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2014年9月定例会 一般質問 阿部裕美子議員

印刷用ページを表示する 掲載日:2014年12月1日更新

阿部裕美子議員

議員

阿部裕美子

所属会派
(質問日現在)

日本共産党

定例会平成26年9月
質問等一般質問
質問日9月22日(月曜日)

 39番(阿部裕美子君)日本共産党の阿部裕美子です。一般質問を行います。

 私は、欧州4カ国を訪問し、エネルギー政策を調査する県議会海外行政調査に参加しました。福島原発事故に学んで、いち早く脱原発を決めたドイツ、スイス、またフランス、オランダでも、再生可能エネルギー推進に取り組む熱意が伝わる視察でした。

 放射性廃棄物の処分技術や安全性に関する調査研究を行っているスイスのグリムゼル、モン・テリ試験場の取り組みは、一つの研究に10年以上かかり、世代をつないで研究していかなければならない長期にわたるものでした。核のごみの処理のために膨大な時間とお金をつぎ込まなければならず、安全に処分する技術はまだ完成していません。使用済み燃料の処理ができない原発はやめるしかないとの思いを一層強くしました。

 我が国は、福島原発事故に一体何を学んだのでしょうか。原発事故の原因究明もされておらず、国際廃炉機構は、核燃料が格納容器の底に散乱している可能性があり、取り出し困難のおそれがあることを指摘しました。広範な放射能汚染も続いています。

 このような福島の状況のもとで原発推進のエネルギー基本計画を閣議決定し、原発再稼働、海外輸出にトップセールスを行う安倍内閣は、国民の安全な暮らしを守ることよりも大企業の利益を守るものでしかないと言わざるを得ません。今福島県は、爆発してしまった原発をどのように収束させるのか、世界で未経験の困難に直面しています。

 このような中で、去る8月26日、福島地裁は原発事故の避難中の自死について東京電力の責任を認める判決を下しました。原発事故によって放射能汚染で避難を余儀なくされる人々が出ることや精神障がいや自死に至る人が出る事態を電力会社は予見可能だったとする画期的な内容で、東京電力が控訴を断念し、確定判決となりました。

 被害者が非常に大きな労力と時間をかけて裁判に訴え、あるいはADRに申し立てなければ、深刻な被害を認めず償わない国と東京電力は、人命も含めた被害が予見可能だったとする今回の判決を厳粛に受けとめて、その姿勢を正し、原発事故の加害者としての責任を認めるべきです。

 県は国及び東京電力に対し、原子力損害賠償に消極的な姿勢を改め、賠償の完全実施に全力で取り組むよう求めるべきと思いますが、知事の見解をお尋ねします。

 この間、霊山町小国に続いて、原子力損害賠償紛争解決センターへの集団申し立てが急速に広がっています。家族の生活がばらばらにされてしまったり、将来の人生設計が奪われてしまったなど、さまざまな深刻な被害を受けて苦しんできたことに対し、東京電力は加害責任をとってほしいという我慢ならない思いを集めて、集団申し立てに踏み出しているのです。

 これらの原子力災害による損害の賠償が公平・適正に行われるために、浪江町、桑折町では原子力損害賠償請求に係る支援に関する条例が制定されました。県も県民への原子力損害賠償が公平かつ円滑になされるよう請求に係る支援を行うべきと思いますが、見解を伺います。

 次に、再生可能エネルギーについてです。

 福島第一、第二原発10基を全て廃炉にし、原発に頼らない福島復興を目指す福島県にとって、再生可能エネルギーの促進は欠かせない課題です。ドイツやデンマークで再生可能エネルギー普及が飛躍的に進んでいる理由に、電力買い取り制度や熱・燃料利用推進制度、環境税等積極的な普及推進政策と、市民、地域主体中心の普及方法が挙げられます。

 福島県においても、地域主導による再生可能エネルギーを推進するため、発電所のつくり方講座など、全国各地の経験から学ぶ機会をふやすことが必要であると思いますが、見解を伺います。

 市民や各種団体、中小企業などの地域主体の再生可能エネルギー普及の取り組みは、比較的小規模な発電所が中心となりますが、一律の買い取り価格では、大規模発電に比べて小規模発電の内部収益率が低くなっています。公平性の観点からも、太陽光発電について規模別の買い取り価格の設定を国に求めるべきと思いますが、見解を伺います。

 2014年5月に施行された農山漁村再生可能エネルギー法は、「農林漁業の健全な発展と調和のとれた再生可能エネルギーの発電を促進するための措置を講じることにより、農山漁村の活性化を図るとともに、エネルギー供給源の多様化に資すること」と述べています。

 市町村や地域関係者の相互の連携のもとに地域の活力の向上を図るために、県は農山漁村再生可能エネルギー法の施行に伴い、どのように対応していくのか伺います。

 伊達市が伊達市除染支援事業協同組合に発注した市道側溝除染の一部に未施工区間があったことが明らかになりました。放射線量を下げて安心して暮らせる環境にしてほしいと願っている住民の信頼を裏切るものです。復興にとって極めて重要な除染で不正は許されません。なぜこのようなことが発生したのかを明らかにして、繰り返させない対策が求められます。

 伊達市の除染における一部未施工について、県はどのように捉えているのか、見解を伺います。

 県はほかにもこのような事態がないのかどうか、市町村除染における不適正除染について調査・把握する必要があると思いますが、見解を伺います。

 また、直轄除染においては、住民から「今までよりも簡単な除染をするのはなぜか。」との声が上がっています。環境省は、住民説明会で「2016年3月までに除染を終えるためには、今までと同じことをやっていたのでは間に合わなくなる。」などと、みずからが手抜き除染を認める発言をしています。とんでもありません。

 帰還できる環境にするために除染が必要なのであって、避難解除先にありきは本末転倒です。県は国に対して、住民から手抜きと指摘されるようなことがないように、国直轄除染が除染関係ガイドラインに基づき確実に実施されるよう国に求めるべきと思いますが、見解を伺います。

 また、平成24年10月以降に実施された自主的除染に係る費用について、賠償の対象となるよう東京電力に求めるべきと思いますが、考えを伺います。

 次に、災害弱者の避難支援等について伺います。

 原発事故から3年6カ月が過ぎました。一人一人が生き生きと暮らせる生活再建にはまだほど遠く、以前とは全く異なる生活を余儀なくされ、不安な日々を過ごしている人々が少なくありません。

 しかし、異常気象のもとでいつまた大きな災害に見舞われるかわかりません。これまでの教訓に立って、平常時から備えなければならない問題として、要配慮者と言われる高齢者や障がい者の対策に本格的に取り組む必要があると思います。

 阪神・淡路大震災において実態調査を行い、教訓をまとめた兵庫県仮設入居者生活と健康実態調査実行委員会の提言は「被災者救援に必要なことは、結局高齢者や障がい者に優しいまちをつくることにほかならない。」と述べています。

 東日本大震災において、平成23年版高齢社会白書などによれば、全死亡者に占める60歳以上の死亡者割合は実に65.2%、障がい者の死亡率は全体の死亡率の2倍に至っています。何が生死を分けたのか、宮城県聴覚障害者協会がまとめた報告では、亡くなられた聾者の方は、「避難所が混雑していて、車の中で待っていた。津波の音が聞こえなかった。」あるいは「病気にかかっていたが、助けがなかった。津波が来ることも知らず、避難の方法もわからなかった。」という状況などにあったことをそばにいた方が述べています。重度心身障がいの方は、押し寄せる津波に「もう諦めよう。」との言葉を残したといいます。

 寝たきりで自分で動くことができない重度心身障がい者は、2人で抱えて、もう1人が酸素吸入器を持つ。3人いれば避難できます。いざというときに誰が支援できるかを決めておけば命を救えます。「障がいがあるからといって決して命を諦めたくない。」との障がい者の声を受けとめて、平時からの体制を整えていくことが必要です。

 市町村が災害発生時に迅速かつ的確に避難の支援を行うためには、消防、自主防災組織、地域住民などと協力し、どのように避難するのかを具体的にすることが必要です。防災計画の基礎資料として、各市町村が災害時に必要な要配慮者の名簿の作成を進めていますが、県はどのように支援していくのか、見解を伺います。

 災害時にあっても、今まで受けていた福祉サービスを継続して受けることができるようにするために、県内はもとより、都道府県の枠組みを超えた広域の協力体制が必要です。障がい福祉施設における災害時応援協定の締結を促進すべきと思いますが、見解を伺います。

 高齢者施設が県内の施設間で締結している災害時応援協定を県外にも広げるべきと思いますが、見解を伺います。

 東日本大震災において命の危険にさらされた危機的問題の一つに透析患者の対応がありました。宮城県では仙台厚生病院がセンター的役割を果たして対応したそうです。本県においても緊急の透析医療体制を県が中心となって構築する必要があると思います。県は災害時における透析医療体制の整備にどのように取り組んでいるのか、見解を伺います。

 次に、精神障がい者施策について伺います。

 政府は、精神科病棟をグループホームやアパートなどの居住施設に転換することで「退院」としようとしています。日本は、世界に例を見ないほど精神科病床と長期入院患者が多く、入院患者30万人のうち、10年以上の長期入院患者が6万7千人、福島県では入院患者5,434人、10年以上の長期入院が1,366人とされています。その多くは、適切な治療や支援があれば地域で暮らせる人たちです。偏見や差別などから就職につながらず、また、人的支援などの福祉施策の不備などから退院できない社会的入院を強いられているのです。

 これらの長期入院問題を解決しようと国が打ち出したのが病棟の居住系施設への転換です。入院患者の方は、「退院して自分の部屋を持てても、病院内だったら閉じ込められているのと同じで、部屋の鍵は持てないだろうし、友達も遊びに来られない。」と話しています。

 我が国の精神病学の創立者である呉秀三氏が「我が国十何万の精神病者は、実にこの病を受けたる不幸のほかに、この国に生まれたるの不幸を重ぬるものと言うべし。」と述べた有名な言葉ですが、明治時代のあのときから90年を経てなお、この言葉が通用するような現状があります。

 31歳で発症し、32年間精神科病院に入院し、人生で一番よいときを病院で過ごしてしまったある方は、ひとり暮らしを初めて約20年、料理や洗濯など家事をこなし、「地域で、自宅で暮らす方が自由で楽しい。」と語っています。それができずに病院で入院を強いられるのは、地域での受け皿が余りにも貧弱だからです。

 地域で地域の人々とつながって生活していける生活支援などの受け皿を整備していくことこそ今求められていることだと思います。精神障がいの方たちが地域で自立して生きていくための支援をどのように進めるのか、県内精神科病院の長期入院患者の現状と課題について伺います。

 県は、長期入院している精神障がい者の地域生活への移行をどのように進めていくのか伺います。

 次に、障がい者及び難病患者施策について伺います。

 鳥取県で全国初の手話言語条例が制定されました。聾唖者の人権が尊重され、手話が言語であるとの認識に基づき、聾唖者の完全な社会参加につなげていくために重要です。福島県においても手話言語条例を制定すべきと思いますが、見解を伺います。

 透析患者の入院における在院日数の特定除外が9月30日に終了し、そのために退院を迫られる透析患者が出てきます。県は入院透析患者の特定除外制度が9月末日で終了することに伴い、10月以降も継続して入院できるよう支援すべきと思いますが、見解を伺います。

 網膜色素変性症や糖尿病など、毎年200人を超える視覚障がいに係る身体障がい者手帳の新規交付者がいます。中途失明などで不安を抱えながら生活している患者さんが残された機能を有効に活用し、安心した暮らしを営んでいく上で、歩行や生活訓練は欠かせません。そのための指導を行う中途失明者緊急生活訓練事業に当たる訓練士が必要です。生活訓練の機会をふやすなど、中途失明者に対する支援を充実すべきと思いますが、見解を伺います。

 今後認知症高齢者の増加や障がい者の地域生活移行が進むことが予想される中、法人後見人制度の推進、市民後見人の育成が急務となっています。どのように取り組んでいるのか、見解を伺います。

 県は難病の新たな医療費助成制度についてどのように周知徹底を図っていくのか伺います。

 最後に、特別支援教育について伺います。

 特別支援学校の過大・過密化を解消するためにも、大笹生養護学校の分校設置の要望を踏まえた県立特別支援学校全体整備計画の見直しについて県教育委員会の見解を伺います。

 県教育委員会は、県立特別支援学校における間仕切り教室の解消に向けてどのように取り組んでいくのかお尋ねします。

 特別支援教育支援員は、資格要件はなく、誰でも就任できますが、現場では専門性が必要とされます。特別支援教育支援員の研修強化を進める必要がありますが、県教育委員会はどのように取り組んでいくのか、見解をお伺いし、質問を終わります。

議長(平出孝朗君)執行部の答弁を求めます。


知事(佐藤雄平君)阿部議員の御質問にお答えいたします。

 原子力損害賠償についてであります。

 原子力発電所の事故は、本県全域において県民の生活のあらゆる産業に深刻な被害をもたらしました。私は、県内関係団体、市町村の208団体で構成する原子力損害対策協議会の会長として、みずから先頭に立って、総決起大会の開催、国、東京電力に対する要求活動などを通し、被害者や被災地の実情を訴え、被害の実態に見合った十分な賠償を粘り強く求めてまいりました。

 こうした取り組みによって、昨年の12月、中間指針第4次追補において、住居確保に係る損害の賠償など賠償の一定の見通しが示され、さらに今月には、立木や自主的除染費用に係る賠償の請求受け付けが開始されたところであります。

 いまだ多くの県民が厳しい避難生活を余儀なくされており、風評被害も根強く残っていることから、今後とも協議会の活動等を通し、国、東京電力に対して、被害者が一日も早く生活や事業を再建することができるよう、迅速な賠償はもとより、被害者に寄り添った生活再建の実施を求めてまいります。

 その他の御質問につきましては、関係部長等から答弁させます。

 企画調整部長(近藤貴幸君)お答えいたします。

 地域主導による再生可能エネルギーの推進につきましては、県民や県内企業等が全国の先進事例や最新の動向について学ぶ機会を設けることが重要と考えております。

 このため、産業技術総合研究所と連携したセミナーや約5百の企業、団体から成る研究会の開催、自主的に勉強会を開催する団体への補助、太陽光発電事業への参入支援講座の開催等を行っているところであります。

 今後も再生可能エネルギーに関する各種学習機会の創出に取り組んでまいります。

 次に、太陽光発電の買い取り価格の設定につきましては、風力や水力発電などと同様に、中小規模の事業コストに見合う規模別の買い取り価格の設定が必要であると認識しております。

 そのため、全国36の道府県でつくる自然エネルギー協議会を通じ、本年7月、太陽光発電における規模別の価格設定を国に対して提言したところであり、今後も地域主導による事業化促進の観点から、事業規模別の収支実態に即した買い取り価格の設定を国に求めてまいる考えであります。

生活環境部長(長谷川哲也君)お答えいたします。

 伊達市の除染における一部未施工につきましては、伊達市が設置した伊達市除染業務調査委員会において、現在事実関係等の調査が行われているところであります。

 除染は、環境回復を図るため確実に実施されることが必要であり、県といたしましては、今後取りまとめられる調査結果の内容等を踏まえ、適切に対応してまいりたいと考えております。

 次に、市町村除染につきましては、市町村が施工管理や完了検査等を行い、実施状況を確認しているところであります。

 県といたしましては、確実な除染に向けて、これまでも業務管理者派遣による施工管理の支援、国、市町村と連携した現地確認及び情報共有を行ってきており、引き続き適正かつ確実な除染の推進に努めてまいります。

 次に、国直轄除染につきましては、これまでも国に対し、地元市町村の意向を十分に反映した除染を確実に実施することなどを求めてまいりました。

 県といたしましては、今後とも市町村と連携して現地調査を継続的に行い、実施状況を確認するとともに、国に対し、除染関係ガイドライン等に基づいた除染を確実に実施するよう求めてまいる考えであります。

 次に、災害時に必要な要配慮者の名簿につきましては、福祉部門と連携して県内各方部で説明会を開催し、名簿の様式や作成手順等を示すなど、市町村における名簿の作成を支援してきたところであり、今後とも市町村への個別訪問や要配慮者の実動訓練による検証会等を通じ、市町村における名簿の作成を促進してまいります。

保健福祉部長(鈴木淳一君)お答えいたします。

 障がい福祉施設における災害時応援協定につきましては、施設によって身体障がいや知的障がいなど利用者の障がい種別や支援の内容が異なり、さまざまな観点からの検討が必要なことから、今月、災害時の避難対応等に関する現場の諸課題について、関係団体や事業者と意見交換を実施したところであります。

 県といたしましては、今後も引き続き、災害時の避難体制の整備に向け、関係団体等と協議を進めてまいる考えであります。

 次に、高齢者施設の災害時応援協定につきましては、特別養護老人ホームや介護老人保健施設などの団体において締結され、県内施設間の応援体制が整ったところであります。

 今後はさらに、広域的な応援体制の構築に向けて、隣接県との協定締結の取り組みが進展するよう、県社会福祉協議会や各団体と連携を図りながら、各県とのブロック会議等の場において協議してまいりたいと考えております。

 次に、災害時の透析医療につきましては、医療施設の被災状況把握や受け入れ医療施設の確保、これらの情報の共有等が不可欠であることから、震災後、県立医科大学及び透析医療関係団体との協議の場を設けるとともに、これまでに透析医療施設への衛星電話等の配備や患者の受け入れ調整等を担う拠点施設の指定など、県立医科大学を中心とした医療体制のネットワーク化が図られております。

 今後とも関係機関等と連携し、災害時医療の確保に取り組んでまいる考えであります。

 次に、精神科病院の長期入院者につきましては、本県精神病床の平均在院日数は、平成25年は326.3日となっており、長期的には減少傾向にあるものの、全国平均の284.7日と比較し、入院期間が長期に及んでいることから、長期入院者の地域生活への移行など、早期の退院に向けた取り組みの促進が課題となっております。

 次に、長期入院している精神障がい者の地域生活への移行につきましては、病院職員に対する研修や地域住民の理解を深めるための講演等を実施するとともに、地域生活を支える通所施設やグループホームの整備促進などに取り組んできたところであります。

 今後はこれまで養成したピアサポーターの登録制度の活用を図るなど、地域生活への移行促進に努めてまいる考えであります。

 次に、手話言語に関する条例につきましては、聴覚障がい者の社会参加の促進を図るため、手話通訳者の養成・派遣などの支援に取り組みながら、国における手話言語法の制定等の動向を注視してまいりたいと考えております。

 次に、入院透析患者の特定除外制度につきましては、今回の診療報酬の改定に伴い、医療機関や病床の機能分化の観点から廃止されたところでありますが、入院透析患者の治療の継続等については、各医療機関において患者個々の容体等に応じて判断されるものと考えております。

 次に、中途失明者に対する支援につきましては、障がい者総合福祉センターや視覚障がい者生活支援センターにおいて相談支援を行うとともに、歩行・生活講習会や在宅生活訓練などの事業を実施しているところであります。

 今後とも必要な訓練士等の確保に努め、視覚障がい者のニーズを踏まえながら、訪問による生活訓練事業等の充実に努めてまいる考えであります。

 次に、法人・市民後見人制度につきましては、これまで市町村に対する認知症対応力向上研修会や家庭裁判所における連絡協議会等の場において制度の理解促進を図ってきたところであり、福島市や本宮市、いわき市においては、講演会や養成研修の開催など、市民後見人育成の取り組みが始まっております。

 県といたしましては、今後とも関係市町村等関係機関との連携を図りながら制度の普及に努めてまいります。

 次に、難病の新たな医療費助成制度につきましては、来年1月以降も継続して認定を受ける難病患者に今月申請手続等に関するお知らせを行うこととしております。

 また、来月予定されている新たな指定難病の告示を踏まえ、その診断等を担う医療機関や専門医を指定し、これらの情報等を医療機関等を通じて該当者にお知らせするとともに、保健福祉事務所の相談窓口やホームページ等で広く県民に周知を図るなど、新たな難病制度の円滑な実施に努めてまいります。

農林水産部長(畠 利行君)お答えいたします。

 農山漁村再生可能エネルギー法につきましては、地域主導による計画的な再生可能エネルギー設備の整備を推進するものであり、市町村が主体となって発電事業者、農業者等から成る協議会を設置し、基本計画の策定や設備整備計画の認定を行う必要があります。

 このため、市町村等に対し制度内容の周知を図るとともに、国と連携しながら市町村の計画作成を支援してまいる考えであります。

原子力損害対策担当理事(伊藤泰夫君)お答えいたします。

 原子力損害賠償の請求の支援につきましては、これまで電話相談窓口において2万1千件を超える問い合わせに対応するとともに、弁護士や不動産鑑定士による巡回相談を県内各地で実施してきたところであります。

 また、県などからの要求に応じ、東京電力は賠償説明会や高齢者等への個別訪問などにも取り組んでいるところであり、引き続き賠償が円滑になされるよう求めてまいります。

 次に、自主的除染費用の賠償につきましては、東京電力はこれまで放射性物質汚染対処特措法施行前に実施した除染費用のみを賠償するとしていたことから、県といたしましては、市町村等とともに特措法が施行された平成24年1月以降も賠償の対象とするよう求めてきたところであり、今般、東京電力は同年9月までを対象期間とし、請求の受け付けを開始したところであります。

 引き続き、自主的除染費用の賠償について、被害者一人一人の事情を踏まえ、柔軟かつ迅速に行うよう求めてまいります。

教育長(杉 昭重君)お答えいたします。

 県立特別支援学校全体整備計画の見直しにつきましては、障がいのある児童生徒の学習活動が適切に行える教育環境を整えるため、全県的な視野に立って見直しを進めてまいる考えであります。

 次に、県立特別支援学校における間仕切り教室につきましては、児童生徒数の増加への対応とともに、障がい特性に合わせた指導が必要であることから、引き続き効果的な指導につながる教室配置や分校等の設置も含め検討し、適切に対応してまいる考えであります。

 次に、特別支援教育支援員に対する研修につきましては、これまで特別支援学校のセンター的機能を生かし、市町村が主催する研修会への講師派遣などを行っているところであり、引き続き市町村教育委員会と連携し、特別支援教育支援員の資質の向上を図ってまいる考えであります。

39番(阿部裕美子君)再質問をいたします。

 初めに、保健福祉部長にお伺いいたします。

 中途失明者緊急生活訓練事業についてでありますけれども、整備をこれから行っていくという回答でありましたが、一番肝心なところは、専任者を配置して、自前の体制を確立して、中途失明者の緊急生活訓練ができるような体制を整えていくということではないかと思います。

 現在は、盲導犬協会仙台訓練センターに委託という形で行われておりますが、中途失明者の皆さんからの切実な要望に応えていくには、かつてのように専門員が配置された状況で、専門の歩行訓練士の方が生活訓練指導員として活動していけるような状況をぜひ考えていっていただきたいと思います。県の障がい者総合福祉センターは、新しくハード面では整備される方向ですので、その中身をしっかり充実した内容にぜひしていただきたいと思います。

 私も改めて今回、中途失明者の状況をいろいろと調べてみまして驚きましたが、福島県においても年間200人以上の方が視覚障がいでの身体障がい者手帳を取得していますが、そのうち25年度で見ても、1級の方が56人、2級の方が97人、合わせて153人おられます。

 中途失明者の80%の方が自殺を考えるというのが定説だと言われています。丁寧な指導によってそれを克服して、寝たきりになることを防いで、生活の質を上げることに確実につながっていくことはこれまでも実証されていることですし、かつて丁寧な訪問指導を受けてひきこもり状態から脱して、ピアカウンセラーとして社会的な役割を果たしている方もいます。ぜひこの体制が確立し、他県に頼っている状況から自前で中途失明の方たちの訓練事業に当たれるような状況を確立していただきたい。改めてお伺いいたします。

 それから、生活環境部長に伺います。

 伊達市の今回の未施工問題は、私は単に1自治体の問題として済まされない問題だと思います。このことによって、ほかにも同じようなことがないのか、不信感を招き、助長することにつながる問題だと思います。

 市の調査委員会の結果を待って、内容を踏まえて適切に対応していくということでありますが、この結果を待たずしても、県として仕様書管理基準や県道などの除染に対応している内容からいっても、どこに問題があったのか、多重の下請構造の中で除染が行われている状況でありますけれども、これらを明らかにして、再びこのような未施工というようなことを起こさない対応を県としても行っていく必要があると思いますので、もう一度答弁をお願いします。

生活環境部長(長谷川哲也君)再質問にお答えいたします。

 除染の確実な実施についてでございます。

 今回の事例も受けまして、除染業務に係る技術支援等を踏まえて、施工管理の徹底、これについて改めて周知をしたところでありますし、確実な除染に向けて、業務管理者の派遣、そして国、市町村と連携した現地調査、情報共有を引き続きしっかり行い、適正かつ確実な除染に努めてまいります。

保健福祉部長(鈴木淳一君)再質問にお答えいたします。

 訓練士の確保につきましては、県内の訓練士はもとより、専門機関からの協力なども得まして、必要な訓練士の数を確保してまいりたいと考えております。

39番(阿部裕美子君)再々質問を行います。

 国の直轄除染についてでありますけれども、これは小高町など浜通り方部で環境省が説明会を開いている中で、屋根の洗浄もしない、庭の表土の入れかえもやらない、今までより簡単な除染をするのはなぜなのか納得できないという住民の皆さんの質問に対して、環境省の方は「2016年3月までに除染を終えるためには、今までと同じことをやっていたのでは間に合わなくなる。」という答弁をされています。このような事実を把握されているでしょうか。

 帰還先ありきというように、除染をしっかりして、住めるような環境をつくって帰還するというのが当たり前の道筋ではないでしょうか、それについてどのように把握されているのか、その点について国にどういうふうに求めているのか、もう一度答弁をお願いします。

 それから、教育長に伺います。

 特別支援学校の間仕切り教室の解消の具体化はどういうふうに取り組まれているのでしょうか。現在70教室あるということですけれども、早期に、これを具体的にいつまでにどういうふうに解消していく予定なのかお伺いをいたします。

 それから、県立特別支援学校全体整備計画の見直しについてでありますけれども、私は今、教育の根本的なあり方が問われる問題であると思います。ユネスコのインクルージョンのための指針や教育におけるインクルージョンのための政策指針にも指摘されていますけれども、子供のための学校をつくる、学校に子供を合わせるのではなく、子供に合わせた学校をつくる、障がいがあっても学ぶ権利をきちんと保障していく、この視点で現在の過密過大の学校の現状をどう解消していくのか、その具体化が必要だと思います。

 特別支援学校に通う子供たちは、長距離・長時間通学を強いられております。平成25年の指標で見ましても、30分以上、60分以上、学校までのスクールバスの乗車時間がかかっている。距離で言えば10キロメートル以上、20キロメートル以上の子供たちが427人おります。一般の子供たちはほとんど自分の住んでいる自治体の中で通学できますけれども、障がいがある子供たちは遠くまで通わなければならない。こういう状況を当たり前と考えるのはいかがなものでしょうか。

 よりベターな教育環境をつくっていく。例えば現在の支援学校の状況を見ますと、伊達方面では平成24年
71人、ほぼ50人を超えて伊達方部から福島の大笹生養護学校に通っています。地域でも行政でも、住民の皆さんが、伊達方部に特別支援学校をつくってほしい、学校が無理なら分校をつくってほしい、こういう要望を上げています。これにどう応えるかお伺いいたします。

生活環境部長(長谷川哲也君)再質問にお答えいたします。

 国直轄除染についてでございます。

 除染を進めるに当たっては、住民に対する丁寧な説明、そして確実な実施が何よりも重要であり、国に対し除染を確実に実施するよう引き続き求めるとともに、現地調査を市町村と連携して行い、それらの実施状況についてしっかりと確認してまいります。

教育長(杉 昭重君)再質問にお答えいたします。

 まず、間仕切り教室への対応でありますが、知的障がいのある児童生徒の急増に対する対応だけでなく、自閉症等の障がい特性に応じた指導環境を確保することも必要であることから、今後とも児童生徒への指導の効果を踏まえた教室配置、また分校設置、そういうものも検討して適切に対応してまいりたいと思っております。

 次に、特別支援学校の全体整備計画の見直しでありますが、御指摘のように、伊達郡、県北に課題があることも承知しております。あと、いわき、県南はもとより、相双、それから南会津というふうに課題もあります。これら全県的に含めて見直しを図っていきたいというふうに考えております。

議長(平出孝朗君)これをもって、阿部裕美子君の質問を終わります。

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