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2014年9月定例会 代表質問 吉田栄光議員

印刷用ページを表示する 掲載日:2014年11月28日更新

吉田栄光議員

議員

吉田栄光

所属会派
(質問日現在)

自由民主党

定例会平成26年9月
質問等代表質問
質問日9月17日(水曜日)

27番(吉田栄光君)自由民主党議員会を代表して質問させていただきます。吉田栄光であります。

 最初に、佐藤雄平知事におかれましては、このたび御勇退されるということで、2期8年間、あの東日本大震災、原発事故、この激動の中、それぞれの県民に対してさまざまな施策を展開されました。御労苦に改めて感謝を申し上げる次第であります。お疲れさまでございました。

 それでは最初に、避難者への知事の思いについてお尋ねをいたします。

 知事は、これまでふるさとふくしまの発展のため、全身全霊をささげて取り組んでこられた中で、未曽有の東日本大震災及び原子力発電所事故に遭遇されました。また、発災直後から災害対策本部長として、県民の安全を最優先に考えながら、混乱した事態の収拾に懸命に当たっていた姿が今でも思い起こされます。

 この大災害から3年半が経過しました。知事は、避難者の安全で安心な暮らしが確保できることを最優先に考え、避難者支援を行ってこられましたが、そうした知事を先頭にした県を挙げた取り組みにもかかわらず、今なお県内外に13万人近い避難者が厳しい避難生活を余儀なくされております。避難者の中には、一日も早くふるさとに帰りたいと願っている人、あるいは避難先で新たに生活を始めたい人などさまざまな思いがあります。

 そこで、避難者支援に関するこれまでの取り組みを踏まえ、県内外に避難している県民への知事の思いをお尋ねいたします。

 次に、復興財源についてであります。

 国は、集中復興期間を発災から5年間とし、その間の財源は25兆円という財源フレームを定めており、年末の政府予算案に向けて折衝が行われており、来年度予算が最終年度の予算ということになりました。

 しかしながら、8月に発表された「ふくしま復興のあゆみ」では、公共土木施設災害の復旧が6割の完了、計画済みの市町村による家屋の除染も4割強の完了にとどまっております。このほかにもまだ査定が終わっていないものや国の直轄除染などもあり、まさに道半ばであります。

 私は、先月与党が行った第4次提言を受け、安倍総理大臣が「福島県はまだ復旧段階」と発言されたのはそのとおりであり、これからは復興の本番を迎える福島に必要な財源は引き続き確実に確保されなければならないと強く思うものであります。

 そこで、今後の復旧・復興に必要な予算の見込みをどのように捉え、財源の確保に取り組むのかお尋ねをいたします。

 次に、復興・再生に向けた執行体制についてであります。

 東日本大震災から3年半が経過し、田村市都路地区に続き、川内村の避難指示の解除の決定やイノベーション・コースト構想の具体化、さらには中間貯蔵施設の建設の受け入れ容認など、復興・再生へ向けた新たな動きも出てまいりました。こうした復興のステージの進捗に伴い、直面するさまざまな課題に迅速に対応していくことが今後さらに重要になります。

 また、これまで議会でも議論を重ねてきた危機管理体制のあり方や子育て支援の推進体制のあり方についても、東日本大震災の教訓や原子力災害の影響等を踏まえ、しっかりと対応していく必要があります。

 そこで、復興・再生を着実に推進するため、執行体制を強化すべきと思いますが、県の考えをお尋ねいたします。

 次に、避難者の見守りや健康支援についてであります。

 避難生活の長期化等により、特に高齢者にあっては運動機能の低下が見られ、相双地域の要介護認定者の伸び率が県全体の上昇を上回っていると聞いております。避難先が広域に及ぶため、市町村においては対応に苦慮していることから、広域調整の立場の県としての支援が必要であります。

 そこで、県は避難者の見守りや健康支援にどのように取り組んでいくのかお尋ねをいたします。

 次に、県外避難者の心のケアについてであります。

 先月28日に開催された本県、山形、新潟の3県知事会議において、避難生活の長期化や本県と避難先との二重生活に伴う県外避難者の心のケアについて協議がなされたと聞き及んでおります。震災から3年半が経過した現在も、いまだに約4万7千人の県民が県外で避難生活を余儀なくされております。

 全国各地に避難している県民は、なれない土地での生活になじめないまま孤立感を深めたり、今後の生活再建のめどが立たないことなどにより大きな精神的ストレスを抱えており、県外で避難生活を送っている県民の精神的な負担が緩和されるよう心のケア対策を一層充実する必要があります。

 そこで、県外避難者の心のケアについて、県はどのように取り組みを強化していくのかお尋ねをいたします。

 次に、子供の遊びや運動の機会の確保についてであります。

 原発事故により飛散した放射性物質に不安を抱く保護者の方がいることなどから、子供たちの外遊びの機会が少ない状態が続いております。子供たちが安心して遊べる空間をつくることが私たち大人の責任であると感じております。

 一方、除染による放射線量の低下など生活環境の回復が進みつつあることから、子供たちが健やかに成長できるよう、子供たちの遊ぶ環境をさらに充実させるためのさまざまな外遊びの機会を設けるとともに、体力の向上を図ることも必要であります。

 そこで、県は子供の遊びや運動の機会の確保にどのように取り組んでいるのかお尋ねをいたします。

 次に、復興公営住宅の整備についてであります。

 先月4日に開催された新生ふくしま復興推進本部会議において、整備スケジュールの一部おくれが報告されました。今後短期間に工事が集中するなど、ますます厳しくなる状況の中で、原子力事故により避難生活を余儀なくされている方々へ居住の安定を図るため、一日も早く恒久的住宅を提供しなければならないと考えております。
 そこで、整備におくれが生じている復興公営住宅を一日も早く完成させるため、整備手法をさらに工夫すべきと思いますが、県の考えをお尋ねいたします。

 次に、避難市町村の帰還についてであります。

 避難地域につきましては、避難指示区域が3区域に見直されて以来、本年4月には田村市都路町の避難指示が初めて解除され、10月1日には川内村における避難指示解除準備区域が解除される見込みとなっているなど、帰還に向け先頭に立って歩みを進める地域がまた新たな段階を迎えております。

 一方、帰還困難区域に指定されている地域などでは、避難の長期化が避けられない状況となっており、地元市町村ではふるさとを次の世代へしっかり引き継ぐべく必死に取り組んでいるところであります。市町村が置かれている状況が大きく異なる中、それぞれがさまざまな課題を抱えており、帰還に向けそれぞれの課題に迅速かつ的確に対応していくことが非常に重要と考えます。

 そこで、避難市町村の帰還に向け、県はどのように取り組んでいくのかお尋ねをいたします。

 次に、浜通り地方の医療提供体制についてであります。

 東日本大震災と原発事故により大きな打撃を受けた浜通り地方の医療機関は、未曽有の災害から復興に向け努力しているところであります。浜通り地方における医療の充実強化を図るためには、救急医療等を担う地域の公的病院の機能強化が必要であり、このため公的病院では施設の改修等に取り組んでおり、整備中のものや今後着工するものがあります。しかし、最近の建築コストの高騰により工事費が増加しており、一部の病院では事業の実施が危ぶまれるなど、不安の声が強くなっております。

 そこで、浜通り地方医療復興計画に基づき、浜通り地方の医療提供体制を構築するため、地域の中核医療を担う公的病院に対する支援を強化していくべきと思いますが、県の考えをお伺いいたします。

 次に、相双地方の中小企業の復旧・復興支援についてであります。

 本県においては、震災以来これまで中小企業等グループ補助金により、3,000を超える事業者の再開・継続に対する支援や500件を超える企業立地補助金の指定による新増設の促進、さらに緊急雇用創出事業により約7万人の雇用を生み出すなど、県内経済・雇用情勢は復興に向かって着実に進んでいると感じております。

 しかし、原子力災害に基づく避難指示区域が多くを占めている相双地方では、多くの事業者の帰還がかなわず、生産活動は震災前の水準に戻らない状況が続いております。相双地方の復興のためには、当該地域の産業を担う中小企業の復旧・復興が不可欠であり、これまでも県は各種の支援策を行ってきておりますが、地元企業の復旧・復興に対するさらなる支援が求められております。

 そこで、県は相双地方における中小企業の復旧・復興支援の強化にどのように取り組んでいくのかお尋ねをいたします。

 避難地域におきましては、長期の立入制限、放射能による汚染、避難の長期化により、土地利用と地域再生の見通しが困難な状況が続いております。現実味ある土地利用のあり方、新たな生活の姿を早期に具現化し、ふるさと再建の姿、新たな未来志向の地域像を示すことが喫緊の課題となっております。

 再生可能エネルギー事業を具体の復興牽引策として、長期間使わない、または使うことが困難な土地を再生可能エネルギー事業用地として活用していくことは重要であります。しかしながら、無秩序な導入ではなく、地元の土地利用の意向を受け、その上で太陽光発電所の建設がある、そういったあり方を地元の市町村としっかりと共有をしながら、生活再建のための環境整備、復興の加速化を図っていくことが大事であります。

 そこで、避難地域における再生可能エネルギーの導入をどのように推進していくのか、県の考えをお尋ねいたします。

 次に、福島・国際研究産業都市構想、いわゆるイノベーション・コースト構想についてであります。

 イノベーション・コースト構想が6月23日に取りまとめられ、政府の骨太の方針にも位置づけられました。原子力災害で大きな痛手を受けた浜通りにとって、ようやく将来が見えるような構想が出てきたと、地元の市町村からも大きな期待が寄せられております。

 この構想がきちんと予算措置をされ、現実のものとなっていくのはもちろんのことでありますが、それだけではなく、私は、この構想が最も被害を受けた浜通り全体の活力につながらなければならないと考えております。
6月末に研究会が報告してから3カ月近くが経過しておりますが、イノベーション・コースト構想の実現に向けた現状と今後の進め方についてお尋ねをいたします。

 次に、避難地域等の営農再開への支援についてであります。

 飯舘村や浪江町など避難指示を受けた地域においても、ようやく一部農作物の生産・出荷が再開するなど、農業の復興に向けた明るい話題も見えてきております。

 しかし、避難地域等においては、いまだ多くの農業者の方々が、今までのように農作物をつくれるのか、また、つくっても売れるのかという不安を抱え、ふるさとへの帰還や営農再開をちゅうちょしていることから、このような農業者の営農再開を力強く支援していくべきであります。

 そこで、避難地域等の営農再開に向け、県は農業者をどのように支援していくのかお尋ねをいたします。

 次に、避難指示区域における公共土木施設の復旧についてであります。

 県が実施した避難者意向調査において、現在の避難生活に対する不安とこれからの生活再建に向けた不安を感じている方が多いことが明らかになり、避難者の皆様の帰還に向けた不安を解消するためにも、被災した公共土木施設の早期復旧・復興が必要不可欠であります。

 東日本大震災から3年半が経過しましたが、原発事故における避難指示区域を除いた地域についてはおおむね復旧の道筋が見えてきたところであり、これまでの県の取り組みが着実に進んでいると思っております。今後は、残された避難指示区域について一日も早い復旧が望まれます。

 そこで、県は避難指示区域における公共土木施設の復旧にどのように取り組んでいくのかお尋ねをいたします。

 先般知事が、広野町に来春開校する中高一貫校の校名を「ふたば未来学園高等学校」とすることを発表されました。双葉郡の復興のためには、前例なき環境には前例なき教育が必要であると私も思っていますし、その思いを共有する各界の著名人により「ふたばの教育復興応援団」が結成されたことはまことに心強いことであります。

 感受性豊かな子供たちにとって出会いは大切であり、私は子供たちがこの福島の地において、各界の著名人との生徒と恩師としての出会いが将来に羽ばたくきっかけとなることに大いに意義を感じております。

 本県は、特に双葉郡の子供たちは多感な時期に東日本大震災と原発事故を経験しました。その経験を力に変えるためには、苛酷な複合災害から懸命に立ち上がり、地域から世界へ、そして未来に貢献する夢を抱いている子供たちの期待に応える教育に取り組むべきと強く思うものであります。

 そこで、県教育委員会はふたば未来学園高等学校の開校に向けてどのように取り組んでいくのかお尋ねをいたします。

 また、ふたば未来学園高等学校は郡内の各中学校との連携型の中高一貫校として開校しますが、併設中学校の設置についても協議が進められていると伺っております。

 そこで、ふたば未来学園高等学校に併設する県立中学校の設置について、県教育委員会がどのように考えているのかお尋ねをいたします。

 次に、第一原発の廃炉に向けた取り組みについてであります。

 福島第一原発の廃炉に向けた取り組みにつきましては、中長期ロードマップで全体工程が示され、また、昨年には国によって汚染水問題に関する基本方針や廃炉・汚染水問題に対する追加対策が示されたところであります。これらに基づいて各対策が進められており、4号機使用済み燃料プールからの燃料取り出し作業やタンクエリアの雨水対策においては一定の進捗が見られているところであります。

 しかしながら一方では、これまで使用済み燃料プールの冷却停止、タンクからの汚染水漏えい、瓦れき撤去作業に伴う放射性物質の飛散などのトラブルが発生し、またALPSによる汚染水処理やトレンチの凍結止水など汚染水問題の解決に向けた重要な対策が思うように進まない状況にあります。

 本県の復興を進めていく上で大前提となるものは、廃炉に向けた取り組みにおける安全確保であり、一つ一つの対策が確実に進められることであります。汚染水問題を一刻も早く解決し、技術開発など世界の英知を集めながら、溶融燃料の取り出しなど廃炉に向けた取り組みの次のステップをどう安全に進めていくのか、県民の安全・安心をどう確保していくのか、国と東京電力の総力を挙げた取り組みが求められているところであります。

 そこで、廃炉に向けた国と東京電力のこれまでの取り組みをどのように捉え、どのように対応していくのか、知事の考えをお尋ねいたします。

 次に、中間貯蔵施設についてであります。

 今後の福島の復興のためには、除染を加速化させることは喫緊の課題であります。現在県内には、仮置き場や自宅等の現場での保管が5万カ所以上、市町村と地権者との仮置き場の契約も期限が迫っている状況であります。国は、平成27年1月からの中間貯蔵施設への搬入開始について、スケジュールは厳しいが、政府一丸となって全力を尽くすとの考えを先日の全員協議会で示しました。

 その除染の推進に大きな役割を果たす中間貯蔵施設については、今月1日、知事が建設の受け入れ容認について国に回答しましたが、その際、地権者に対してわかりやすい丁寧な説明を行うこと、また、搬入受け入れに際しては、県外最終処分の法案の成立など五条件を確認すると申し入れております。地元の大熊町、双葉町からも地権者への丁寧な説明を尽くすよう国に申し入れており、今後地権者への丁寧な説明が極めて重要になっているところであります。

 そこで、知事は中間貯蔵施設の建設について受け入れの容認をどのように判断し、今後どのように取り組むのかお尋ねをいたします。

 次に、国直轄除染についてであります。

 本県の復興のためには、環境回復を図ることが大前提であり、そのために除染の加速化を図っていくことが急務であります。国直轄除染地域では、昨年度末までに田村市など4市町村において計画に基づく除染が終了したほか、未策定であった双葉町においては本年7月に計画が策定されたところであります。

 一方で、昨年12月には南相馬市など6市町村において除染の進捗のおくれから計画の見直しが行われ、除染の実施期間について2年ないし3年の計画の延長が行われました。これは、避難地域の復興・再生や避難者の早期帰還のおくれにつながっているものであります。このため、県は国の直轄除染を加速化させ、早期に除染が完了するよう、国に強く働きかけを行っていくべきであります。

 そこで、国直轄除染をどのように捉え、どのように取り組んでいくのか、県の考えをお尋ねいたします。

 次に、農業用のダムやため池については、池底に蓄積している放射性物質の下流への拡散や農作物の汚染などの不安が広がっていることから、農家や地域住民の安全・安心を確保する対策が必要であります。

 今般、福島再生加速化交付金において、営農再開・農業復興の観点から、水利用や施設管理に支障があるため池について対策が実施できることになったことから、この制度を活用し、効果的に対策を進めるため、早急な技術確立が求められているところであります。

 そこで、県は農業用のダム及びため池の放射性物質対策技術の早期確立に向けどのように取り組んでいくのかお尋ねをいたします。

 次に、医療機器関連産業の育成・集積に向けた取り組みの推進についてであります。

 先月31日から7日間にわたり、村田副知事はノルトライン・ヴェストファーレン州などを訪問し、9月1日に同州経済・エネルギー・産業省のガレット・デューン大臣との間で医療機器産業に関する連携強化を目的とする覚書を締結しております。

 そこで、ドイツに行かれた村田副知事に、ドイツのノルトライン・ヴェストファーレン州との覚書締結を踏まえ、今後の医療機器関連産業の育成・集積にどのように取り組んでいくのかお尋ねをいたします。

 次に、観光振興についてであります。

 観光は、旅館やホテルだけでなく、運輸、飲食、農産物の消費など多くの業種にかかわる大変裾野の広い産業であり、その再生は地域経済の復興に重要な役割を果たすものであります。

 また、観光により本県を訪れていただいた方々に、本県の持つ豊かな自然や文化、歴史などの多彩な魅力を伝え、さらには復興に向かう福島の本当の姿を直接伝えることは、福島を応援してくれるファンをふやし、本県の未来につなげる大変重要な取り組みであります。

 本県では、来年の春に本番を迎えるデスティネーションキャンペーンに向け、本年度プレキャンペーンを実施するなど、観光回復に向けたさまざまな施策に取り組んでいるところであります。観光の復興に向けては、こうした機会を積極的に活用しながら、よりきめ細かい観光振興策を進めていく必要があります。

 そこで、県は来年春のデスティネーションキャンペーンに向け、観光振興にどのように取り組んでいくのかお尋ねをいたします。

 次に、漁業の再開についてであります。

 本県沿岸漁業は、原子力災害による操業自粛が3年6カ月の長期間にわたり継続しています。平成24年6月に始まった試験操業は、対象魚種、海域、漁法を拡大させているものの、本格操業にはほど遠く、沿岸漁業者の苦悩は続いており、県として沿岸漁業の再開に向けた積極的な取り組みが必要であります。

 そこで、沿岸漁業再開のため、主要な魚種や放射性物質のより詳細な調査が必要と思いますが、県の取り組みをお尋ねいたします。

 次に、台風8号による農林水産関係の被害の早期復旧についてであります。

 東日本大震災及び原子力災害からの復興に全力で取り組む最中、追い打ちをかけるように、7月9日から11日にかけて、台風8号の接近に伴う豪雨が本県を襲い、林道など農林水産関連施設に多大な被害が発生しました。農林水産業の復興を加速させるためにも、これら被害の一日も早い復旧が必要であります。

 そこで、台風8号による農林水産業関係の被害状況と復旧の見通しについてお尋ねをいたします。

 次に、避難指示区域等の犯罪抑止対策についてであります。

 私は、本年2月の一般質問において、被災地の治安確保に関する県警の取り組みを質問し、その際「被災地の情勢を踏まえながら治安対策に万全を期す。」との力強い答弁がありました。

 本年に入り、区域再編等による住民の帰還が少しずつ始まっており、学校も再開されるなど、被災地の子供の姿が見えるといううれしい状況も見られるところであります。一方で、これまで復興・復旧事業の進展に伴い、被災地に流入する人が増加したことによる治安への不安を住民が感じる中、残念ながら犯罪も発生しております。

 震災以降、県警察では、無人と化した被災地の治安確保のため、全国警察の応援を得ながらさまざまな警察活動を行っておりますが、現下の被災地の現状から、被災地の治安確保は、無人と化した被災地を守ることに加え、帰還した住民の安全・安心を確保することが今後の復興には欠かせません。

 こうした中、今月15日には国道6号の自由通行が始まり、誰もが自由に出入りができることになり、被災地の住民にとって格段に利便性が向上した一方で、これまで以上に犯罪への不安を感じていることも事実であります。

 そこで、県警察における避難指示区域等の犯罪抑止対策についてお尋ねをいたします。

 次に、交通死亡事故対策についてであります。

 最近の県内の交通事故は、県警察を初め関係機関・団体による交通事故防止活動等により、発生件数、傷者数が相当減少しているところであります。しかしながら、交通事故死者については本年8月末現在で61人と、前年同期より10人増加しております。

 東日本大震災から3年半がたち、県内の交通情勢が大きく変化していることから、県民も交通事故への不安を抱いており、こうした中で交通事故死者数の増加は県民の身近な脅威となっております。県警察には、復興の基盤と言うべき県民の安全・安心の確保の観点から、交通事故の脅威から県民を守るため、現下の交通事故、特に死亡事故発生を踏まえた対策が求められております。

 そこで、県警察における交通死亡事故防止対策についてお尋ねをして私の質問を終わります。御清聴ありがとうございました。

議長(平出孝朗君)執行部の答弁を求めます。


知事(佐藤雄平君)吉田議員の御質問にお答えいたします。

 県内外で避難生活を送られている県民への思いについてであります。

 私は、発災直後から、あづま総合体育館などへの1次避難所の設置、旅館などの2次避難所への誘導、そして仮設・借り上げ住宅の提供など、多くの方々からの温かい御支援をいただきながら、避難者の生活安定を第1に対応してまいりました。

 この間、避難者のもとへ直接足を運ぶ中で、今後の生活、そして健康に対する不安などさまざまな課題を抱えている避難者の厳しい生活環境を目の当たりにして、一日も早く生まれ育ったふるさとに帰りたい、この切実な思いに応えるため、原発事故の収束はもとより、除染、復興公営住宅の整備、健康管理や心のケア、賠償など、避難者の帰還や生活再建に向け全力で取り組んできたところであります。

 震災から3年半が経過した現在、徐々に帰還に向けた動きも見られますが、今なお12万人を超える多くの方々がふるさとを離れ大変な御苦労をされていることは、県民を守る知事としてまさに断腸の思いであります。避難生活の長期化により、避難者の意向も多様化しており、避難者一人一人の思いを真摯に受けとめ、常に避難者の立場に立った丁寧な対応を行うことが何より求められると思っております。

 ふるさとふくしまを何としても再生させたい、そして一日も早く安心して帰っていただける環境を整えたい、これが私の今の率直な思いであります。残された任期の中で、愛する福島県、そして県民のために最善を尽くす覚悟であります。

 次に、復興財源の確保についてであります。

 私は、廃炉・汚染水対策、除染、生活再建支援、医療や教育の再生など、原子力災害に起因する困難な課題に対して、長期にわたり確実な対応が必要である一方、平成28年度以降の復旧・復興に係る国の財源措置の枠組みが示されていないことに大きな危機感を感じております。

 このことから、集中復興期間の延長を7月には被災4県合同で、また、8月には福島復興再生協議会において根本復興大臣に対して強く要請いたしました。さらには、今月4日には新たに着任された竹下復興大臣に対して改めて強い要請を行い、「5年で終わるということはあり得ない。体を張って予算をとる。」との力強い回答を得たところであります。

 また、前例のない原子力災害が継続する本県において、復興需要の見通しを明らかにすることは困難でありますが、今後の国の議論を加速させるため、平成28年度以降10年程度における復興需要について試算を行ったところ、少なくとも3.9兆円程度が見込まれ、このほかにも国が直接予算執行する直轄除染、そして廃炉・汚染水対策などの事業費が別途継続的に必要となるものであります。

 今後も試算の精度を高めつつ、長期にわたる十分な財源の確保を定めた福島特措法やその基本方針に基づき、復興が終わるまでが復興期間であるとの強い思いのもと、復興財源の確保に全力を傾注してまいります。

 次に、廃炉に向けた取り組みについてであります。

 廃炉に向けた取り組みの安全確保が本県復興の大前提であり、東京電力はもとより、国が前面に立ち、総力を挙げて取り組むよう、これまで繰り返し求めてまいりました。これに対し、中長期ロードマップの改定や廃炉・汚染水問題に対する追加対策の決定等により、国の基本姿勢や対策の全体像が示され、また、重要な対策への国の予算措置が講じられたところであります。

 しかしながら、各対策の進捗においては、4号機使用済み燃料プールからの燃料取り出しなどが順調に進められている一方で、対策が後手後手となり、汚染水漏れなどのトラブルが繰り返し発生し、また、多核種除去設備による汚染水処理やトレンチの凍結止水などの対策が工程どおり進まず、汚染水対策は依然喫緊の課題となっており、県民の不安は解消されない状況にあります。

 県といたしましては、国及び東京電力に対し、体制強化はもとより、国内外の英知を結集して、汚染水問題の一刻も早い解決や今後の溶融燃料の取り出しに向けた技術開発、起こり得るリスクを想定した事前の対策などにしっかり取り組み、そして何より確実に結果を出すよう強く求めるとともに、県の廃炉安全監視協議会や原子力対策監、原子力専門員の専門的知見を生かし、また駐在員による現地確認を行いながら、県民の安全・安心の確保に向け、国及び東京電力の取り組みを厳しく監視してまいる考えであります。

 次に、中間貯蔵施設についてであります。

 先月、県と大熊・双葉両町からの申し入れや住民の皆さんからのさまざまな御意見を踏まえた県外最終処分の法制化、用地の取り扱い、生活再建策・地域振興策等について国からまとまった内容の提示があり、さらに私から、地元のさまざまな懸念に対する県民の最大限の対応として、両町に県独自の財政措置を提案したところであります。

 その後、大熊・双葉両町長及び両議長、双葉8町村長の皆さんの御意見を直接伺い、両町の住民の皆さんには、いまだ避難生活を余儀なくされている中、中間貯蔵施設は地元に大変重い負担を強いるものでありますが、本県の環境回復に大変重要な役割を果たすことから、広域自治体の長として施設建設の受け入れを容認するというまさに苦渋の決断をいたしました。

 これらを踏まえ、今月1日、私から環境・復興両大臣、さらに安倍総理大臣に対して、避難地域の将来像を提示すること、長期にわたる地域振興策等へ対応すること、そして何よりも地権者へ丁寧に説明を行うこと、さらには搬入受け入れの判断に当たって県外最終処分の法案成立などの5項目について確認していくことを申し入れました。

 県といたしましては、今後も施設の安全性や除去土壌等の輸送等について県の専門家会議の意見を伺いながら、国から提示されている内容の精査確認を進めるとともに、地権者への丁寧な説明を初め両町、そして避難地域の復興に向け、国の責任ある対応を強く求めてまいる考えであります。

 その他の御質問につきましては、副知事等から答弁させますので、御了承願います。

副知事(村田文雄君)お答えいたします。

 ノルトライン・ヴェストファーレン州との覚書締結を踏まえた医療機器関連産業の育成・集積につきましては、同州は多くの医療機器製造企業が立地するドイツ最大の集積地であることから、一昨年の知事訪問を契機に、セミナー開催や展示会出展等の交流を進めてきたところであります。

 今回、その協力関係を一層強固にするため、遠隔医療やがん治療等の医療機器の取引拡大や共同研究の推進、相互への投資促進等を内容とした覚書を締結してまいりました。

 今後は世界最大の展示会「メディカ」への出展支援や商談会の開催等による取引拡大に加え、覚書に基づき設置する事業協力者及びコーディネーター等を活用し、本県企業の技術力を生かした共同研究を推進するとともに、医療機器開発・安全性評価センターの整備、医療機器開発への本県独自の支援策等すぐれた立地環境をアピールするなど、海外も視野に入れた事業展開を一層推進することにより、本県を医療機器関連産業の一大集積地に成長させるよう取り組んでまいる考えであります。

総務部長(鈴木正晃君)お答えいたします。

 執行体制の強化につきましては、これまでも避難地域復興局を初め原子力損害賠償、除染対策、県民健康調査等を推進するための課室の設置など重要課題に応じた組織改正を行ってきたところであり、また、中間貯蔵施設等の課題に対応するため、新たに対策室を設置することとしたところであります。

 今後とも復興・再生の進展を踏まえながら、さまざまな行政課題に迅速かつ的確に対応するため、危機管理体制等のあり方も含め、組織体制の整備について引き続き検討してまいる考えであります。

企画調整部長(近藤貴幸君)お答えいたします。

 避難地域における再生可能エネルギーの導入につきましては、土地の有効活用、地域活性化の観点等から重要であると認識しております。

 このため、再生可能エネルギー事業については、国、県、市町村による復興整備協議会での議論を経た上で、市町村の復興計画等との整合を図りながら計画的な土地利用を進めるとともに、売電益を財源としたふるさと再生事業を要件とする補助制度の活用等を図っているところであります。

 今後とも市町村の意向を踏まえながら、避難地域の復興加速化に資するような再生可能エネルギーの導入推進に全力で取り組んでまいります。

 次に、福島・国際研究産業都市構想につきましては、知事からの要請に基づき、政府のいわゆる骨太の方針に盛り込まれたほか、先月開催された福島復興再生協議会においても重点要望をした結果、国の来年度概算要求の中で、廃炉国際共同研究センターの整備費や災害対応ロボットの技術開発支援、再生可能エネルギー導入補助の拡充など、総額約200億円の関連予算が盛り込まれたところであります。

 今後国において、関係省庁、県、関係機関等から成る分野別の研究会を設置し、具体的な制度設計を進める予定であることから、県といたしましても、構想が浜通りの魅力ある再生に向けた力強いエンジンとして具現化されるよう、さらに積極的に取り組んでまいります。

生活環境部長(長谷川哲也君)お答えいたします。

 国直轄除染につきましては、昨年12月に6市町村の除染実施計画について完了時期などの見直しが行われましたが、市町村の復興、住民の帰還に対する影響は極めて大きいものであることから、見直された計画に基づき、確実に実施されることが何より重要であると認識しております。

 このため、県といたしましては、引き続き地元市町村と連携して現地調査を行い、進捗状況や新技術の活用など、さまざまな加速化策の導入状況を確認するとともに、国に対し必要な意見を申し入れるなど、国直轄除染が迅速かつ確実に実施されるよう積極的に取り組んでまいります。

保健福祉部長(鈴木淳一君)お答えいたします。

 避難者の見守り等につきましては、市町村や関係団体と連携し、生活支援相談員や専門職による訪問活動等を行ってまいりました。

 今後は、避難生活の長期化や新たな生活拠点への移行に伴う諸課題への対応が重要となることから、避難者のさまざまな悩みによりきめ細かに対応できるよう、相談員の大幅増員と避難元市町村の枠を超えた広域かつ効果的な配置による体制の強化、研修の実施やサポート体制の構築による相談員の専門性確保などの具体策について国とも協議を重ね、今般、来年度政府予算の概算要求に盛り込まれたところであります。

 引き続き、庁内検討組織における連携のもと、生活再建と健康の両面から避難者を支援する体制づくりにしっかりと取り組んでまいります。

 次に、県外避難者の心のケアにつきましては、ふくしま心のケアセンターによる被災者相談ダイヤルのほか、昨年度から東京都や山形県など四都県において相談支援を実施しているところであります。

 さらに、今年度からは県外における内部被曝検査にあわせて心の健康相談を行うとともに、新たに茨城県や静岡県においても、来月中を目途に臨床心理士会等に委託して相談支援を開始することとしており、今後とも避難先自治体や関係団体との連携を深めながら、県外避難者の心のケア対策に積極的に取り組んでまいる考えであります。

 次に、浜通りの公的病院に対する支援につきましては、浜通り地方医療復興計画に基づき、被災地域の中核病院として、救急医療や脳卒中への対応など、特に地域で必要とされる医療体制の強化を図るため、施設整備の支援等に取り組んでいるところですが、建築コストの高騰により、事業の円滑な実施が懸念されております。

 このため、県ではさらなる財政支援を国に強く要望してきたところ、今般、来年度政府予算の概算要求に地域医療再生基金の積み増しが計上されたところであります。

 今後も国への働きかけを行うなど必要な財源確保に努め、公的病院支援を強化してまいる考えであります。

商工労働部長(星 春男君)お答えいたします。

 相双地方における中小企業の復旧・復興支援につきましては、震災や津波、原子力災害で甚大な被害を受けており、これまで他地域より補助率が高い企業立地補助金や災害対応ロボット研究開発への支援、新産業創出に向けた藻バイオマスの次世代技術開発支援に加え、福島特措法における法人税等の課税特例措置を講じてまいりました。

 今後はこれらに加え、事業再開等への支援継続はもとより、税制優遇措置の拡充を国に強く求めるとともに、福島・国際研究産業都市構想の具現化を通じてロボット関連産業の集積を進めるなど、相双地方の産業を担う中小企業を積極的に支援してまいる考えであります。

農林水産部長(畠 利行君)お答えいたします。

 避難地域等の営農再開につきましては、福島市にある東北農業研究センターへの研究員の配置、双葉農業普及所の広野町への移転及び川内村への駐在員の配置など支援体制を強化するとともに、除染後農地の保全管理、営農再開に向けた実証研究・作付実証、鳥獣害防止対策など、福島県営農再開支援事業を通じて支援を行っております。

 今後はこれらに加え、来年度開所予定の浜地域農業再生研究センターを拠点として、営農再開上の課題に対する現地での実証研究を拡充するほか、新たな農業への転換や地域の意向を踏まえた特認メニューの活用などきめ細かな対策を講じ、当該地域の農業者を全力で支援してまいります。

 次に、農業用のダム及びため池の放射性物質対策技術につきましては、昨年度から実証に取り組み、一部の技術については有効性を確認したところであり、今年度はそれらの一層の改良と公募による新たな技術の検証を進めております。

 今後は国が作成する対策マニュアルにこれらの技術を反映させるとともに、福島再生加速化交付金により、市町村が実施する放射性物質対策が円滑に進められるよう引き続き支援してまいる考えであります。

 次に、沿岸漁業再開のための調査につきましては、震災以降、小型の調査船を用い、モニタリングなどの基礎的な調査を実施してきております。

 今後は来月就航する大型の調査船「いわき丸」を運航し、最新鋭機器による海底土壌の放射性物質の状況、水深別の水温や塩分、プランクトン量、イワシ、サバなどの回遊魚の分布状況など、操業に有益な情報を漁業者に提供してまいります。

 さらに、操業自粛で増加した水産資源を持続的に活用する資源管理手法を開発するため、これまでより広範な海域で詳細な調査を実施し、沿岸漁業の再開を積極的に支援してまいります。

 次に、台風8号による被害につきましては、会津・南会津地方を中心に、農地で1億2,900万円、農業用施設で2億6,100万円、林道で7億4,100万円、治山施設で200万円など、全体で11億3,400万円となっております。

 被災した農地等の復旧につきましては、これまで圃場の排水対策や病害虫防除対策等の技術指導を行い、生育の回復を図ってまいりました。

 今後は、今月中にも開始される災害査定を踏まえ、関係市町村等と協力し、農業用施設や林道などの早期復旧にしっかりと取り組んでまいる考えであります。

土木部長(松本英夫君)お答えいたします。

 復興公営住宅の整備につきましては、設計者・施工者一括選定や木造住宅の買い取り、都市再生機構への建設要請などを実施するとともに、あらかじめ工場で生産した部材を使用するプレキャストコンクリート工法などを活用し、建設を進めております。

 今後はこれらに加え、民間事業者を活用した集合住宅の買い取り方式を導入するとともに、鉄筋工や型枠工の不足に対応するため、新たに鉄骨造による工法を採用するなど多様な整備手法により工期の短縮を図り、復興公営住宅の一日も早い完成に向け全力で取り組んでまいる考えであります。

 次に、公共土木施設の復旧につきましては、避難指示解除準備区域内で被災した272カ所全てで災害査定が終了しており、うち57カ所が完了し、90カ所で工事を実施しております。

 また、居住制限区域及び帰還困難区域内においては、住民の帰還や復興に重要な路線などから順次復旧することとしており、被災を確認した93カ所については、国が行う除染などと調整を図り、27カ所で災害査定が終了しており、うち2カ所が完了し、8カ所で工事を実施しております。

 引き続き市町村や国と連携し、避難指示区域における公共土木施設の一日も早い復旧に取り組んでまいります。

子育て支援担当理事(小林武正君)お答えいたします。

 子供の遊びや運動の機会の確保につきましては、これまで県内58カ所の屋内遊び場の整備や運営に対して財政支援を行ってまいりました。

 一方、外遊びにつきましても、屋外で子供たちが自由な発想で遊ぶ「冒険ひろば」を昨年度の3カ所から6カ所に拡大し、実施しております。

 さらに、今年度新たに幼児向けの運動プログラムを策定し、小さいころから体を動かす習慣の定着を図ることとしております。

 県といたしましては、今後とも子供たちが安心して遊びや運動のできる環境づくりに積極的に取り組んでまいる考えであります。

避難地域復興局長(樵 隆男君)お答えいたします。

 避難市町村の帰還につきましては、帰還の前提となるインフラ復旧や生活環境の整備を着実に進めていくほか、帰還の足がかりとなる復興拠点の整備を県として積極的に支援してまいります。

 また、将来に向けた帰還への道筋を明確に示していくことが極めて重要であることから、避難解除等区域復興再生計画に基づき、国、県、市町村が連携して策定する将来像に、福島・国際研究産業都市構想に掲げられた新たな研究拠点やスマート農業、再生可能エネルギーの導入などを位置づけるとともに、将来の営農再開に向けた農地保全への道筋など、地域経済再生への方向性が具体的に示されるよう、全庁を挙げてしっかりと取り組んでまいる考えであります。

観光交流局長(五十嵐照憲君)お答えいたします。

 デスティネーションキャンペーンに向けた観光振興につきましては、これまで12万人を超える県民の参加を得ているおもてなしの取り組みや新たな観光素材の発掘・磨き上げ、さらには、過去最大規模となる600名を超える全国の旅行会社等の関係者をお招きしたPRなど、さまざまな準備を行ってまいりました。

 今後はこれらを踏まえ、市町村及び関係団体と連携し、全国7つの主要都市に向けたキャラバン活動を拡大するなど、本県の魅力をさらに発進していくとともに、花・食・温泉を主なテーマに、全国の皆様が県内を広く周遊し、本県のよさを実感していただくための取り組みを積極的に展開してまいります。

教育長(杉 昭重君)お答えいたします。

 ふたば未来学園高等学校の開校に向けた取り組みにつきましては、本県教育の復興に思いを寄せてくださる各界の第一人者による授業を継続的に展開するとともに、トップアスリート系列に双葉地区で伝統と実績のある野球や地域スポーツとして取り組まれているレスリングを新たに加え、教育内容をさらに充実してまいります。

 また、制服については、これまでにない取り組みとして、子供たちの意見も聞きながら、第一線で活躍する専門家に生徒や地域に親しまれるデザインとなるよう依頼するほか、私を先頭に各中学校で開催される高校説明会に参加し、中学生や保護者に新設高校の魅力を直接語りかけるなど、開校に向けて全力で取り組んでまいります。

 次に、ふたば未来学園高等学校に併設する県立中学校の設置につきましては、これまでも地域からの強い要望を踏まえて、双葉郡八町村教育長や国等との協議を進めてまいりました。

 併設型中高一貫教育においては、6年間を見通した計画的・継続的な教育活動や幅広い年齢層による学校生活を通して豊かな人間性や社会性の育成が期待されることから、既存の中学校との関係なども考慮しつつ、併設中学校の教育方針、カリキュラム、設置時期等について引き続き協議を重ねるとともに、地域と保護者の意見も伺いながら実現に向けて検討を進めてまいります。

警察本部長(名和振平君)お答えいたします。

 避難指示区域等の犯罪抑止対策につきましては、これまで警ら等の活動を推進してきた結果、双葉警察署管内の本年8月末の刑法犯認知件数が前年同期比で18%減少しているところであります。

 また、国道6号の自由通行化等の情勢の変化に応じ、警察と関係町村防犯担当者や防犯パトロール隊との対策会議を開催して情報の共有を図り、相互連携による効果的なパトロール活動の推進に努めております。

 県警察といたしましては、引き続き全国警察の応援も得て、官民一体の対策により被災地の安全・安心の確保に万全を期してまいる考えであります。

 次に、交通死亡事故防止対策につきましては、交通事故死者の約半数を65歳以上の高齢者が占めていることから、高齢者に対する参加・体験型の交通安全教育を推進することなどにより高齢者の事故防止に取り組んでおります。

 また、事故直前の速度が速いほど致死率が高くなるなどの実情を踏まえ、速度管理指針を策定・公表し、取り締まりや交通安全教育による総合的な速度管理を推進することとしております。

 そのほか、被害軽減に資するシートベルトの着用の徹底を図るなど、引き続き適切な規制の実施、交通実態を踏まえた指導取り締まり、効果的な運転者教育等の総合的な対策を講じてまいる考えであります。

議長(平出孝朗君)これをもって、吉田栄光君の質問を終わります。

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