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2015年2月定例会 追加代表質問 宮下雅志議員

印刷用ページを表示する 掲載日:2015年6月11日更新

宮下雅志議員

議員

宮下雅志

所属会派
(質問日現在)

民主・県民連合

定例会平成27年2月
質問等追加代表質問
質問日3月2日(月曜日)

35番(宮下雅志君)民主・県民連合議員会の宮下雅志であります。通告に従って追加代表質問を行います。

 内堀知事のもと、平成27年度の当初予算が編成され、知事はその説明の中で、復興に向かって果敢にチャレンジしていくという強い姿勢を示されました。積極的な広報活動や大胆な組織改編、チャレンジふくしま事業と銘打った重点事業の設定など、必ず結果を出すという知事の強い思いが伝わり、大いなる期待とともに、その姿勢を高く評価するものであります。

 そして、大事なことは、この知事の思いを県庁内はもとより、広く県民に伝え、心を合わせ一丸となって復興の新たなステージに向かってチャレンジしていくことであります。

 そこで、県政運営に当たり、「チャレンジ」に込めた知事の思いをお答えください。

 知事は就任後、大胆な組織改編に取り組まれ、危機管理部、こども未来局の設置、避難地域復興局への関係業務の統合など、施策の実効性が確保されるよう組織の見直しを進められました。

 その中で風評・風化対策監は、業務の統合ではなく、部局間の連携調整機能を果たすことで施策の実効性を高めようとするものです。この風評・風化対策監が十分に力を発揮するには、復興推進本部を初めとするあらゆる関係部局と具体的にどう連携するのか、その中でどんな機能を果たすのかが明確でなければばなりません。

 そこで、風評・風化対策監の部局連携機能についてどのように実効性を確保していくのかお答えください。

 平成27年度当初予算は、当初予算としては県政史上最大の規模になりました。加えて、補正予算も大規模になっており、この膨大な予算を滞りなく着実に執行することによって初めて知事の思いが成果という形になってあらわれることになります。

 しかし、単年度会計主義の原則による縛りや、復興財源である国の交付金の一部が国との調整などによりおくれが生じるなど、円滑な予算執行の妨げになる場合も見受けられ、復興事業への影響が懸念されます。

 そこで、県は復興予算を円滑に執行するためどのように取り組んでいくのかお答えください。

 次に、執行体制の充実についてであります。

 さきに触れたとおり、次年度当初予算は発災前の約2倍の規模に達し、補正予算も大規模になっております。この膨大な予算の執行は、それに伴う膨大な事務量を意味します。

 民間人などの外部人材の活用も含め、さまざまな取り組みを行っているものの、最前線にある沿岸部の出先機関を中心に超過勤務が増加するなど職員の負担は増大し、厳しい状況が続いており、早急な対策が求められております。

 そこで、増大する復興・再生業務に対応するためどのように執行体制を強化するのか、県の考えをお示しください。

 昨年の2月議会の一般質問で、「民間企業の専門的な知識や手法を取り入れるため、外部人材の活用を積極的に進めるべき」との質問に対し、「新たに民間企業などの職員を在籍したまま受け入れ、本格化する復興・再生業務に対応する。」との答弁がありました。

 1年が経過し、その効果を検証し、求める成果につなげるために今後どのように対応していくかを判断する必要があると考えます。

 そこで、県は民間企業等の外部人材の受け入れについて、これまでの効果と今後の対応をどのように考えているのかお示しください。

 執行体制の充実を図るためには、復興を推進する上で不可分の関係にある市町村の執行体制の充実が必要であります。

 先ごろ発表された自治労の調査によると、本県沿岸部の市町村職員の精神的不健康の度合いが他の被災県に比べてかなり高いことが示されました。沿岸部の市町村職員は、その事務量の多さに加え、住民と直接接することから来る精神的負担も大きくなっております。

 市町村の執行体制の充実のためには、職員の増員による事務負担の軽減はもとより、精神的負担の軽減を図ることが必須の条件であると考えます。

 そこで、市町村職員のメンタルヘルス対策について、県のこれまでの取り組み状況と今後の対応をお示しください。

 次に、復興を支える重点施策についてであります。

 本県は、再生可能エネルギー先駆けの地を目指すことを復興の理念の中心に据え、実現に向け官民一体となって取り組んでまいりました。しかし、原発再稼働の動きや系統接続保留問題などによって、復興の理念自体に大きな影響が出ることを懸念しておりました。

 しかし、この系統接続保留問題に対して、県は専門部会を設置し、速やかに「福島からの緊急提言」として取りまとめ、国と東電に対し具体的な対応を求めました。

 年明けには、経済産業省が福島向けの特別対策を発表し、国の予算措置を受けて、今議会の補正予算に避難地域で再生可能エネルギーを推進する92億円規模の予算が計上されました。これはまさに知事を先頭に本県がかち取った施策であり、大いに評価するところであります。

 しかし、全県的には依然厳しい状況にあり、改めて本県の再生可能エネルギー施策を前進させるために、まずはこの避難地域への導入施策をしっかりと進めることが重要であります。

 そこで、県は避難地域における再生可能エネルギーの推進をどのように図るのかお答えください。

 県は、イノベーション・コースト構想における廃炉作業や災害対応などのロボット開発・実証拠点の設置を受け、独自に「ロボット関連産業革命の地ふくしま」を目指すこととして重点事業に位置づけ、積極的に施策を展開しようとしております。

 言うまでもなく、ロボット産業は成長が大いに期待される分野でありますが、本県での導入は進んでいないのが現状です。今後産業として定着させていくためには、ロボットの有用性や関連産業の将来性を理解してもらうことが必要であり、将来の担い手となる若者のロボットに対する意識を向上させなければなりません。

 さらに、産業集積を進めるには、開発に携わる人材を確保することも必要となります。このように、ロボット産業の振興には発展するための基盤づくりが重要であり、そのための普及啓発の取り組みが求められます。

 そこで、県は県民へのロボットの普及啓発にどのように取り組むのかお答えください。

 次に、避難地域の復興に向けた取り組みについてであります。

 双葉郡の自治体が実施した帰還に関する住民アンケートによれば、第一原発の汚染水問題がクローズアップされたころから、戻らない理由に「原発の状況が不安」と答える人がふえているとのことです。このように、避難住民の帰還を促し、復興を前進させるためには、原発の事故収束や廃炉に向けた取り組みの安全確保が絶対の条件となります。

 県はこれまで、新たな安全確保協定の締結に向けて調整を進めてきましたが、1月7日には調整が調い、県、立地町、東京電力の3者間で新たな安全確保協定が締結されました。そしてその際、知事及び大熊・双葉両町長から東京電力に対して、新協定に基づき廃炉作業を着実に進めるよう強く求めたと伺っております。

 それにもかかわらず起こった今回の汚染水問題は、当事者間の約束を踏みにじるものであり、到底容認することはできません。今後は新協定に基づいてさらに厳しく監視するとともに、徹底した監視体制の強化を図るべきであります。

 そこで、県は新たに締結した廃炉等の実施に係る安全確保協定に基づき、廃炉の取り組みをどのように監視していくのかお答えください。

 イノベーション・コースト構想は、浜通り地方を中心に本県の復興・再生を前進させる起爆剤として大きな期待が寄せられております。

 現在、国や県において具体化に向けた検討が進められておりますが、廃炉を契機としたロボットなどの先端技術によって産業集積を図り、その効果を地元企業に波及させて雇用につなげようとするこの構想が成功するためには、国や県の施策だけではなく、参入する企業側の積極的な姿勢が不可欠です。企業みずからがニーズを把握し、技術を磨くことが大切であり、企業のこのような取り組みを促すためにも、早急に構想の具体化を図る必要があります。

 また、財源確保や県の計画への位置づけなどの観点からも早急な対応が求められており、今後は構想の具体化に向けた検討をさらに加速させていかなければならないものと考えます。

 そこで、県はイノベーション・コースト構想について具体化に向けた検討状況をどのように捉え、今後どのように進めるのかお答えください。

 震災から4年が経過し、避難地域の復興に向けて本格的に動き出すべき時期に来ています。住民の帰還を促し復興を着実に進めるためには、拠点の整備は欠かせません。商業施設や医療施設、学校、スポーツ施設、働く場としての工場や農業施設など、広い意味での復興拠点を当たり前の生活が営めるよう整備していくことが必要であります。

 避難地域の市町村では、帰還に向けてそれぞれの地域内に復興拠点の整備を計画しており、この拠点の整備を着実に進めることが何より重要であります。しかし、避難指示など市町村によって置かれている状況が異なることから、復興拠点の整備に向けた取り組みの進捗にも大きな違いが生じております。

 私は、避難地域が一体となって復興に向かうためにも、県が積極的に避難市町村が計画している復興拠点の整備を支援すべきと思いますが、県の考えをお示しください。

 避難地域とその周辺地域の農業は、震災と原発事故により壊滅的な被害をこうむりました。作付を再開した地域でも、農地への放射性物質の影響を懸念する根強い風評に悩まされております。

 このような中、園芸作物は被災地域の農業復興を牽引する役割が期待されており、とりわけ大規模施設園芸の導入は避難地域や津波被災地の農業復興に資するものであり、積極的に導入すべきものと考えます。

 そこで、避難地域等における大規模施設園芸の導入について県の考えをお示しください。

 Jヴィレッジが2018年夏に再開されることとなり、復興する本県の姿を国内外にアピールする好機となることと期待しております。しかし、第一原発から20キロという立地上、根強い風評による困難も予想されます。今後は、徹底した除染と積極的な情報公開、大規模大会の誘致などにより、安全・安心な新生Jヴィレッジの姿を広く発信していくことが重要です。

 また、東京オリンピック・パラリンピックの開催を踏まえ、活用の範囲が広がるような新たな価値を持ったJヴィレッジとして再生させることが必要であると考えます。

 そこで、県はJヴィレッジをどのように再生していくのかお答えください。

 県教育委員会は、この4月に中高一貫教育の総合学科高校ふたば未来学園高等学校を広野町に開校します。国、県、双葉郡8町村の密接な連携のもと、各界各層の協力を得て多彩な講師陣を招聘し、魅力あるカリキュラムによる新しい教育を切り開くことによって、双葉郡復興のシンボルとなることを大いに期待するものであります。

 初年度は、募集定員120名に対し、定員を上回る152名の応募があり、臨時に定員を増員して、全員が内定したとのことです。受験生や保護者の喜びはもとより、地域の復興につながる対応であったと考えますが、今後は募集定員や選抜試験のあり方、募集停止をした既存校との関係などを地域の復興の進捗状況に合わせて検討しておく必要があると考えます。

 募集定員を臨時的に増加させて生徒を受け入れ、なおかつ開校の理念どおりの教育効果を上げていくためには、教員の指導体制の強化が不可欠であります。

 そこで、県教育委員会はふたば未来学園高等学校の指導体制の強化にどのように取り組んでいくのかお答えください。

 また、関係機関との連携調整や協力体制の構築など、これまでにない難しい学校運営が求められていることから、学校の管理運営体制についても強化しなければならないと考えます。

 今回県教育委員会は、本県の全日制県立高校では初の副校長職を設置し、同校に配置することとしました。管理運営体制の強化の点で評価しますが、国との調整役にとどまらず、開学の理念に込めた本県や双葉郡8町村の思いを受けとめ、その理念の実現に向けて職務に邁進されることを期待するものであります。

 そこで、県教育委員会はふたば未来学園高等学校に配置される副校長の役割をどのように考えているのかお答えください。

 次に、有害鳥獣対策についてであります。

 有害鳥獣の被害は、生息数の増加や生息域の広がりによって拡大しており、会津地域においても、イノシシや猿、ニホンジカなどの被害が確認されております。有害鳥獣対策は新たな対応が必要になっております。

 このような中、特定外来生物による被害が増加しており、中でもアライグマは、中通り、浜通りを中心に、農業や生活環境被害のほかに文化財に対する影響が懸念されております。また、かなりどうもうで、他の在来野生生物を駆逐する懸念もあることから、被害が拡大する前に対策を講じる必要があります。

 そこで、県はアライグマの駆除にどのように取り組んでいくのかお答えください。

 有害鳥獣の捕獲については、各市町村が捕獲奨励金等を支給して積極的に捕獲を行っておりますが、担い手である狩猟者の高齢化や捕獲しても食べられないことなどから狩猟離れが起きており、捕獲すべきイノシシなどが今後ますますふえてくると予想される中、狩猟者を確保するための早急な対策が強く求められております。

 そこで、県は狩猟者の確保にどのように取り組んでいくのかお答えください。

 次に、医療・福祉施策についてであります。

 地域医療の充実には、地元に定着した医師の確保が重要ですが、若い医師は自己のキャリアアップも求めており、過疎・中山間地域における定着が難しくなっています。また、平成29年からは新しい専門医制度がスタートし、研修プログラムも見直されることから、専門医を目指す医師の定着促進への新たな対応が必要になってくるものと考えます。

 医師の県内定着を図るには、県内の臨床研修病院で研修する医師をふやすことが重要ですが、本年度の医師臨床研修マッチングの結果は、159人の募集定員に対し88人、充足率55.3%であり、特に県立医科大学附属病院は8人にとどまり、全国の大学病院の中でも下位の結果となりました。多くの県立医科大学卒業医師が県内の臨床研修病院での研修を希望するよう、取り組みの強化を図るべきものと考えます。

 そこで、県は県内臨床研修を行う県立医科大学卒業医師をふやすためにどのように取り組んでいくのかお答えください。

 次に、介護人材の確保についてであります。

 介護人材の確保のためには、介護職員の給与の引き上げが何よりも重要です。しかし、今般国は介護報酬の引き下げを断行しようとしており、これは社会保障の充実を目指した消費税増税の趣旨に反するばかりか、物価の上昇などにより、職員の給与は実質的に目減りしている状況の中で、これが事業者の経営圧迫につながればさらなる給与引き下げ圧力となり、介護人材の確保が一層難しくなることが懸念されます。

 このような中でも、県は介護人材の確保に向けて県としてやるべきことにしっかり取り組んでいかなければなりません。私は、これからの社会に出ていく若者に介護の現場を正しく理解してもらい、この仕事の重要性とやりがいを正しく伝えていく努力を積み重ねることによって、介護人材の予備軍を育てていくことが重要であると考えます。

 そこで、県は福祉・介護人材の確保について、これまでの取り組みを踏まえどのように進めていくのかお答えください。

 介護人材の確保が大きな課題となる中、仕事のきつさからやめていく方が多いという現状も指摘されております。私の知り合いの若者も、介護の現場で働くことに喜びを感じていたのですが、腰を痛め、続けることができなくなってしまいました。介護人材の不足に対応するためにも、特別養護老人ホームなどの現場で働く職員の定着に向け仕事の負担を軽減する取り組みが必要です。

 そこで、県は特別養護老人ホーム等の介護人材の定着に向けた労働負担の軽減にどのように取り組んでいくのかお答えください。

 次に、文化と経済についてであります。

 昨年2月議会の一般質問において、本県固有の文化資源を生かし、地域経済の発展と活性化に結びつけるべきであるという趣旨の質問をさせていただきました。それに対し、「文化には、地域の魅力を高め、活力を生み出す力を秘めている。」との認識が示されました。

 私は、この秘めた力を現実の力に変えていくことが重要であり、地域固有の文化的価値・資源を地域を支える産業に育てるべきものと考えます。ベネチアのガラス製品やフィレンツェの革製品、クレモナの楽器、スイスの手づくり時計などの例は大いに参考にすべきものです。

 県はこれまでさまざまな文化振興策を行ってきましたが、成果としての経済発展という視点は弱かったように思われます。文化振興や地域振興、産業振興等を文化を中心に据えた大きな施策体系の中で位置づけ、地域の活性化を図る取り組みを展開すべきものと考えます。

 そこで、県は文化資源を活用した地域の活性化にどのように取り組んでいくのかお答えください。

 本県の文化資源の代表的なものの一つである伝統的工芸品は、その多くが販売不振などから苦境に立たされています。このままでは貴重な文化資源が消えてしまうことにもなりかねません。伝統的工芸品の販路拡大は喫緊の課題であり、早急な対策が求められております。

 そこで、県は伝統的工芸品の販路拡大にどのように取り組んでいくのかお答えください。

 県は、地域の文化資源と言うべきさまざまな分野の卓越した技能を持った方々、いわゆる名工を県の施策の中に位置づけておりますが、中には途絶えてしまうことが懸念されている技術があります。

 県の名工である会津漆器の板物木地師の惣輪師と呼ばれる職人さんは、「経済的に弟子はとれない。自分の代で終わり。」と寂しそうに言っておられました。この方は、輪島など全国の漆器産地から仕事の依頼を受けるほどで、この方が現役を退けば卓越した技能の一つが本県から失われることになります。私は、これらのすぐれた技能を本県の文化資源として次世代に継承していくために、県が主体的に取り組むべきものと考えます。

 そこで、県は名工による技能の継承にどのように取り組んでいくのかお答えください。

 4月から開催されるデスティネーションキャンペーンを機に、本県の観光が復興に大きく前進することを期待するものでありますが、問題は一過性のイベントで終わらせることなく、その後の観光振興にどうつなげていくのかという点であります。

 すぐれた景観や人々に感動を与える祭り、卓越した技能による伝統的工芸品などは、地域の文化の力が目に見える形であらわれたものと言えます。それらは、人を集めるためではなく、地域の住民が誇るべき文化的価値を守り伝えるという責務を全うしてきた結果つくり上げられたものであり、その空気に触れるために人々が集まるのであります。私は、これこそが本来の目指すべき観光の姿であり、キャンペーンを契機として、観光振興に向けてさらなる地域文化の活用を図るべきと考えます。

 そこで、県は地域文化を活用した観光の振興にどのように取り組んでいくのかお答えください。

 次に、営業損害の賠償についてであります。

 国と東京電力は、商工業等に対する営業損害について、今月以降は逸失利益の1年分を定型的に賠償して終期とするとの素案を示しました。しかし、風評被害は根強く、多くが事故前の売り上げを取り戻せずにおります。

 このような中、1年間分の賠償で終期とされたのでは、事業継続を断念する事業者も数多く出ることが懸念され、本県経済は壊滅的なダメージを受けることになります。今回、避難地域外へも賠償の一括前払いの考えが示されたことは、終期の議論をする上で当然ですが、損害が出続けることを通常状態として事業の再建を図るには、前向きに取り組める十分な事業再建資金の確保が求められます。

 そこで、本年3月以降の商工業等に係る営業損害について、国及び東京電力に対し、事業を再建できる十分な賠償を求めるべきと思いますが、県の考えをお示しください。

 また、素案では、避難指示区域外の商工業等の営業損害は相当因果関係を個別に確認することとしており、これが行われた場合、賠償されないケースが続出し、多数の事業者が廃業に追い込まれることが懸念されます。

 これまで因果関係ありとして認めていた賠償よりも、再建資金的色合いの強い一括前払いに賠償の要件を厳格に適用するのは本末転倒であり、事故の責任をどう感じているのかと疑いたくなります。東京電力においては、被害者に寄り添って賠償に取り組む姿勢が強く求められます。

 そこで、避難指示区域外の商工業等に係る営業損害について、原発事故による損害を幅広く捉え、賠償を柔軟に行うよう東京電力に求めるべきと思いますが、県の考えをお示しください。

 次に、農業を担う人材の確保についてであります。

 風評被害による農産物価格の低迷や米価の下落によって本県農業は大きな打撃を受けております。また、農業者の高齢化と後継者不足も深刻で、このままでは離農が相次ぎ、本県農業は取り返しのつかない深刻な事態に陥ることが懸念されます。

 こうした事態を打破し、基幹産業である農業を再生していくためには、農業人材の確保が何よりも重要であり、中でも新規就農者の育成確保が欠かせません。

 これに対し、県はさまざまな対策を講じてきましたが、新規就農者数は平成25年度に過去最高の224人となったものの、平成26年度は震災前を下回る166人にとどまりました。この結果を踏まえ、新規就農者の確保にこれまで以上に危機感を持って取り組まなければならないと考えます。

 そこで、県は新規就農者の育成及び確保にどのように取り組んでいくのかお答えください。

 県は、来年度から新たな地域産業6次化戦略によって、震災と原発事故により低迷する本県農業の再生につなげる取り組みを展開しようとしております。その検討過程で、原料の生産量や供給体制が不十分であること、売り上げが伸びないこと、マッチングがうまくいかないことなどと並んで、コーディネーターや生産者、加工グループなどの6次化を担う人材が不足しているという課題が示されました。

 私は、農家所得や雇用の確保の観点からも、地域産業の6次化の取り組みは重要であると考えます。そして、この取り組みを成功させるには、農業者を初め商工業者などのさまざまな人材が強力に連携していくことが必要です。そのためには、まず6次化を担う人材をしっかりと育成していくことが重要であります。

 そこで、地域産業の6次化を担う人材をどのように育成していくのか、県の考えをお示しください。

 次に、県管理道路についてであります。

 県は平成18年に福島県道路アセットマネジメントを策定し、橋梁、トンネル等の点検を開始しました。平成22年には、予防的修繕等を徹底することで費用を縮減し、道路の維持管理費用の増大を抑制するため、道路及び橋梁の長寿命化に関する計画が策定され、東日本大震災後に計画が改定され現在に至っております。

 その後トンネルについては、平成24年12月の笹子トンネル天上板崩落事故の発生を受け、緊急点検を実施し、ふぐあい部の応急対策は完了していると聞いておりますが、橋梁については、震災後の技術者の不足や資材の高騰などによる入札不調などの影響で計画のおくれが出ているのではないかと懸念しております。

 そこで、現在の進捗状況を踏まえ、県は橋梁の長寿命化対策にどのように取り組んでいるのかお答えください。

 平成24年度、集団登校中の児童の列に自動車が突っ込み、児童が死傷する事故が全国で相次いだことから、緊急合同点検が実施され、歩道の安全対策が進められてきました。

 本県でも対策が進められておりますが、平成25年の交通事故のあらましによると、16歳未満の歩行者交通事故は、亡くなった方が2名、けがをされた方が143名と、まだまだ多くの子供たちが痛ましい事故に遭っています。通学路については、積雪時の歩道の確保も含め、十分に安全対策がなされているとは言いがたい状況にあると考えます。

 そこで、県は通学路の安全対策にどのように取り組んでいくのかお答えください。

 冬期間の道路は、積雪や凍結などにより危険度が数倍にはね上がります。会津に暮らす私たちは、雪の季節になると通常より高い事故の危険性にさらされることになります。そのような中、凍結による事故が多発していた会津若松市の東山温泉の入り口に無散水消雪施設が設置されたときは、その変化に感動を覚えました。

 その後各所に無散水消雪施設が設置されており、この施設は雪国にとっての福音であると感じております。私は、除雪費用と施設の維持管理経費の関係等を見きわめ、可能な限りこの施設を整備して雪国の冬の道路の安全確保に取り組むべきと考えます。

 そこで、県は無散水消雪施設の整備にどのように取り組んでいくのかお答えください。

 次に、道徳教育についてであります。

 昨年10月の中教審において、道徳の時間の教科化の答申があり、現在その実施に向けた準備が進められております。

 近年、若年者の犯罪やいじめなどの問題が深刻さを増す中、子供たちの規範意識や社会性の醸成のため道徳教育の必要性が高まっており、社会の一員であるという自覚を持ち、ふるさとを愛し、人を思いやる豊かな心を育てるためには、道徳教育の役割は大きいと感じております。しかし一方で、教科化に伴い、どう評価するのか、やり方によっては価値観の押しつけになるのではないかと危惧する声も上がっております。

 私は、教科化を進めるに当たっては、個人の尊厳、思想・良心の自由などの憲法的価値を十分に踏まえた上で慎重に対応していく必要があると考えます。

 そこで、県教育委員会は道徳の時間の教科化を踏まえ、道徳教育の充実にどのように取り組んでいくのかお答えください。

 次に、警察行政についてであります。

 本県では、検挙、補導される少年が平成22年をピークに減少傾向にあり、警察や関係機関、ボランティアの方々の地道な活動の成果であると感じております。

 一方、全国でも少年非行は減少傾向にあるものの、つい先日も川崎市の中学1年生上村遼太君が殺害された事件は、少年非行の現状の厳しさを示しております。改めて心から御冥福をお祈りいたします。

 本県では幸い少年による凶悪犯罪は発生していませんが、少年非行が減少する中、昨年、犯罪を犯して検挙、補導された中学生の数が高校生を上回ったと聞き、少年非行の低年齢化を懸念しております。

 県警察では、少年非行防止のためさまざまな取り組みを行っておりますが、こうした低年齢化の現状を踏まえた非行防止対策を積極的に講ずるべきと考えます。

 そこで、県警察における非行防止対策についてお答えください。

 以上で私の質問を終わります。

議長(平出孝朗君)執行部の答弁を求めます。

知事(内堀雅雄君)宮下議員の御質問にお答えいたします。

 「チャレンジ」に込めた思いについてであります。

 福島の復興はいまだ途上にあり、原子力災害特有の影が本県を覆っています。この影を吹き払い、福島を光り輝く未来へと切り開いていくことが私の使命であり、全職員一丸となり、前例のない課題に積極果敢に挑戦していくことが本県の復興には大切であります。

 また、県民の皆さんや本県を支えてくださる多くの方々とともに、福島からこのチャレンジのうねりを広げ、さらにそれを国内外に力強く発信していくことが復興への大きな力になると考えております。

 このため、新年度はロボット関連産業革命の地を目指す取り組みや未来を担う子供たちの創造力を育む事業、風評と風化の2つの逆風に立ち向かう取り組みなどをチャレンジふくしま事業と位置づけ、私自身が先頭に立って、「現場主義」と「進取果敢」の精神のもと、全力で取り組んでまいります。

 「ふくしまから“チャレンジ”はじめよう!」の合い言葉を掲げ、多くの方々とこうした思いを共有しながら、福島に生まれたこと、住んでいることを誰もが誇りに思える新しい福島を創造してまいる考えであります。

 その他の御質問につきましては、副知事等から答弁いたさせます。

副知事(鈴木正晃君)お答えいたします。

 風評・風化対策監の部局連携機能につきましては、風評払拭と風化防止は全庁を挙げて取り組んでいく課題であることから、風評・風化対策監を新生ふくしま復興推進本部事務局の構成員とし、各部局との総合調整機能を発揮させるとともに、新たに設置するプロジェクトチームなどを通じて、風評・風化対策に係る幅広い施策や事業を有機的に連携させ、より一体的な取り組みと効果的な情報発信を展開してまいる考えであります。

 次に、復興予算の円滑な執行につきましては、事業を実効性あるものとし、本県の復興・再生をさらに加速させる上で極めて重要であると認識しております。

 このため県といたしましては、これまで復旧・復興に係る公共事業や市町村除染事業等に債務負担行為を活用し、早期発注や切れ目のない事業執行に努めるとともに、国からの交付金等について、複数年度の事業充当やより弾力的な運用を国に対して強く要請してまいりました。

 今後ともこれらの取り組みとあわせて事業の適切な進行管理を行い、引き続き復興予算の円滑な執行に努めてまいります。

 次に、執行体制の強化につきましては、これまでも既存事業の見直しや事務の簡素効率化、業務量の変動に応じた職員の再配置などに取り組むとともに、正規職員の増員や任期付職員の採用、さらには他県等応援職員の受け入れなどにより、必要な人員の確保に努めてきたところであります。

 今後とも復興・再生の進捗状況や中長期的な業務量を見きわめながら業務執行体制の効率化等に取り組むとともに、適正な人員配置に努めてまいる考えであります。

 次に、民間企業等の外部人材につきましては、現在観光復興や復興公営住宅の整備、環境回復に係る研究などの分野において受け入れているところであり、民間企業等で培った専門的知識やノウハウ、人脈を生かし、事業の企画立案、関係団体との調整、現場での指導助言、さらには業務の円滑な推進や職場の活性化等に成果を上げているところであります。

 今後とも外部人材の有する専門性等は本県の復興・再生を進める上でも有効であることから、受け入れを継続してまいる考えであります。

 次に、市町村職員のメンタルヘルス対策につきましては、各市町村がそれぞれ個別相談や研修会開催等の取り組みを行う中、県といたしましては、自治研修センターにおける研修を初め市町村共済組合や地方公務員災害補償基金が実施する各種事業等の利用促進を図ったほか、今年度初めて県主催による市町村職員向け研修会を開催しました。

 新年度におきましては、市町村独自の取り組みへの支援のほか、県主催研修会の階層別の実施や開催回数の増など内容を充実し、今後とも市町村職員のメンタルヘルス対策にきめ細かに取り組んでまいる考えであります。

企画調整部長(近藤貴幸君)お答えいたします。

 避難地域における再生可能エネルギーの推進につきましては、復興加速化につなげるための仕組みづくりが重要と考えております。

 このため新たに推進母体として、県、市町村、事業者等から成る協議会を設置し、今般の国の補正予算を活用した補助制度や東京電力の送電網の活用など発電事業への支援を一体的に行うとともに、発電事業による売電益の一部を復興事業の財源に充てる仕組みを構築するなど、再生可能エネルギーによる避難地域の復興支援に全力で取り組んでまいります。

 次に、イノベーション・コースト構想につきましては、国、県が設置した各分野の検討会において、専門家の意見も伺いながら具体化の検討を進めており、今春にも一定の取りまとめを行う予定であります。

 今後国の平成28年度予算も見据え、国の推進会議における報告書や福島12市町村の将来像に県の意見がしっかりと盛り込まれるよう国と精力的に協議を行い、本構想の早期具体化に向けてスピード感を持って取り組んでまいります。

 次に、Jヴィレッジにつきましては、復興再整備計画を本年1月末に策定し、全天候型サッカー場の新設、宿泊施設の拡充、ふたば未来学園高等学校との連携などさらなる機能の充実を図り、2018年夏に1部、2019年4月までに全面営業再開を目指すこととしたところであります。

 今後は2020年東京オリンピックでの代表合宿誘致等を見据え、事故収束基地として使用されているJヴィレッジを本県復興のシンボルとして再生し、その姿を国内外に発信するとともに、交流人口の拡大や雇用の創出を図りながら、双葉地方を初め本県の元気を取り戻してまいりたいと考えております。

生活環境部長(長谷川哲也君)お答えいたします。

 新たな安全確保協定につきましては、県の廃炉安全監視協議会を協定に位置づけ立入調査等の権限を付与するとともに、適切な措置の要求や施設の新増設等を行う際の事前了解に関する県と立地町の権限を強化するなど廃炉の取り組みの監視強化を図ったところであり、県といたしましては、今回の汚染された雨水の海への流出について、協定に基づき先月27日、廃炉安全監視協議会の立入調査を実施したところであり、東京電力に対し必要な措置を速やかに講じるよう求めるなど、迅速な情報公開のもと廃炉の取り組みが安全かつ着実に進められ、周辺地域住民の安全確保が図られるよう引き続き厳しく監視してまいります。

 次に、アライグマの駆除につきましては、家屋への侵入など生活環境への被害の増加が懸念されることから、今年度県内における生息状況や捕獲調査を実施し、実態の把握に努めているところであります。

 新年度はこの調査結果を踏まえ、新たにアライグマ防除実施計画を策定するとともに、計画に基づく駆除を行う市町村に対して1頭当たり3,000円を補助する制度を創設し、積極的な駆除を推進するなど被害防止に努めてまいります。

 次に、狩猟者の確保につきましては、昨年度から免許取得者が多いわな猟免許の試験回数を年3回から5回に拡大するとともに、新規免許取得者に対して初心者講習に係る費用の一部を助成しております。

 さらに、新年度から若手狩猟者の確保のため、30歳未満の狩猟免許新規取得者に対し資材の購入に要する経費の一部として40,000円を上限に助成するとともに、銃猟免許の新規取得者に対しては教習射撃に要する経費の助成額を30,000円に増額することとし、新たな狩猟者の確保に積極的に取り組んでまいる考えであります。

保健福祉部長(鈴木淳一君)お答えいたします。

 臨床研修医の確保につきましては、本県医療全体の課題であることから、先月県立医科大学、県医師会、県病院協会との4者で構成する福島県臨床研修医対策会議を立ち上げたところであり、その中では、研修医みずからが本県を希望する取り組みとして特色ある研修プログラムの作成と指導医の確保、さらには県内外への効果的な情報発信が重要であるなどの意見が出されました。

 今後はさらに議論を深めながら対策を具体化していくとともに、専門医取得に向けたキャリア形成支援も検討するなど研修医の確保にしっかりと取り組んでまいります。

 次に、福祉・介護人材の確保につきましては、これまで就労希望者に対する介護職員初任者研修費用の負担軽減や新規就労者に対する就労支援金等の支給など、さまざまな対策を講じてまいりました。

 新年度においては、中高生の早い段階から将来の仕事として関心を持ってもらい、福祉・介護職を目指す人材の裾野が広がるよう県内7方部において介護施設などの現場を実際に体験する機会を新たに確保するほか、介護支援ロボットの展示会を開催するなど県民の理解促進にも努め、福祉・介護の人材確保にしっかりと取り組んでまいります。

 次に、介護人材の定着に向けた労働負担の軽減につきましては、介護職員の確保と離職防止を図るために非常に重要であると認識しております。

 このため新年度新たにモデル事業として、特別養護老人ホーム等を対象に介護職員が装着して使用する介護支援ロボットを試験的に導入し、労働負担の軽減効果などを検証するとともに、導入施設での見学会や今後の普及に向けたニーズ調査を行うなど働きやすい職場環境の整備に向け取り組んでまいる考えであります。

商工労働部長(星 春男君)お答えいたします。

  ロボットの普及啓発につきましては、新年度からロボットの実演や体験、子供たちによるロボットのアイデア発表、最新のロボット開発や先進的な利用事例の紹介等を行うロボットフェアを開催し、生活の中でのロボット活用の可能性や産業としての将来性を理解いただくとともに、病院や介護施設、農業、物流等さまざまな現場でのロボットの活用を支援し、その有用性を実感していただくこととしており、このような取り組みを通じてロボットの普及拡大と関連産業の集積につなげてまいる考えであります。

 次に、名工による技能の継承につきましては、これまで漆器、醸造、木造建築等、ものづくり分野の卓越した技能者407名を福島県の名工として表彰するとともに、名工の持つたくみのわざを次世代に伝えていくため、認定職業訓練校での名工による指導を通じて後継者の育成を進めております。

 また、福島県職業能力開発協会等と連携し、ものづくりマイスターとして学校や企業等への訪問指導を行うとともに、ものづくりふれあいフェア等での実演や技術指導等を行っているところであり、今後とも名工の方々や関係団体等と連携しながら本県のすぐれた技能の継承に積極的に取り組んでまいります。

農林水産部長(畠 利行君)お答えいたします。

 避難地域等における大規模施設園芸の導入につきましては、放射性物質など外部環境の影響が少なく、冬季温暖で日照時間が長い気候を生かせることから、積極的に推進する必要があると考えております。

 このため、花卉や水耕栽培の野菜を中心に、国や県独自の補助事業により情報通信システムや再生可能エネルギーなどの最新技術を取り入れた施設園芸の導入を促進してまいります。

 また、安定的な販路が確保できるよう、量販店との直接取引や契約栽培などの取り組みを支援してまいる考えであります。

 次に、新規就農者の育成確保につきましては、きめ細かな就農相談の実施や青年就農給付金制度の積極的な活用、さらには人材派遣会社を通じた農業法人への就職あっせんなどに取り組んでおります。

 今後はこれらに加え、新たに農業短期大学校革新緊急対策事業を実施し、学生みずからが主体的に農場などの一部を管理する、より実践的な農業教育を行うとともに、長期研修制度を創設することなどにより、経営感覚にすぐれた意欲ある新規就農者の育成確保に取り組んでまいります。

 次に、地域産業の6次化につきましては、地域産業を支える人材の育成と確保を重点の一つに掲げ、人づくりに取り組んできたところであり、本年で5年目を迎えた6次化創業塾での売れる商品づくりができる人材の育成や県内各方部の6次化地方ネットワークでの業種の垣根を越えた参加者相互の交流を促進してまいりました。

 今後ともこうした研修や異業種交流の場の提供に加え、各種専門家の派遣や消費者の声を広く集める事業などを通じて、みずから学び、6次化を実践できる人材の育成にしっかりと取り組んでまいります。

土木部長(松本英夫君)お答えいたします。

 橋梁の長寿命化対策につきましては、平成24年度に改定した福島県橋梁長寿命化修繕計画に基づき、県が管理する4,561橋のうち現時点で修繕が必要な1,921橋について、おおむね10年間を目標に橋桁のひび割れ修繕や塗装の塗りかえなどを計画的に実施しているところであります。

 今後とも予防保全の考え方に基づき、5年で一巡する定期的な点検とその結果を踏まえた計画の更新を行いながら、効率的かつ効果的な対策を実施することにより橋梁の長寿命化に向け適切な維持管理に取り組んでまいります。

 次に、通学路の安全対策につきましては、計画的な歩道整備に加え、学校関係者、警察及び道路管理者が連携した緊急合同点検の結果に基づき、児童生徒への安全教育、道路標識やガードレールの設置などさまざまな対策に取り組んできたところであります。

 この一体的な取り組みを継続するため、今後は各市町村が策定を進めている通学路交通安全プログラムに基づき定期的な合同点検と効果検証を積み重ね、ソフト・ハード対策の改善と充実を図り、通学路の安全確保に取り組んでまいります。

 次に、無散水消雪施設につきましては、除雪や散水による消雪に比べ、路面凍結や水はね等が抑制されるなど安全性や快適性にすぐれる一方、舗装面全体を電気や灯油等で温める仕組みのため、建設費や維持管理費が割高になることから、気象特性や交通量、沿道状況等を総合的に勘案し、整備を進めてきたところであります。

 今後とも冬期の交通事故が懸念される急勾配箇所や観光客等による歩行者が多い箇所などの整備効果の高い箇所を優先して整備を進め、冬期交通の安全確保に努めてまいります。

原子力損害対策担当理事(伊藤泰夫君)お答えいたします。

 営業損害の賠償につきましては、逸失利益の1年間分を賠償して終期とする素案の考え方は納得できるものではなく、原子力損害対策協議会としてその見直しを求めてきたところであります。

 県といたしましては、現在避難指示区域外における営業損害の賠償で行われていない一括払いも含め、事業の早期の再建につながる賠償がなされるよう引き続き取り組むとともに、国に対しさらなる事業再建策等の実施を求めてまいります。

 次に、避難指示区域外の商工業等に係る営業損害の賠償につきましては、本年3月以降においては、事業者の減収と事故との相当因果関係の有無を確認した上で賠償を行うとの素案が示されておりますが、県といたしましては、事業の早期再建の視点を踏まえ、その確認を簡易な手法で柔軟に行うとともに、個別具体的な事情にも誠意を持って対応するよう求めているところであります。

 引き続き被害者の立場に立った賠償がなされるよう取り組んでまいります。

避難地域復興局長(樵 隆男君)お答えいたします。

 市町村が計画する復興拠点につきましては、地域の復興と住民の帰還に向けた足がかりとなる重要な拠点であると考えております。

 県といたしましては、市町村によって置かれている状況に違いがあることから、それぞれの意向を丁寧に確認しながらその整備を積極的に支援するとともに、復興拠点相互の補完と広域的な連携を図ることにより避難地域全体が発展していく地域構造を目指してまいりたいと考えております。

文化スポーツ局長(鈴木千賀子君)お答えいたします。

 文化資源を活用した地域の活性化につきましては、地域に育まれた文化は地域の経済や社会を支えるよりどころとして重要な役割を果たしております。

 このため、民俗芸能の発表の場の確保や地域の文化資源をアートを介して磨き上げ、発信する取り組みなどを行っており、これにより新たなにぎわいが生まれ、地域の魅力に対するさらなる自信と誇りにつながっていると考えております。

 今後も地域の文化資源を掘り起こし、魅力や価値を高める取り組みを積極的に行い、地域の活性化を図ってまいる考えであります。

観光交流局長(五十嵐照憲君)お答えいたします。

 伝統的工芸品の販路拡大につきましては、県内には各地域の生活文化に育まれ熟練のわざにより生み出された魅力あふれる伝統的工芸品が多数あることから、これまで全国各地での物産展や日本橋ふくしま館などでの展示販売、さらには国内外の展示商談会等への出展やアドバイザーを活用した商品開発等に対する支援などを行ってまいりました。

 今後はこれらの取り組みに食とあわせたプロモーションや新たな技術との連携等の視点を取り入れ、県民が大切に守り伝えてきた伝統的工芸品のさらなる販路拡大に取り組んでまいります。

 次に、地域の文化を活用した観光の振興につきましては、デスティネーションキャンペーンにおいて全市町村から収集した約3千の観光素材の磨き上げを行ってまいりました。

 今後も本県の美しい自然や歴史のみならず、伝統芸能や祭事等の地域に伝わる文化や本県の誇る日本酒、郷土料理、B級グルメも含めた食文化などを観光素材として、市町村や地域の観光団体などと協力しながらさらなる掘り起こしや専門アドバイザーによる一層の磨き上げに取り組むなど、積極的に観光振興に活用してまいる考えであります。

教育長(杉 昭重君)お答えいたします。

  ふたば未来学園高等学校の指導体制につきましては、生徒一人一人の夢や希望にしっかりと寄り添い、未来を創造していく力を育む授業や生徒が主体となる課題解決型授業など先進的な教育を行うこととしており、そのために各界の第一人者など外部の人材を積極的に活用するとともに、入学定員の臨時的な増員にも十分対応できる教員数の確保に努めながら、学習指導や部活動指導などで実績のある教員を配置することにより指導体制の強化を図ってまいる考えであります。

 次に、ふたば未来学園高等学校に配置する副校長の役割につきましては、文部科学省を初めとした国との緊密な連携を図りながら中高一貫教育に係る企画立案を行うとともに、双葉郡8町村が中心となった双葉郡教育復興ビジョン推進協議会やふたばの教育復興応援団、大学など関係機関との連絡調整を中心としたコーディネーターとしての職務に従事するものであり、校長の学校運営を補佐し、新しい学校の未来を切り開いていく役割を担わせることとしております。

 次に、道徳教育につきましては、震災を経験した本県だからこそ命を大切にし、他を思いやり感謝する心を育むことが重要であり、道徳の時間の教科化の動向も踏まえ、本県独自のふくしま道徳教育資料集第1集から第3集のさらなる活用を推進するとともに、授業改善に向けた教員の研修会等を引き続き実施するほか、新たに家庭、地域との連携を図るためのリーフレットを発行するなど、福島ならではの道徳教育の充実に努めてまいる考えであります。

警察本部長(石田勝彦君)お答えいたします。

 非行防止対策につきましては、昨年、刑法犯で検挙された中学生が高校生を上回るなど非行の低年齢化が懸念され、中学生以下の子供への対策が重要と認識をしております。

 これまで学校や少年警察ボランティア等と連携した街頭補導活動を行っているほか、中学生はもとより、小学生や幼稚園児までを対象とした寸劇やクイズ等を取り入れるなど、年齢に応じたわかりやすい非行防止教室を開催しているところです。

 県警察といたしましては、引き続きこれらの活動を推進し、少年の非行防止に努めてまいります。

議長(平出孝朗君)これをもって、宮下雅志君の質問を終わります。

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