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2014年6月定例会 代表質問 西丸武進議員

印刷用ページを表示する 掲載日:2014年11月4日更新

西丸武進議員

議員

西丸 武進

所属会派
(質問日現在)

民主・県民連合

定例会平成26年6月
質問等代表質問
質問日6月20日(金曜日)

56番(西丸武進君)ただいま御指名をいただきました民主・県民連合の西丸武進でございます。

 会派を代表いたしまして、質問させていただきます。

  最初の質問は、佐藤知事に求めます。

 本年10月末ごろに予定されている知事選は、県内において政治的な最大の関心事であり、全国からも注目されているところであります。現職である佐藤雄平知事は、本日もひたすらに県政の諸課題に精魂込めて打ち込んでおられ、その姿を県民の皆さんは誰もが知っているはずであります。しかし、10月末ごろに予定されている知事選は待ってくれません。選挙戦が目前に迫っている以上、佐藤知事みずからの出処進退の態度を明確に示す時期に来ているのではないでしょうか。その理由は、佐藤知事は私人でないからです。196万県民のトップリーダーで、公人だからであります。

 佐藤知事のスタート時点は、県内の暗いイメージを払拭させるためにさわやか県政に始まり、2期8年目の実績を振り返るとき、佐藤知事はみずから先頭に立って、企業誘致や農産物等の販売促進、定住・二地域居住やトップセールスによる観光誘客、また、文化面では、国内初の声楽アンサンブル全国大会を開催し、さらには、平成23年3月11日、あの東日本大震災からは、まさに福島県の復旧・復興を目指し、復興ビジョンと復興計画を策定、県総合計画の改定、福島復興特措法の制定など、精力的に取り組まれ、県民に大きな希望を与え、元気を与えるといった役割をこなされ、県勢の伸展に多大な努力を払われてきたことは、県民の高い評価を受けてきているところであります。

 佐藤知事、決意するタイミングが近づいていると思います。県民初め県議会、報道関係者の前でしかるべき時期にしっかりと真意を述べるべきだと考えます。「胎動の年」にふさわしく、これまでの努力がこれからの福島県の将来に向け、まして原発問題を抱え、さまざまな政策の行方が求められるとき、また、国内外から注目を浴びているときだけに、佐藤知事の打ち出す羅針儀を明確にして県民の負託に応えなければなりません。私は、佐藤知事の政治姿勢を信頼しております。真実一路の姿勢を評価しております。また、多くの県民も佐藤知事の県政運営に期待しております。

 そこで、知事はこれまでの県政運営を踏まえ、県民の思いにどのように応えていくのか、御所見をお聞かせください。

 次に、6月補正予算等についてお尋ねいたします。

 今年度を「胎動の年」と位置づけた以上、精力的な事業執行が県民に対する絶対使命であると考えております。

 今定例会に上程している一般会計の補正予算総額は、591億3,300万円の大型の補正予算となり、本年度予算の累計が1兆7,736億4,600万円に膨らみました。主な項目は、長期避難者の生活拠点の形成を進めるための国交付金の基金への積み増し、双葉郡中高一貫校の整備経費など、施策の展開に一定の評価をさせていただいております。

 その関連で、3点に絞り質問させていただきます。

 1点は、ふくしま国際医療科学センターの整備に約7億5,000万円の補正予算が計上されておりますが、この整備予算は直近の議会で可決したと思っておりましたが、ふくしま国際医療科学センターの整備について増額補正が必要になった理由をお答えください。

 次に、本補正予算の財源は基金からの繰入金として約240億円が充当されております。国からの交付金等を原資として積み立てた基金は、欠くことのできない貴重な財源であり、これら基金を初めとした復興財源をしっかりと確保していくことが重要であります。

 そこで、補正予算の財源として充当している主な基金の状況と今後の見通しをお答えください。

 また、平成25年度予算の最終専決の360億円のうち、市町村除染対策支援事業費が149億円の減額補正になっています。本来、除染対策の目的で市町村に交付したものと認識していただけに、減額は不可解であります。

 そこで、県は除染対策基金の適時適切な執行に向けどのように取り組んでいくのかお答えください。

 次に、原発問題についてお尋ねいたします。

 東京電力は、事故以前から施設のトラブル、データ捏造などの問題を噴出させ、多くの課題を背負いながら原発の安全神話を言い続けておりましたが、もろくも神話は崩れ、県民に不安と不信をつくり出し、今日を迎えております。

 事故を起こした東京電力、そして国は、今もって県民の声を受けとめるといった真摯な姿勢は見せておりません。中でも廃炉問題については、県民の総意は全基廃炉を求めておりますが、第一原発の廃炉は認めたものの、第二原発の廃炉はなぜか言及を避けています。それよりも原発の再稼働の必要性を発信し、また、海外には原発の輸出をもくろむなど、本末転倒、言語道断と指摘しないわけにはいきません。

 質問の1点目は、廃炉問題であります。

 福島第二原発の廃炉の実現に向けた取り組みをさらに強化すべきと思いますが、県の考えをお答えください。

 また、福島第一原発の廃炉に向けた中長期ロードマップの進捗状況についてお答えください。

 2点目ですが、汚染水処理問題であります。

 汚染水処理の失態が相次ぐ中で、県民は不安に立たされております。そのたびに新聞やテレビで報道されるため、風評被害はとどまりません。

 そこで、汚染水貯留タンクからの汚染水の漏えいについて、どのような対策が講じられているのかお答えください。

 次に、ゲリラ豪雨のような降雨時における汚染水貯留タンク堰内の雨水について、どのような対策が講じられているのかお答えください。

 さらに、トレンチ内の汚染水について、どのような対策が講じられているのかお答えください。

 また、地下水バイパス水の放出について、県はこれまでどのような取り組みを行い、今後どのように監視をしていくのかお答えください。

 3点目は、除染問題であります。

 除染が進まない大きな理由として、仮置き場の建設が進まないことが挙げられますが、除去土壌等の仮置き場について、現在の設置状況をお答えください。

 次に、県は国直轄除染及び市町村除染の推進にどのように取り組んでいるのかお答えください。

 次に、除染に伴う人材の育成についてでありますが、県は除染従事者をどのように育成しているのかお答えください。

 また、放射性物質が基準値以下だからといって放置状態が見受けられますが、ホットスポットがあることを踏まえると、楽観は禁物かと思われます。

 そこで、市町村除染について、道路側溝の除染を進めるべきと思いますが、県の考えをお答えください。

 4点目は、中間貯蔵施設の設置状況であります。

 建設予定地の双葉町と大熊町で環境省による説明が行われましたが、中間貯蔵施設について、これまでの経緯を踏まえ、県はどのように取り組んでいくのかお答えください。

 5点目は、損害賠償問題であります。

 東京電力は、5月16日現在、県内の被害者に対して約3兆円の賠償金を支払い、その中で地域の実情や個別具体的な事情には原子力損害賠償紛争解決センターの和解の仲介が進められていると聞き及んでおります。

 しかし、この和解については、申し立てを行った被害者のみに賠償がなされ、同様の損害を受けた他の被害者は対象とされないことから、特に集団の申し立てに対する和解仲介案や実例が住民や市町村に混乱や不公平を生じさせる懸念が出ております。

 そこで、多くの被害者に共通する損害の公平な賠償のため、国に指針を見直すよう求めるべきと思いますが、県の考えをお答えください。

 次に、地方公共団体に対する賠償でありますが、東京電力は県の約159億円の賠償請求に対し約100億円を支払い、市町村などへは4月末時点で約490億円の賠償請求に対し約55億円を支払ったとのことであります。

 そこで、県は地方公共団体に対する東京電力の十分な賠償の実現に向けどのように取り組んでいくのかお答えください。

 6点目は、避難事業者への経営支援であります。

 これまで県はグループ補助金や被災貸し付けにより事業再開への支援を進めておりますが、避難指示が解除された地域には、これら制度の柔軟な運用により、地元に帰還する事業者へのさらなる支援に取り組んでいるものと承知いたしております。

 しかし、苦労して地元以外で事業を再開した方々も得意先の確保などに苦労し、業績が震災前の水準にまで回復していない方が多く、まだまだ厳しい状況が続いております。

 そこで、避難事業者への経営支援について、県はどのように取り組んでいくのかお答えください。

 次に、医療と介護問題についてお尋ねをいたします。

 医療は非常に重いものであります。2次救急医療では対応できない重篤な患者に対しては、ICU(集中治療室)を備えた3次救急医療で対応しなければなりません。

 しかし、医療の置かれている環境は医師不足の状況にあり、2次、3次救急医療病院などでも勤務医不足が叫ばれ、中でも浜通りは壊滅状態にあり、早急な対応策が求められております。

 そこで、いわき地方の救急医療体制の強化にどのように取り組むのか、県の考えをお答えください。

 次に、東北地方に医学部の新設が検討され、県内でも民間病院が名乗りを上げておりますが、医師不足の福島県にしてみれば千載一遇の機会であると考えております。

 そこで、東北地方の医学部新設について、県はどのように考えているのかお答えください。

 次に、介護問題であります。

 本県は、避難を余儀なくされた多くの高齢者がいまだ仮設住宅等に居住され、生活環境の悪化によって要介護認定を受ける方は増加の一途をたどっており、具体的な対応策が早急に求められております。

 そこで、原発事故等で避難している要介護者が入所するための施設の整備について県の考えをお答えください。

 次に、県は相双地域における福祉及び介護人材の確保にどのように取り組んでいくのかお答えください。

 さらに、県は相双地域の介護福祉職員の育成にどのように取り組んでいくのかお答えください。

 また、県は介護施設が行う福祉及び介護人材の確保の取り組みをどのように支援していくのかお答えください。

 次に、警察行政についてお尋ねをいたします。

 命と人権を守る警察行政は大きな責務を担っております。県民が平穏な日々を送れることは、警察職員の日々努力のおかげと言っても過言ではありません。命の尊厳、命の大切さが重んじられるとき、幹部警察職員の自殺問題は残念でなりません。

 そこで、県警察は自殺予防の観点から、精神面を含めた職員の健康管理にどのように取り組むのかお答えください。

 2点目は、先月でしたが、福祉公安委員会において郡山警察署の燃料施設の現地調査を行いました。さきの大震災時、ガソリン補給がままならなかった経験にならい、敷地の地下を利用したガソリン貯蔵施設が新たに設置され、委員一同、関心を持って、よい取り組みと評価させていただきました。防災体制の強化を進める上で、都市部の警察署においては、特にガソリン備蓄を進めるべきと感じております。

 そこで、県警察におけるガソリン等燃料の備蓄についての考えをお答えください。 

 次に、少子化と文化振興、教育についてお尋ねいたします。

 さきの国勢調査によりますと、子供の人口は予想以上に減少傾向をたどっており、高齢化の進行と反比例をなしております。こうした動きに関しては、国、県、市町村ともに認識は共有しているものの、いまだ特効薬は見当たっておらず、歯どめはかかっておりません。

 少子化は、地域全体に与える影響が大きく、既に地域文化や伝統芸能も消えつつあり、子供会の形成さえも難しく、農業や商業等の後継者にも影響が出始めております。

 そこで、少子化に歯どめをかけるため、知事は少子化対策にどのように取り組むのかお答えください。

 また、さきに述べた文化と伝統芸能の継承は、地域のつながりを維持するためにも大切な取り組みの一つとなっております。県内にも歴史のある民俗芸能が多く残っております。

 そこで、県は民俗芸能の継承にどのように取り組んでいくのかお答えください。

 次に、双葉郡の中高一貫校についてお尋ねいたします。

 来春、広野町に中高一貫校の開校を明らかにしていますが、初めての試みゆえ、暗中模索の状況かと拝察いたしております。入校を希望する子供たちのため、すばらしい学校として、双葉郡の復興に弾みがつき、名実ともに発展できますことを願うところであります。

 そこで、県教育委員会は双葉郡の中高一貫校の開校に向けどのように取り組んでいくのかお答えください。

 また、双葉郡の中高一貫校について、どのように人材を育成していくのか、県教育委員会の考えをお答えください。

 次に、福島・国際研究産業都市構想についてであります。

 この構想は、経済産業副大臣の主宰研究会として、放射性物質分析センター等を核とした研究を初め産業拠点づくりなどのあり方を議論し、今月中には一定の取りまとめが示されると聞いております。

 とりわけ私は産学官連携の視点に大いに注目しており、廃炉の最先端の研究を契機に、精巧なロボット開発、除染や医療機器等の新規開発など、目に見える確かな業績につながれば、県内への波及効果は大きなものになるものと思っております。

 そこで、福島・国際研究産業都市構想の意義をどのように捉え、実効性を担保していくのか、研究会の委員である内堀副知事からお答えください。

 次に、再生可能エネルギーについてお尋ねいたします。

 脱原発を掲げる福島県としては、国内外の先端技術を生かし、環境リスクのない、自然を有効に活用した再生可能エネルギー政策をさらに推し進める必要があります。

 現在、公共施設などには太陽光や風力等発電の導入が始まるなど、国や民間企業等と連携したメガソーラーや洋上風力発電等にも着手し、新しい持続可能なエネルギー施策の展開が進められておりますが、このような本県の姿勢が脱原発思想の土台となり、全国に展開されることを期待してやみません。

 そこで、再生可能エネルギー先駆けの地を目指すに当たって、知事の考えをお聞かせください。

 次に、この4月、郡山市に産業技術総合研究所の福島再生可能エネルギー研究所が開所されました。ここでは、太陽光や風力発電などの研究が行われますが、これから関連産業の育成や集積を進める本県にとっては、まずは人づくりが不可欠であり、この研究所を有効に活用することが重要かと考えております。

 そこで、県は福島再生可能エネルギー研究所と連携した再生可能エネルギーにかかわる人材育成にどのように取り組んでいくのかお答えください。

 次に、農業施策についてお尋ねいたします。

 先週、内閣総理大臣の諮問機関である規制改革会議が答申した「農業分野における規制改革」については、農業委員会、農業生産法人のあり方、農業協同組合の3つの大きな見直しなどを求める内容でありました。この答申内容から、今後農業者の所得が向上し、農業現場が元気となるのか、大変懸念されます。

 そこで、「農業分野における規制改革」の中の農協の見直しについて、県はどのように考えているのかお答えください。

 次に、農業用ダム・ため池の除染については、今般、福島再生加速化交付金で実施するとした国の方針が示されましたが、生産者が安心して営農できるよう、ため池等の対策を速やかに実施していくことが大変重要と考えます。

 そこで、県は農業用のダム及びため池の放射性物質対策にどのように取り組んでいくのかお答えください。

 また、果樹王国ふくしまの復活に向けては、計画的な除染とともに緊急時モニタリング検査等で安全性を発信しているものと思っておりますが、いまだ震災前の販売金額まで回復していないのが現状であります。

 その中で、あんぽ柿の産地、伊達地方の復活に注目いたしております。昨年は3年ぶりに出荷が再開され、本県農業再生のシンボルとなるものであり、一層の取り組みが必要かと考えます。

 そこで、あんぽ柿の昨年度の出荷実績と産地再生に向けた今年度の取り組みについてお答えください。

 次に、復興を支える道路整備についてお尋ねいたします。

 復興・再生を加速させるには、幹線道路ネットワークの充実が不可欠であります。常磐道の全線開通や復興支援道路の相馬・福島道路の供用開始時期も示されるなど、県内の幹線道路は着実に整備されてきております。

 一方、会津方部では、会津縦貫北道路の全線供用見通しが来年度になっておりますが、会津若松から栃木方面においては、一部で工事が着工されているものの、供用区間はありません。復興を支え、観光の活性化を図る上でも、会津軸を形成する会津縦貫南道路の早急な整備が求められております。

 そこで、会津縦貫南道路の整備の状況と今後の取り組みについてお答えください。

 また、ふくしま復興再生道路として着手している小名浜道路は、常磐道と小名浜の港が直結され、県内各地との物流の効率化を初め県全体の復興に欠かせない重要な道路として、一日も早い整備が望まれております。

 そこで、小名浜道路の整備に向けた取り組み状況と今後の見通しについてお答えください。

 次に、映画などを活用した観光振興についてお尋ねいたします。

 あしたから、痛快時代映画「超高速!参勤交代」が福島やいわき市などを含め全国一斉に上映されます。この映画は、いわき市平、常磐、泉地区を領地としていた平藩の分藩である湯長谷藩主、内藤政醇を主人公にしたフィクション映画になっております。歴史の好きな方は、磐城平藩主、延岡藩主を務めた内藤公の歴史に興味を持つものと思われます。

 この映画が、大河ドラマ「八重の桜」、映画「フラガール」などのように、県内はもちろん、全国からも高い評価を得られ、誘客などの観光資源の一つに結びつけばと期待いたしております。こういった中で、県においても映画等を契機に観光誘客を図る市町村などの取り組みに対して支援していく必要があると考えております。

 そこで、県は映画等を活用した観光振興にどのように取り組んでいくのかお答えください。

 質問の項は以上でありますが、若干のコメントをさせていただきます。

 それは、石原環境大臣の発言問題についてであります。

 16日、石原大臣は、中間貯蔵施設の建設交渉において、「最後は金目でしょ。」との発言をされました。県民にとって、当該の住民にとって、また原発の被災県にとってみれば大変な驚きであり、絶対容認することのできない発言内容であります。

 被災県の現状を顧みることなく、このような権力をかさに着て頭ごなしの発言は、県民を愚弄した暴言・暴挙であります。石原大臣みずからが真摯で誠意のある態度を住民に示されることを強く求め、ここに厳重に抗議の意思を表明させていただきたいと存じます。

 以上をもって、私の質問を終わります。御清聴ありがとうございました。

議長(平出孝朗君)執行部の答弁を求めます。


 知事(佐藤雄平君)西丸議員の御質問にお答えいたします。

  私は、平成18年の秋、明るく活力ある福島県を創造したい、この一心で知事に就任いたしました。さらに、福島県に脈々と息づく地域社会、それと思いやり、これを着実に次世代に引き継いでいきたいとの思いから、再度の県政運営を担わせていただくことになり、「人と地域」、これを礎に、「活力」「安全安心」「思いやり」、この三つを柱に据えた総合計画を策定し、その推進に全力を傾注してまいりました。

 そのような中、未曽有の複合災害に見舞われ、県政史上まれに見る苦難の中、次々と起こる局面に全力で対応し、さまざまな施策を展開して復興の土台を築いてまいりました。

 また、2期目の折り返しには総合計画を改定し、13の重点プログラムを全庁一丸となって進め、復興の加速化を図ってきたところであります。こうした取り組みにより、出生率が回復傾向を見せ、企業立地件数や観光客数といった各種指標に明るい兆しが見られるなど、復興への歩みが着実に進んでおります。

 さらに、今年度は環境創造センター、ふくしま国際医療科学センターが着工となり、秋には復興公営住宅の入居が始まるなど、新しい福島の姿が形となって見えてまいります。

 その一方で、いまだ13万人近い方々が住みなれたふるさとを離れ、将来の見通しに不安を抱えながら避難生活を続けており、また、除染の推進、中間貯蔵施設への対応、生活の再建、医療の確保、農業の再生、産業の振興など、復興に向けた課題が山積しているのも現状であります。

 このような状況の中、震災から3年余、復興のさらなる進展を求めている県民の切実な思いに応えるため、引き続き目の前の課題にしっかりと取り組み、新生ふくしまの実現に向けて全力を尽くしてまいりたいと考えております。

 次に、少子化対策についてであります。

 この春、私は県内の小学生10万人が紙皿に描いた笑顔の地上絵に触れ、大きなエネルギーに満ちあふれ、大変頼もしいと感じると同時に、将来においてもこの笑顔あふれる福島県を築いていく責任があるとの思いをより強くしたところであります。

 私は、震災後、18歳以下の医療費無料化、子供の運動や自然触れ合い体験の充実を図る手厚い保育の推進、屋内遊び場の確保など、さまざまな施策を展開してまいりました。先日発表された人口動態統計では、合計特殊出生率が震災前の水準に回復し、出生数も増加に転ずるなど、明るい兆しが見えてきたところであります。

 こうした流れを確かなものとするため、先日、私が本部長である子育て支援推進本部会議において、うつくしま子ども夢プランにかわる新たな行動計画の策定を指示したところであります。

 新計画においては、「社会全体での子育ち・子育ての支援」に、新たに「ふくしまの未来を担う子ども・若者の育成」を理念に加えるとともに、震災後の本県の子育て環境に関するこども環境学会からの提言を踏まえて、ライフステージに応じた施策体系を構築して、切れ目のない施策に取り組むこととしております。

 さらに、震災からの復興のため、福島の未来を担う「子どもの参画」を推進することとしており、日本一安心して子育てしやすい県づくりと子どもたちが元気で笑顔が輝く福島県を目指して、先頭に立って少子化対策に全力で取り組んでまいります。

 次に、再生可能エネルギーについてであります。

 本県の復興をなし遂げるためには、原子力に依存しない安全・安心で持続的に発展可能な社会が必要であり、再生可能エネルギーの飛躍的推進を復興の大きな柱と位置づけたところであります。

 私は、本県の豊かな自然を生かしたさまざまな発電設備が県民の身近なところで広く導入され、県内各地で地産地消の社会が実現しているほか、世界に先駆けた研究が実施され、国内外の多数の関連企業が集積している福島県を思い描きながら、2040年ごろまでに県内で使う全エネルギー相当分以上を再生可能エネルギーにより生み出すという意欲的な目標を掲げ、「先駆けの地」を目指して全力で取り組んでいるところであります。

 福島空港メガソーラーを初めとした県民参加による取り組みの推進、避難解除区域等における新たな補助制度の活用、福島再生可能エネルギー研究所との連携による水素を利用した蓄電等の最先端の技術開発など、再生可能エネルギーの導入拡大と関連産業の育成・集積を一体的に推進しながら、経済的な活力と環境が両立した新しい社会を実現するよう、国、市町村等と緊密な連携のもと、しっかりと取り組んでまいる考えであります。

 その他の御質問につきましては、副知事等から答弁させますので、御了承願います。

副知事(内堀雅雄君)お答えいたします。

 福島・国際研究産業都市構想につきましては、国際的な廃炉研究開発拠点などの整備を通じたロボット関連産業の集積やエネルギー分野、農林水産分野における新産業の創出等により、地震、津波、原子力災害で喪失した産業基盤や雇用の回復を目指すものであり、浜通りの魅力ある再生に向けた力強いエンジンになるものと考えております。

 構想の実現に向けては、実効性の担保が不可欠であります。このため、先日知事から政府に対し、税財政措置や規制緩和に加え、推進体制の確立を強く要望したところであります。

 県といたしましては、今後この構想に掲げた取り組みが着実に具体化をされ、魅力あふれる浜通りがしっかりと実現できるよう、国、市町村、関係団体等と連携した取り組みを積極的に進めてまいる考えであります。

総務部長(鈴木正晃君)お答えいたします。

 補正財源として充当している主な基金の状況につきましては、長期避難者生活拠点形成基金から184億円、原子力災害等復興基金から9億円を取り崩したところであり、それぞれの今年度末残高は403億円、2,478億円となる見込みであります。

 県といたしましては、これら基金を有効に活用し、復興・再生事業に取り組んでおりますが、拠点整備等における諸経費の高騰の影響や新たな財政需要の発生等により、今後必要な財源の不足も見込まれることから、基金の積み増し等の要請を盛り込んだ今月11日の政府要望を初めあらゆる機会を捉えて必要額の確保に努めてまいる考えであります。

 次に、地方公共団体に対する賠償につきましては、県が先行する形で東京電力と交渉し、成果を市町村等と共有してきたところであり、一定の範囲の損害について賠償金の支払いが進められております。

 しかしながら、東京電力の対応や支払い額はいまだ十分とは言えないことから、県といたしましては、原子力損害賠償紛争解決センターに対する和解仲介の申し立て等も視野に入れながら東京電力と粘り強く交渉を進め、今後も市町村等と一体となって賠償対象項目のさらなる拡大と賠償金の速やかな支払いについて求めてまいる考えであります。

企画調整部長(近藤貴幸君)お答えいたします。

 東京電力福島第二原子力発電所の廃炉につきましては、これまで国及び東京電力に対し繰り返し求めてきており、今月11日に実施しました要望活動においても、国の責任において決定することを知事から改めて求めたのに対し、官房長官より「極めて重く受けとめる。」との回答を得たところであります。

 今後とも、本県が掲げる「原子力に依存しない安全・安心で持続的に発展可能な社会づくり」を目指し、あらゆる機会を捉えて粘り強く求めてまいる考えであります。

生活環境部長(長谷川哲也君)お答えいたします。

 除染対策基金につきましては、各市町村の除染の進捗に応じた予算執行を行うため適切な管理に努めてきており、基金総額が不足する場合には必要額の積み増しを国に求めてきたところであります。

 今後とも、市町村における確実な予算執行が図られるよう、きめ細かな訪問などを通じて市町村の所要額を的確に把握し、基金の適切な執行に努めてまいります。

 次に、中長期ロードマップにつきましては、四号機使用済み燃料プールからの燃料取り出しが本年末の完了に向け7割ほど進められ、溶融燃料取り出しに向けた原子炉内の調査などが徐々に進められております。

 また、汚染水対策については、地下水バイパスが稼働し、凍土遮水壁が着工するなど、重要な取り組みが開始されたところであります。

 一方で、多核種除去設備の停止や汚染水漏えいなどのトラブルが続いており、今後は設備の信頼性向上やリスク管理の徹底を図り、トラブル発生を防止することはもとより、技術的課題の解決に向け、世界の英知を結集し、中長期ロードマップを安全かつ着実に進め、そして確実に結果を出すよう求めてまいります。

 次に、汚染水漏えい対策につきましては、汚染水貯留タンクからの漏えいを早期に把握するためにパトロールの強化や水位計の設置を行い、また、汚染水移送時の操作ミスによる漏えいを防ぐために弁の施錠管理や移送ポンプの自動停止機能の追加設定を行ってきており、堰のかさ上げや二重化、堰の内側の被覆塗装による浸透防止措置等は今月末までに完了する予定となっております。

 さらには、汚染水漏れが発生したフランジ型のタンクから信頼性の高い溶接型のタンクへ交換する対策が進められており、本年度末までに完了する予定となっております。

 次に、汚染水貯留タンク堰内の雨水対策につきましては、堰内に雨水がたまることを防ぐために雨どいや堰カバーを設置するとともに、堰からの溢水を防止するため、堰のかさ上げや二重化を初め移送用ポンプの増設やポンプ能力の増強、一時受けタンクの増設などの対策が進められております。

 さらに、抜本的な対策として、タンクエリアに屋根を設置する計画が現在検討されているところであります。

 次に、トレンチ内の汚染水対策につきましては、電源ケーブルトレンチや海水配管トレンチ等に高濃度の汚染水が滞留していることがわかっており、電源ケーブルトレンチの一部について、汚染水の移送とトレンチの閉塞が完了しております。

 現在、二号機及び三号機の海水配管トレンチのタービン建屋に接続している箇所において凍結止水工事が実施されており、止水完了後は汚染水をタービン建屋に移送して内部をコンクリートで充填し、閉塞する工事を本年度末までに実施し、今後その他のトレンチにつきましても同様の対策を順次行う予定となっております。

 次に、地下水バイパスにつきましては、漁業関係者の苦渋の決断を重く受けとめ、運用目標を確実に遵守することはもとより、原子炉等建屋内の汚染水が流出しないよう建屋内外の水位管理を徹底すること、また、新たな風評被害を招かないよう丁寧でわかりやすい情報発信を行うことを国及び東京電力に対して申し入れるとともに、廃炉安全監視協議会においてそれらに対する回答を確認してきたところです。

 また、排出の際には、廃炉安全監視協議会や現地駐在員が運転操作等の確認を行うとともに、海水モニタリングを実施してきたところであり、引き続き、廃炉安全監視協議会の現地調査等により地下水バイパスの運用状況を厳しく監視してまいります。

 次に、仮置き場の設置状況につきましては、市町村が除染実施計画に基づき設置した仮置き場については、昨年4月末から本年3月末まで約300カ所ふえ、664カ所となっております。

 次に、国直轄除染につきましては、地元市町村等と連携しながら現地調査等を行い、進捗状況に加え、新技術の活用など、さまざまな加速化策の導入状況を確認し、除染が適正かつ確実に実施されるよう取り組んでおります。

 また、市町村除染につきましては、訪問により個別課題を把握しながら、業務監理者の派遣支援に加え、設計積算の専門家の派遣を行うなど、市町村推進体制の強化を支援するとともに、方部別の市町村意見交換会等を通じて、仮置き場の確保や除染手法の先進的な取り組み事例の情報共有と水平展開を図りながら、市町村と一体となって一層の除染の加速化を進めてまいります。

 次に、除染従事者につきましては、これまで除染業務の従事希望者を対象とした講習会を実施して育成を図っており、業務従事者コースでは、関係法令や放射線防護、除染作業の基礎知識などの講習を、現場監督者コースでは、業務従事者コースの修了者等を対象に、適切かつ安全な除染作業の指揮を行うための専門知識などの講習を行ってまいりました。

 その結果、受講者は昨年度末で約1万5千名となったところであり、今後とも講習会の実施により従事者の育成と確保に努めてまいります。

 次に、道路側溝の除染につきましては、市町村が策定する除染実施計画において、線量や地域の実情に応じた優先順位を踏まえて除染対象に位置づけ、住宅等の除染と調整を図りながら実施されておりますが、除染を進めるためには仮置き場の確保等が課題となっていることから、県といたしましても、仮置き場現地視察会の開催や県有地等の活用に向けた調整などの取り組みにより仮置き場の確保に努めるとともに、県が除染技術実証事業で効果を検証した道路側溝内の高圧洗浄吸引システム等の実用的・効率的な技術の普及促進を図るなど、市町村と連携を図りながら除染の推進に努めてまいります。

 次に、中間貯蔵施設につきましては、知事から環境大臣、復興大臣に強く申し入れてきた県外最終処分の法制化、生活再建策・地域振興策等について一定程度の進展が見られたことから、先月末から今月15日まで住民説明会が開催されたところであります。

 住民からは、最終処分への懸念や説明に具体性を欠く等の意見が出されたところであり、国はこうした意見を真摯に受けとめ、これまでの県と地元自治体による申し入れに対し、早期に具体的な内容を示すべきと考えております。

 県といたしましては、施設の安全性、今後国から示される具体的な内容について、地元自治体の意向を丁寧に伺いながら精査・確認してまいる考えであります。

保健福祉部長(鈴木淳一君)お答えいたします。

 ふくしま国際医療科学センターの整備につきましては、昨年来からの資材費等の高騰の動きを踏まえ、2月議会において債務負担行為を約27億円増額し、県立医科大学が入札を行いましたが、不調に終わったところです。

 センターについては、平成28年度の全面稼働に向けて着実に整備を進める必要があることから、3月28日、最新の実勢価格等に基づき、専決処分により、さらに債務負担行為を約69億円増額したところであります。

 また、今議会に提案している補正予算は、先月締結した工事請負契約に基づき、今年度の支払い予算額として不足する約9億円を増額するものであります。

 次に、いわき地方の救急医療につきましては、病院勤務医師の確保が困難となっている中で、双葉地方からの避難者の受け入れ等により、医療需要も増している状況にあります。

 このため、県では、県立医科大学と連携した寄附講座からの医師派遣やドクターバンクによる医師のあっせん、3次救急医療を担う新病院整備への財政支援などに加え、今月11日には知事が厚生労働大臣に対し、喫緊の課題として医師確保を要請してきたところです。

 今後はさらに、県立医科大学や今週開所した国立病院機構災害医療センター福島復興支援室との連携を一層強化しながら、県内外からの医師確保に努め、いわき地方の救急医療体制の充実強化に取り組んでまいる考えであります。

 次に、医学部新設につきましては、先月、宮城、福島の3団体が国にその構想を提出し、選定に向けた審査が開始されたところです。

 新設は、長期的には医師不足対策として有効な面がある一方で、医療現場からの医師の引き抜き等による地域医療への影響などが課題として上げられております。

 県では、県立医科大学入学定員の50人増員、県内定着に向けた修学資金制度の拡充、ふくしま国際医療科学センターにおける医療人材の育成等により、本県の医療を担う医師の養成と将来にわたる安定的な確保対策に取り組んでいるところであり、医学部新設については国による審査を注視してまいりたいと考えております。

 次に、原発事故等で避難している要介護者が入所するための施設の整備につきましては、原発事故等により休止している施設について早期の再開が図れるよう、仮設施設による整備や既存施設の修繕などに対して財政的支援を行うとともに、震災後、新たに介護保険事業支援計画に位置づけた双葉郡の広域型施設についても整備が進められているところであります。

 今後は、避難元市町村が今年度中に策定する次期介護保険事業計画において、施設整備のニーズが適切に反映されるよう支援してまいる考えであります。

 次に、相双地域における福祉及び介護人材の確保につきましては、その深刻な状況を受けて、県としても全国から介護職員を募り、相双地域等の介護施設に対して応援職員を派遣する事業や、事業者が新たに採用した介護福祉士などの中堅介護職員の雇用に必要な経費の助成を実施しているところです。

 今年度は新たに、県外から相双地域等の介護施設に就労を希望する方に対して、資格取得のための研修費用や住宅確保費用などを含む就職準備金を貸与し、一定期間就労すれば返済を免除する人材確保事業を開始したところであり、今後とも相双地域における福祉及び介護人材の確保に積極的に取り組んでまいります。

 次に、相双地域の介護福祉職員の育成につきましては、今年度から相馬地方広域市町村圏組合においても、県の補助事業を活用し、独自に地元の高校生を対象とした介護職員初任者研修を立ち上げ、人材育成の取り組みを始めたところです。

 県といたしましては、今後、研修を終了した高校生が施設等に就職した場合、介護福祉士の資格取得を目指せるよう、介護福祉士候補者学習事業や実務研修者にかわる代替職員派遣事業などを通じて地元自治体との連携を図りながら、相双地域の介護福祉職員の育成にしっかり取り組んでまいります。

 次に、介護施設が行う人材確保に対する支援につきましては、県が主体となった合同就職説明会の開催のほか、介護施設による就職説明会や雑誌への求人情報掲載などの求人活動に対する補助、新たに採用された職員に対する住宅賃借費用の一部負担や就労支度金の助成などを実施しており、今後とも介護施設が行う職員の確保に向けた取り組みを積極的に支援してまいります。

商工労働部長(星 春男君)お答えいたします。

 避難事業者への経営支援につきましては、これまで各商工会等への復興支援員の配置による経営相談体制の強化を図るとともに、中小企業等グループ補助金や長期・無利子の貸付制度等により、事業の再開や継続に向けた支援を行ってきたところであります。

 今年度は、これらに加え、巡回相談等を通じ、より専門的な経営支援を行う商工会等復興専門員や取引関係の構築を支援するコーディネーターを新たに設置し、経営相談の一層の充実を図るなど、避難事業者への経営支援に関係機関とも連携しながら積極的に取り組んでまいる考えであります。

 次に、福島再生可能エネルギー研究所と連携した人材育成につきましては、関連産業の集積を図る上で極めて重要であることから、本年3月に産業技術総合研究所と結んだ連携協定の中でも大きな柱の一つと位置づけております。

 協定を踏まえ、今年度は同研究所による本県職員や大学院生の受け入れを進めるとともに、幅広く研究開発を志す方々を対象に産総研の世界トップクラスの研究者等による講座を開設するほか、次代を担う高校生を対象とした研修事業を実施するなど裾野を広げ、同研究所と連携した人材育成を積極的に進めてまいる考えであります。

農林水産部長(畠 利行君)お答えいたします。

 農協の見直しにつきましては、農協が地域の農業・農村の振興に果たしている機能や役割、中山間地域の実情などを踏まえることが必要であり、国に対して、生産現場に混乱が生じないよう、農業者などの意見を聞き、慎重に議論を尽くすよう要請してきたところであります。

 県といたしましては、まずは農協みずからが高齢化・過疎化が進む農村社会において必要なサービスを適切に提供できる体制を維持しながら、担い手となる農業者の所得向上につながる改革案を示して理解を得ることが重要であると考えております。

 次に、農業用のダム・ため池の放射性物質対策につきましては、営農再開・農業復興の観点から、水利用や施設管理に支障がある浜通り及び中通りのため池等を対象として、福島再生加速化交付金により実施できることとなりました。

 県といたしましては、今後とも底質除去や拡散防止に関する技術の確立に努め、国が作成する対策マニュアルにその成果を反映させるとともに、事業主体となる市町村等に対し情報提供や技術的な支援を行うなど、ため池等の放射性物質対策が円滑に実施できるよう取り組んでまいります。

 次に、あんぽ柿につきましては、昨年度、主産地である伊達地方において加工再開モデル地区を設定し、非破壊式の放射性物質検査機器による全量検査を実施することで出荷が再開されました。

 出荷量は約200トンと、震災前の14%にとどまりましたが、市場評価が高く、震災前と同程度の価格で販売することができました。

 今年度も原料柿の安全性を確認した上で加工再開モデル地区の拡大を進めるとともに、出荷量の増加に対応して必要な検査機器の増設を支援するなど、産地の再生を加速してまいります。

土木部長(松本英夫君)お答えいたします。

 会津縦貫南道路につきましては、磐越自動車道と一体となり、会津地方の高速ネットワークを形成し、広域観光や地域の活性化などに大きく寄与することから、現在、整備区間に指定されている下郷町の約10キロメートルについて、県と国で分担し、整備を進めております。

 県事業の小沼崎バイパスについては、先月起工式をとり行ったところであり、また、国直轄事業の湯野上バイパスについては今年度から用地取得に着手することとしております。

 今後とも、未着手区間の事業化に向け調査等を推進し、全線の早期整備に取り組んでまいる考えであります。

 次に、小名浜道路につきましては、ふくしま復興再生道路として平成24年度から事業に着手しており、地元に計画ルートなどを説明し、地域の理解を得て、ことし4月に都市計画の決定をしたところであります。

 今年度から用地取得を開始し、早期の工事着手に向けた準備を加速するとともに、引き続き、福島復興再生特別措置法に基づき、国による代行事業の採択を働きかけてまいります。

原子力損害対策担当理事(伊藤泰夫君)お答えいたします。

 多くの被害者に共通する損害につきましては、可能な限り早期の救済を図るため、原子力損害賠償紛争審査会が策定する指針に基づき、一律に賠償がなされるべきであると考えております。

 このため、先月、国及び審査会に対し、紛争解決センターにおける和解仲介の内容が多くの被害者に共通する場合は、賠償の対象となる損害の範囲を具体的かつ明瞭に指針に反映し、確実・迅速な賠償がなされるよう要請したところであります。

 今後も被害の実態に見合った賠償が公平かつ円滑になされるよう取り組んでまいる考えであります。

文化スポーツ局長(鈴木千賀子君)お答えいたします。

 民俗芸能につきましては、人々の心のよりどころであるとともに、地域のきずなを強める力があることから、後継者を確保し、後世に伝えていく必要があると考えております。

 このため、担い手である子供たちが地域の文化の大切さに気づき、継承への意欲を高めることができるよう、民俗芸能に関する講義や体験活動を内容とする交流会を実施することとしております。

 また、被災地を中心とした団体の公演の機会や情報交換の場を確保し、民俗芸能の価値やすばらしさを伝えるため、「ふるさとの祭り2014」を10月に福島市で開催するなど、民俗芸能の継承に積極的に取り組んでまいる考えであります。

観光交流局長(五十嵐照憲君)お答えいたします。

 映画等を活用した観光振興につきましては、これまで各地域のフィルムコミッション等と連携を図りながら、県内ロケ地の誘致活動や撮影支援などを行ってきているところであります。

 本県を舞台にした映画等は、観光誘客や地域の活性化などに大きな効果が期待されますことから、引き続き、市町村や関係団体と連携し、制作会社等への情報提供や県内ロケ地の魅力発信、さらには映画の公開に合わせたプロモーション活動を行うなど、映画等を活用した観光振興に積極的に取り組んでまいる考えであります。

教育長(杉 昭重君)お答えいたします。

 双葉郡の中高一貫校につきましては、来年度の開校に向けて、4回にわたる検討協議会での議論や双葉郡の各高校の特色を踏まえた教育課程の編成を進めるとともに、四倉高等学校内に駐在員を配置し、校舎等の整備に向け地元と調整を進めているところであります。

 また、校名については、現在公募を開始したところであり、今後は生徒や保護者への丁寧な説明の機会を設けるとともに、アンケートを実施し、子供たちの意向を把握するなどの取り組みを通して、双葉郡の中高一貫校に対する魅力を浸透させながら学校づくりを進めてまいります。

 次に、双葉郡の中高一貫校における人材育成につきましては、子供たちにとって望ましい教育環境を整備し、豊かな人間性や社会性を育み、生徒一人一人の進路実現を図ることが大切であることから、総合学科の特色を生かした教育課程を編成するとともに、環境教育、国際教育、防災教育などの多様な学びの機会を設け、関係機関との連携や地域の方及び各界の第一人者を外部講師とした授業を行うなど、さまざまな分野で活躍し、社会に貢献する人材を育成してまいりたいと考えております。

警察本部長(名和振平君)お答えいたします。

 職員の健康管理につきましては、職員の休暇の取得を促進するなど、過重労働防止に努めているほか、長時間勤務者に対する健康指導を実施しております。

 また、職員を対象とした心の健康診断やメンタルヘルスセミナー等を実施しております。

 そのほか、心に悩みや不安を抱える職員が医師や臨床心理士に相談できる制度も整備しております。

 県警察といたしましては、引き続き、幹部対象のメンタルヘルスセミナーの充実や各種相談制度の職員への周知を図るなど、精神面を含めた職員の健康管理対策を強化してまいる考えであります。

 次に、ガソリン等の備蓄につきましては、県警察では、東日本大震災発生当時、ガソリン等の供給が滞った教訓を踏まえ、平成25年、災害時における警察車両へのガソリン等の供給を目的とする備蓄施設を郡山警察署に設置しました。

 また、現在、機動センターへの国費による備蓄施設の設置について警察庁に要望しているところであります。

 さらに、福島、郡山の両免許センターに運転免許試験車両用として設置されている給油施設についても災害時に活用することとしております。

 災害時におけるガソリン等の燃料の確保は、重要な課題であると認識しており、引き続き、そのための具体的な方策について検討してまいる考えであります。

56番(西丸武進君)何点かにわたり再質問をさせていただきます。

 まず、ただいま答弁をいただきました教育長に質問させていただきます。

 中高一貫校について、その努力姿勢が先ほどの答弁の内容で明らかになっております。問題意識は、中高一貫校ですので、今の内容の説明は主たる立場は高校生のことを言っているのではないかなと。

 そうすると、中高ですから、誤解を招きます。中学生の場合はどういう姿で映っていくのか、これが生まれて初めて一貫校という位置づけになるのではないか、このように思いますので、中高一貫のありようについてもう一度お答えください。

 それから、生活環境部長、補正予算の3項の中の市町村の除染対策の事業費の問題で答弁をいただきました。私は、その予算というものは、これは政策的に当然必要性があって、特に市町村が主体性を持つということを言っていますので、市町村から要請を受けて県は予算措置をして配分されたものと、こういうふうに認識をしているわけです。

 ましてや政策が市町村の一番肝心な除染対策事業、こういうふうに位置づけされているわけですよ。そのお金が余ったから、手続上は減額補正というふうになるわけですけれども、何かそこに県の指導性が問われてはいないのかというところが率直な疑問なのですよ。これを部長から再度考え方をお示しください。

 それからあと、先ほど仮置き場の問題も説明をいただきました。300カ所から600カ所に努力をされていますよという評価をいただいております。しかし、現実は除染は、仮置き場がないところに進行はできないわけです。したがって、仮置き場の300から600に努力をしましたという成果は評価をいたしますけれども、しかし実態上はまだまだこの除染作業は進んでいないのです。

 したがって、仮置き場だけは焦眉の急なのです。そこをひとつ県が市町村の実態を把握されてしっかりと寄り添っていくべきと思いますけれども、再度お答えを願いたいと思います。

 それから、中間貯蔵施設の問題も答弁をいただきました。答弁の中は、この間一定程度進展があったものとして評価できると、こういうふうに今お話をいただきました。恐らくそれは環境省から住民の説明会まで至ってきたと、こういうことの評価の一端を今お話しされたのではないかなと。

 しかし、実態上は意見百出、その意見百出は全て批判の的と、こういうふうに中身の問題はあるわけですよ。したがって、そこに輪をかけて石原発言の問題まであったわけでございますから、これこそまさに県の主体性が問われると、私はこういうふうに思っておりますので、再度その辺の考え方を答弁願いたいと存じます。

生活環境部長(長谷川哲也君)再質問にお答えいたします。

  まず、除染対策基金関係でございます。

 今回、市町村の除染の中で最終的に事業費の確定によりまして減額の補正をしたところでございます。基金につきましては、不足する場合については積み増しをする、そしてその中で市町村の除染が確実に推進できるように取り組んでいるところでございます。年度末の確定により減額した部分については、今後の推進に活用してまいる考えであります。引き続き適正な基金の執行に努めてまいります。

 次に、仮置き場の確保でございます。

 除染の推進のためには、仮置き場の確保が不可欠でございます。これまでも住民説明会への専門家の派遣、職員の派遣、また、仮置き場の現地視察会等の取り組みをしております。また、県有施設、公有地の調整なども進めております。さらに、そういった取り組みを市町村とともに進めて、仮置き場のさらなる確保に努めてまいります。

 次に、中間貯蔵施設でございますが、住民説明会の中では、最終処分場への懸念、また、それぞれの課題に対する国の説明は具体性を欠くという意見が出されているところでございます。こうした意見を踏まえて、国においては、こういった意見を真摯に受けとめて、これまで県、地元自治体が申し入れている事項につきまして、国が責任を持って具体的に示すべきと考えております。

教育長(杉 昭重君)再質問にお答えいたします。

 中高一貫校でありますが、福島県には現在、併設型中高一貫校として会津学鳳高等学校がございます。それから、連携型中高一貫校として富岡高校を初め数校ございます。

 来年27年4月に開校を予定しております広野町の中高一貫校でありますが、双葉8町村の中学校と連携をとった連携型中高一貫校という形でスタートさせたいというふうに考えております。

 現在、双葉8町村の中学校では、ふるさと創造学、こちらのほうの学習をスタートさせております。高校のほうでもあわせてやっておりますので、双葉の8町村の中学校と連携をとった形での中高一貫校、こちらのほうで開校を目指しているところでございます。

 56番(西丸武進君)先ほど時間だったものですから、総務部長にお尋ねをいたします。

 答弁をいただきました。それで、県と市町村、広域自治体と市町村の関係で、県のほうに対しては一定の評価ができるという支払いが来たわけですけれども、市町村の場合については、これは約55億円しか来ていない。請求は490億円になっているのですよ。そうすると、1割ちょっとなのです。1割ちょっと、つまり10%ですよ。これが市町村に対する請求と支払いの公平性からしてもおかしい。

 もっと市町村にてこ入れをしない限り、つまり東電に対して強い申し入れをしない限り市町村に対する答えができないのではないか、このように思いますので、再度その支援対策についての考え方を総務部長から答弁をいただきたいと存じます。

 それからあと、保健福祉部長、時間がありませんけれども、相双地域における福祉及び介護人材の確保の問題について答弁をいただきました。努力をしますということの評価をいただきました。ただ、実態上、これは福祉公安委員会でも調査に行ってきたのです。マンパワーが公募しても集まらない。本当に大変な状況に置かれています。

 それから、要介護者が例えば施設に入所したいと言っても、施設のほうはマンパワーがいなくては対応の仕方がこれはできないわけですよ。今ぎゅうぎゅうの中では入所措置をとっておりますけれども、これがもっと別になれば大変な状況に至るのではないかなと、こんな心配をします。

 南相馬市がもし仮にそういう状況になれば、そのしわ寄せは必ず他の市町村にも波及するわけでございますので、したがって、しっかりした対策を現地でとることが大事なのではないかなと。

 それには、先ほどの就職支度金の問題もありますけれども、何か特効策をしっかりともっと身近な実態を探りながら対応していかないと、生半可ではいけないなと、こんなふうに認識として受けとめて帰ってきましたので、もう一度答弁をいただきたいと思います。

総務部長(鈴木正晃君)再質問にお答えいたします。

 市町村の賠償のおくれについてでありますが、市町村の多種多様な賠償項目等について、精査に時間がかかっているということもございますが、若干おくれているというのも事実でありますので、賠償の早急な支払いについて強く申し入れますとともに、場合によってはADRに申し立て、県が中心となって、市町村と一体となって強い交渉を進めてまいりたいというふうに考えてございます。

保健福祉部長(鈴木淳一君)再質問にお答えをいたします。

 相双地域における介護人材の不足については、大変深刻に受けとめてございます。御指摘のような育成の問題、それから即戦力を集めるための支援ということで、先ほど答弁の中でも申し上げました新規事業につきましては、これは国のほうもかなり深刻に受けとめておりますので、新たな国からの財源も確保いたしまして、例えば研修のためには15万円、就職の準備のため、これは住宅ですけれども、30万円というような、県外から来ていただけるのであれば、一定期間就業していただければ返済免除というところも、これはまだスタートしたばかりで、今PRに努めております。我々ももちろん県外まで出かけて足でも稼いでいきたいと思っておりますので、今後もしっかりと取り組んでまいります。

議長(平出孝朗君)これをもって、西丸武進君の質問を終わります。

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