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蒲生岳山頂から望む只見川(只見町)

越後三山只見国定公園- 福島県地域 -

特長

ブナの森、森が育んだ只見川、
里山の自然をつなぐ多様な営み
~奥会津の自然と暮らしが織りなす
風景との出会い~

越後三山只見国定公園(福島県地域)は、会津地方西部に位置し、越後山脈とこれに接する三国山脈の一部、そして阿賀川とその支流であり、尾瀬沼を源流とする只見川周辺からなる地域です。

広大なブナ等の自然林に希少な生物が生息する傑出した自然林生態系を有するとともに、国内有数の豪雪地域であり、急峻な山岳において独特の自然景観が広がっています。

只見川周辺では、自然と共生した地域の暮らしと川の流れが一体となって幻想的な里山の風景を形成しており、阿賀川周辺には河川が生み出した勇壮な景勝地が見られます。また、多くの人々に親しまれている寺社仏閣や自然との共生の中で育まれてきた伝統工芸、食文化等の歴史文化資源にも恵まれています。さらに、浅草岳や朝日岳、蒲生岳等の登山利用や豊かな自然と人の営みが織りなす四季折々の景観巡り、田子倉湖における周遊船運航等の多くの利用形態が存在し、公園全体として高い利用性を有しています。

写真提供:奥会津郷土写真家 星賢孝

大志集落 (金山町)

景観

豊かな水が育むブナの森
清流と里山の暮らしが織りなす
幻風景

只見川源流域では、広大なブナの自然林や、急峻な山々に降り積もった雪が雪崩となって山体の斜面に刻む「雪食地形」が混然一体となった山岳景観が広がっており、この独特の景観は、「会津のマッターホルン」と呼ばれる蒲生岳にも見られます。

只見川の中流域に位置する沼沢湖は、約5,400年前の沼沢火山の噴火により形成されたカルデラ湖であり、湖面に四季の彩りを映しています。また、只見川の支流、滝沢川では、急流が刻み込んだ甌穴群が特異な岩の回廊を形成し、阿賀川下流域には、銚子の口等の豊かな流れをたたえる迫力ある峡谷が見られます。

豪雪地帯である本地域では、雪による倒壊を防ぐため、屋根の先端がとがった特有の構えを持つ家々が建ち並び、河川の流れとともに幻想的な景観を形成しています。

河川沿いを走るJR磐越西線及び只見線は、地域の重要な移動手段であるとともに、四季折々の自然の中を駆ける列車の走行景観も重要な資源となっています。

写真提供:只見町ブナセンター

蒲生岳(只見町)

植物 動物

ありのままの自然のなかで暮らす
希少な生き物たち

山岳地帯には、人為による影響をほとんど受けていないミヤマナラ等の亜高山帯低木林やブナなどの自然林が保存されており、カモシカやツキノワグマ等の大型哺乳類、イヌワシやクマタカなどの希少な猛禽類が生息する傑出した自然林生態系を形成しています。また、本地域には、只見町を中心とした地域でのみ生息が確認されているタダミハコネサンショウウオや、地域固有種ではあるが本地域に広く分布するヒメサユリなど、絶滅危惧種等も含め、多様な動植物が生息・生育しています。特に植物は160科1,436種が確認されており、只見川流域にはブナを含む自然林が広範囲に広がるほか、河岸と山が接する場所にはカエデ等の落葉広葉樹などが四季を通じて本公園の美しい景観をつくりだしています。

  • 写真提供:只見町ブナセンター
    浅草岳ブナ林(只見町)
  • ヒメサユリ(地域固有種)
  • 写真提供:只見町ブナセンター
    カモシカ (特別天然記念物)
  • 写真提供:只見町ブナセンター
    クマタカ(希少な猛禽類)