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病院長あいさつ

 院長写真福島県ふたば医療センター附属病院は「住民が安心して帰還し生活できる」、「双葉地域で安心して働ける」、そして「企業が安心して進出できる」、この「3つの安心」を医療の面から支えることを目的としています。

 当院は福島第一原子力発電所から直線距離で8kmほどの場所に位置しています。当院が他の医療機関と違うところは、原発事故後の被災地に立地していること、復興へ向けて整備された病院であるという点です。

 東日本大震災前は双葉郡に約7万3千人の住民が住んでいました。福島第一原子力発電所事故によって住民は避難を余儀なくされ、地域の医療機関のほとんどが閉鎖されました。しかし、事故後、大規模な環境除染が行われ、順次避難指示が解除されるのに伴い、少しずつですが中・高齢者を中心として住民が帰還するようになりました。一方、除染事業や原子力発電所の廃炉作業、そして数々の復興事業が進められる中で、これらの事業に従事する多くの人たちが当地へ集まるとともに、幹線道の交通量も著しく増加しました。

 双葉地域の復興が進むと同時に、医療需要も増大しました。これを受けて、いくつかの診療所が再開・開設されました。しかしながら、スタッフ確保の困難性や採算性への不安から一般病床を持つ医療機関は再開されませんでした。こうした中で、双葉地域の復興を支える重要な柱の一つとして、2018年4月に当院が開設されました。

 当院の役割は、二次救急医療をはじめとする双葉地域に必要な医療を確保することにより、復興を医療の面から支えることです。加えて、当地域での二次救急医療体制を整備することにより、いわき市や南相馬市など近隣地域の二次・三次救急医療機関の負担軽減を図ることも期待されています。

 当院は30床という小さな病院ですが、福島県立医科大学の支援を受けながら24時間体制で救急医療を提供しています。また、様々な病気を抱える住民の皆さんに対しては在宅診療や訪問看護も行っています。更には、糖尿病など生活習慣病の増加が懸念されている当地において積極的に病気の予防と健康づくりに取り組んでいただくために、住民や企業の皆さんを対象に健康講座など出前授業も行っています。

 双葉郡では高齢化が急速に進んでおり、様々な病気を抱える住民も帰還しつつあります。一方で企業の進出も続いています。今後は自治体や関係団体との連携を密にして、病気の予防と早期の対応、そして健康増進対策にも寄与できればと考えています。

 当院は、「3つの安心」をスローガンとして、スタッフ一丸となって皆様のご期待に応えて行く所存です。よろしくお願い申し上げます。

 病院長 谷川 攻一

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