| 大学名: 福島大学 | 名前: 鍾 秋怡(ショウ シュウイ) | ||||
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冒頭に、今回のスタディツアーに参加することができて、とても光栄に思います。3日間にわたって開催されたツアーを通して、私は今まで出会っていなかった福島県の美しい風景に触れ、世界各国からやってきた留学生たちと友達にもなりました。伝統工芸品の絵付けやイチゴ狩りなどといった体験活動も、一生忘れない宝物の思い出になりました。 中でも一番印象に残ったのは、ツアー初日の「須賀川絵のぼり」の体験でした。皆さんと一緒に、のぼりに伝統のキャラクター「鍾馗(ショウキ)」を描きました。奇しくも、この「須賀川絵のぼり」の屋号「吉野屋」の伝承者は中国の画家・範曽氏と交流を持っているようで、工房の中に範氏の若かりし頃の写真を飾ったり、屋号の「吉野屋」の題字も範氏直筆のモノだったりします。違う国とはいえ、共通なルーツを持つ文化での交流は実にすばらしいと思います。余談ですが、私の苗字も「鍾」で、「鍾馗」の子孫ではないものの、何だか不思議な縁も感じざるを得ませんね。 さらに、今回のスタディツアーの中で私が大きな感銘を受けたのは、アクアマリンふくしま及び相馬市伝承鎮魂祈念館、水産試験場相馬支場でそれぞれ行った震災と原発の影響の説明でした。関係者の口演はもちろん、震災当時実際に撮影した写真やビデオを目のあたりにして、私は思わず絶句しました。福島が今日の姿を取り戻せた裏には、一体どれほどの努力を払ったのでしょうか。 残念ながら、福島は今でも震災と原発事故のことで大きな風評被害を受けています。特に本当の状況を知らない(正規なルート経由で正しい情報を手に入れなかったと言うべきか)人々は、福島県はいたるところで放射線まみれで人が住めないゴーストタウンだと思い込んでいます。正直に言いますと、私は福島大学に来る前に、家族と友達に反対されました。しかし、私は当時、「日本の国民はこの地で生活しているから、私もできるはず」と反対の意見を押し切って来日を強行しました。実際に福島に来てみると、ここは意外にも「桃源郷」でした。野菜と果物の一大産地で四季折々の農産品を楽しめますし、風光明媚で空気もおいしく、悠久な歴史と文化をもつ土地でもあります。福島県は本当に生活に最適な地だと思います。 どうしてもデータで福島の安全性を語るのであれば、東電福島第一原発周辺のモニタリングポストで観測された空間線量を使って説明しましょう。今回のツアーで私たちを載せたバスは原発から数キロしか離れていない常磐道を通過しましたが、線量は4マイクロシーベルト/時でした。数値的に福島市内の空間線量の約40倍になって、一見怖く感じるかもしれませんが、実際のところそうではありませんでした。世界中の国々が放射線量を報道するにあたって使った単位は異なります。中国ではよくミリシーベルトを使っており、国の年間被爆基準値である「2.7ミリシーベルト」がよくマスコミで見かけます。しかし、1ミリシーベルトは1000マイクロシーベルトであり、桁違いは大きな誤解を招いたのです。つまり、常磐道の同区間で1時間いても0.004ミリシーベルトしか被爆せず、国の基準を大きく下回ることになります。何度も繰り返しますが、福島は安全です。日常生活の中でも、飛行機を10時間乗れば30マイクロシーベルトの線量を被爆されるなど、私たちは常に様々なところで被爆します。従いまして、福島だけは危ないという噂は全く根拠ない中傷です。 私の言葉はどれだけ伝えられるかわかりませんが、福島で暮らしている一人の人間として、この地の復興に自分なりの力を発揮できれば、本望です。
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