉しかったです。いい絆を作れたと思います。

 最後に言いたいのは、私の母国でも福島に関する情報はたくさんありますが、視点が違うためか報道している福島は危険なところばかりだという印象が強いです。それでも、私は現在福島に住んでいます。今回スタディツアーで見て感じたことをまとめてみますと、福島は完全に放射線の脅威から守られたとは一概に言えませんが、元通りの生活を取り戻すために一生懸命励んでいる人たちがいるということ、そしてこの人たちは自分の故郷をこよなく愛しているということは紛れも無く事実です。
 甲冑の着付け体験 

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