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2012年12月定例会 長期総合計画審査特別委員会 高野光二委員

印刷用ページを表示する 掲載日:2013年12月1日更新
高野光二議員 
委員名高野光二
所属会派(質問日現在)ふくしま未来ネットワーク
福島県長期総合計画審査特別委員会平成24年12月
委員会開催日12月18日(火曜日)

高野光二委員

 総合計画策定に当たっての考え方や、決意のほどをただしていきたい。

 避難による人口の動向に関する対策や中小企業の支援、風評被害からの脱出など、とるべき施策が大きく変わったことで、ふくしま創造プランから県土復活を目指すふくしま新生プランへ変更することとなった。原発に依存せず、県独自の施策を取り入れ、復興を目指して県が先頭に立って取り組んでいくのであれば、中心になるものや最も重点的に力を注ぐものが何であるかを明記すべきではないか。

 そこで、総合計画の中で何に最も重きを置いて進めていくのか、知事の考えを聞く。

知事

 今回の総合計画の見直しに当たっては、東日本大震災及び原子力災害からの復興が喫緊の課題であることから、避難地域の再生や原子力災害対策など、復興再生に向けた施策を数多く盛り込み、予算の重点配分など、特に力を入れる取り組みとして、13の重点プロジェクトを設定した。

 具体的には、本県の人口が、若年層を中心として大きく減少していることを踏まえ、人口減少及び高齢者対策を掲げ、県外避難者の減少や県外避難者の帰還を促進するほか、復興計画で推進してきた除染対策による環境回復や、県民健康管理調査や最先端医療の提供を総合計画に位置づけた。

 中でも、避難者の生活再建に最優先に取り組み、夢、希望、笑顔に満ちた新生ふくしまの実現に全力で取り組んでいく。

高野光二委員

 知事が全力で取り組むということで、全庁挙げて取り組んでもらえるものと理解する。

 総合計画には13の重点プロジェクトが列記されているが、その中でも特にこれだけは重点的にやりたいという訴えがあってもよいと思う。

 福島の復興のため、知事が特に力を入れてやっていきたいものは何か。

知事

 県立医科大学のふくしま国際医療科学センターは、県民の健康管理、最先端のがん診断、医療産業の振興などのさまざまな役割を担う極めて重要な拠点であることから、全体の中でもまずは県民の健康管理について当センターを中心にしっかりと行っていきたい。

高野光二委員

 総合計画の中には、県民の健康管理や産業復興の全てが凝縮されていると思うので、新生ふくしまの実現に向けてよろしく願う。 次に、7つの生活圏の復興・再生について聞く。

 県土発展の考え方として、7つの生活圏を基本に地域づくりを進めるとしている。私は南相馬市に住んでいるため、震災の中でさまざまな困難を目の当たりにしてきた。その困難な状況下、県の窓口としての地方振興局には多くの要望があったが、その要望に対してスピード感を持って応え切れていなかった現実があり、同時に地方振興局の苦しい立場も目にしてきた。

 震災は1つの例として、平時にあっても、7つの生活圏の特徴を生かして各地方振興局の独自性の発揮と機能強化を図るべきと思うが、どうか。

総務部長

 地方振興局については、出先機関が連携して地域振興を図る地方振興政策会議を開催し、昨年9月には、市町村の復興計画策定等の支援を行う復興支援・地域連携室を設置するなど、常に変動する地域の実情を把握しながら地域振興を図っている。

 さらに、今年度からは、地域づくり総合支援事業の予算を大幅に増額し、各地方振興局が地域課題の解決に当たる先進的な取り組みに積極的に対応するなど、機能強化を図っている。

 今後とも、地方振興局のさらなる機能の強化に努めていく。

高野光二委員

 各地方振興局にそれぞれの機能と権限を与えるという立場で、地域の特色ある発展に向けて全面的に努力願う。次に、県立医科大学のふくしま国際医療科学センターについて聞く。

 新たな医療産業の創出と県民健康管理を行い、安心して暮らすための中心的な役割を担う機関として発足し、この整備に向けて基本構想が策定された。

 当センターの機能として5つ挙げられているが、これらの機能は全て復興計画の重点プロジェクトに関連するものであり、センターの立ち上げにより本県の復興は飛躍的に前進すると思う。また、県内の医療機関とそれぞれの地域をつなぐ医療ネットワークが構築されれば、原発事故でまき散らされた放射線に悩む県民の健康不安の解消や健康維持に大きな役割を果たし、放射線の影響から県民の健康を守る拠点として、国内外から注目される重要なプロジェクトとなる。

 さらに、センターの特徴として、医療と産業をつなぐ機能は医療現場のニーズに基づいた研究開発を実施することで、研究成果を速やかに事業化につなげることができる点がある。これは、県が復興計画に掲げる医療産業集積プロジェクトを進める上で重要である。

 そこで、県立医科大学と連携し、医療関連産業の集積にどのように取り組んでいくのか、県の考えを聞く。

商工労働部長

 県立医科大学と連携した医療関連産業の集積については、同大学において、医療-産業トランスレーショナルリサーチセンターを整備し、産学連携による新規薬剤の研究開発を進めるとともに、医師が中心となり県内企業等と共同で実施する製品開発や実証試験への助成を通じて、革新的な医療機器の開発を促進することにより、医療関連産業の集積に積極的に取り組んでいく。

高野光二委員

 当センターはかなりの資金と人員を投入していく事業であり、本当に重要なプロジェクトであることは周知のとおりであるから、ぜひとも全庁を挙げて取り組んでほしい。

 次に、教育環境について聞く。

 多くの子供たちが避難を余儀なくされているが、その中での教育環境はよいとは言えない。例えば南相馬市の小学校の児童数は、小高区では警戒区域が見直されたとしても従来の25%、原町区の緊急時避難準備区域が解除された地域でもようやく50%を超えた程度である。

 また、警戒区域内にあった小高工業高校、小高商業高校、双葉郡内の浪江高校、浪江高校津島校、双葉高校、富岡高校及び双葉翔陽高校のサテライト校や仮校舎での学習環境もよいものとは言えない。そこで学ぶ子供たちの将来への不安に寄り添い、先の見えない中でも受験する生徒の期待に応えるためにも、できる限りの対応と、地域の意見を十分吸い上げた上で今後の教育環境を整えていく必要があると思う。

 しかし、混乱の状況にあるがゆえの教育理念のあり方や、小中高の教育環境の整備、そして本県の将来を担う人づくりの考え方が総合計画の中からは伝わってこない。

 そこで、4点聞く。まず、震災後の教育理念について聞く。

 次に、サテライト校の今後のあり方について、具体的なビジョンを示すべきと思うが、県教育委員会の考えを聞く。そして、本県の復興のためには、中高一貫教育を推進すべきと思うが、県教育委員会の考えを聞く。 最後に、県教育委員会は、生徒の進路希望実現にどのように取り組んでいくのか。

教育長

 まず、本県の教育理念は、「ふくしまの和で奏でる心豊かでたくましい人づくり」である。これは震災前に掲げた理念であるが、東日本大震災及び原子力災害を経た本県において、このような理念を実現する必要性がますます高まっているものと認識している。

 県教育委員会としては、震災の教訓を生かした道徳教育や防災教育の充実を図るとともに、医学や新たな産業の基盤となる理数教育を進めるなど、「ふくしま」ならではの教育を推進し、教育理念の実現に努める。

 次に、平成25年度については、生徒の志願動向等を踏まえて引き続き進学希望者を受け入れられるように、生徒募集を行うこととした。

 その後については、避難区域等の復興状況、中学校の卒業予定者数や志願動向等を見きわめながら、地元市町村や関係機関と連携のもと、検討していく。

 そして、本県の各中高一貫教育校においては、基礎学力の向上はもとより、国際理解教育など特色ある教育実践を行い、地域が求める人材や教育的視野に立ち、社会をリードする人材の育成などに取り組んでいる。

 今後とも、こうした取り組みや本県の復興状況を踏まえながら、中高一貫教育の今後のあり方について検討していく。

 最後に、生徒の進路希望実現のためには、確かな学力を身につけさせるとともに、自己の意思で進路を決定する能力や態度を育成することが重要である。

 このため、小学校段階から、学力向上やキャリア教育の充実に取り組むとともに、高等学校においては、入学時点から進路を見通した学習の進め方を具体的に指導することや、産業現場でのインターンシップを通して、望ましい勤労観・職業観を育成するなど、今後とも、生徒の進路希望実現に向けてさまざまな取り組みを進めていく。

佐藤政隆副委員長

 高野委員に述べる。本委員会は一問一答方式であるから、それに基づいた質疑を願う。

高野光二委員

 教育のくくりで質疑をさせてもらった。

 今の答弁にあったような決意で進めてほしいと思うが、復興へ向かうに当たって、サテライト校の今後のあり方など教育に関する具体的な施策が総合計画の中に示されていないことが問題であり、こういうところで県民に対する優しさが欠けている。

 教育長が言う教育とは何であるのか、もう一度答弁願う。

教育長

 将来の展望も描きつつ、まずは復旧・復興、つまり以前の状態に戻すことを考えて、できるだけ早く浜通りの学校を現状復帰できるよう進めていく。

高野光二委員

 とりあえずもとに戻すと言うが、現況をよく理解していない。

 県外に避難した子供たちに県内へ戻ってきてもらうことはなかなか難しい。ただもとに戻すというだけでは絶対に立ち行かない。だからこそ総合計画に今後の人づくりについてきちんと盛り込まなければならないと思うが、どうか。

教育長

 避難している子供たちに戻ってきてもらい、復興の担い手になってもらいたい。今実施している教育を充実させ、情報を発信することで、戻ってきてもらえるよう努めている。

高野光二委員

 今ある教育を充実させるというが、やはり現状を理解していない。

 新しい段階へ踏み出さなければ、現状から脱皮することはできない。この点についてはもう一度教育庁内部で検討の上、市町村任せではなく、県みずから大枠となる教育の理念や方向性を示すべきと思うので意見として述べておく。

 次に、除染と中間貯蔵施設について聞く。

 避難者が帰還するに当たって、やはり最大のテーマは除染である。市町村も積極的に取り組んでいるが、地域住民への説明や仮置き場の設置などについて、県によるサポートや助言がもっと必要であると思う。

 そこで、県は、市町村における仮置き場の設置促進にどのように取り組むのか。

生活環境部長

 仮置き場については、用地の確保段階においては、国有地や県有地の活用に向けた調整を進めるとともに、地域住民との合意形成段階においては、体験型の仮置き場現地視察会の開催や、住民説明会への専門家の派遣、市町村担当者会議等を通じた先進事例の情報共有等に取り組んでいく。

 今後とも、こうした取り組みを通じて、引き続き市町村と一体となって仮置き場の設置に努めていく。

高野光二委員

 余りかわりばえのない答弁であるが、結局のところ大切なことは住民に丁寧に説明することであると思う。

 私も地元で仮置き場の説明会を実施するが、まずは叱られることから始まる。しかし、全ての疑問に対して丁寧に説明していけば納得してもらうことができる。

 また、不安があるのであれば現地を実際に見せ、地域全体で受け入れてもらえるまでしっかりと説得することが大切と思う。

 市町村はくたくたになるまでやっているので、県もサポートをして、現地説明会などを行ってほしい。そうすることで除染が進み、帰還できる環境が整うと思うのでよろしく願う。

 次に、復興公営住宅について聞く。

 避難者が一刻も早く生活を再建するためには、まず住宅を構えることが必要になるが、高齢世帯は新たに家を建てることが難しい。そうした中では、公営住宅も含めたさまざまな手法が必要となる。民間の活力なども取り入れ、スピード感があり、安全・安心の観点からは高齢世帯の見守りも含めた、生活環境の利便性も考慮した住宅政策が必要と思う。

 県としては、関係する市町村と協議して決めるとしているが、むしろ県が積極的にさまざまな提案をしてはどうか。

 たとえばPFIの導入、見守りつき高齢者専用住宅、優良建築物等整備事業など、商店や医療機関、福祉施設とあわせた複合住宅政策が考えられる。

 そこで、復興公営住宅について、地域や被災者のニーズを踏まえ、利便施設の導入やさまざまな整備手法を検討すべきと思うが、県の考えを聞く。

土木部長

 復興公営住宅への利便施設の導入については、地域や被災者のニーズの把握に努めていく。 また、さまざまな整備手法については、関係団体や民間事業者との連携を図りながら、総合的に検討していく。

高野光二委員

 最後に、全庁一丸となってこの福島県総合計画を実施するに当たり、知事の意気込みを聞く。

知事

 職員1人1人が、新しいふくしまをつくるという意気込みを持って業務に当たり、子供たちが将来生まれ育ってよかったと思える県づくりに全力を傾注する。

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