第8章 指定金融機関等

第1節 通則

(出納区分)

第136条 指定金融機関等は、その取り扱う現金(現金に代えて納付される証券を含む。)について、歳計現金にあつては会計及び会計年度別に、歳入歳出外現金にあつては会計年度別に取り扱わなければならない。

(小切手帳の交付)

第137条 支払金融機関は、第84条第3項の規定により小切手帳の請求があつたときは、小切手帳受領書(第  号様式)と引換えにこれを交付しなければならない。

(指定金融機関等の使用する印鑑)

第138条 指定金融機関等は、市(町村)の公金の出納のために使用する印鑑の印影をあらかじめ出納機関に届け出ておかなければならない。

(印影の照合確認)

第139条 指定金融機関等は、第84条第5項の規定により出納機関から送付を受けた印影を整理しておくとともに、支払いの都度、これと照合確認しなければならない。

(出納に関する証明等)

第140条 指定金融機関等は、出納機関から市(町村)に属する公金の収納及び支払いに関して証明又は報告を求められたときは、その証明又は報告をしなければならない。

(帳簿書類の保存)

第141条 指定金融機関等は、収納及び支払いに関する帳簿書類を年度別及び会計別に区分し、年度経過後、少なくとも帳簿にあつては10年間、その他の書類にあつては5年間、これを保存しなければならない。

第2節 収納

(現金の収納)

第142条 指定金融機関等は、納入義務者、出納機関又は収入事務受託者から納入通知書、現金等払込書又は督促状(以下「納入通知書等」という。)により現金の納付を受けたときは、これを領収し、当該納入者、出納機関又は収入事務受託者に領収証書を交付するとともに、市(町村)の預金口座に受け入れる手続をとらなければならない。

2 前項の納入通知書等は、領収年月日を付して当該指定金融機関等において保存しなければならない。

(口座振替又は郵便振替による収納)

第143条 指定金融機関等は、納入義務者から口座振替又は郵便振替の方法により納付する旨の申出を受けたときは、納入通知書等に基づき、当該申出に係る金額をその者の預金口座から市(町村)の預金口座に振り替える手続をとるとともに、当該納入者に領収証書を交付しなければならない。

2 前条第2項の規定は、前項の納入通知書等の保存について準用する。

(証券による収納)

第144条 指定金融機関等は、納入通知書等により納入義務者、出納機関又は収入事務受託者から証券で納付を受けたときは、当該証券が施行令第156条第2項に該当する場合を除きこれを領収し、当該納入者、出納機関又は収入事務受託者に領収証書を交付しなければならない。この場合において、当該交付する領収証書に「証券」と表示するとともに、これに係る関係証書にその旨を表示しなければならない。

2 指定金融機関等は、領収した証券について市(町村)の預金口座に受け入れるため、遅滞なくこれを支払人に呈示して支払いの請求をしなければならない。

3 指定金融機関等は、証券に係る支払いを請求した場合において、当該証券に係る支払いが拒絶されたときは、直ちに、小切手にあつては小切手法第39条の規定による支払拒絶の証明を、その他の証券にあつては支払拒絶の旨の証明を受け、これにより不渡通知書(第  号様式)を作成し、納入義務者から納入された証券にあつては、施行令第156条第3項の規定による通知に併せて当該証券に係る領収証書は無効である旨の通知をし、かつ、当該領収証書の返還を求めるほか、不渡通知書を出納機関に送付するものとし、出納機関から納付された証券にあつては、これを不渡通知書に添えて出納機関に送付しなければならない。

4 第142条第2項の規定は、第1項の納入通知書等の保存について準用する。

(過年度に属する収入金の収納)

第145条 指定金融機関等は、毎年度歳入の受け入れをすることができる期間の経過後、納入義務者から当該年度の記載のある納入通知書、返納通知書又は督促状を添えて、現金又は証券の納付を受けたときは、これを現年度の歳入として受け入れる手続をとるほか、前3条の規定による手続をとらなければならない。

(過誤払金等の戻入)

第146条 指定金融機関等は、第86条の規定による返納通知書により過誤払金等の返納を受けたときは、これを領収し、当該納入者に領収証書を交付するとともに、歳出に戻入する手続をとらなければならない。

2 第142条第2項の規定は、前項の返納通知書の保存について準用する。

(指定金融機関に対する払込み)

第147条 指定代理金融機関及び収納代理金融機関は、第142条から前条までの規定により、現金又は証券を領収したときは、第144条第3項の規定による手続をとるものを除くほか、当該領収の日に次ぐ第2の取引日まで(当該領収の日が出納閉鎖期日又はその前日であるときは、別に定めるものを除き、出納閉鎖期日)に指定金融機関に払い込まなければならない。

(収入金に係る会計又は会計年度の更正)

第148条 指定金融機関は、第42条第4項の規定により出納機関から公金振替書により会計又は会計年度の更正の通知を受けたときは、直ちに更正の手続をとらなければならない。

第3節 支払い

(支払前の確認義務及び支払い)

第149条 支払金融機関は、合鑑、小切手又は送金払通知書を呈示して支払いの請求をする者があるときは、その者が正当な債権者又はその委任を受けた者であることを確認したのちでなければ、支払いをしてはならない。

2 支払金融機関は、前項に定める場合を除くほか、次の各号のいずれかに該当する場合は支払いをしてはならない。

(1) 合鑑、小切手又は送金払通知書が正規のものでないとき。

(2) 合鑑番号と現金払請求書に記載されている番号とが符合しないとき。

(3) 出納機関から送金払請求書の送付を受けた指定金融機関から送金に関する案内書類が到達していないとき。又は到達していてもこれと送金払通知書とが符号しないとき。若しくは照合しがたいとき。

(4) 現金払請求書、小切手、送金払通知書又は前号の送金に関する案内書類の金額又は債権者名が改ざんされているとき。

(5) 出納機関の印影が明りようでないとき。又は第84条第5項の規定により送付を受けた印影と符合しないとき。

(6) 亡失又は損傷により支払未済であることの証明をしたものについて当初発行に係る小切手又は送金払通知書が呈示されたとき。

(7) 小切手は、その振出日から1年を経過したものであるとき。

(8) 送金払通知書に係る資金は、交付の日から1年を経過したものであるとき。

(9) 小切手がその振出日の属する年度の出納閉鎖期日経過後に呈示されたものであるときは、当該小切手に係る資金が第155条第1項の規定による小切手等支払未済繰越金として整理されているものでないとき。

10) その他支払い又は送金に関する手続要件に反していると認められるとき。

3 支払金融機関は、前2項の規定により支払うべきものと認めるときは当該合鑑と引換えに、小切手にあつてはその裏面に送金払通知書にあつてはその所定の欄にそれぞれ住所及び氏名を記名押印させたのちこれと引換えに、それぞれ現金を交付しなければならない。

4 支払金融機関は、第1項の規定による確認の結果及び第2項各号のいずれかに該当し支払うべきものでないと認めるときは、出納機関に照会し、適切な措置をとらなけれぱならない。

5 支払金融機関は、毎日その日の小切手に係る現金の支払額について、第83条第2項の規定により出納機関から送付を受けた小切手振出済通知書により照合しなければならない。

(振出日から1年を経過した小切手等の取扱い)

第150条 支払金融機関は、前条第2項第7号又は第8号の規定に該当する場合は、当該小切手又は送金払通知書の表面余白に「支払期限経過」と表示し、これを呈示したものに返付しなければならない。

(隔地払の手続)

第151条 支払金融機関は、第74条第1項の規定により送金払請求書の送付を受けたときは、支払場所に指定された金融機関に対し、速やかに送金の手続をしなければならない。

(口座振替の手続)

第152条 支払金融機関は、第75条第2項の規定により口座振替請求書の送付を受けた場合において、口座振替をすることができるときは、直ちに当該債権者の預金口座に振替の手続をし、口座振替をすることができないときは当該口座振替請求書に「口座振替不能」の旨を表示してこれを出納機関に返付しなければならない。

2 支払金融機関は、前項の規定により口座振替をしたときは、その旨を口座振替通知書(第  号様式)により債権者に通知しなければならない。

(繰替払の手続)

第153条 指定金融機関等は、第68条第3項の規定による通知に基づきその収納に係る現金の繰替使用をしようとするときは、当該通知を受けた支払うべき経費の算出の基礎その他算出方法によつて支払額を算出し、繰替払整理票を作成し、これに当該債権者の請求印及び受領印を徴したのち、当該支払額を支払わなければならない。

2 前項の場合においては、その収納した現金に係る領収済通知書は、繰替使用額を控除した額について作成するものとし、併せて繰替使用額を注記しておかなければならない。

(支払未済金の整理)

第154条 支払金融機関は、毎年度の小切手振出済金額のうち出納閉鎖期日までに支払いを終らないものがあるときは、当該未払金額に相当する金額を小切手等支払未済繰越金として整理するとともに、小切手等支払未済調書(第  号様式)を作成し、指定金融機関にあつてはこれを出納機関に、指定代理金融機関にあつてはこれを指定金融機関に送付しなければならない。

2 支払金融機関は、出納閉鎖期日後において、その振出日付の属する年度が前年度のものである小切手の呈示を受けて支払いを求められたときは、当該小切手がその振出の日から1年を経過していないものである場合に限り、前項の小切手等支払未済繰越金から支払いをしなければならない。

3 支払金融機関は、前項の規定により小切手等支払未済繰越金から支払いを行つたときは、指定金融機関にあつては出納機関に、指定代理金融機関にあつては指定金融機関に、その都度これを通知しなければならない。

4 指定金融機関は、第1項の規定により指定代理金融機関から小切手等支払未済調書の送付を受けたときは、これをとりまとめて出納機関に送付しなければならない。前項の規定により支払いの通知を受けた場合も、また同様とする。

(支払未済金の歳入への繰入れ)

第155条 支払金融機関は、前条第1項の規定による小切手等支払未済繰越金のうち、小切手の振出日付から1年を経過してもなお支払いが終わらないものに係る金額を毎月分とりまとめて、翌月5日までにその経過した日の属する年度の歳入に繰り入れ、直ちに小切手等支払未済金繰入調書(第  号様式)を作成し、指定金融機関にあつてはこれを出納機関に、指定代理金融機関にあつてはこれを指定金融機関に送付しなければならない。

2 指定金融機関は、前項の規定により指定代理金融機関から小切手等支払未済金繰入調書の送付を受けたときは、これをとりまとめて、速やかに出納機関に送付しなければならない。

3 前2項の規定は、施行令第165条の6第3項の規定により隔地払資金のうち1年を経過しても支払いを終らないものを、その経過した日の属する年度の歳入に繰入れる場合に準用する。

(過誤納金の戻出)

第156条 支払金融機関は、第41条第2項の規定により「過誤納還付」と表示された小切手及び関係書票により過誤納金の請求を受けたときは、当該歳入から戻出する手続をとらなければならない。

2 第149条から第152条までの規定は、前項の規定により戻出する場合について準用する。

(支出金に係る会計又は会計年度の更正)

第157条 第148条の規定は、第87条第4項の規定による公金振替書により更正の通知を受けた場合に準用する。

第4節 公金振替

(公金振替の手続)

第158条 支払金融機関は、第71条の規定により公金振替書の交付を受けたときは、直ちに振替の手続をとり、公金振替済通知書(第  号様式)を出納機関に送付しなければならない。

第5節 収支報告

(収支報告)

第159条 指定代理金融機関は、毎日その日に取り扱つた公金の収納及び支払いの状況について、収支日計表(第  号様式)を作成し、その翌日までに、指定金融機関に送付しなければならない。

2 前項の規定は、収納代理金融機関の取り扱つた公金の収納に係る収支日計表について準用する。

3 指定金融機関は、毎日その前日に取り扱つた公金の収納及び支払いの状況と、前2項の規定により送付を受けた収支日計表とをとりまとめて、収支日計表を作成し、翌日までに出納機関に送付しなければならない。

4 収支日計表には、領収済通知書、返納済通知書及び公金振替済通知書を添えなければならない。

5 支払金融機関は、第68条第3項の規定による通知に基づき繰替払をしたときは、収支日計表は、当該繰替使用した額を控除した額について記載するものとし、第153条第1項の規定による繰替払整理票を添えなければならない。

第6節 歳入歳出外現金

(歳入歳出外現金の受入れ及び払出し)

第160条 前5節の規定は、歳入歳出外現金の受入れ及び払出しの手続きについて準用する。

(歳入歳出外現金の繰越し)

第161条 指定金融機関等は、毎年度3月31日において、歳入歳出外現金に残高があるときは、出納機関の通知をまたないで、これを翌年度に繰り越さなければならない。

2 指定金融機関等は、前項の規定により歳入歳出外現金を翌年度に繰り越したときは、歳入歳出外現金繰越調書(第  号様式)を作成し、これを出納機関に送付しなければならない。