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2014年9月定例会 代表質問 星公正議員

印刷用ページを表示する 掲載日:2014年12月1日更新

星公正議員

議員

星公正

所属会派
(質問日現在)

ふくしま未来ネットワーク

定例会平成26年9月
質問等代表質問
質問日9月18日(木曜日)

22番(星 公正君)ふくしま未来ネットワークの星公正であります。会派を代表して質問いたします。

 まず初めに、次の県政についてであります。

 佐藤知事は、今月4日、10月の知事選に出馬せず、勇退されることを表明なされました。我々未来ネットワークは、ぜひ立候補して佐藤県政を続けていただきたいとの思いでしたので、まことに残念であります。

 佐藤知事は、平成18年の秋、混乱が渦巻く中で県政を明るくしたいとの思いで立候補され、見事当選されました。その後は、みずからを営業本部長と名乗り、先頭に立って企業誘致やトップセールスを行い、県民とも積極的に対話をして丁寧に県政を進め、数々の成果を出してこられました。そのようなことが県民に評価され、圧倒的な支持を得て2期目の当選を果たされ、本県がさらにどのように明るく発展していくのか大変楽しみにしておりました。

 ところが、その4カ月後にあの3・11に見舞われ、それからは本当に不眠不休で復旧・復興に尽力され、国との厚いパイプも生かし、膨大な予算の確保を初め十八歳以下の医療費無料化など県独自の施策も次々と打ち出してこられました。さらに、先月末には、復興への最大の課題の一つである中間貯蔵施設について受け入れの判断をされ、道筋をつけられたところであります。

 このように佐藤県政の歩みを振り返ると、まさに激動の8年間と言っても過言ではないと思います。本当に知事はよくやってこられたなと思うところであります。このような実績を掲げ、このたび勇退なされるということに対し、心から「お疲れさまでした」と言わせていただきたいと思います。

 そこで、知事に伺います。

 知事は、今月4日の勇退の会見において、次の県政について、継続性が大事であるとおっしゃいました。知事がこれまで取り組んでこられた県政運営を踏まえ、次の県政には何を望み、期待するのかお尋ねいたします。

 次に、集中復興期間終了後の財政運営についてであります。

 現在の集中復興期間は平成27年度までとされているところですが、地震、津波による被害に加え、原子力発電所事故による甚大かつ広範囲な被害という特殊な事情を抱える本県の復興はまだ道半ばであり、集中復興期間終了後においても、避難者を初めとする県民の生活支援や健康管理、産業振興、風評・風化対策など、引き続き復興・再生に係る事業が見込まれるところであります。

 これらの事業を着実に推進していくためには、歳入歳出両面において、将来を見据えた計画的な財政運営が重要であると思います。

 そこで、県は集中復興期間終了後の財政運営をどのように行っていくのかお尋ねします。

 次に、東日本大震災からの復興に向けたまちづくりについてであります。

 甚大な被害を受けた地域の復興まちづくりを進めるためには、土地利用の再編が重要かつ不可欠であります。土地利用には、農地法や都市計画法などによる規制がかけられておりますが、復興特区法による復興整備計画を作成することにより、土地利用の規制を緩和することが可能となっており、積極的な制度の活用が期待されるところであります。

 既に沿岸部の市町村では、復興整備計画を活用し、防災集団移転や災害公営住宅の整備などの復興事業が進められつつあります。しかしながら、本県においては、原子力災害の影響が内陸部にも及んでいることから、当該地域においても農地転用などの土地利用規制の特例などを受け、復興まちづくりを加速化する事業の展開により住民帰還を促進すべきと考えております。

 そこで、内陸部の原発被災市町村の復興まちづくりを進めるため、復興整備計画を活用していくべきと思いますが、県の考えをお尋ねします。

 次に、福島・国際研究産業都市構想、いわゆるイノベーション・コースト構想についてであります。

 この構想は、1月から経済産業副大臣の主宰する研究会において議論され、6月23日に取りまとめられました。浜通りの明るい将来を目指して日々努力されている地元の市町村も大きな期待を寄せております。

 構想には、廃炉を着実に進めるための研究だけでなく、最先端のロボットの研究開発など、未来を予感させる事業が並んでおりますが、私は、浜通りがこの構想によってどのように変わっていくのかを示し、県民が夢に向かって一丸となれるようにすることが必要だと考えております。

 そこで、イノベーション・コースト構想の具体化が浜通りにどのような効果があると考えているのかお尋ねします。

 次に、企業立地補助金についてであります。

 県のふくしま産業復興企業立地補助金は平成24年から実施され、これを活用して新増設する企業は延べ400社を超えていると聞いております。また、平成25年度からは、県の企業立地補助金を引き継ぐ形で国の津波・原子力災害被災地域雇用創出企業立地補助金が創設され、新たな新増設計画が進められております。

 採択を受けた企業は、投資計画を進め、雇用の確保に努めていることと思いますが、全企業が一日も早く立地計画を完了し、計画した雇用が確実に創出されることを期待しております。

 県内の企業立地件数は2年連続で100件を超え、高い水準を維持していますが、これは企業立地補助金の効果であり、こうした復興への動きをとめないために継続的に企業の新増設を促進していくことが必要と思われます。

 そこで、津波・原子力災害被災地域雇用創出企業立地補助金について、来年度以降も継続するように国に求めるべきと思いますが、県の考えをお尋ねいたします。

 次に、国が直轄で災害廃棄物の処理を行う対策地域についてであります。

 東日本大震災による災害廃棄物処理の進捗率は、県全体で70%、対策地域を除けば約88%とされており、対策地域の復旧・復興及び避難者の早期帰還のためには、対策地域における災害廃棄物処理の早期完了が望まれるところです。災害廃棄物の処理を加速化させ、目に見える形で進捗率を上げていくためには、仮設焼却施設等の処理施設の速やかな整備が必要であると考えます。

 そこで、対策地域における仮設焼却施設について、整備状況と県の取り組みをお尋ねいたします。

 次に、中間貯蔵施設についてであります。

 現在、県内各市町村では、仮置き場や自宅や空き地などに仮の置き場として保管されている汚染表土や除染廃棄物に困惑していると聞いております。市町村の中には、喫緊の課題である除染の加速化を図るため、中間貯蔵施設への廃棄物の搬入が早期に行われるよう、県に対して国へ積極的に働きかけるよう要請するところも出てきております。

 このような中、中間貯蔵施設の議論に関しては、県及び大熊・双葉両町からの申し入れに対し、ようやく国は先月八日、生活再建策・地域振興策として、中間貯蔵施設等に係る交付金、原子力災害からの福島復興交付金及び福島第一原子力発電所に係る電源立地地域対策交付金の3つの交付金、総額3,010億円の財政措置案を示しました。

 その後、この支援策などについて県内部で精査確認をし、地権者への説明を認めるという両町の判断を踏まえ、先月30日、搬入受け入れ判断に当たっての5つの条件を付した上で、苦渋の決断として県は建設を受け入れたところであります。
 これら3つの交付金の予算化や自由度については、搬入受け入れの5つの条件の1つとなっていますが、県や両町、両町以外の県内各市町村のニーズに対応可能な使い勝手のよい交付金となるよう、今後も国と協議を詰めていく必要があると考えております。

 そこで、中間貯蔵施設の建設の受け入れに当たり、生活再建・地域振興策として示された3つの交付金の評価についてお尋ねいたします。

 次に、国際原子力機関との協力についてであります。

 県と国際原子力機関は、平成24年12月に「県と国際原子力機関との間の協力に関する覚書」を締結し、除染や放射線モニタリング分野におけるさまざまな取り組みについて協力していくこととしました。

 今年の7月には、国際原子力機関の専門家が来県し、除染技術や放射性核種の動態調査などの協力プロジェクトについて県と協議を行ったと聞いております。一日も早く本県の環境を回復するためには、国内外から協力を仰ぎ、世界の英知を結集して実施することが必要であり、国際原子力機関との協力に大いに期待しているところであります。

 そこで、本県の環境回復に向け、国際原子力機関との協力プロジェクトにどのように取り組んでいくのかお尋ねいたします。

 次に、県民健康調査についてであります。

 県民健康調査で得られたデータについては、現在、今年3月に構築した県立医科大学のデータベースに蓄積していると聞いております。こうした県民の膨大な情報を取り扱うに当たり、その管理を適正に行っていくため、県が誇るもう一つの大学であり、コンピューター理工学の専門大学である会津大学から技術的な支援を受けるなど、今後とも両大学が連携して取り組まれていくものと認識しております。また、データについては、その管理もさることながら、県民のためにいかに活用していくかが重要であります。

 そこで、県民健康調査のデータについてどのような活用を図っていくのか、県の考えをお尋ねいたします。

 次に、市町村の除染についてであります。

 住宅除染の進捗状況につきましては、平成27年3月末までの計画数約31万戸に対して、本年7月末で約14万戸が終了したと聞いております。また、この間除染現場でのさまざまな課題に対応するため、除染技術の改良等が行われてまいりました。今後さらに除染を進めていくためには、より効果的な除染技術の導入を進めるなど、市町村に対する支援を強化する必要があると思います。

 そこで、市町村除染について、効果的な技術を活用し、着実に進めるべきと思いますが、県の取り組みをお尋ねいたします。

 次に、森林の再生についてであります。

 県土の約7割を占める本県の森林は、水源の涵養、土砂流出の防止、自然環境の保全、木材の供給など、県民生活に欠くことのできないさまざまな恩恵をもたらしております。

 一方、本県の森林を取り巻く環境は、原発事故による放射性物質により、森林整備活動の停滞や、森林の有する多面的機能の発揮に多大な影響を受けている現状にあります。

 現在行われている森林除染は、対象範囲も居住地周辺に限られており、本県の豊かな森林資源を再生する取り組みとしては不十分であり、また、森林から放射性物質が流出してくるのではないかなど、多くの県民が不安を感じております。本県の緑豊かな森林を再生するためには、放射性物質のモニタリングや森林除染の推進に加え、森林整備による放射性物質対策を進めることが何より必要だと思われます。

 そこで、県は森林における放射性物質対策にどのように取り組んでいくのかお尋ねいたします。

 次に、子ども・被災者支援法についてであります。

 平成24年6月に超党派の議員立法で成立した子ども・被災者支援法は、昨年10月に基本方針と支援施策が示され実施に移されておりますが、集中復興期間の期限が来年度に迫ってくる中で、子ども・被災者支援法に基づく支援施策の充実は本県の復興や被災者の支援のために大変重要であると思っております。

 そこで、子ども・被災者支援法による支援施策の充実に向けどのように対応していくのか、県の考えをお尋ねいたします。

 次に、被災者の健康・生活支援についてであります。

 震災から3年半が経過し、インフラ復旧や帰還に向けた生活環境の整備などが一定程度進展している一方、避難生活が長期化し、依然として仮設住宅等での生活を余儀なくされるなど、避難者を取り巻く環境は厳しい状況が続いております。このような状況においては、高齢者や子供たちの心身の健康の維持が喫緊の課題であります。

 こうした中、国は「被災者に対する健康・生活支援に関するタスクフォース」により、先月25日に避難者の支援体制の充実や子供に対する支援などの課題への対応について「被災者の健康・生活支援に関する総合施策」を策定したところであります。

 今後、復興公営住宅の整備や賠償が進展することで応急仮設住宅から復興公営住宅等への転居が始まるなど、避難者の住環境に大きな変化が生じる中で、避難者の見守り、支援が重要であり、県においても、そうした変化に伴い生じる避難者のさまざまな課題へ対応することが必要であると考えております。

 そこで、避難の長期化に伴う新たな課題にどのように取り組むのか、県の考えをお尋ねします。

 次に、県産農林水産物の風評対策についてであります。

 米や果物、牛肉等を初めとする県産農林水産物については、今なお風評の影響が影を落としており、厳しい販売環境にあると聞いております。県はこれまで農林水産物のモニタリング検査や米の全量全袋検査、牛肉の全頭検査などの検査体制を整え、県内外に農林水産物の安全・安心をアピールしていると承知しておりますが、県産農林水産物の一層の消費回復や販路拡大を図るためには、より効果的な風評払拭の取り組みが必要であると思われます。

 そこで、県は県産農林水産物の風評対策にどのように取り組んでいるのかお尋ねいたします。

 次に、中山間地域の園芸振興についてであります。

 中山間地域においては、傾斜地が多く農地面積が狭小であるなどから、農業従事者の減少や高齢化が進んでおり、農業生産の維持が懸念されております。一方で、南郷トマトのように、中山間地域でありながら地域の気象条件を生かした園芸作物の導入により、新規就農者を確保している事例も見られます。

 本県は、多くの中山間地域を抱えており、このような条件不利地域の農業振興においては、地域の気象条件を生かした園芸産地育成ととともに、新たに栽培に取り組む農業者への支援が重要だと考えます。

 そこで、中山間地域において新たに園芸作物に取り組む農業者に対し、県はどのように支援するのかお尋ねいたします。

 次に、公共土木施設の用地買収についてであります。

 東日本大震災により被災した公共土木施設につきましては、地域の復旧・復興の礎として早急な整備が必要不可欠となっております。

 そうした中、本県を初め岩手、宮城などの被災各県において、相続登記がなされていないなどにより、用地の権利調査や用地交渉に時間がかかるなど、用地の買収が大きな課題となっております。特に本県は多数の地権者が避難していることにより、境界立ち会いや用地交渉に時間を要するという特有の事情もあることから、買収がより一層困難な状況にあり、用地取得のための体制整備が重要と思われます。

 本県では、災害査定が終了した2,300カ所のうち1,421カ所で復旧工事が完了したと聞いておりますが、県民生活の安全・安心の確保のためには一日も早い復旧・復興事業の完成が重要であり、そのためにまず必要となるのは事業用地の確保であります。

 特に浜通り地方の海岸部では、地域の共有により古くから利用されてきた土地も多いため、数十名の共有地や、加えて数百名以上の相続が発生している土地、さらには地権者が行方不明であるなど、用地の取得が難しい事案が数多くあると聞いております。

 そこで、取得の難しい復旧・復興事業用地について、どのように買収に取り組んでいくのかお尋ねいたします。

 次に、土砂災害防止対策についてであります。

 近年、地球温暖化の影響からか、全国各地で局地的な大雨といった異常気象による土砂災害が多発しております。昨年10月の伊豆大島の土砂災害の後も、今年7月の長野県南木曽町での土砂災害に続き、8月には広島市の土砂災害で多数の死者、行方不明者が発生しております。土砂災害は、いつどこで起こるか予測することが難しく、発生した場合の被害は甚大で、人命にもかかわる恐ろしい災害であります。

 県内においても、平成23年の東日本大震災による土砂災害を初め同7月には新潟・福島豪雨、平成25年には、
4月のいわき地方での豪雨を初めとして、7月には喜多方地方での豪雨、8月には二本松地方での豪雨、さらに今年4月にもいわき地方で豪雨により土砂災害が発生しております。

 砂防事業は、これまで土砂災害から人命を守るため砂防堰堤等のハード整備を推進してきましたが、この整備には多額の費用と時間を要し、人的被害を未然に防ぐには十分とは言えなくなってきました。人的被害の未然防止には、危険が高まった場合に早急に避難するソフト対策が大変重要であります。

 土砂災害防止法による土砂災害警戒区域及び土砂災害特別警戒区域の指定は、住民に対して土砂災害のおそれのある区域についての危険の周知と市町村に対する警戒避難体制の整備等を推進するもので、ソフト対策の基礎となる重要なものであり、本県においては保全人家戸数の多い箇所を優先に指定が進められております。

 今回の広島市の土砂災害を教訓に、改めて土砂災害から県民の安全・安心を確保するためには、ソフト対策の基礎となる土砂災害警戒区域等の指定を早急に進めることが最も重要であると考えます。

 そこで、今後土砂災害警戒区域等の指定をさらに推進すべきと思いますが、県の考えをお尋ねします。

 次に、福島空港の防災機能についてであります。

 東日本大震災において、福島空港は最大震度6強の揺れに襲われましたが、地盤が強固なために、航空機の運航に支障のあるような被害はなく、震災直後から24時間の運用がなされ、本県を初め被災地全体の救援活動の拠点として利用されたと聞いております。

 今後大規模災害時に備えるためには、東日本大震災での経験を生かし、福島空港が重要な役割を担ったことを踏まえ、福島空港の防災機能を充実させることが必要だと考えます。

 そこで、県は福島空港の防災機能の充実に向けどのように取り組んでいくのかお尋ねします。

 次に、人口問題についてであります。

 私は、過疎化、少子高齢化に加え、原子力発電所の事故による県外避難などにより、福島県の人口減少のスピードが他県よりも数年早まって進行していると感じております。

 そんな折、国では今月3日に「まち・ひと・しごと創生本部」を立ち上げ、平成27年度予算概算要求基準において、成長戦略や地方創生分野で最大四兆円規模の特別枠を設けるなど、地方創生のため全力で取り組む方針を打ち出したところであります。県も国の動きに乗りおくれることなく、若い世代が生まれ育った地域で活躍できるよう環境を整備していかなければなりません。

 そこで、県は総合計画の重点プロジェクトで最も重要な人口減少・高齢化対策プロジェクトをどのように推進していくのかお尋ねします。

 次に、認定こども園についてであります。

 平成24年8月に成立した子ども・子育て支援新制度が来年4月からスタートします。国では、新制度における取り組みの1つとして認定こども園制度の改善を打ち出しており、幼保連携型認定こども園に係る認定手続や施設の位置づけが一本化されるなどによって、制度としてより取り組みやすい環境が整えられたとされております。

 そこで、制度改善を踏まえ、県は認定こども園の開設を希望する事業者に対してどのように支援していくのかお尋ねいたします。

 次に、全国学力・学習状況調査についてであります。

 去る4月には、県内全ての小中学校において、小学校6年生、中学校3年生を対象に全国学力・学習状況調査が実施され、先日その結果が公表されました。

 震災からの復興を担う人材を育成することは、本県に課された急務であり、児童生徒の学力向上はそのかなめとなるものであります。今年度の全国学力・学習状況調査からも、全国的な視野で本県の児童生徒の学力や学習状況を把握・分析し、教育施策の成果と課題を検証し、その改善を図ることが非常に重要であると考えております。

 そこで、県教育委員会は今年度の全国学力・学習状況調査の結果を踏まえ、児童生徒の学力向上に向けてどのように取り組んでいくのかお尋ねいたします。

 次に、県警察における「なりすまし詐欺」の被害防止対策についてであります。

 県警察では、オレオレ詐欺などの事件被害を防止するため、昨年からこれら詐欺を「なりすまし詐欺」と称して、関係機関等とも連携してさまざまな対策を行っていると承知しており、実際現金を受け取りに来た犯人を検挙しているほか、金融機関と連携して振り込み直前に被害を防止した事例もふえていると聞いております。

 しかしながら、こうした対策にもかかわらず、依然として被害が後を絶たず、全国の被害は最悪を記録した昨年を上回るペースであり、県内でも被害総額は8月末で約2億5千万円に上り、被害者の中には、80歳を超える方が身内の身を案じる余り何百万円という被害に遭うという事件もたびたび報道されております。

 「なりすまし詐欺」に対しては、検挙はもとより、高齢者を初めとする県民への被害防止に向けた注意喚起の啓発活動や金融機関等と連携した振り込み阻止等の対策が重要であります。

 そこで、県警察における「なりすまし詐欺」の被害防止対策についてお尋ねいたします。

 終わりに、胎動の年と言われた26年度も半年が過ぎようとしております。知事は、今議会の冒頭の挨拶で「まさに新生ふくしまの胎動を実感しているところであります。」と言われました。私も復興の動きを強く肌で感じており、残り半年間が非常に大切な時期になると思っております。今後もこの復興の動きが停滞することなく、さらに加速することを願って質問を終わります。

議長(平出孝朗君)執行部の答弁を求めます。


 知事(佐藤雄平君)星議員の御質問にお答えいたします。

 次の県政についてであります。

 私は、8年前の知事就任に当たり、「さわやかで明るい県政」を掲げ、企業誘致、定住・二地域居住の推進や声楽アンサンブルコンテストの開催などにより、明るく活力のある県づくりに努めてまいりました。就任3年目には、新しい総合計画を策定し、地域の活力を一層推進してまいりたいと考えておりました。

 しかし、人類史上例のない大地震、大津波に原子力発電所の事故が加わるという未曽有の複合災害が本県を襲い、県政史上まれに見る苦難の中、新たな使命として復旧・復興を何よりも最優先に、県民の先頭に立って全精力を傾けてまいりました。

 そのような中、国、市町村と連携して、「復興元年」、「復興加速の年」、「新生ふくしま胎動の年」と全庁一丸となって着実に歩みを進めてきた結果、未来を見据えた各種拠点の整備が進み、新しいふくしまの姿が見えてまいりました。

 このように、復興が新たな段階に入ってきた中でさらなる取り組みを進めていくためには、新しいリーダーのもとで一丸となって一層の飛躍を図っていくべきであると考え、「権不十年」の信念を全うし、今期限りで身を引く決意をしたところであります。

 私は、今後の県政には、今の復興に向けた流れをとめることなく、県議会の皆さんと一体となって継続性を持って進めていくことが極めて重要であると考えております。

 そのため、まずは総合計画の取り組みをしっかりと継承していただき、その上で県民の皆さん、各市町村長の皆さんの意見を丁寧に伺いながら、柔軟な発想を持って、避難地域の再生や中間貯蔵施設への対応を初め地方の存立にもつながる人口減少の問題などさまざまな課題に対して、目指す方向をしっかりと明示して、スピード感を持って施策を進めていただきたいと思っております。

 また、私が終始一貫して唱え続けてきた地域社会と思いやり、さらには子供、若者の育成、これらにも一層取り組み、「ふくしま」に生まれ育ったことに誇りを持って、未来に向かって夢、希望を実現できる福島県の創造を期待しているところであり、私自身も任期の満了するまで力の限り復興に邁進してまいりたいと考えております。

 その他の御質問につきましては、関係部長等から答弁させますので、御了承願います。

総務部長(鈴木正晃君)お答えいたします。

 集中復興期間終了後の財政運営につきましては、いまだ原発事故が収束していない本県においては、長期かつ膨大な復興関連事業が見込まれ、地域の復興の状況等に応じた事業展開が求められることから、安定的な財源の確保と適切かつ着実な事業執行が重要であると認識しております。

 県といたしましては、引き続き国に対し現在の復興財源の枠組みを継続するよう強く求めていくとともに、今後中期的な財政見通しを策定し、健全な財政運営にしっかりと取り組んでまいる考えであります。

企画調整部長(近藤貴幸君)お答えいたします。

 内陸部の原発被災市町村の復興整備計画につきましては、国に対し制度改正を求めてきた結果、ことし1月、農地転用の特例が受けられることとなったことから、8月には川俣町と川内村が太陽光発電施設の整備事業等に関する復興整備計画を内陸部で初めて策定したところであります。

 また、農地転用手続についても、同月、これらの地域の実情を踏まえた簡素化が図られたことから、今後とも市町村の意向を十分に踏まえつつ、復興整備計画を活用しながら、原発市町村の復興まちづくりに積極的に取り組んでまいる考えであります。

 次に、福島・国際研究産業都市構想につきましては、廃炉研究や災害対応ロボット、産学連携などのさまざまな研究拠点や関連産業の集積等を通じて、安全で着実な廃炉の推進はもとより、未曽有の原子力災害などにより産業基盤を喪失した浜通りにおいて、新産業の創出を図るとともに、農林水産業や商工業等を復活させ、地域経済の復興、雇用の回復に大きく寄与していくものであると考えております。

 あわせて、交流人口の拡大や住民の帰還、研究者を初めとする新たな住民の定住などが図られることから、浜通りの魅力ある再生実現の力強いエンジンとなるよう、国、市町村等と連携し、構想の具体化に向けしっかりと取り組んでまいる考えであります。

 次に、中間貯蔵施設につきましては、その影響が全県下に及ぶ特別な施設であり、それを緩和するための生活再建策・地域振興策が必要であることから、各個別対策のほか、県、大熊・双葉両町及び県内市町村の実情を踏まえた自主的かつ主体的な取り組みができるような自由度の高い交付金を求めてきたところであります。

 今回国が提示した3つの交付金は、それぞれソフト事業やハード事業に幅広く活用できる相当程度の自由度があること及び搬入に伴い当然に必要となる道路改良・維持修繕等については別途国が措置するとされたことから、おおむね県や両町の意向を踏まえたものと評価しております。

 次に、人口減少・高齢化対策プロジェクトにつきましては、総合計画の最重点に位置づけ、子ども医療費の無料化、多子世帯の保育料軽減など、子育てしやすい環境づくりや多様な就労の場の確保などにより、出生率の回復や人口の流出を抑制する施策などを進めてきたところであります。

 今後は国の「まち・ひと・しごと創生本部」や地方創生関連法案の動向を注視しつつ、全庁的な取り組みを効果的に進める体制づくりを行い、有識者の声も伺いながら本県の人口ビジョンや総合戦略を策定し、全庁を挙げて人口減少対策を推進してまいる考えであります。

生活環境部長(長谷川哲也君)お答えいたします。

 仮設焼却施設の整備につきましては、国が直轄で行う対策地域の災害廃棄物処理を進め、復興の着実な推進を図るため、市町村の要望を踏まえ、国に対し早急に整備を完了するよう強く求めてきたところであり、ことし8月に飯舘村の施設が運転開始したほか、現在、建設中が4施設、建設準備中が2施設となっております。

 今後とも施設の整備や円滑な運営を図るため設置される運営協議会に参画し、調整を進めるなど、国、市町村と連携して対策地域の災害廃棄物処理の早期完了を目指してまいります。

 次に、国際原子力機関との協力につきましては、河川等の除染技術の研究、野生動物における放射性核種の動態調査などの9つの協力プロジェクトを実施しているところであります。

 引き続き、国際原子力機関が招聘する世界各国の専門家から福島の現場や実情を踏まえた適切な助言等を受けながら、今後開設する環境創造センターにおいて、国内の研究機関と密接な連携を図る新たな体制のもとでこれらのプロジェクトを積極的に推進してまいります。

 次に、市町村除染における効果的な技術の活用につきましては、これまで公募した技術の効果検証を行い、5技術について除染関係ガイドラインに取り入れられるとともに、7技術が個別協議により市町村除染において採用されたほか、今般、急傾斜牧草地の除染技術についても新たに採用されたところであります。

 今年度は市町村の要望を踏まえ、道路除染の効果的な技術や仮置き場の維持管理に関する技術等について実証することとしており、今後とも実用的・効果的な技術の普及を通じて市町村除染の着実な推進に取り組んでまいる考えであります。

保健福祉部長(鈴木淳一君)お答えいたします。

 県民健康調査につきましては、これまで基本調査や甲状腺検査、健康診査などの結果を個人にお知らせするとともに、分析した情報を市町村に提供し、保健指導等において活用されているところであります。

 今後は内部被曝検査や個人線量計の測定結果、地域がん登録のデータなども含めて、県立医科大学に構築したデータベースに一元的かつ長期的に蓄積していくとともに、年代別、地域別などに集約した情報を時系列的に整理し、県民の健康づくりに生かしていくほか、放射線による健康影響の評価などにも活用してまいる考えであります。

商工労働部長(星 春男君)お答えいたします。

 津波・原子力災害被災地域雇用創出企業立地補助金につきましては、国の採択に基づき、現在126社が工場等の新増設を計画しており、これにより約1,500名の新規雇用が見込まれるなど、復興に向け企業の立地を促進し、安定した雇用を創出する極めて重要な制度であります。

 このため、国に対して来年度以降の制度の継続と十分な予算措置を要望し、平成27年度概算要求において事項要求とされたことから、今後も本制度が継続して実施されるよう引き続き強く働きかけ、産業の復興に取り組んでまいる考えであります。

農林水産部長(畠 利行君)お答えいたします。

 森林の放射性物質対策につきましては、継続的なモニタリングを通して、その大半が土壌へと移行したことを確認しており、拡散抑制や線量低減を図るための土砂の流出防止や土壌の被覆などが効果的であると考えております。

 このため、国や市町村、大学などの試験研究機関との連携を一層強化し、放射性物質の動態変化に即した森林整備手法や木柵による拡散抑制、木材チップによる線量低減などの効果実証に取り組んでおります。

 今後はこれらの知見を踏まえ、森林除染方針の早期決定を国に働きかけるとともに、森林整備と一体となった効果的かつ効率的な放射性物質対策の推進を図り、本県の森林再生に努めてまいります。

 次に、県産農林水産物の風評対策につきましては、これまで量販店や卸売市場におけるトップセールスを初めTOKIOを起用したテレビCMの放映など多様な媒体による広報や、市町村や団体等が行うPR活動への支援などを実施してまいりました。

 今年度はこれらに加え、生産現場の取り組みと生産者の思いを伝えるミニ番組の放映やメディアセミナーにおける水産物の試験操業に関する情報提供を行うほか、県内留学生による県産食材を活用した自国料理の創作とインターネットでの発信など、大学生などのユニークな発想や行動力を活用した風評対策を実施しております。

 今後とも効果的な風評払拭に全力で取り組んでまいります。

 次に、中山間地域において新たに園芸作物に取り組む農業者への支援につきましては、園芸振興はもとより、地域農業の発展にとって大変重要であります。

 このため、引き続き市町村や農業団体などと連携し、各種補助事業を活用したパイプハウス等の整備、収量の安定や品質の向上に向けたきめ細かな栽培指導に取り組むとともに、リンドウやアスパラガスなどのオリジナル品種の導入や情報通信技術を活用した栽培管理など、今後実用化される新技術の迅速な普及に努め、収益性の高い経営の確立に向けた支援を積極的に行ってまいります。

土木部長(松本英夫君)お答えいたします。

 復旧・復興事業用地の買収につきましては、用地業務に携わる職員の大幅な増員などにより体制強化を図るとともに、相続等により多数の権利者に説明が必要な場合の民間委託の導入や、権利者が行方不明等の場合に権利者にかわって土地売買を行うことができる財産管理人制度の活用など、さまざまな手法により推進してまいりました。

 今後ともこれらの積極的な活用を図るとともに、特に取得が難しい事案における土地収用法の適用も含め、迅速な用地取得に取り組んでまいります。

 次に、土砂災害警戒区域等の指定につきましては、区域を定めるための基礎調査の結果に基づき、市町村とともに住民説明会を開催し、丁寧な説明を行いながら計画的に進めております。

 引き続き基礎調査に対する一層の財政支援を国に要望するとともに、土砂災害防止法改正の動向等を踏まえながら、迅速かつ的確な指定を推進することにより、土砂災害による人的被害の未然防止に努めてまいる考えであります。

原子力損害対策担当理事(伊藤泰夫君)お答えいたします。

 子ども・被災者支援法につきましては、基本方針の中で健康や医療の確保、子育て支援などの支援施策が示されており、県民健康調査や被災者の心のケア、子供たちの自然体験・交流活動、母子避難者等を対象とした高速道路無料措置などに取り組んでいるところであります。

 今後とも被災者の実情に沿ったきめ細かな支援施策の充実と継続的な財源措置について、関係各県とも連携し、国に働きかけてまいる考えであります。

子育て支援担当理事(小林武正君)お答えいたします。

 認定こども園につきましては、保護者の就労の有無にかかわらず入所が可能であること、また、地域において子育てに不安のある保護者の相談等に対応する施設であることから、その設置を支援しているところであります。

 具体的には、事業者向けに資料を配布するなど広く制度の周知を図っているほか、開設を希望する事業者に対しては、準備が円滑に進むよう個別に相談に応じるなど丁寧に対応しております。

 さらに、施設整備を必要とする事業者に対し、市町村と連携して財政支援を行っており、これらの取り組みを通じ、引き続きその設置を支援してまいる考えであります。

避難地域復興局長(樵 隆男君)お答えいたします。

 避難の長期化に伴う新たな課題につきましては、本年4月に復興対策推進プロジェクトチームを設置し、「健康と安全・安心を守る」、「子どもを育む」の2つのテーマについて検討を進めてまいりました。

 「健康と安全・安心」については、相談員の増員や関係機関とのネットワーク構築による見守り・相談体制の強化など、「子どもを育む」については、教育環境の充実や切れ目のない体力向上施策の実施などについて検討を重ね、国との協議により一部国の概算要求にも反映されたところであります。

 引き続き施策としての具現化を目指すとともに、その他の課題についても部局横断でさらに検討を深めてまいります。

観光交流局長(五十嵐照憲君)お答えいたします。

 福島空港の防災機能の充実につきましては、東日本大震災時に福島空港が被災地全体の人命救助、物資輸送等の救援活動拠点となった経緯を踏まえ、大規模かつ広域的な災害における防災拠点として国の防災計画に位置づけるよう要望してまいりました。
 また、先月実施した県の総合防災訓練では、輸送機による食料、毛布等の物資輸送訓練や航空搬送拠点臨時医療施設設置訓練を行ったところであり、今後はこれらの経験等を生かしながら、福島空港の防災機能の強化に向け、引き続き国に対し要請してまいる考えであります。

教育長(杉 昭重君)お答えいたします。

 今年度の全国学力・学習状況調査の結果を踏まえた学力向上の取り組みにつきましては、全体的に改善傾向にあるものの、中学校数学について引き続き基本的な知識・技能や論理的に考える力に課題が見られたことから、さらなる取り組みが必要であると考えております。

 このため、優秀教員による授業改善のためのモデル授業や算数・数学指導事例集を活用し、地域の教員の指導力の向上を図るとともに、小中学校の教員が相互に交流する事業により、算数から数学への子供たちの学びを円滑につなげるなど、市町村教育委員会と一体となって一層の学力向上に向け取り組んでまいる考えであります。

警察本部長(名和振平君)お答えいたします。

 「なりすまし詐欺」の被害防止対策につきましては、被害者の八割を占める高齢者に対する注意喚起を重点とした広報啓発活動を行っております。

 また、被害金の多くが金融機関の窓口等から引き出されるなどしていることから、本年七月、県内の金融機関に対して、高額な引き出し等をする高齢者への声かけや警察への通報を行うなりすまし詐欺被害防止アドバイザーを委嘱するなどして被害の防止に努めております。

 今後も自治体や関係機関・団体等と連携し、被害の防止を図ってまいる考えであります。

議長(平出孝朗君)これをもって、星公正君の質問を終わります。

 

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