第1編 平成19年度決算の概要

 

T 概 況

 本書に収録した平成19年度決算における市町村数、一部事務組合数、財産区数、公営事業会計数及びこれらに係る決算規模は次のとおりである。

 

団体(会計)数及び決算規模の状況

 

団体(会計)区分

団体(会計)数

平成19年度歳入歳出決算額

 

18年度

 

19年度

 

歳   入

 

歳   出

 

1 普通会計

 (1)市町村

 (2)一部事務組合

 (3)財産区

2 公営事業会計

 (1)収益事業会計

 (2)国民健康保険事業会計

   ()事業勘定

   ()直診勘定

 (3)老人保健医療事業会計

 (4)介護保険事業会計

   ()保険事業勘定

   ()介護サービス事業勘定

 (5)交通災害共済事業会計

 

 

60

28

82

 

1

 

60

15

60

 

60

20

1

 

 

60

28

85

 

1

 

60

15

60

 

60

19

1

 

 

787,836,494

54,055,119

1,055,910

 

22,175,880

 

215,207,500

2,030,816

195,206,303

 

115,687,203

222,447

422,005

 

 

765,359,946

52,329,254

600,970

 

21,965,017

 

207,777,995

1,942,066

194,813,423

 

113,226,307

204,489

387,852

 (注)財産区数には、平成19年度の決算統計の対象とならなかったもの(21団体)を含む

 

U 平成19年度市町村普通会計決算の概要

 

1 決算規模

  県内市町村の普通会計決算額は、次のとおりである。

    歳 入 7,8783,6494千円 (前年度 7,7186,0106千円)

    歳 出 7,6535,9946千円 (前年度 7,4853,5982千円)

これを前年度と比べると、歳入が1597,6388千円、2.1%増、歳出が1682,3964千円、2.2%増となり、ともに前年度より増加している。増減率においても前年度に比べると、歳入では4.0ポイント、歳出でも4.0ポイント上回っており、歳入歳出決算額は、平成11年度以降8年ぶりに増加している。

決算額の増減率は、市部が歳入2.5%増、歳出2.7%増、町村部が歳入1.1%増、歳出1.0%増となっている。

また、平成18年度の数値について、平成20331日現在の団体数に合わせるため、合併のあった団体については、各団体の値を合算し合併後の団体として計上している。これ以下も同様である。

なお、決算規模及びその増減率の推移は、第1表及び第2表のとおりである。

 

2 決算収支

 

歳入歳出差引額(形式収支)は、市町村計で2247,6548千円の黒字となっている。これを市部及び町村部に分けてみると、市部は1561,2783千円の黒字(前年度1673,2257千円の黒字)、町村部は686,3765千円の黒字(前年度659,1867千円の黒字)となっており、昨年度に引き続き全団体が黒字となっている。

 

(1)実質収支

実質収支(歳入歳出差引額から明許繰越等のため翌年度へ繰り越すべき財源を控除した額)は、市町村計で1965,5764千円の黒字(前年度2148,3229千円の黒字)となっている。これを市部及び町村部に分けてみると、市部は1366,9077千円の黒字(前年度1516,5191千円の黒字)、町村部は598,6687千円の黒字(前年度631,8038千円の黒字)であり、黒字額は市部・町村部共に前年度より減少している。なお、実質収支でも昨年度に引き続き全団体が黒字となっている。

また、標準財政規模(地方公共団体の一般財源の標準規模)に対する実質収支額の割合(実質収支比率)は、4.0%60市町村の単純平均)となり、前年度から0.9ポイント低下した。実質収支比率については、一般的に3%5%程度が望ましいとされており、団体の規模や当該年度の経済状況等によって一概には言えないものの、ほぼ適正な範囲内にあると考えられる。

 

(2)単年度収支及び実質単年度収支

単年度収支(当該年度の実質収支から前年度の実質収支を差し引いた額)は、市町村計で183,9125千円の赤字(前年度108,3118千円の黒字)となった。これを市部及び町村部に分けてみると、市部は155873千円の赤字(前年度43,9811千円の黒字)で、町村部は33,3252千円の赤字(前年度64,3307千円の黒字)となっている。なお、単年度収支の赤字団体は、市部は6団体、町村部は28団体となっている。

また、実質単年度収支(単年度収支に財政調整基金への積立額及び地方債の繰上償還額を加え、財政調整基金からの取り崩し額を差し引いた額)は、市町村計で494,0978千円の赤字(前年度279,7689千円の赤字)となっている。これを市部及び町村部に分けてみると、市部は555,5952千円の赤字(前年度442,4102千円の赤字)、町村部は61,4974千円の黒字(前年度162,6413千円の黒字)となっている。市部が赤字となったのは、人件費、扶助費、公債費など義務的経費が伸びた一方、地方交付税など一般財源が減少したことなどによるものと考えられる。実質単年度収支の赤字団体は、市部で8団体、町村部で23団体となっている。

なお、実質収支等の決算収支の推移は第3表及び第1図のとおりである。

 

3 歳入

歳入総額は、7,8783,6494千円で、前年度(7,7186,0106千円)に比べて、1597,6388千円、2.1%の増となり、前年度の増減率(1.9%減)より4.0ポイント上回った。

  歳入の主なものは、

   地 方 税

   地方交付税

   国庫支出金

   地 方 債

2,794億 3371千円1,8335,1938千円

6614,6671千円

7195,8426千円

(構成比35.5%、対前年度増減率   9.1%

(構成比23.3%、対前年度増減率 △ 2.8%

(構成比 8.4%、対前年度増減率   8.3%

(構成比 9.1%、対前年度増減率   5.6%

となっており、これらの4科目で歳入総額の76.3%を占めている。

また、対前年度増減率の大きい科目は、増加科目では、寄附金が52.9%、利子割交付金が30.8%、配当割交付金が27.0%などとなっている。一方、減少科目では、地方特例交付金等が△70.0%、地方譲与税が△53.4%、株式等譲渡所得割交付金が△16.5%などとなっている。

なお、歳入決算額の構成比の推移は第2図のとおりである。

 

(1)地方税

地方税の決算額は2,7943371千円で、前年度(2,5618,115万円)と比べて2322,2221千円、9.1%の増となっている。増減率は、前年度(0.6%増)より8.5ポイント上回っており、地方財政計画における地方税の増減率(15.7%増)との比較では6.6ポイント下回っている。

また、歳入総額に占める割合は、前年度の33.2%から35.5%へと増加している。

地方税のうち主要税目である市町村民税及び固定資産税の対前年度増減率をみると、市町村民税のうち個人分は、均等割が2.4%増(前年度15.8%増)、所得割は28.6%増(前年度8.8%増)となっている。法人分については、均等割が0.5%増(前年度1.2%増)、法人税割は企業業績が好調を維持しているため18.5%増(前年度13.5%増)となっている。また、固定資産税は純固定資産税が0.8%増(前年度4.6%減)、交付金が38.4%増(前年度4.7%減)、納付金が2.5%減(前年度11.8%減)となり、全体では1.1%増(前年度4.6%減)となり、増減率では前年度を5.7ポイント上回っている。

次に、目的税では、入湯税が1.5%減(前年度3.6%増)、事業所税が3.9%増(前年度1.3%増)、都市計画税は1.1%増(前年度4.8%減)となり、全体では1.7%増(前年度2.7%減)、増減率では前年度を4.4ポイント上回っている。

税目毎の構成比では、固定資産税48.0%(前年度51.8%)、市町村民税40.4%(前年度35.5%)、目的税5.5%(前年度5.9%)の順になっている。

また、地方税全体の徴収率は市町村の滞納整理などの徴収努力により、対前年度比0.6ポイント増の91.7%(現年度分97.9%、滞納繰越分15.1%)となっている。

なお、税目毎の構成比は第3図のとおりである。

 

2)地方交付税

地方交付税の決算額は1,8335,1938千円で、前年度(1,8856,3562千円)と比べて521,1624千円、2.8%の減(前年度2.6%減)となっている。

これを普通交付税と特別交付税に分けてみると、普通交付税は1,6485283千円で、前年度(1,6971,8305千円)と比べて491,3022千円、2.9%の減。特別交付税は1854,6655千円で、前年度(1884,5257千円)と比べて29,8602千円、1.6%の減となっている。

また、地方交付税を市部及び町村部に分けてみると、市部で4.1%減、町村部で0.7%減となっている。なお、地方交付税総額に占める割合は市部が60.1%、町村部が39.9%となっている。

なお、普通交付税の不交付団体は、西郷村、広野町、楢葉町、大熊町の4団体となっている。

 

(3)国庫支出金

国庫支出金の決算額は6614,6671千円となっており、前年度(6107,8941千円)に比べて506,773万円、8.3%増加している。

国庫支出金の主な内訳をみると、普通建設事業費支出金は1349,0432千円で、前年度(1424,0703千円)に比べて75,0271千円、5.3%の減少、生活保護費負担金は1514,3264千円で、前年度(1527,6584千円)に比べて13,332万円、0.9%の減少、その他の国庫支出金(支援費支出金等)は2104,8405千円で、前年度(2279,041万円)に比べて174,2005千円、7.6%の減少となっているが、地方道路整備臨時交付金の増加(645,9669千円)等により全体として増加となっている。

 

(4)県支出金

県支出金の決算額は3962,514万円で、前年度(3545,4135千円)と比べると417,1005千円、11.8%増加している。

県支出金の内訳では、国庫財源を伴い県の予算を通じて市町村に支出される間接補助金が58.6%(前年度57.4%)を占め、県の単独施策によるものは41.4%(前年度42.6%)となっている。

また、間接補助金の対象事業別構成比では、その他の県支出金が38.9%(前年度60.9%)と最も多く、続いて普通建設事業費支出金の13.8%(前年度19.4%)、児童手当交付金の13.6%(平成19年度より追加)が上位となっている。

 

(5)地方債

地方債の決算額は7195,8426千円で、前年度(6813,2617千円)に比べると382,5809千円、5.6%増加した。

主な内訳では、臨時財政対策債が2143,9247千円(地方債発行額の29.8%)と最も多く、続いて一般単独事業債2114,482万円(同29.4%)、教育・福祉施設等整備事業債983,280万円(同13.7%)、過疎対策事業債374526千円(同5.1%)、退職手当債282,870万円(同3,9%)、一般公共事業債227,550万円(同3.2%)の順になっている。

この結果、地方債依存度(地方債の歳入総額に占める割合)は9.1%となり、前年度(8.8%)より0.3ポイント上回ることとなった。

 

6)歳入の構造

以上の結果、一般財源(地方税・地方譲与税・利子割交付金・配当割交付金・株式等譲渡所得割交付金・地方消費税交付金・ゴルフ場利用税交付金・自動車取得税交付金、地方特例交付金及び地方交付税の合計)は、歳入総額の増加率2.1%増(前年度1.9%減)を下回る0.2%減(前年度0.4%増)となっている。

また、歳入総額に占める一般財源の割合は64.0%となり、前年度(65.5%)よりも1.5ポイント下回っている。これを市部及び町村部に分けてみると、市部では62.9%と前年度(64.8%)よりも1.9ポイント、町村部では66.7%と前年度(67.0%)よりも0.3ポイント下回っている。

なお、一般財源に臨時財政対策債発行額を加えると、歳入総額に占める割合は66.7%となり、前年度(68.5%)を1.8ポイント下回る結果となった。これを市部及び町村部別に見ると、市部では65.5%と前年度(67.7%)を2.2ポイント下回り、町村部では69.9%で前年度(70.6%)を0.7ポイント下回っている。

歳入を自主財源(地方税、分担金・負担金、使用料・手数料、財産収入、寄附金、繰入金、繰越金及び諸収入の合計)と依存財源に分けた場合、自主財源の歳入総額に占める割合は48.9%となり、前年度(46.3%)よりも2.6ポイント上回っている。これを市部及び町村部に分けてみると、市部では51.6%と前年度(49.3%)を2.3ポイント上回り、結果として自主財源が依存財源をわずかではあるが上回る状況となっている。町村部では、自主財源が41.7%と前年度(38.7%)よりも3.0ポイント増加している。しかし、依然として自主財源基盤(特に地方税)の脆弱さが現れている。

なお、一般財源及び自主財源の状況は第4表及び第4図のとおりである。

 

4 歳出

  歳出総額は7,6535,9946千円で、前年度(7,4853,5982千円)に比べて1682,3964千円、2.2%の増加となり、前年度の増減率(1.8%減)より4.0ポイント上回った。

 

(1)性質別歳出の状況

歳出のうち、義務的経費(人件費、扶助費及び公債費の合計)は、3,4013,4531千円で、前年度(3,3145,8358千円)と比べると867,6173千円、2.6%増加しており、前年度の増減率(0.8%増)を1.8ポイント上回った。これは人件費で前年度比0.6%増、扶助費で前年度比6.9%増、公債費で前年度比2.3%増となったためである。

なお、義務的経費の歳出総額に占める割合は44.4%と前年度(44.3%)よりも0.1ポイント上回っている。

投資的経費(普通建設事業費、災害復旧事業費及び失業対策事業費の合計)は1,1913,1816千円で、前年度(1,1872,7217千円)に比べると44599千円、0.3%増となっている。これは、前年度に比べて災害復旧事業費が9.5%増(38,6796千円の増)となったためである。

なお、投資的経費の歳出総額に占める割合は15.6%と前年度(15.9%)よりも0.3ポイント下回っており、前年度に引き続き義務的経費の構成比(44.4%)を大きく下回っている。

義務的経費及び投資的経費を除くその他の経費では、区分順に、物件費が9889,6822千円で前年度(9669817千円)に比べると228,7005千円の2.4%増、維持補修費が1124,1153千円で前年度(1124,2622千円)に比べると1469千円のわずかな減、補助費等が7421,4189千円で前年度(7569,5675千円)に比べると148,1486千円の2.0%減、積立金が2119,1916千円で前年度(1935,2316千円)に比べると183,960万円の9.5%増、投資及び出資金が606,5822千円で前年度(338,9876千円)と比べると267,5946千円の78.9%増、貸付金が1183,2499千円で前年度(1037,0361千円)に比べると146,2138千円の14.1%増、繰出金が8265,1198千円で前年度(8168,974万円)に比べると96,1458千円の1.2%増、前年度繰上充用金が前年度同様0千円となっている。

なお、性質別歳出決算額構成比の状況は第5図、義務的経費及び投資的経費の状況は第5表及び第6図のとおりである。

 

 ア 人件費

人件費の決算額は、1,5007,7055千円で、前年度(1,4916,1625千円)に比べると91,5435千円、0.6%増加している。これは、集中改革プラン等における定員管理及び給与の適正化などによって、職員給が減少したものの、退職手当が増加したことによって全体としては増加となったためである。また、人件費の歳出総額に占める割合は19.6%と前年度(19.9%)よりも0.3ポイント下回っている。

人件費の内訳は、職員給が1,0115,9226千円(人件費に占める割合は67.4%)、地方公務員共済組合等負担金1841,8624千円(同12.3%)、退職金が1836,4777千円(同12.2%)等となっている。

 

 イ 扶助費

扶助費の決算額は842456千円で、前年度(7877,4142千円)と比べると542,6314千円、6.9%増加しており、前年度の増減率(5.8%増)を1.1ポイント上回っている。これは、児童手当の制度拡充による増加などによるものである。

扶助費の98.1%は民生費が占めているが、その内訳は児童福祉費が4046,8078千円(扶助費に占める割合は48.1%)、生活保護費が2025,5082千円(同24.1%)、社会福祉費が1899,357万円(同22.6%)と、この3科目で扶助費全体の94.7%となっている。

 

 ウ 公債費

公債費の決算額は1,0585,702万円で、前年度(1,0352,2591千円)に比べると233,4429千円、2.3%の増となっており、前年度(1.3%増)の増減率を1.0ポイント上回っている。

公債費の歳出総額に占める割合は、前年度同様13.8%となっている。

公債費の内訳は、地方債元金償還金が8784,7696千円(公債費に占める割合は83.0%)、地方債利子が1798,8284千円(同17.0%)、一時借入金利子が2,104万円(同0.0%)となっている。

公債費に充当された財源の内訳をみると、一般財源等が1,0169,9548千円で財源全体の96.1%(前年度は96.2%)と大部分を占めており、特定財源の中では使用料・手数料が326,7744千円(公債費に占める割合は3.1%)となっている。

 

 エ 普通建設事業費と災害復旧事業費

普通建設事業費の決算額は1,1467,3067千円で、前年度(1,1465,5264千円)と比べると1,7803千円、わずかな増加(0.0%)となっている。増減率は、前年度(3.9%減)と比べ3.9ポイント上回っているが、依然厳しい財政状況である。

また、普通建設事業費の歳出総額に占める割合は15.0%と前年度の15.3%と比べ0.3ポイント下回っている。このうち補助事業費は3634,5489千円で、前年度(3453,7276千円)と比べると188213千円、5.2%増加し、単独事業は7275,5929千円で、前年度(7378,1683千円)と比べると102,5754千円、1.4%減少している。これを市部及び町村部で分けてみると、市部では補助事業費が12.1%増、単独事業費が4.8%減となっている。また、町村部では補助事業費が10.9%減、単独事業費が7.2%増となっている。

なお、普通建設事業費における補助事業費の割合は31.7%(前年度30.1%)、単独事業費の割合は63.4%(前年度64.4%)となっており、昭和56年度以降27年連続して単独事業費が補助事業費を上回っている。

災害復旧事業費の決算額は、445,8749千円で、前年度(407,1953千円)と比べると38,6796千円、9.5%の増加となり、市部では25.0%、町村部はわずかに増加している。

 

 オ その他の経費

物件費は、2.4%の増(前年度3.7%減)となっており、内訳では交際費が6.2%減、旅費が4.7%減、需用費が1.5%減と減少しているものの、委託費が5.4%増、賃金が5.3%増、役務費が2.6%増と全体として増加となっている。また、補助費等は2.0%減(前年度4.3%増)、積立金は9.5%増(前年度31.6%減)、投資及び出資金は、78.9%増(前年度11.7%減)、繰出金は前年度より若干増加して1.2%増(前年度1.7%増)となっている。

なお、義務的経費及び投資的経費を除いたその他の経費の増減率は2.6%増となっており、前年度(3.9%減)を6.5ポイント上回っている。また、歳出総額に占める割合は40.0%で、前年度(39.9%)を0.1ポイント上回っている。

 

(2)目的別歳出の状況

   歳出の主な目的別内訳をみると、構成比の高い順から、

   民生費 1,7641,4873千円

   総務費 1,1674,2457千円

公債費 1,0585,881万円

   土木費  9723,0412千円

教育費   912億 5484千円

   衛生費    7032,660万円

(構成比 23.0%、対前年度増減率   5.1%

(構成比 15.3%、対前年度増減率   7.9%

(構成比 13.8%、対前年度増減率   2.3%

(構成比 12.7%、対前年度増減率 ▲ 1.7%

(構成比 11.9%、対前年度増減率 ▲ 4.3%

(構成比  9.2%、対前年度増減率   1.8%

であり、民生費が前年度に引き続きトップとなった。

増減額で増加した主な科目は、民生費が1,7641,4873千円、前年度(1,679481万円)に比べて851,0063千円の増、総務費が1,1674,2457千円、前年度(1,0828099千円)に比べて853,4358千円の増、衛生費が7032,660万円、前年度(6908,0147千円)に比べて124,6453千円の増、公債費が1,0585,881万円、前年度(1,0352,2806千円)に比べて233,6004千円の増加となっている。一方、減少した主な科目は、教育費が9125484千円、前年度(9525,4148千円)に比べて404,8664千円の減、農林水産費が3527,5118千円、前年度(3757,4702千円)に比べて229,9584千円の減、土木費が9723,0412千円、前年度(9891,5344千円)に比べて168,4932千円の減少となっている。

なお、目的別歳出決算額構成比の状況は、第7図のとおりである。

 

 

(3)財政指標(経常収支比率等)

財政構造の弾力性を示す指標とされている経常収支比率(減収補てん債特例分及び臨時財政対策債を地方税収入などと同様に経常的な一般財源等とする。)は87.3%となり、前年度(86.6%)を0.7ポイント上回った。また、その内訳(構成比)をみると、人件費分27.7%(前年度28.3%)、公債費分20.1%(前年度20.1%)となっており、経常経費充当一般財源等全体からみても52.3%と大きな割合を占めている。

一方、減収補てん債特例分及び臨時財政対策債を経常一般財源等から除いた場合の経常収支比率は91.8%となり、前年度(91.7%)を0.1ポイント上回った。その内訳(構成比)をみると、人件費分29.1%(前年度30.0%)、公債費分21.2%(前年度21.3%)となっている。

起債制限比率(3カ年平均)は10.3%で、前年度(10.5%)を0.2ポイント下回った。

平成18年度の地方債協議制移行に伴い公債費による財政負担の程度を客観的に示す新たな指標として導入された実質公債費比率(3ヵ年平均)は15.8%で、全国加重平均を3.5ポイント上回っている。地方債の発行に際し、知事の許可が必要となる実質公債費比率が18%以上の団体は616町村となっている。

その他、地方債現在高倍率(地方債現在高の標準財政規模に対する割合)は186.9%で、前年度(190.5%)を3.6ポイント下回っている。

また、積立金現在高比率(積立金現在高の標準財政規模に対する割合)は35.9%で、前年度(37.2%)を1.3ポイント下回っている。

主な財政指標の傾向をみると、起債制限比率は10%前後で推移しているものの、経常収支比率(減収補てん債特例分(平成18年度までは減税補てん債)、臨時税収補てん債及び臨時財政対策債を一般財源に含む)については、平成3年度以降上昇傾向となっている。

なお、経常収支比率、公債費比率、起債制限比率及び実質公債費比率の推移は第6表のとおりである。

    ※1 平成13年度決算から経常収支比率の算出方法が変わり、分母の経常一般財源等に「減収補てん債特例分(平成18年度までは減税補てん債)」及び「臨時財政対策債」を加えている。また併せて「減収補てん債特例分(平成18年度までは減税補てん債)」及び「臨時財政対策債」を経常一般財源等から除いた経常収支比率も算出している。

  ※2 地方公共団体の財政の健全化に関する法律による健全化判断比率の考え方との整合性をとるため、平成19年度決算統計から臨時財政対策債発行可能額を加えた数値としている。

 

5 将来にわたる財政負担

 

(1)地方債現在高

平成19年度末の地方債現在高は8,8535,8488千円で、前年度末現在高(9,0124,7758千円)よりも1588,927万円、1.8%の減少となっている。平成19年度に新たに借り入れた金額は7195,8426千円(前年度6813,2617千円)で5.6%増となっており、平成19年度に償還した元金償還額は8784,7696千円(前年度8434,7167千円、4.2%増)となっている。

地方債現在高の増加額をみると、臨時財政対策債が1581,7823千円増と最も大きく、続いて合併特例事業債が1103,1265千円増、一般補助施設整備等事業債が433,9592千円増、退職手当債が282,870万円増などとなっている。

地方債現在高の増加率を見ると、退職手当債が1,786.9%増、一般補助施設整備等事業債が169.1%増、施設整備事業債(一般財源化分)が127.9%増、合併特例事業債が98.2%増などとなっている。

また、地方債現在高の構成比をみると、一般単独事業債が30.5%と最も大きく、次に臨時財政対策債が20.4%、教育・福祉施設等整備事業債が12.1%、一般公共事業債が5.7%、減税補てん債が5.5%と続いている。

 

(2)債務負担行為額

債務負担行為に基づく翌年度以降の支出予定額は1,2711,5599千円で、前年度(1,4292363千円)と比べると、1578,6764千円、11.0%減少している。

目的別にみると、物件の購入等に係るものが3714,7918千円(構成比29.2%)、その他が8969,2454千円(同70.6%)となっている。また、物件の購入等に係るものの内訳は、建造物の購入に係るものが1807,6005千円(構成比14.2%)、土地の購入に係るものが1571,4966千円(同12.4%)、製造・工事の請負に係るものが308,6212千円(同2.4%)等となっている。なお、「その他」の内容は農林水産業や商工業等への利子補給に係るものなどである。

過去に設定した債務負担行為に基づく平成19年度の支出額は2783,2342千円で、前年度(2625,3106千円)と比べると、157,9236千円、6.0%増加しており、これは歳出総額の3.6%(前年度3.5%)を占めている。その財源内訳をみると、一般財源等が1942,9426千円(構成比69.8%)で最も大きく、次いで地方債が492,650万円(同17.7%)、国・県支出金が89,7045千円(同3.2%)と続いている。

 

(3)積立金現在高

平成19年度末の積立金現在高は1,7014,869万円で、前年度末(1,7598,6214千円)と比べると、583,7524千円、3.3%減少している。その内訳をみると、年度間の財源調整を行うために積み立てる財政調整基金が6042438千円(構成比35.5%)で、前年度末(6315,7413千円)と比べると、275,4975千円、4.4%の減少、将来の地方債の償還に充てるために積み立てる減債基金が1176,6904千円(構成比6.9%)で、前年度末(1266,916万円)と比べると、92256千円、7.1%の減少、公共施設建設等の特定目的に充てるために積み立てるその他特定目的基金が9797,9348千円(構成比57.6%)で、前年度末(1,0015,9641千円)と比べると、218,0293千円、2.2%の減少となっている。

 

(4)将来にわたる財政負担

地方債現在高に債務負担行為に基づく翌年度以降支出予定額を加えた額を標準財政規模で除した割合(債務比率)は、前年度(220.7%)を7.0ポイント下回る213.7%となっている。

また、地方債現在高に債務負担行為に基づく翌年度以降支出予定額を加え、積立金(財政調整基金及び減債基金)現在高を差し引いた実質的な県内市町村の将来の財政負担は、平成19年度末で9,4034745千円、前年度末(9,6832,3551千円)と比べると2801,8806千円、2.9%減少している。なお、この額は平成19年度歳入総額の119.4%に相当し、前年度(125.5%)よりは6.1ポイント下回っている。

 

6 むすび

平成19年度の県内市町村の財政状況(普通会計)は以上のとおりであり、財政的に極めて厳しい状況にあるが、その一方で、住民に最も身近で総合的な行政サービスを提供する地方公共団体の果たすべき役割はますます増大してきている。また、第二期地方分権改革の議論の中で、地方公共団体はこれまで以上に地域の個性や魅力を活かした特色ある地域づくりを自主的・主体的に進めていくことが求められている。

こうした中、地方行政が住民の負託に十分に応えるためには、

 @ 地方税等自主財源の充実確保に努めるとともに、分担金、負担金、使用料、手数料の受益者負担  の適正化を図る等、長期的かつ安定的な財源の確保を図ること。

 A 事務事業の積極的な見直しを実施し、行財政の簡素合理化と経費の節減に努め、行政運営の効率  化を図ること。

 B 各種事業の実施に当たっては、中長期的な視点に立ち、市町村振興計画や財政計画等に基づいて  計画的な執行に努めること。

 C 少子・高齢化、国際化、情報化等社会経済情勢の変化に対応し、新たな行政課題や住民の多様な  ニーズに即応した施策を、総合的・機能的に展開できるよう組織・機構の見直しを図ること。

 D 財政構造が悪化している又は悪化の兆しのある団体については、財政の健全化に向けた計画の策定・見直しを行うなど、公営企業や第三セクター等を含めた財政構造の早期健全化を図り、新たな地方債借入や債務負担行為の設定を抑制すること。

などに特に留意することが必要である。

さらに、「地方公共団体における行政改革の更なる推進のための指針(地方行革新指針)」(平成18831日付け事務次官通知)により、国の資産・債務改革の具体的内容、手順及び実施時期も参考にしつつ、未利用財産の売却促進や資産の有効利用等を内容とする資産・債務改革の方向性と具体的な施策を3年以内(平成21年度)に策定することが要請されており、そのためには、資産台帳の整備が不可欠であり、財務書類4表の作成を契機にそれを進めることは実務的に意味があります。財務書類4表の整備については、市については平成21年度、町村は、平成23年度までに取り組むことが要請されているところでありますが、健全化判断比率の公表とあわせてできる限り速やかに整備を図り、住民等に分かりやすい財政情報の開示を進めることが望まれます。