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2014年9月定例会 一般質問 丹治智幸議員

印刷用ページを表示する 掲載日:2014年12月3日更新

丹治智幸議員

議員

丹治智幸

所属会派
(質問日現在)

自由民主党

定例会平成26年9月
質問等一般質問
質問日9月22日(月曜日)

3番(丹治智幸君)自由民主党議員会の丹治智幸でございます。どうぞよろしくお願いいたします。

 佐藤雄平知事におかれましては、2期8年の長きにわたっての重責を果たされましたこと、まことにお疲れさまでした。特に、東日本大震災と原発事故を前にし、どれほどの御苦労があり、どれほどの御心痛に耐えられたかは、私になどは想像もできません。

 「権不十年」、人類が経験する初めての出来事を前にどのような事態が起きるのか、はかり知れない恐怖と不安があったことと思います。それでもトップに立つ者として方針を示し、決断し、懸命に職責に取り組み、その使命を果たす。

 全ての責任は、司令官である御自分が引き受け、その出処進退をお決めになられたさまを私はまざまざと直視をさせていただき、佐藤知事の権力に恋々とせず次の者に引き継ごうとする姿勢に学びを得ました。今後の福島の復興、新たな福島の再生、原発の廃炉などどれほどの年月を費やすことでそれらをなし終えることか、私は次の世代にある者の矜持として受けとめて、前進させていただく覚悟です。

 それでは、通告に従い質問をさせていただきます。

 今回は大きく4つの質問立てです。そのうち3つについては、東日本大震災を契機に、これまでに既にあった課題が急速に顕在化してきた事柄です。

 1つは、中山間地域再生についてです。

 日本は、戦争に敗れた後、奇跡的な復興をなし遂げました。戦後すぐのベビーブーム、高度成長をなし遂げ、幾度の国際環境の変化にも適応し、そしてバブル経済を経験しました。

 日本において、人口動態の変遷で言えば、都市部と中山間地域の居住割合は現在の割合とは正反対にあったと言えます。地方から都市へ人口の流出が起こりました。経済の発展と人口増がさらなる成長による国土の均衡ある発展を志向していったと言えます。

 日本全体としては、2008年以降人口が減り続けています。一方で、地方においては15年ぐらい前からいち早く人口減少社会が到来しています。平成の大合併によって、約10年前に多くの市町村が合併を果たしましたが、当時の合併人口と現在の人口を比較することで実感が湧きます。県庁所在地の福島市を例にとれば、震災前から1年で約5百名程度の減少状態でした。これは、減少状態が身近に感じにくいゆでガエル状態です。

 一方で、10年もたつと、小学校区、あるいは中学校区ほどの人口が減り、地域の存立が危ぶまれる事態となります。それが我が福島にあっては、震災を契機に一気に20年分の過疎化が進み、急激な変化への対応が急務という状況にあります。
 
 2つ目が、メンタルヘルス施策が重要課題と言えます。

 それは、自殺者が3万人も超える異常な日本の状態において、国全体としてメンタルヘルス施策の充実が求められています。国民がメンタルヘルス不調に陥らずに、快適な生活と充実した仕事を持つ豊かさの実現が求められています。また、国民がメンタルヘルス不調に陥ってしまった際に、ケアの充実が図られ、職場復帰などが円滑に進む環境整備が求められています。

 さらには、事業所に求められる責務は増大しています。従業員全てに対して、メンタルヘルス不調とならない環境を整備し、従業員の不調サインに注意をし、かつ不調に陥った従業員に対しては、休職中や職場復帰における施策の充実などが求められます。

 我が福島県にあっては、長期に避難を余儀なくされている県民がおり、また、地域の復旧作業、除染作業などが行われており、現在もなお災害の渦中と言えます。そのような中、避難をされている県民に対するメンタルヘルス施策、被災県民の支援に当たるさまざまな業種の行政職員や医療従事者、学校で子供たちに向き合う教職員に対するメンタルヘルス施策など、一挙に膨大なメンタルヘルス施策の需要に対応する必要性があり、課題が噴出している状況と言えます。

 さらに、3つ目としては、動物愛護対策についてです。

 双葉郡を中心として、多くの県民が避難を余儀なくされました。その際、特に犬や猫などのペットに対する動物愛護施策が問われました。避難所や仮設住宅などにおける避難先での動物たちの扱い、避難区域指定後の収容のあり方など、想定もしていないような事態が現出しました。

 飼い主の思い、行政の体制、ボランティアとの共同体制のあり方など、人命優先であることは当然のこととして、その上で災害時における避難のあり方はもとより、日常の動物愛護政策の充実を図ることによって、今回の教訓が福島県によってよき方向に導き出せるチャンスと捉えることができると思っています。

 まず初めに、過疎・中山間地域の再生についての質問をいたします。

 中山間地域とは、言うまでもなく都市や平野地域を除く山がちな地域のことであり、我が国の国土の73%、全人口のバランスにおいては、11%が居住している状況にあります。我が県においては約80%の県土を占め、人口は約30%という状況にあります。

 中山間地域は、水源地であり、農作物の供給地であり、私たちの生命と暮らしを支える重要な地域と言えます。その課題は、高齢化や人口減少社会が深刻化し、かつ、それらの要因が背景となり、平地が少なく偏在した居住形態で、コミュニティーの維持が困難であることなどになります。

 そして、活性化が叫ばれ、さまざまな政策が実行に移されてきました。今回の内閣改造においては、地域再生を担う特命大臣、地方創生担当大臣が任命されました。異次元の再生をなし遂げるとのことです。日本国にとっても、福島にとってもラストチャンスなのかもしれません。

 企業経営的に言えば、生産性を上げるか顧客をふやすか以外に成長要因はないわけです。さらに言える重要な視点は、視点の規模感と考えます。7割も8割も占める中山間地域の再生、創生、活性化は急務ですが、大き過ぎて、その内実は多岐にわたり過ぎていて結果が出にくい政策課題だったのではないかと思います。

 そうしたときに、中山間地域を抱える自治体の活性化と捉えるより、昭和の大合併のころの300世帯程度の大字単位の地域、千人規模の小学校区単位の地域規模での活性化を図るといった視点を取り入れることによる再生が必要ではないかと考えます。

 しからば、広域行政の県が担う役割が見えてきます。自治体同士の隣接地域や県境地域の再生策支援や、南東北における人口動態予測から導き出される福島県の将来像の基礎データ提供など、具体的施策が浮かび上がります。

 そこで、就任当初から二地域居住の推進を進めてこられた知事は、過疎・中山間地域の再生について、これまでどのような思いで取り組んできたのか伺います。

 東日本大震災によって大きく生態系が崩れたことも要因として推測ができることに、鳥獣被害の全県的広がりがあります。猿や熊、鹿などの被害も顕著ではありますが、特にイノシシによる被害が拡大しています。

 最近では、中通りの阿武隈川以西においても被害は拡大し、対応策として電気牧柵の整備もなされています。人が柵に囲まれて農作業をする風景が日常になってしまいます。

 イノシシ対策の現場は市町村にあります。駆除の現場で実態に即した施策を実施できるように誘導するのが県の役割と言えます。

 そこで、イノシシの駆除に関する保護管理計画を見直し、イノシシの予察捕獲を阿武隈川以西の地域についても認めるべきと思いますが、県の考えを伺います。

 中山間地域再生について、総合的な長期戦略を示すトップダウンと個々の施策を集合させたボトムアップの両方が必要と考えます。そして、県の果たす役割の多くは長期戦略を担うトップダウンの部分と考えます。

 まずは、現状分析から地域の構造転換に関する視点の整理が必要と考えます。その際、重要な視点は総合的、広域的、持続的です。農業技術振興とか、在宅介護とか、施策ごとの充実策を練るよりも先に、地域のあるべき姿を、行政サービスや産業集積、環境政策やコミュニティーのあり方などを統括的に俯瞰する戦略、地域の大小や地域環境の多様性、人口構成などを考慮した戦略、優先順位、重要度を明示した戦略の構築が必要です。その
上で、地域の実行に移す施策の支援策の充実が必要となります。

 これらの大きな視点から戦略を描き、具体的な施策を一つ一つ積み重ねていく際に、基礎データの質と量が大切と考えます。小さな単位ごとの人口動態予測からの施策決定、家庭の消費動向調査と教育支出傾向分析から、移住政策や就農支援施策整備など、データの組み合わせによって打ち手の確実性や有用性を高めることができます。そのためにも、地理情報システム、いわゆるGISの活用が県の果たす役割と考えます。

 そこで、県が運用する地理情報システムの活用状況に対する評価について伺います。

 中山間地域再生について、地理情報システムを整備充実することで、現状の小規模集落への対応策、地域をマネジメントする主体の育成、UターンやIターンを促進して人口増を目指すなどのコミュニティーの再構築、現状の車社会前提の医療体制や商業地集積のあり方と交通システムの現状再構築、中山間地域経済を俯瞰したときに、生産と流通と販売、その基礎となるエネルギー源、食料の確保などにおいて、川上から川下まで総合的にマネジメントする機能の構築など、さまざまな展開が考えられます。

 県は地理情報システムの充実策を図り、かつ、市町村との情報の共有化を進めていくことが重要と考えます。地理情報システムの今後の活用について県の考えを伺います。

 先日、島根県中山間地域研究センターを訪問する機会がありました。中山間地域再生に向けた行政機能のあるべき姿としてとても参考になりました。

 このセンターは、社会経済及び農業、畜産、林業、鳥獣対策など分野を横断した研究体制を整え、研究機関と情報収集・発信機関、研修機関とをあわせ持つ複合機関でした。地域研究の総合プロデュースセンターとして、島根県のみならず中国地方全体を捉え、さまざまな産業を横断的に捉え、さらに地域の実情をデータベースとして整備し、長期的で総合的な戦略構築の基盤を担っているセンターでした。

 ここで福島県が過疎・中山間地域対策の先輩である島根県に学ぶことは、中山間地域活性化のためのセンター機能の構築と考えます。

 そこで、過疎・中山間地域の活性のための総合的な推進組織が必要と思いますが、県の考えを伺います。

 次に、メンタルヘルスケア対策について伺います。

 メンタルヘルス対策における視点は3つあると思います。従業員視点、職場環境視点、そして事業所視点です。私は、今回の質問では、県や教育委員会の現状について事業所視点から幾つかの質問をいたします。
 
 それは、近年の法改正などによりメンタルヘルス施策の充実が事業者側に求められています。端的に言えば、もし訴えられたときに勝てるのかという企業防衛の視点です。これは、事業者としての県や教育委員会が職場環境整備をこの極限状態の視点で実施することが働く職員のメンタルヘルスへのリスク低減につながり、サービス向上がもたらされ、県民益にかなうことになります。

 そこで、知事部局職員の精神科疾患による長期病気休暇等からの復職について、県はどのように取り組んでいるのか伺います。

 同様に、県教育委員会教職員の精神科疾患による長期病気休暇等からの復職について、県教育委員会はどのように取り組んでいるのか伺います。

 メンタルヘルス対策に関して私は、誰もメンタルヘルス不調状態にならないことが理想と考えます。そして、メンタルヘルス不調状態となる手前での予防策が環境づくり、研修制度、職員みずからが行うセルフチェックなどで相当の効果が期待できると考えます。

 そこで、知事部局職員のメンタルヘルス不調の発生防止対策が重要であると考えますが、県の考えを伺います。

 同様に、県教育委員会教職員のメンタルヘルス不調の発生防止対策が重要であると思いますが、県教育委員会の考えを伺います。

 県は労働行政を管轄する行政機関として、啓発周知活動も率先して行うべきと考えます。特に、次年度からストレスチェックの義務化という施策の転換点が訪れます。事業者側の責任が多くなるわけです。

 そこで、県は労働安全衛生法の改正に伴う労働者のメンタルヘルス対策の啓発にどのように取り組んでいくのか伺います。

 動物愛護対策について伺います。

 被災ペット対策についてであります。

 旧警戒区域に生息している犬や猫の現状と今後の取り組みについて伺います。

 福島県動物救護本部シェルターが業務終了しようとしています。旧警戒区域からの新たな保護や、避難されている方からの保護依頼や相談についてもないことから、9月末で閉鎖する方針と伺っています。

 民間団体の保護施設にいる犬や猫、保護依頼のない犬や猫などの存在と県の役割終了方針について、どのように整合性を持った理解をすればよいかと考えております。旧警戒区域で保護された犬や猫の収容について、これまでの状況と今後の取り組みについて伺います。

 東日本大震災により、多くの県民が避難を余儀なくされました。その際に、避難直後の犬や猫の対処や行政と
民間ボランティアとの連携のあり方がもたらす保護、その後の譲渡や返還が円滑であったかどうかなど、課題が浮かび上がりました。

 そこで、東日本大震災によって被災した犬や猫へのこれまでの対応から得られた教訓を今後の大規模災害対策にどのように生かすのか、県の考えを伺います。

 動物愛護の推進について伺います。

 東日本大震災を経験して、被災ペット対策として福島県では多くの経験をしました。その経験と教訓を生かし、福島県は動物愛護に関しての先進県となれるチャンスと考えております。

 現状、保健所などで迷い犬や猫などを収容保護し、譲渡や返還を行っているわけですが、警察や保健所間での情報共有の促進を図る必要があると思います。情報が共有されないがゆえに、家族同然の犬や猫の返還のおくれや、最悪の場合、殺処分が行われてしまうことになります。県が保護し、収容した犬や猫の殺処分ゼロに向け、どのように取り組んでいくのかを伺います。

 動物行政に総合的に取り組むセンター機能設立が必要と考えています。動物愛護を推進するための拠点となる動物愛護センターの整備が必要と思いますが、県の考えを伺います。

 次に、北朝鮮による拉致への対応について伺います。

 北朝鮮による拉致被害者救出に向けての交渉が大詰めを迎えていると認識しております。現在、政府が北朝鮮による拉致被害者として認定している人数は17名、そのほかにも特定失踪者として拉致の疑いを排除できない事案を含めて推計すると、政府発表によれば883名とも言われる重大な国家犯罪と対峙しているわけです。

 福島県において、政府認定の拉致被害者はいないわけですが、拉致被害の疑いの高いと見られる同胞の存在は明らかであり、かつ、いまだに私たちが名前すらわからずに被害に遭われている方の可能性もあり得ます。

 そうした状況下で、私たちは拉致被害に遭われた同胞が帰国した際に速やかに迎える準備を整えておく必要があります。そして、各自治体で整備を整えておくこと自体が北朝鮮に対する日本国民のメッセージとして有効と考えています。

 そこで、北朝鮮による拉致の可能性を排除できない行方不明者が帰国することとなった場合、どのように対応するのか、県の考えを伺います。

 以上で私の質問を終わります。ありがとうございました。

副議長(青木 稔君)執行部の答弁を求めます。


知事(佐藤雄平君)丹治議員の御質問にお答えいたします。

 過疎・中山間地域の再生についてであります。

 過疎・中山間地域につきましては、美しい自然を初め思いやりにあふれた人々の温かさ、地域のきずな、脈々と受け継いできた伝統文化など多様な地域資源に恵まれております。

 これらの地域は、福島の、ひいては日本のかけがえのない財産であり、地域の宝を磨き上げ、輝かせながら活性化を図り、未来へつないでいくことが極めて重要であると考え、みずから先頭に立って、定住・二地域居住や企業の誘致、農村対策などに力を入れ、福島のすばらしさの発信に努めてきたところであります。

 このような中、国もようやく魅力ある地方の創生、人口減少対策に本腰を入れ始めました。我々も国の動きを的確に捉えながら、全国のモデルとなるような有効な施策をさらに講じていかなければならないと思っております。

 過疎・中山間地域の元気は、まさに福島の元気であります。子供や孫が「福島に生まれてよかった」、そして「福島に育ってよかった」と思える、全国の人々が「福島に住んでみたい」と、このように思えるふるさとづくりに取り組んでいくことが再生を実現する方策であると考えております。

 その他の御質問につきましては、関係部長から答弁させます。

総務部長(鈴木正晃君)お答えいたします。

 知事部局職員の精神疾患による長期病気休暇等からの復職につきましては、所属等による職員の状況把握や管理職員等を対象とした復職職員の支援に関する研修を実施しているほか、円滑な職場復帰を図るため、職員の状況に応じ、一定期間試行的に勤務できる制度を設けております。

 さらに、専門医や臨床心理士、保健師等が常時健康相談に応じる体制を構築し、復職後、職員が働きやすい職場環境の整備に努めているところであります。

 次に、メンタルヘルス不調の発生防止対策につきましては、これまでメンタルヘルス研修の実施や各種健康相談窓口を設置するとともに、全職員を対象にストレスチェック調査を実施し、必要に応じ健康管理医や保健師等による面接指導を行うなど対策の充実に努めてきたところであります。

 震災以降、不調職員の増加傾向を踏まえ、新たに新規採用職員に対する健康支援や健康相談窓口の拡充などを行ってきており、今後とも職員の健康の保持増進にきめ細かな対策を講じてまいる考えであります。

 企画調整部長(近藤貴幸君)お答えいたします。

 地理情報システム、いわゆるGISにつきましては、防災、観光、医療、農林水産業などの分野の現状や課題を明らかにするための情報を地図上にわかりやすく視覚的に表示するものであり、現在、ふくしま森まっぷや河川流域総合情報システム等の一部のシステムで活用し、過疎・中山間地域を含めて幅広く情報提供を行っているところであります。

 GISは、有益な情報提供手段ではありますが、各システム間の情報連携や運用経費の効率化に課題があると認識しております。

 次に、地理情報システムの今後の活用につきましては、GISは地域課題の解決に加え、地域の特性に応じた地域づくりを進める上でも有効な手段であると考えております。

 そのため、年度内に予定している次期情報化推進計画策定の中で、個別のGISから地図を共有する統合型GISへの移行やさまざまな利活用方策などについて、市町村の意向や各部局のニーズ、先進事例、さらには費用対効果の観点も踏まえ、検討してまいる考えであります。

 次に、過疎・中山間地域につきましては、県土の8割を占めることから、本県の地域づくりを進める上で、これらの地域の活性化が極めて重要であります。

 そのため、県といたしましては、知事、各部局長、地方振興局長等で構成する本部会議を設置し、過疎・中山間地域振興戦略を策定するとともに、市町村や地元住民、集落等と連携しながら、県政のさまざまな分野で地域振興策を総合的に推進しております。

 今後は国の地方創生に関する施策も活用し、全庁的な体制で過疎・中山間地域の活性化にさらに取り組んでまいる考えであります。

生活環境部長(長谷川哲也君)お答えいたします。

 イノシシの予察捕獲につきましては、本県の広い範囲にわたり被害の発生が報告されていることから、現在県内での生息及び被害状況等の調査を行っているところであり、その調査結果や市町村、専門家など関係者の意見等を十分に踏まえながら、今後イノシシの管理計画を策定していく中で予察捕獲に係る地域の見直しについても検討してまいる考えであります。

 次に、拉致の可能性を排除できない行方不明者が帰国することになった場合の対応につきましては、北朝鮮当局によって拉致された被害者等の支援に関する法律に基づき、被害者が地域社会で安心して暮らすことができるよう、国、市町村、警察等、関係機関と連携しながら生活相談に応じるとともに、雇用や教育機会の確保を図るなど、被害者に寄り添い、きめ細かに対応していく考えであります。

保健福祉部長(鈴木淳一君)お答えいたします。

 旧警戒区域に生息している犬や猫につきましては、本年7月までの調査では、犬の生息情報はありませんが、猫の生息が確認されており、現在国において当該区域内の猫の詳細な生息状況調査を行っております。

 県といたしましては、今後この調査結果を踏まえ、繁殖制限措置の必要性について検討するなど、国や該当市町村、関係団体と対応を協議してまいりたいと考えております。

 次に、旧警戒区域で保護された犬や猫につきましては、本年8月末までに犬458頭、猫545匹を収容いたしました。このうち犬160頭、猫162匹をもとの飼い主に返還するとともに、犬275頭、猫276匹を新たな飼い主へ譲渡しております。

 現在、三春シェルターに残されている犬13頭、猫55匹につきましては、一日も早く飼い主のもとで暮らせるよう、引き続き関係団体と連携しながら譲渡等を推進してまいります。

 次に、大規模災害時の被災ペット対策につきましては、東日本大震災時において避難所にペットを持ち込めなかったことや、被災した犬や猫を収容する施設を速やかに設置できなかったことなどを踏まえ、平成24年11月に見直した県地域防災計画に指定避難所にペット等の保管施設を設置することを盛り込むとともに、昨年度策定した動物愛護管理推進計画に動物救護本部の設置や組織的な被災ペットの保護収容について明記したところであります。

 今後はこれら計画に基づき、災害時における救護活動にしっかりと取り組んでまいります。

 次に、保護収容した犬や猫の殺処分を減らす対策につきましては、これまで犬のしつけ方教室の開催や管理の不適切な飼い主への指導などに取り組んできたところ、昨年度の犬の処分数については、平成18年度比で5分の1にまで減少してまいりました。

 今後も動物愛護に関する県民の理解促進や飼い主の意識向上に一層取り組み、収容される犬や猫の数を減らすとともに、譲渡会を積極的に開催するなどの方法により、譲渡数もふやし、不必要な殺処分を最大限減らすよう取り組んでまいります。

 次に、動物愛護センターにつきましては、最後まで責任を持って飼うことなど県民への動物愛護に関する普及啓発活動の実施や、命の大切さや思いやりの心を育むための犬や猫との触れ合いの場の提供など、動物愛護の拠点としての活用はもとより、災害発生時の動物救護の拠点としても必要性が高まっているものと考えております。

 こうした観点から、既存の犬・猫保護管理センターの実情や三春シェルターの活用等も考慮しながら、本県における動物愛護センターのあり方について検討してまいりたいと考えております。

 商工労働部長(星 春男君)お答えいたします。

 労働者のメンタルヘルス対策の啓発につきましては、これまでも県内企業に対する労働関係法令等に係る啓発資料の送付のほか、企業訪問、セミナーの開催等により、メンタルヘルス対策の重要性について理解促進に努めてまいりました。

 今後ともこれらの取り組みを通じ、福島労働局、商工団体等関係機関と連携し、法改正の趣旨やそれに伴う新たなメンタルヘルス対策も含め、周知啓発を図るなど、働きやすい職場環境づくりに向け積極的に取り組んでまいります。

教育長(杉 昭重君)お答えいたします。

 長期病気休暇等から復職する教職員につきましては、就業に対する不安を緩和し、円滑な職務復帰を促すため、復職前に業務量や内容、勤務時間等に配慮した試行的に勤務できる制度を設けるとともに、復職に際しては、校長が面談を行い、医師の指導や本人の意向を踏まえた適切な業務分担や他の教職員による組織的なサポートなどを実施しております。

 今後とも復職する教職員個々の状況を的確に把握し、働きやすい職場環境の整備に努めてまいる考えであります。

 次に、教職員のメンタルヘルス不調の発生防止対策につきましては、カウンセリング窓口の拡充や、全教職員から問診票形式でストレス状況を詳細に把握し、個々の心の健康度を分析し、必要に応じて医師やカウンセラーへの相談を勧奨する取り組みを進めるとともに、今年度、公立学校の全ての校長、教頭を対象とした研修会を開催し、早期の気づきとその対処法について周知を図ったところであります。

 今後とも、教職員の心の健康が保持できるよう、メンタルヘルス不調の早期発見、早期対応に努めてまいる考えであります。

3番(丹治智幸君)生活環境部長に再質問いたします。

 いずれも意気込みを表明していただいて、県民に対してのメッセージとしていただければなと思います。

 イノシシです。イノシシの予察捕獲というのはもう急務な状態です。そして、それは現状に即した対応をすぐにでもしてもらいたい。そして、来年度に向けて福島県がつくっている計画の見直しの時期だろうというふうに思っています。ですので、来年度の計画変更に向けて、現状に即した対応をしていくのだというような方針を示していただければと思います。

 もう1点、北朝鮮による拉致被害者への対応です。

 福島県には、政府が認めた拉致被害者はいませんけれども、もしそのような状況にある方が帰国をした場合に迅速に対応して、福島県はそのような対応策がもう既にできているのだみたいな意気込みを表明してもらうことが大事なのだろうというふうに思っています。

 2つ質問いたします。

生活環境部長(長谷川哲也君)再質問にお答えいたします。

 まず、イノシシの予察捕獲につきましては、現在被害が広範囲にわたってきているという状況を踏まえまして調査を行っているところであり、その結果等を踏まえまして、今後イノシシの新たな管理計画を策定していく中で、予察捕獲に係る見直しにつきましても検討してまいる考えであります。

 次に、拉致の可能性が排除できない行方不明者が帰国することになった場合の対応でございますけれども、現在北朝鮮による拉致被害者の調査が行われております。こういった調査結果等も注視しながら、そういった場合につきましては、法に基づいて被害者に寄り添ったきめ細かな対応ができるように努めてまいる考えであります。

副議長(青木 稔君)これをもって、丹治智幸君の質問を終わります。

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