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2015年2月定例会 代表質問 杉山純一議員

印刷用ページを表示する 掲載日:2015年6月11日更新

 

杉山純一議員

議員

杉山純一

所属会派(質問日現在)自由民主党
定例会平成27年2月
質問等代表質問
委員会開催日2月23日(月曜日)

31番(杉山純一君)自由民主党の杉山純一であります。

 平成27年度の県政執行上重要な予算を審議する2月定例議会に当たり、自民党議員会を代表し質問をいたします。

 知事におかれましては2度目の定例議会でありますが、初めてとなる当初予算編成を行い、福島の復興・再生に向け大きく一歩を踏み出す大事な年であり、意義ある定例議会とならなければなりません。

 知事は福島に居を構え14年を迎えるとお聞きいたしました。

 この間、部長、副知事を歴任されましたが、福島県にとっては非常に残念であり不名誉な事件で前々知事は職を辞することとなりました。

 前知事は、あのような事件が起きた原因として、「権力の座には久しくとどまるべきではない。」として、「権不十年」を知事就任初議会において所信表明され、2期8年で知事を辞職し、内堀知事へ今後の福島県を託すことになりました。

 そこで、内堀知事は知事に就任された今、前知事が掲げた「権不十年」についてどのように考え、県政に臨むのかお尋ねいたします。

 次に、県財政についてお尋ねいたします。

 1点目は、平成27年度当初予算についてであります。

 県は、震災、原発事故から5年目となる来年度を真の復興に向けて果敢に挑戦する年と位置づけ、1兆8,994億円という県政史上最大規模となる平成27年度当初予算案を示しました。また、そのうちの震災、原子力災害対応分の予算も初めて1兆円を超えるなど、積極的な予算となったところであります。

 知事は選挙期間中、県内各地をくまなく回り、県政運営の基本方針や具体的な基本政策を掲げながら、復興に向けた思いというものを真摯に熱意を持って訴えてこられました。

 来年度予算は知事就任後初めての本格的な予算編成となりますが、県民との約束である公約を施策にしっかりと反映させ、福島の未来を知事に託した県民の期待に応え、復興を実感できるものにしていくことが重要であると思います。

 そこで、知事は選挙公約を踏まえ、平成27年度当初予算をどのような考えのもとで編成したのかお尋ねいたします。

 2点目は、今後の財政運営についてであります。

 来年度当初予算の歳出総額は過去最大規模となりますが、県はその財源不足を基金の取り崩しや県債の発行などにより確保することとしております。

 その一方で、基金残高はピーク時から減少し続け、また、臨時財政対策債を除く県債残高については、平成27年度末で9,141億円と今年度末見込みを220億円上回るなど、財政見通しは楽観できない状況であると思います。

 去る12月定例会において、県は今年度内に中期財政見通しを策定し、将来にわたる財政の健全性の確保に取り組むこととしておりますが、今後も引き続き膨大な財政需要が見込まれることから、県民の不安を払拭するためにも安定的な財源の確保と中期的な視点に立った計画的な財政運営が重要な課題であると考えます。

 そこで、今後の財政運営について、県は中期的な財政見通しを踏まえどのように財政の健全性を確保していくのかお尋ねいたします。

 次に、県の組織改編についてです。

 県は、平成26年12月議会において福島県部等設置条例を改正し、平成27年度に向け危機管理部の新設を初めとする大規模な組織改編を行うこととしております。

 これらの組織体制の強化は、いずれも我が自民党が執行部に対して求めてきたものであり、本県が抱えるさまざまな課題や複雑多様化する県民のニーズ等にスピード感を持って対応し、復興・再生を着実に前進させるものと大いに期待を寄せるところであります。

 そこで、平成27年度の組織改編に当たっての基本的な考え方についてお尋ねいたします。

 また、こうした新しい組織体制のもと、実質的な内堀県政のスタートとなる新年度に向け、知事がリーダーシップを遺憾なく発揮し、震災、原子力災害からの復興に向けて全庁一丸となって取り組んでいくためには、知事の政策判断を支援する副知事の役割が非常に重要であります。

 そこで、トップマネジメントを支える副知事の体制について、知事の考えをお尋ねいたします。

 次に、情報発信についてお尋ねいたします。

 知事も風評と風化の2つの逆風とおっしゃっておりますが、まさにそのとおりであり、大震災から5年目を迎える今にあっても風評は県民を悩ませ、また一方で、大震災及び原子力発電所の事故が県外の人々の記憶から加速度的に薄れてきております。

 原子力災害からの復興については、残念ながら相当の期間が必要であり、国内外からの多くの支えなくしてはなし遂げることが困難であります。

 県はこれまでもモニタリング結果の公表等による正確な情報の発信、県産農林水産物の魅力を伝えるテレビCm、県公式フェイスブックによる本県の今の姿を職員みずからが発信する取り組み、ふくしまデスティネーションキャンペーンに向けた県民一丸となった活動など、さまざまな手法により情報発信を行っているところでありますが、来年度は大震災から5年目を迎える節目の年度であり、これを好機として風評・風化対策を積極的に進めていくべきであると思います。

 そこで、風評払拭及び風化防止に向け情報発信のさらなる強化が必要だと思いますが、県の考えをお尋ねいたします。

 2点目は、世界に向けた情報発信についてであります。

 昨年8月には、在外県人会の方々を本県にお招きしてサミットが開催され、来る5月には、いわき市において太平洋・島サミットが開催されるなど、海外の皆さんに本県の正確な情報を届ける機会がふえているところであります。

 しかしながら、震災直後の本県に対するイメージなどから風評も根強く残っており、一部諸国における輸入規制なども続いていることから、世界に向けた情報発信がより一層重要になってきております。

 そこで、県は世界に向けた情報発信にどのように取り組んでいくのかお尋ねいたします。

 次に、地方創生についてお尋ねいたします。

 人口減少・超高齢社会を打破するため、国においてはまち・ひと・しごと創生本部を設置し、昨年12月27日に、人口の将来展望を示す長期ビジョン及びこれを実現するための5カ年計画として総合戦略を取りまとめ、閣議決定をしました。

 これを受けて、全国の地方自治体が平成27年度中に地方人口ビジョン及び地方版総合戦略の策定に向けて、各地域での取り組みが進められております。

 また、国はこの地方の取り組みを後押しするため、新たに自由度の高い交付金を創設し、地方自治体では総合戦略に先行する形で補正で対応していると聞いております。

 いずれにしても、人口減少の状況は地域によって大きく異なっており、地域が持つ強みも弱みもまちまちであります。地域の特性や主体性を考慮しない従来の一律の事業手法では功をなしません。また、地域で起きている社会経済現象の多くは、対症療法的な単発の施策に終始していては課題の解決を図ることは困難であると感じます。

 私は、地方の創生で何よりも大事なことは、人口減少が地域経済の縮小を呼び、地域経済の縮小が人口減少を加速させるという悪循環を断ち切ることであると思います。そのためには、石破大臣も申しておりますように、「今回がラストチャンスである。」との認識を持って、大胆に思い切った施策に取り組んでいくことが肝要であります。

 そこで、県は地方創生を大胆に進めるためどのように取り組んでいくのかお尋ねいたします。

 次に、イノベーション・コースト構想についてお尋ねいたします。

 政府は、当時の内堀副知事も参加されたイノベーション・コースト構想研究会の6月の最終報告を受けて、11月からロボット研究・実証拠点整備等研究会など3つの検討会を設置し、既に3回から4回の検討会が開催されていると聞いております。

 また、県においてもイノベーション・コースト構想県・市町村検討会議を設置し、15市町村や有識者の参画を得て精力的な検討を進めております。

 私は、地域経済の起爆剤として大きな期待が寄せられているこの構想を絵に描いた餅で終わらせないためには、各種拠点施設の整備と関連産業の集積を進めることによって、具体的な企業の立地や雇用の拡大に結びつけることが重要であると考えております。

 そこで、県はイノベーション・コースト構想による効果を地域経済に波及させるため、どのように取り組んでいくのかお尋ねいたします。

 次に、集中復興期間についてお尋ねいたします。

 政府は、集中復興期間を発災から5年間とし、その間の財源は25兆円とするという財源フレームを定めておりますが、5年目の平成27年度当初予算編成によって26.3兆円を確保したことは、復興を加速させようという意気込みのあらわれであると思います。

 一方で、問題は平成28年度以降の財源が確保されるか否かであります。安倍総理は、2月3日の参院予算委員会で「集中復興期間が終わっても、我々は決してとまることはない。28年度以降についても被災者の心に寄り添いながら、しっかりと対応していく。」と答弁されましたが、避難地域はもちろん、風評被害など今もなお原子力災害の影響を受け続ける福島県において、復興予算が確実に確保されるかどうかは非常に大きな問題であります。

 そこで、知事は集中復興期間の延長に向けどのように取り組んでいくのかお尋ねいたします。

 次に、避難地域の復興についてお尋ねいたします。

 1点目は、福島再生加速化交付金についてであります。

 避難地域においては、昨年4月1日に田村市都路地区、10月1日には川内村の避難指示解除準備区域の避難指示が解除されました。しかし、依然として県内避難者は約7万3千人、県外避難者は約4万6千人、合わせて約11万9千人の県民の方々が避難先での生活を余儀なくされております。

 避難地域の復興・再生の実現のためには、県内外の避難者の方々がふるさとに安心して帰還できるための環境の整備が不可欠であり、福島再生加速化交付金を十分に活用しながら復興を進めていくことが重要だと思います。市町村のこの交付金に対する期待は大きく、もっと使い勝手をよくしてほしいとの声を数多く耳にします。

 そのような中、今国会において福島復興再生特別措置法の改正法案が提出され、福島再生加速化交付金の制度が改正される見通しであります。

 そこで、県は福島再生加速化交付金の制度改正を踏まえ、避難地域の復興・再生にどのように取り組んでいくのかお尋ねいたします。

 2点目は、避難地域の将来像についてであります。

 避難地域の復興・再生のためには、我が党が昨年8月に行った「東日本大震災復興加速化のための第4次提言」にもあるように、住民の方々がふるさとへの帰還を待つか、新たな生活を選択するかを判断する材料として、避難指示区域における人口の見通し、産業振興に向けた道筋や、新たに移り住んでくる住民も視野に入れた中長期かつ広域的な視点でのまちづくりを明確に示すことが大切であります。

 そこで、県は避難地域の将来像をどのような考え方に基づき策定していくのかお尋ねいたします。

 次に、避難者支援についてお尋ねいたします。

 まず、避難者との直接交流を踏まえた今後の対応についてであります。

 県内外には、避難指示区域から避難されている方や放射線への不安から自主的に避難されている方など、今なお多くの県民の方々が避難生活を続けております。その一方で、県内においては震災から間もなく5年目を迎え、復興に向けたインフラ整備や除染などが着々と進められております。

 私自身は、自主的に避難されている方々を含め、県外に避難されている方々には早く福島県に戻ってきてほしいと切に願っており、災害救助法による住宅支援についても終了時期を検討しなければならない時期が来ているのではないかと感じております。

 そのような中、知事におかれましては就任以来県内の仮設住宅や山形県を初め県外にも精力的に訪問し、避難者の方々と直接お会いし、お話をされましたが、多くの避難者の思いを聞くことは、今後の避難者支援を進めていく上で大変重要なことであると思います。

 そこで、知事は避難者との懇談を踏まえ、避難者支援にどのように取り組んでいくのかお尋ねいたします。

 2点目は、避難者の見守り支援についてであります。

 原子力災害等により県内外への避難を余儀なくされている皆さんが将来の見通しを立て、自立的な生活再建の道を歩めるようにするための環境づくりが喫緊の課題となっており、県では生活支援相談員を大幅に増員するなどの対応をとられていると聞き及んでいるところであります。

 また、復興公営住宅の整備のおくれもあり、避難生活の長期化や孤立化も心配され、さらなる支援が重要であると考えております。

 そこで、県は避難者への相談支援をどのように強化していくのかお尋ねいたします。

 3点目は、復興公営住宅の整備についてであります。

 復興公営住宅は、先月30日に整備見通しが公表されました。これによれば、昨年8月の公表内容では平成28年度末までに4,890戸すべての完成予想としていたものが、平成29年度へと完成がずれ込む住宅が1,004戸に上ります。

 仮設住宅での生活が長期に及んでおり、一日も早く公営住宅への入居を希望している皆さんの思いを考えると、整備を加速して、できる限り早い入居を目指していかなければなりません。

 そこで、県は復興公営住宅の整備を加速するためどのように取り組んでいくのかお尋ねいたします。

 また、復興公営住宅の入居時期がおくれる場合、入居できるまでの間、仮設住宅等での不安定な生活がさらに長期にわたることから、入居を待っている方々に対するしっかりとした支援が重要となります。

 そこで、復興公営住宅の入居希望者への支援策について県の考えをお尋ねいたします。

 次に、東京オリンピック・パラリンピック関連事業についてお尋ねいたします。

 2020年に開催が決定した東京オリンピック・パラリンピックは、東日本大震災からの復興も開催理念として掲げております。

 このため、教育・文化プログラム、被災企業への優先発注、事前合宿など、被災地の復興に役立てる関連事業の実施が予定されており、地震、津波、そして原子力発電所事故により甚大な被災を受けた我が県にとっても、県民にとっても、復興に向けての大きな力となるものと期待しております。

 昨年6月には関連事業の推進についての共同文書を県と大会組織委員会との間で取り交わし、また、7月には組織委員会内に被災地復興支援連絡協議会が設置され、関連事業の具体的な検討が進められていると聞いております。

 さらには、大会組織委員会は事前合宿候補地を全国市町村から募集するための要項をことし1月に公表したところであり、さまざまな条件もあるとは思いますが、今後県においても関連事業の実現に向け積極的な取り組みや活動が重要であると考えております。

 そこで、事前合宿の誘致など東京オリンピック・パラリンピック関連事業の実現に向けた県の取り組みについてお尋ねいたします。

 次に、民俗芸能についてお尋ねいたします。

 1月16日に国の文化審議会が、喜多方市と会津美里町に伝承される県指定無形民俗文化財「会津の御田植祭」を記録作成等の措置を講ずべき無形の民俗文化財に選ぶよう下村文部科学大臣に答申いたしました。改めて民俗芸能など地域に伝わる伝統文化の価値や継承の重要性を感じたところであります。本県は、神楽や田楽など数多くの多彩な民俗芸能の宝庫であり、長い間地域のコミュニティーの核として人々に受け継がれてきました。

 しかしながら、東日本大震災と原子力発電所の事故により担い手が各地に避難したことなどにより、継承の危機にある団体が少なくありません。特に浜通りではその傾向が強く、「人の心をつなぐ祭りがなくなれば、ふるさとがなくなってしまう。」と言う方がおられます。

 多くの方々に民俗芸能が果たしている役割の重要性に目を向けていただき、生まれ育ったふるさととのきずなを育むためにも、本県の貴重な財産である各地の民俗芸能を世代を超えて受け継いでいくことが必要であると思います。

 そこで、民俗芸能の継承に向けた県の取り組みについてお尋ねいたします。

 次に、除染の推進についてお尋ねいたします。

 原発事故から間もなく丸4年を迎えようとしている中で、市町村除染については、昨年12月末現在で、今年度末までの計画数に対して住宅除染では約63%の進捗率であります。除染は復興の基盤であり、これまで以上にスピード感を持って除染を進めていく必要があります。

 そこで、県は市町村除染の一層の推進を図るためどのように取り組んでいくのかお尋ねいたします。

 また、県では実用可能で効果的な除染技術について実証事業を行い、国のガイドラインに採用されるなどの成果が得られていると聞いております。このような効果的な除染技術については、市町村間で情報共有を図ることが重要であると考えております。

 そこで、効果的な除染技術の普及にどのように取り組んでいくのかお尋ねいたします。

 次に、環境創造センターについてであります。

 本県の環境回復・創造のための中核拠点として三春町と南相馬市に整備が進められている本センターは、県内のきめ細やかなモニタリングや除染技術の開発など調査研究を行うほか、情報収集・発信、教育・研修・交流に関する事業を行うと聞いております。

 本県の復興・再生をなし遂げるためには、放射線に関する課題を技術的に解決するための調査研究の取り組みも重要と考えますが、県民が安心して生活し、福島の明るい未来を切り開くための子供たちを初めとする教育等の取り組みや、福島に対する風評を払拭するための情報発信等も大切であります。こうした取り組みを担う三春町施設の交流棟が果たすべき役割に、県民も大いに期待しているところであります。

 そこで、環境創造センター交流棟において本県の環境回復・創造にどのように取り組んでいくのか、県の考えをお尋ねいたします。

 次に、中間貯蔵施設についてお尋ねいたします。

 中間貯蔵施設の整備については、昨年の12月に大熊町、先月には双葉町からそれぞれ建設受け入れ表明がなされました。

 このことは、施設の立地によって長期にわたり大きな負担を強いられることになる大熊、双葉の2町にとってまさに苦渋の決断であり、心から敬意を表するとともに、本県復興に対する思いを強くしたところであります。

 現在の中間貯蔵施設を取り巻く状況は、県及び関係自治体が搬入受け入れをどのように判断するかという段階にあります。

 これまで搬入受け入れ判断に関する5項目の確認事項については、知事も実務的に協議を進めている旨を発信してこられましたが、今月8日に国から5項目に対する回答がなされたところであります。

 中間貯蔵施設は、本県の一日も早い環境回復、復興のために大変重要な役割を果たす一方、施設整備を初めとして、施設への県内全域からの輸送もこれまでに例のない事業であり、安心・安全を確保しながら進める必要があることも承知しておりますが、これまでの経過も踏まえて、県としての判断を示すべき時期に来ていると考えています。

 そこで、知事は国から回答があった5項目の内容についてどのように受けとめ、今後どのように対応するのかお尋ねいたします。

 また、中間貯蔵施設が搬入開始から県外最終処分が完了するまで最長30年の長期間に及ぶということは、そうした施設を抱えながら住民の帰還や地域の復興に取り組む地元自治体にとって、施設に対する安全・安心の確保が何より重要になるものと考えております。

 県は確認項目の一つとして、大熊町・双葉町との安全協定案の合意を掲げておりますが、国から示された安全協定案について県の考えをお尋ねいたします。

 次に、福島第一原子力発電所の廃炉に向けた取り組みについてお尋ねいたします。

 廃炉は今後30年から40年もの長期にわたると言われており、廃炉が安全かつ着実に進められていくことが本県における最優先課題の一つであります。

 しかしながら、これまでの廃炉の取り組みについては、四号機の使用済み燃料の取り出しが完了するなど一定の進捗があったものの、多核種除去設備等によるタンク内汚染水の年度内処理が完了できないなどのおくれも出てきております。

 また、廃炉を安全に進めていくためには、作業員の安全の確保が重要でありますが、福島第一原発及び福島第二原発において作業員の死亡事故が相次いで発生するなど、県民のさまざまな不安を招いているところであります。

 こうした不安を解消するためにも、県は廃炉の取り組みや作業員の安全確保についてしっかりと監視し、その確認した内容を県民に適切に伝えていくことが重要であると考えます。

 そこで、県は廃炉に向けた取り組みについてどのように監視を強化し、確認した内容を県民に伝えていくのかお尋ねいたします。

 次に、原子力損害賠償についてです。

 国と東京電力は昨年末、商工業等に係る営業損害について、本年3月以降は逸失利益の1年間分を一括して賠償して打ち切るとの素案を明らかにしました。

 この素案に対し、被害の現状からかけ離れているとして、県内の事業者から一斉に打ち切り反対の声が上がっております。

 甚大な被害を受けた原子力災害から本県が力強く復興を果たしていくためには、事業者が事業を早期に再建し、自立、発展していくことが不可欠であり、営業損害の賠償はその大前提となることから、我々自民党県連としても独自に国と東京電力に要望・要求を行い、事業者等の意向を十分に反映した賠償を行うよう求めてきたところであります。

 そこで、県は商工業等に係る本年3月以降の営業損害の賠償について、国及び東京電力の素案をどのように受けとめ、今後どのように取り組むのかお尋ねいたします。

 次に、JR常磐線及び只見線の全線復旧についてお尋ねします。

 JR常磐線については、昨年6月に広野~竜田駅間の運行が再開され、相馬~浜吉田駅間では平成29年春ごろの運転再開を目指していると聞いております。さらに、竜田~原ノ町駅間で1月末に代行バスの運行が開始されるなど、復旧に向けた動きが見えてきたところです。

 常磐線は、国道6号、常磐自動車道とともに東北沿岸部と首都圏をつなぐ大動脈であり、浜通りの復興加速、さらには住民の帰還に向けた環境を整えるためにも、常磐線の早期全線復旧は必要不可欠であります。

 また、JR只見線についても会津川口~只見駅間で代行バスにより輸送が続いておりますが、只見線は通勤通学や観光等を支える重要な交通基盤であり、本県と新潟県、さらには首都圏を結ぶ鉄道路線として防災上も極めて重要な役割を担っており、地元の鉄道復旧にかける思いも強いことから、鉄道による早期の全線復旧が強く望まれるところであります。

 そこで、県はJR常磐線及び只見線の早期全線復旧に向けどのように取り組んでいくのかお尋ねいたします。

 次に、火山防災についてお尋ねいたします。

 昨年9月に御嶽山が噴火して以来、火山災害につきましては関心が高まっております。本県でも吾妻山の噴火警戒レベルが12月12日にレベル1の平常からレベル2の火口周辺規制に引き上げられ、その後も仙台管区気象台が火山の活動状況について定期的に発表し、防災上の警戒を促しております。

 火山は突発的な噴火により危険な状況になる場合もあることから、県民が火山災害はどのようなものかを知り、地元の火山への理解を深めることが重要であると思います。

 そこで、県は火山防災の普及啓発にどのように取り組んでいくのかお尋ねいたします。

 次に、若者の活躍促進についてお尋ねいたします。

 東日本大震災による厳しい状況にありながら、本県の若者たちは文化活動やスポーツなど幅広い分野で目覚ましい活躍を見せており、その姿は復興に向かう県民に勇気を与えてくれます。今後さらなる復興を進めていく担い手はまさに若い世代であり、若者が将来に夢や希望を持ち、生き生きと活躍できる環境をつくっていくことが重要であります。

 そこで、県は将来の地域のリーダーとなる若者の活躍を促進するためどのように取り組んでいくのかお尋ねいたします。

 次に、子育て支援についてお尋ねいたします。

 1点目は、子育て支援の基本的な考え方についてであります。

 知事は、「子供のための政策は未来づくり政策の1丁目1番地」と、本県の子育て環境づくりへの意気込みを強調されてきましたが、27年度当初予算においては、こども未来局の新設を初めとして、早速それを反映させたものになっており、今後の施策の展開が大いに期待されるところであります。

 そこで、県が進めていく子育て支援の基本的な方針について知事の考えをお尋ねいたします。

 2点目は、若者への結婚支援についてであります。

 本県の平成25年の合計特殊出生率は1.53と、震災前の水準に回復しました。これは、本県の復興の明るい兆しとして喜ばしいことでありますが、人口を維持するために必要とされる合計特殊出生率の2月07日を確保するには、少子化対策をより一層強化していく必要があります。

 例えば身近なところを見ても、県庁職員にも多く独身者が見受けられるところであります。こうした県内の若者に対して、出会いの機会の創出や結婚を応援する取り組みを進めることが本県の少子化対策として効果的であると思います。

 そこで、県は若者への結婚支援にどのように取り組んでいくのかお尋ねいたします。

 次に、周産期医療についてであります。

 全国的に周産期医療を担う産婦人科医や小児科医が不足していると言われている中で、昨年12月、日本産科婦人科学会と日本産婦人科医会が共同で行った産婦人科医等の勤務実態調査結果を公表しましたが、そこでは、本県や岩手県、茨城県など12県は若手産婦人科医が特に少なくなっております。

 本県では年々分娩を取り扱う医療施設が減少しており、「県民が安心して子供を生み育てる環境づくり」を進める本県にとって、分娩取扱医療施設の確保や周産期医療体制の強化を図ることが最も重要であり、そのために周産期医療を担う産科医や小児科医の確保は喫緊の課題であります。

 そこで、県は周産期医療を担う医師の確保にどのように取り組んでいくのかお尋ねいたします。

 次に、産業の振興についてお尋ねいたします。

 まず1点目は、「ロボット関連産業革命の地ふくしま」の実現についてであります。

 国は、先日ロボット革命実現会議においてロボット新戦略を策定し、ロボット産業を世界をリードする我が国の成長産業に位置づけ、また、社会のあらゆる場面にロボットの導入を進め、世界一のロボット利活用社会を目指すこととしております。

 県におきましても、これまで進めてきた再生可能エネルギーや医療関連産業の集積に加え、新たな産業分野としてロボット産業の集積に取り組むとともに、県民生活の中へロボットを積極的に導入し、「ロボット関連産業革命の地ふくしま」を目指すと聞いております。

 そこで、知事は「ロボット関連産業革命の地ふくしま」の実現に向けどのように取り組んでいくのかお尋ねいたします。

 2点目は、被災中小企業への支援についてであります。

 県内経済においては、復興需要などにより着実に持ち直しの動きが見られるものの、円安による原材料コストの増加などの影響により一部の企業にとっては厳しい状況となっております。

 また、本県の製造品出荷額については、平成25年は約4月8日兆円で東北第1位でありますが、震災で大きな被害を受けた宮城県や岩手県では既に震災前の水準を超えております。しかし、本県では震災前の約94%にとどまっている状況であります。

 これは、津波被害や原子力災害に伴い事業再開できていない企業が多く残っており、加えて、事業再開後も取引先の喪失や従業員を十分に確保できていないことなどが原因となっているのではないでしょうか。

 そこで、県は被災中小企業への支援にどのように取り組んでいくのかお尋ねいたします。

 3点目は、再生可能エネルギー関連産業の育成・集積についてです。

 震災で大きな打撃を受けた産業と経済を立て直すため、県ではこれからの成長産業として、再生可能エネルギー関連産業の育成・集積に向けた取り組みを進めているところであります。これまでの県の取り組みにより、その成果が目に見えるようになってまいりました。

 特に昨年は、独立行政法人産業技術総合研究所の福島再生可能エネルギー研究所が開所するなど、関連産業の育成・集積に向けた環境整備が大きく前進したものと思われます。

 このような中、再生可能エネルギー先駆けの地を目指す本県としては、これまでの取り組みを総括しながら、今後関連産業を本格的に本県に根づかせるためのさらなる取り組みを進める必要があると考えます。

 そこで、再生可能エネルギー関連産業の育成・集積に関する成果と今後の取り組みについてお尋ねいたします。

 4点目は、医療機器関連産業の集積についてであります。

 福島県はこれまでさまざまな施策や支援を通じて医療機器関連産業の集積を進め、医療機器生産額も年々増加し、平成25年には1,245億円となり、都道府県別では全国第3位になるなど、成果も徐々にあらわれ始めているところであります。

 私は、本県の産業の復興に向けて医療機器関連産業はその核となり得るものと考えており、その振興をさらに進めていくことが必要だと思います。

 そこで、県は医療機器関連産業の集積にどのように取り組んでいくのかお尋ねいたします。

 次に、就労支援についてお尋ねいたします。

 本県の人口は1998年から減少傾向にありますが、特に若い世代の県外への人口流出が著しくとなっており、その原因の一つとして進学等により県外へ転出する若者が多いことが挙げられます。

 また、本県の最近の雇用情勢を見ますと、昨年12月現在の有効求人倍率が1.52倍、就業地別では全国1位の1.78倍となり、多くの業種で人材確保が困難な状況が見受けられます。

 人口流出に歯どめをかけ、本県産業の復興に不可欠な人材を確保するためには、県外へ転出した若者のみならず幅広い年齢層の県内企業への就職を促進することが極めて重要であります。

 そこで、県は県外へ転出した若者等の県内への就職支援にどのように取り組んでいくのかお尋ねいたします。

 また、人口減少・少子高齢化が進行する中、生産年齢人口の減少に対応するためには、誰もが働く意欲と能力の発揮を通じて、経済的自立、生活水準の向上、社会参加、生きがいを追求できる全員参加の社会を実現することが重要となっております。

 特に女性は、結婚や出産などを機に離職する割合が高く、30歳代の就業率が低下している状況にあることから、女性が結婚・出産後も継続して働き活躍することができ、また、離職した場合でも円滑に再就職し活躍できるよう支援していくことが必要であると思います。

 そこで、県は女性の活躍を促進するための就労支援にどのように取り組んでいくのかお尋ねいたします。

 次に、福島空港についてお尋ねいたします。

 福島空港を取り巻く環境は、東日本大震災及び原子力発電所事故の影響により中国及び韓国路線の運休が続くなど、依然として厳しい状況にあります。

 引き続き本県の復興、風評払拭を進めていくためには、国内外を問わず多くの方々に本県にお越しいただき、実情を認識してもらうことが何より大切であり、そのためには本県の空の玄関口となる福島空港の路線の
充実を図ることが必要であると思います。

 そこで、県は福島空港の路線の維持・拡充にどのように取り組んでいくのかお尋ねいたします。

 次に、農林水産業の振興についてお尋ねいたします。

 本県農業の復興・再生への取り組みについてであります。

 大震災及び原子力災害から間もなく5年目を迎えます。この間、農業者を初めとする関係者の努力により、川俣町や飯舘村、富岡町など避難指示を受けた地域において一部農作物の出荷が再開したほか、シンガポールやインドネシアへの米の輸出など、復興・再生に向けた明るい話題が見えてきています。

 しかし、いまだ避難により多くの農業者の方々が事業を中断している状況や根強く残る風評、さらに26年産米価格の下落による稲作農家の営農意欲の低下などを考えると、これからが正念場であると強く感じております。

 そこで、本県農業の復興・再生をどのように進めるのか、県の考えをお尋ねいたします。

 次に、新規就農者の確保に向けた農業短期大学校の機能強化についてであります。

 農業者の減少や高齢化が進む中、私は特に新規就農者の確保を積極的に推進していく必要があるものと思います。本県では、農業教育機関として農業短期大学校がありますが、今後新規就農者の確保に向けては、この農業短期大学校の果たす役割はますます大きくなるものと考えております。

 そこで、県は意欲ある新規就農者の確保に向け、農業短期大学校の機能強化にどのように取り組んでいくのかお尋ねいたします。

 次に、本県の水田農業の振興についてであります。

 26年産米については、全国的な豊作基調と消費量の減少から米価が大幅に下落し、県内の稲作農家からは今後の安定した経営を心配する声が聞かれます。

 本県は全国有数の米生産県であり、広大な県土保全の意味からも、今後の水田農業をどのように振興していくかが重要な課題と考えております。

 そのような中、県は関係機関・団体と連携し、昨年12月、福島県の水田農業の振興方策を策定したところであり、私としても、今後この方策に沿った具体的な施策の展開を大いに期待するところであります。

 そこで、本県の水田農業をどのように振興していくのか、県の考えをお尋ねいたします。

 次に、新たな木材需要の創出についてであります。

 本県は、原発事故による放射性物質等の影響により森林整備の停滞を余儀なくされ、森林の多面的機能が十分に発揮されないことが心配されております。一方、林業関係者の努力などにより、現在の県内の木材生産量は震災前の状況に戻りつつあります。

 こうした中、先月会津若松市において、直交集成板、いわゆるCltに関するシンポジウムが開催されました。このような新技術がさらなる木材需要を創出していくことは、林業の成長産業化を牽引するとともに、森林の公益的機能の発揮につながり、本県の復興・再生を強く後押しするものと大きな期待を寄せています。
 そこで、県は新たな木材需要の創出にどのように取り組んでいくのかお尋ねいたします。

 次に、漁業の復興を図るための「いわき丸」の活用についてであります。

 東日本大震災では、多くの漁協施設、漁船及び県の施設が被災いたしました。

 しかしながら、国の支援事業の活用や漁業関係者の努力により、漁港や漁協施設、漁船などの復旧が進められており、小名浜の魚市場が昨年11月に竣工するなど漁業の生産基盤が整いつつあります。

 一方、試験操業においては対象魚種が58種類まで拡大されてきているものの、平成26年の水揚げ量は740トンと震災以前の平成22年に比べると約3%にとどまるなど、漁業復興への道はまだ遠いと感じております。

 このような中、昨年10月に津波で沈没した県水産試験場の「いわき丸」が新たに就航いたしました。本県漁業復興の希望の光になると考えております。

 そこで、県は漁業の復興を図るため、「いわき丸」をどのように活用していくのかお尋ねいたします。

 次に、地域産業の6次化の推進についてであります。

 本県の農林水産業のさらなる振興及び復興のためには、地域産業の6次化の推進が重要と考えております。しかし、農林漁業者は高品質でおいしい商品をつくることはできても、販路の開拓に苦労しているのが現状であると感じています。

 そこで、地域産業の6次化の推進に当たり、販路開拓をどのように支援していくのか、県の考えをお尋ねいたします。

 次に、県産農林水産物の風評対策についてであります。

 消費者庁が昨年公表した風評被害に関する消費者意識の実態調査によりますと、およそ2割の方が「福島県産品の購入をためらう。」と回答し、県の消費者団体の調査におきましても、1割弱の県民が「県産の原材料を使用した加工品をほとんど買わない。」と回答しております。以上の調査結果が示すように、県産農林水産物の消費動向は今なお根強い風評の影響があるものと感じております。

 県はこれまで知事を先頭にさまざまな取り組みを展開されてこられましたが、私は、風評払拭には長い時間がかかると思っており、県を挙げて継続した取り組みを粘り強く積み上げることが何よりも大事ではないかと考えております。

 そこで、県は県産農林水産物の風評対策にどのように取り組んでいくのかお尋ねいたします。

 次に、道路整備についてお尋ねいたします。

 1点目は、浜通りの復興に向けた道路整備についてであります。

 避難住民の早期帰還や地域経済の再生、産業の再構築を市町村とともに進める本県においては、災害に強く信頼性の高い道路ネットワークの構築が不可欠であります。

 中間貯蔵施設への除去土壌等の輸送が始まる一方で、特に浜通りの各市町村においては復興計画に基づくまちづくりが動き出していることから、復興を力強く加速させていくためにも基盤となる道路整備をしっかりと進めることが重要であると、私は強く認識しているところであります。

 そこで、県は浜通りの復興に向け道路整備にどのように取り組んでいくのかお尋ねいたします。

 2点目は、県道布沢横田線についてであります。

 平成23年7月の新潟・福島豪雨災害では、会津地方を中心に甚大な被害を受け、国道252号を初め多くの道路が通行どめとなり、災害時における救助、救急、消防活動及び緊急物資の輸送などに多大な影響を及ぼしました。

 国道252号につきましては、二本木橋の復旧や滝トンネルの完成など着実に整備が進められております。

 しかし、被災時に国道の回路として活用され、その重要性が再認識された県道布沢横田線につきましては未整備区間が多く残っており、特に峠部は急な坂道が続き、幅も狭く、車のすれ違いに支障を来していることから、早急な整備が必要であります。

 そこで、県道布沢横田線について、整備状況と今後の取り組みについてお尋ねいたします。

 次に、教育行政についてお尋ねいたします。

 我が国の教育委員会制度は、これまで首長から独立した合議制の執行機関として、戦後一貫して教育の政治的中立性の確保、継続性・安定性の確保、地域住民の意向の反映のため機能を果たしてきました。

 しかし、一方で少子高齢化の進展や経済的な豊かさの実現など社会が成熟する中、子供をめぐる環境も変化しており、特に家庭や地域の教育力の問題や学力・体力の低下など多くの課題が指摘されております。また、いじめのような社会問題や所得の格差、地域間格差などによる子育て環境の格差も問題となっております。
 このように昨今の教育、子育ての問題は、学校といった教育の現場の改革だけで解決するようなものではなく、行政、教育現場、家庭、地域が一体となって取り組んでいかなければならないのが現状であります。

 こうした状況を受け昨年、いわゆる地方教育行政法が改正されました。来年度から施行されるこの新しい制度は、教育行政における責任を明確化させるとともに、地域の民意を迅速に反映させるため首長との連携を強化する内容となっております。

 その具体的な中身として首長と教育委員を構成員とする総合教育会議が設置されることとなり、今までよりも自治体の長の教育へのかかわり、ビジョン、責任が問われることとなります。

 そこで、知事はこの総合教育会議を活用してどのように本県の子供の育成を図っていくのかお尋ねいたします。

 次に、公立小中学校における児童生徒の学力向上についてであります。

 全国学力・学習状況調査や県学力調査において、本県の小中学校の子供たちの結果は全国レベルを超えている教科もある一方、そのレベルに達していない教科もあります。

 本県が震災からの復興を力強く推進していくために、また、子供たちが自分の夢を実現できるよう、子供たちの学力を向上させることが非常に重要であると考えております。

 そこで、県教育委員会は学力調査の結果を踏まえ、公立小中学校における児童生徒の学力向上にどのように取り組んでいくのかお尋ねいたします。

 次に、高校生の学力向上についてであります。

 本県の高校生の進路状況を見ますと、この春卒業予定生徒の12月末現在の就職内定率が過去10年間で最高となるなど、就職面において改善は見られるものの、大学進学率についてはいまだ全国平均を下回る状態であります。すべての高校生にとって、自分が希望する進路を実現するためには学力の向上が不可欠であります。

 そこで、県教育委員会は県立高等学校における生徒の学力向上にどのように取り組んでいくのかお尋ねいたします。

 次に、児童生徒の体力向上に向けた取り組みについてであります。

 屋外活動の制限や長引く避難生活に伴う運動不足等による児童生徒の体力低下が課題となっております。昨年11月に公表されました平成26年度全国体力・運動能力、運動習慣等調査の結果を見ますと、一部の学年で昨年度の結果を上回るなど改善傾向は見られるものの、小学校5年生、中学校2年生の男女ともに全国平均を下回っており、依然として震災前のレベルまで回復していない状況にあります。

 体力は、児童生徒の望ましい発育・発達を促し、生涯にわたる健康を築くための基盤であることから、体力の向上を図るため一層充実した取り組みが必要であると考えます。

 そこで、県教育委員会は児童生徒の体力の向上にどのように取り組んでいくのかお尋ねいたします。

 次に、教職員の不祥事根絶についてであります。

 本県児童生徒が震災や原発事故を乗り越え、さまざまな場面で活躍する姿は県民の大きな希望であり、福島が未来に向けて前進するエネルギーとなっています。

 しかしながら、私が決して許せないのは、児童生徒を教え導くべき教職員による重大かつ悪質な不祥事が絶えないことであります。つい先ごろも教諭が酒気帯び運転により検挙され、また、教職員を指導するべき立場にある校長が不適切な会計処理を行っていた事案が明らかになりました。

 これらのことは、県民が一丸となって復興に取り組んでいる中、その思いを裏切る行為であります。県教育委員会は、あらゆる手だてを尽くして、児童生徒及び保護者を初めとする県民の信頼を回復することが急務であります。

 そこで、教職員の不祥事の根絶に向けさらなる対策を講じ、徹底を図るべきと思いますが、県教育委員会の考えをお尋ねいたします。

 次に、少子化に対応した活力ある学校のあり方についてであります。

 県内の各市町村では、少子化によるさまざまな教育課題に向き合い、十分な検討を加えて統合を進めたり、少人数のよさを生かした教育を充実させながら小規模校を存続させるなど、懸命の努力をされております。

 こうした中、文部科学省は統廃合の適否や小規模校における教育の充実策を検討する際の指針等をまとめた手引を作成・配布したところでありますが、これを踏まえ、本県においても地域の実情に応じた活力ある学校づくりの検討が進むことを期待するところであります。

 そこで、地域の実情に応じた活力ある学校のあり方について検討を進める市町村をどのように支援していくのか、県教育委員会の考えをお尋ねいたします。

 次に、県立特別支援学校の整備についてであります。

 私は、昨年2月定例会においても相馬守る学校の教育環境改善について質問させていただきました。また、民間医療機関の敷地内にあるため、現在の場所に長くは存続できないあぶくま守る学校安積分校についても、早くな対応が必要であると思います。

 私は、障がいのある児童生徒の学習活動が適切に行える教育環境づくりを進める上で、この2校については喫緊の課題であると思っております。そこで、相馬守る学校とあぶくま守る学校安積分校の教育環境を早急に改善すべきと思いますが、県教育委員会の考えをお尋ねいたします。

 また、全県を見渡しますと、県立特別支援学校は通学範囲が広範囲であるため、長時間通学による負担を抱える子供や通学が困難な子供がおり、通学の負担を緩和するためには、全県的な視野に立った対応が不可欠であると思います。

 そこで、地域の実情を踏まえ県立特別支援学校を設置していくべきと思いますが、県教育委員会の考えをお尋ねいたします。

 次に、警察行政についてお尋ねいたします。

 県内では復興のためのさまざまな動きが見えつつあり、ことしは復興が身近に実感できる年になるのではと多くの県民が期待をしているところであります。

 さて、県警察は東日本大震災以降、復興する上で、県民が安心して暮らすための基盤となる県内の治安を確保するため、全国警察の応援を得ながら、被災地はもとより県内全域でさまざまな警察活動を展開しております。

 去る1月27日に石田警察本部長が着任されましたが、着任に当たって石田本部長は、「本県の復興の歩みを、より着実にするため全力を尽くす。」と強い決意を述べられており、一県民として大変心強く感じたところであります。ぜひ、県警察には新しい警察本部長のもと、引き続き県民に寄り添いながら県内の治安維持に取り組まれることを期待いたします。

 そこで、警察本部長の所信についてお尋ねいたします。

 2点目は、国際テロについてであります。

 日本から遠く離れた中東で起きたイスラム国による日本人人質事件は、日本中を震撼させたばかりでなく、人質が殺害されたと見られるニュースは私たちに大きな驚きと怒りをもたらしました。

 イスラム国は、日本をテロのターゲットにすると明言しているほか、世界で発生しているような国内にいるイスラム国に影響された人が引き起こすテロの発生も心配されております。

 もちろん本県においても国際テロの発生する可能性はゼロではなく、こうした事件を他人ごととして捉えるのではなく、県民自身が意識を変え、国際テロに対する警戒をしなければならない時代になりました。

 そこで、県警察による国際テロの未然防止対策についてお尋ねをし、私の質問を終わります。ありがとうございました。

議長(平出孝朗君)執行部の答弁を求めます。

知事(内堀雅雄君)杉山議員の御質問にお答えをいたします。

  県政に臨む姿勢についてであります。

 「権不十年」につきましては、佐藤雄平前知事が県政の信頼回復が求められていた中で掲げた前知事としての政治信念であると受けとめております。

 私は昨年10月、震災後初めて行われた知事選において、復興をさらに前へ進め、新しい福島を築いていくことを訴え、この任につきました。それから3カ月半、知事として市町村や地域との対話を重ね、課題や展望といったさまざまなお話を伺ってまいりました。

 また、県民の皆さんがそれぞれの立場で復興を進めようとする姿に触れ、国内外から多くの励ましをいただく中で、ふるさと福島の誇りを未来へと引き継いでいくことが私の使命であると、改めて心に刻んだところであります。

 そのため、原子力災害からの復興を最優先としながら、産業の振興を初めとした福島県全体の活力の再生、さらには、子育て環境の整備などを通して、福島に住みたい、働きたいと思える県づくりに全力を尽くす考えであります。

 このような姿勢のもと、進取果敢の精神で、この負託を受けた4年間、しっかりと職責を果たしてまいります。

 次に、当初予算編成についてであります。

 私は、原子力災害からの復興・再生を初め、8つの基本政策を公約に掲げて選挙に臨み、知事就任後も県民の皆さんや市町村の実情を丁寧に見聞きしてまいりました。

 新年度当初予算の編成に当たりましては、これら基本政策をしっかりと予算に反映をさせ、現場で受けとめたさまざまな声や思いに応えるため、実効性ある事業構築に努めたところであります。

 具体的には、復興公営住宅やコミュニティーの維持形成のための交流施設の着実な整備のほか、復興支援員の拡充など県内外の避難者の皆さんの生活支援に最優先に取り組むとともに、ロボット関連産業革命の地の実現に向けた研究開発・事業化支援等による産業集積や立地補助金等による中小企業への継続的な支援、地域ごとの特色を生かした水田農業の振興など、産業の復興・再生を力強く進めてまいります。

 また、除染のさらなる推進やふくしま国際医療科学センターの整備など、県民の安全・安心のための基盤整備に加え、女性が職場等で活躍できる環境づくりなど活力ある社会の創造にも取り組んでまいります。

 さらに、本番を迎えるデスティネーションキャンペーンや教育旅行の回復への取り組みなど観光・交流の促進を図るほか、将来を担うグローバルリーダーの育成や、出会い、結婚から子育てまで切れ目のない総合的な支援を行うための拠点の整備など、日本一の子育て環境づくりにも力を注いでまいります。

 これらの施策を迅速かつ確実に実行し、ふくしまの未来を切り開くため、先頭に立って全力で取り組んでまいる考えであります。

 次に、副知事の体制についてであります。

 東日本大震災及び原子力災害からの復興・再生、さらには人口減少対策など山積する行政課題や複雑多様化する県民のニーズにきめ細かく対応していくためには、迅速かつ的確な政策判断が求められるところであり、私を補佐する副知事の役割は非常に重要であると考えております。

 このため新年度から副知事を2人体制とし、復興・再生など全庁的かつ部局横断的に取り組まなければならない重要な政策課題については、これまでどおり2人の副知事が連携・協力して政策形成に携わる一方、総務や企画、生活環境等の分野を担当する副知事と保健福祉や産業政策、県土基盤の整備等の分野を担当する副知事に役割分担を明確にすることにより、スピード感のあるトップマネジメント体制を構築してまいりたいと考えております。

 新年度は、こうした2人の副知事体制のもと、私の県政運営姿勢を全職員に徹底し、「夢・希望・笑顔に満ちた“新生ふくしま”」の実現に向け、さまざまな課題に果敢に挑戦し、本県の復興を新たなステージへと進めてまいる考えであります。

 次に、集中復興期間の延長についてであります。

 原子力災害が続く本県では、引き続き廃炉・汚染水対策、除染、生活再建支援、医療・教育の再生、風評対策や帰還に向けた環境整備などの課題が山積していることから、平成28年度以降の復旧・復興に係る国の継続的な財源措置の枠組みの早期提示が復興を加速する上で極めて重要であると考えております。

 このため就任直後には安倍総理大臣及び竹下復興大臣に対し、また、今月1日の福島復興再生協議会では、改めて復興大臣に対し継続的な復興への取り組みと集中復興期間の延長を強く要請したところであります。

 今後は県、市町村の復興需要の試算について精査を行い、新年度早々にも被災4県による要望活動を実施するなど、国に対し集中復興期間を延長し、平成28年度以降の財源スキームをしっかりと固めるよう、機を逸することなく強く求めてまいる考えであります。

 引き続き、長期にわたる十分な財源の確保を定めた福島特別措置法やその基本方針に基づき、復興が終わるまでが復興期間であるとの強い思いのもと、復興財源の確保に全力で取り組み、復興の序章で芽吹いた復興の芽を順調に成長させ、開花させることが私の使命であると考えております。

 次に、避難者への支援についてであります。

 私は知事就任以降、県内の仮設住宅を初め、山形、東京、埼玉、新潟等の各都県を訪問し、避難者や復興支援員の皆さんから、「今後の生活の見通しを示してほしい」、「ふるさとの話を気兼ねなく話せる相手が欲しい」、「多くの避難者が心のケアを必要としている」といった切実な声をお聞きしてまいりました。

 避難生活の長期化により、住宅や健康、医療、教育、雇用など避難者の抱える課題が多岐にわたっていることも改めて感じたところであり、私を含め、職員が避難者の皆さんと思いをできる限り共有し、丁寧に対応していくことが何よりも大切であると考えております。

 このため避難者が将来の見通しを立て、希望を持って前に進んでいけるよう、引き続き原発事故の収束や除染の迅速かつ着実な推進、復興公営住宅の整備促進などに全力で取り組み、その状況を駐在職員の活動や情報提供等を通じ正しく伝えていくとともに、新年度においては避難元市町村や受け入れ都道府県等との連携のもと、見守り・孤立防止のための相談員の大幅な増員による体制強化や、県外避難者の戸別訪問や相談対応等を行う復興支援員の拡充など、一日も早い帰還や生活再建が実現できるよう全庁一丸となって取り組んでまいる考えであります。

 次に、中間貯蔵施設についてであります。

 中間貯蔵施設は、本県の除染を推進し、環境回復を図る上で大変重要な役割を果たす必要な施設である一方、地元に大変重い負担を強いるものであることから、広域自治体の長として、地元を初め県内市町村長の意向を伺うとともに、搬入受け入れの判断に当たっての5項目について国と協議を重ねてまいりました。

 今月8日に国から5項目の対応について考えが示されたことから、本日関係部局長会議を開催し、国において30年以内の県外最終処分を明記した中間貯蔵・環境安全事業株式会社法の成立、中間貯蔵施設等に係る交付金等の予算化、除去土壌等の輸送に係る計画の策定等着実に対応しているほか、放射性物質汚染対処特別措置法の施行前に発生した学校等の除去土壌等の取り扱いが示されるなど、おおむね県や地元自治体の意向を踏まえた対応がなされていることを確認したところであります。

 あす大熊・双葉両町長、両議長、そして双葉8町村長との協議において、県としての評価をお伝えし、御意見をいただき、最終的に私自身が判断してまいる考えであります。

 次に、子育て支援の基本的な方針についてであります。

 福島県は、子供を社会の宝と捉え、未来を担う子供たちが明るく健やかに育ち、夢を実現できる環境づくりを積極的に進めてまいりました。福島県ならではの手厚い子育て支援策を継続して実施し、震災から4年が過ぎようとしている現在、合計特殊出生率の回復や出生数の増加など復興の兆しが確かなものとなりつつあります。

 しかしながら、その一方で子供の肥満や体力低下など、震災後の生活環境の変化によるさまざまな課題も顕在化してまいりました。

 このような子育て環境の変化に的確に対応していくため、新たにこども未来局を設置し、子供・子育て支援と青少年の育成を一体的に推進していくことといたしました。

 新年度は、このこども未来局を中心として、子育て施策の次期プランに基づき、若者や子育て世代に対する結婚から子育てまでの切れ目のない支援や女性が活躍できる働きやすい職場環境づくりの推進に取り組むとともに、18歳以下の医療費無料化の継続や子供たちが健康でたくましく育つための食育の推進、自然体験・交流活動への支援、さらには将来の地域リーダーとなる若者のまちづくりへの参画促進など、子供や青少年のための施策を総合的に展開することにより、日本一の子育て環境づくりに向け全力で取り組んでまいる考えであります。

 次に、「ロボット関連産業革命の地ふくしま」についてであります。

 ロボットは、今後さまざまな産業分野や生活の中での活用により、社会全体を変革する可能性を持ち、関連産業も大きな成長が期待されております。

 私は、このロボット関連産業を本県の新たな産業に育て上げていくとともに、幅広い分野においてロボット利用を進め、生産性の向上のみならず、県民の働く環境や暮らしをより豊かなものへ転換していくことが福島県の真の復興を実現していく上で極めて重要であると考えております。

 このため廃炉・除染ロボット技術研究会の活動を通じた企業の参入促進や医療・介護用ロボットの開発、事業化への支援、災害対応ロボット開発への助成などに加えて、新年度からは制御システム等ロボット要素技術の開発助成などにより県内企業の技術力向上を図るとともに、会津大学におけるロボット制御プログラムやハイテクプラザ等での農業用ロボットの開発、さらにはイノベーション・コースト構想でのロボット研究開発拠点の具体化や福島浜通り実証区域の実現等に国、市町村等と緊密に連携しながら取り組み、関連産業の育成、集積を図ってまいります。

 また、新たにロボットフェアの開催や病院や介護施設、さらには農業や物流等の現場への導入を支援するなどロボットの普及拡大を進め、本県の復興を大きく前進させる「ロボット関連産業革命の地ふくしま」の実現に全力で取り組んでまいる考えであります。

 次に、総合教育会議を活用した子供の育成についてであります。

 私は就任以来、福島県内の学生や若者たちと積極的に接してまいりました。国内外で堂々と自分の意見を述べる姿を初め、仮設住宅でのボランティア活動や地元食材を使った独自の商品づくりに熱心に取り組む頼もしい姿に触れる中で、子供の成長をしっかりと支えていく責任を改めて実感しております。

 社会情勢の変化に伴い、教育に関するさまざまな課題が生じている中、福島県では震災と原子力災害の影響も加わり、子育てをめぐる環境は地域によって複雑多様化しているのが現状であると認識をしております。そのため、先月には県教育委員の方々と現在の子供たちを取り巻く教育課題など、率直な意見交換を行ったところであります。

 これらを踏まえて、新年度新たな制度のもとに設置をする総合教育会議においては、教育問題のみならず安心できる子育て環境の整備などについても協議をしてまいりたいと考えており、早い段階で第1回目となる会議を開催したいと考えております。

 子供たちが伸び伸びと元気に育ち、復興の担い手として力強く羽ばたいていけるよう、総合教育会議をしっかりと活用しながら、福島ならではの子育て、教育を教育委員会と一体となって進めてまいります。

 その他の御質問につきましては、副知事等から答弁させますので、御了承願います。

副知事(鈴木正晃君)お答えいたします。

 財政の健全性の確保につきましては、厳しい財政状況の中、本県の復興に向けた取り組みをさらに加速させていく上で極めて重要な課題であると認識しております。

 このため県といたしましては、今年度中に策定する中期財政見通しの中で、今後必要となる復興財源の精査等を行い、所要額の確実な措置について引き続き国に対して強く求めていくとともに、事業の不断の見直しによる歳出抑制に加え、各種基金の有効活用など適時適切に必要な措置を行うことにより、復興再生枠と通常枠を合わせた県全体の将来にわたる財政の健全性の確保に向け、しっかりと取り組んでまいる考えであります。

 次に、平成27年度の組織につきましては、直面する県政の重要課題に迅速かつ的確に対応するとともに、本県の復興を新たな段階に進めていくため必要な改編を行うこととしております。

 このような考えのもと、複合災害の経験を踏まえた危機管理体制の強化のための危機管理部の新設、未来を担う子供や青少年の育成を総合的に推進するためのこども未来局の新設、さらには、避難地域の復興支援や避難者支援等の施策を一体的に進めるための避難地域復興局と生活環境部における関係組織の統合等の体制整備など、より効果的、効率的な行政運営を進め、組織の総合力を発揮しながら新生ふくしまの実現に向けて取り組んでまいる考えであります。

直轄理事兼安全管理監(藤島初男君)お答えいたします。

  風評払拭及び風化防止につきましては、さまざまな手法を活用して本県の情報を発信し続けることが重要であると考えております。

 このため、これまでも各種メディアやトップセールス等により、本県の正確な情報や復興に向けチャレンジする姿などを積極的に発信してきたところであります。

 次年度においては、デスティネーションキャンペーンや農林水産物の魅力の全国Pr、震災から5年を前に行う集中的な情報発信、さらには全国6カ所での福島のチャレンジを伝えるイベントの展開など、知事を先頭に全庁一丸となって切れ目なく本県の情報を発信することにより、風評払拭及び風化防止に全力で取り組んでいく考えであります。

企画調整部長(近藤貴幸君)お答えいたします。

 地方創生につきましては、人口減少を克服することが不可欠であることから、地域のさまざまな構造的課題を解決するため、実効性のある施策を集中的に実施していくことが重要であると認識しております。

 そのため、有識者の専門的な意見などを伺いながら、ことし秋ごろをめどに取り組みの指針となる人口ビジョンと総合戦略をしっかりと策定してまいる考えであります。

 策定に当たりましては、地域経済社会の実態に関する分析、具体的な数値目標や検証改善する仕組みの設定などを行った上で、「ひと」の移転や「しごと」の創出などを直接的に支援する施策等を集中的に盛り込み、全庁を挙げて取り組んでまいる考えであります。

 次に、イノベーション・コースト構想につきましては、構想の核となる研究拠点の着実な整備とあわせ、その周辺に関連産業を集積させ、地域経済の再生や雇用に結びつけることが極めて重要であると考えております。

 このため国の分野別検討会においても、集積が集積を呼ぶまでの当分の間、企業等への強力なインセンティブが必要である旨県として強く訴えてきたところであり、国の新年度予算においても廃炉国際共同研究センター(仮称)の整備が先行して盛り込まれるとともに、企業立地補助金や災害対応ロボット開発支援などが継続して計上されたところであります。

 今後も本構想が浜通り経済再生の力強いエンジンとなるよう取り組んでまいります。

生活環境部長(長谷川哲也君)お答えいたします。

  世界に向けた情報発信につきましては、震災以来諸外国からいただいた数多くの御支援に感謝の思いをお伝えするとともに、本県の元気な姿を周知することにより、風評を払拭し、復興を推進するため極めて重要であると考えております。

 このため太平洋・島サミットなどの国際会議等の誘致・開催、在外県人会や在外公館等と連携した海外等における復興Prの強化、Jetプログラム参加者や県内留学生等を対象としたスタディーツアーの実施、県費留学生の受け入れ、ホームページのさらなる活用などさまざまな機会を通じ、今後とも復興に取り組む福島の今と魅力を世界に向けて積極的に発信してまいります。

 次に、市町村除染につきましては、昨年末現在において、本年度末までの住宅の計画数約31万戸に対する発注率が約94%、進捗率が約63%となるなど着実に進んできております。

 県といたしましては、専門家派遣による発注支援などに加え、新たに作成するハンドブックの活用による適正な施工監理への支援、関係機関合同による除染現場確認の拡充など市町村の除染推進体制の強化に向けたさらなる支援を行うとともに、意見交換会等を通じて除染手法や仮置き場の確保・管理などの先進的取り組み事例の情報共有と水平展開を図りながら、市町村と一体となって除染の一層の推進を図ってまいります。

 次に、除染技術の普及につきましては、これまで除染技術実証事業等において45の技術に関する効果の検証を行い、その結果、除染関係ガイドラインへの採用や個別協議により、合計で13の技術が現場で活用されているところであります。

 今年度は市町村の要望を踏まえ、道路側溝の除染や住宅の空間線量率測定など4つの技術について効果を検証しており、新年度においては実証する技術件数の拡大を図るとともに、効果的な除染技術について事例集を取りまとめ、意見交換会等を通じさらなる普及を図ってまいります。

 次に、環境創造センター交流棟につきましては、体験型の展示や実践的なプログラムによる研修のほか、国立科学博物館等と連携した企画展示などの開催により、来館者が放射線や環境に関する知識を習得し、特に未来を担う子供たちがみずから考え、行動する力が育まれるよう取り組んでまいります。

 また、国際会議やセミナー等の開催を通じ、環境回復への取り組み状況や調査研究内容等を国内外へ幅広く情報発信するなど、本県の環境回復・創造に向けた学びと発信の場となるよう取り組んでまいります。

 次に、安全協定案につきましては、中間貯蔵施設の安全・安心の確保が何よりも重要であるとの考えのもと、国と協議を重ねてきたところであります。

 今般国から提示された案には、これまでの協議の中で県が求めてきた県専門家会議委員等による立入調査等の実施、安全確保のために必要な措置や施設建設・搬入停止の要求、地域住民を含めた環境安全委員会による監視、最終処分までの工程表や進みぐあいの報告、跡地利用の協議など環境保全、その他安全の確保等に必要な事項が盛り込まれていると考えております。

 次に、廃炉に向けた取り組みにつきましては、昨日警報値を超える放射能濃度の水が側溝から港湾内に流出したことを受け、現地駐在職員が現場を確認するとともに、東京電力に対して原因究明と再発防止の確実な実施などを強く申し入れました。

 県といたしましては、原子力対策監や原子力専門員の専門的知見を引き続き活用するとともに、課題に応じた廃炉安全監視協議会の専門委員の追加委嘱や職員の専門研修などにより専門性を高めながら現地調査や現地駐在職員の情報収集を行うなど、新たに締結した安全確保協定に基づき、国及び東京電力の取り組みを厳しく監視し、必要な申し入れを行い、確認内容等を報道やホームページ等により迅速かつわかりやすく県民に情報提供してまいる考えであります。

 次に、JR常磐線につきましては、国、JR東日本、地元自治体の協議において連携・調整・情報共有を行うとともに、富岡~浪江駅間において放射線量調査が実施され、現在被災状況調査が行われているところであり、また、JR只見線につきましては、会津17市町村及び新潟県魚沼市と連携し只見線応援団の支援の輪を広げるとともに、法改正に向けた国会の動きを注視しながら、旅行エージェントや旅行雑誌社向けのモニターツアーの実施やアンケート結果を踏まえたPr冊子の作成など、誘客に向けた取り組みをさらに強化してまいります。

 引き続き関係自治体等と連携して、両線の全線復旧に向けJR東日本や国と協議を重ね、積極的に取り組んでまいる考えであります。

 次に、火山防災の普及啓発につきましては、これまでも県ホームページなどを通じて火山の活動状況に関する情報、火山災害に対する備え、登山届の提出など火山防災の重要性について周知してきているところであります。

 今後は県民の火山防災意識を高めるため、火山防災マップ等を用いて防災出前講座を実施するとともに、火山の専門家や国の火山防災エキスパート等を講師として、過去の噴火事例や教訓、噴火時の防災対応などをテーマとする講演会や研修会を開催するなど、市町村、気象台、防災関係機関と連携しながら、火山防災のさらなる普及啓発に取り組んでまいります。

 次に、若者の活躍促進につきましては、若者が社会参画の意識を高め、本県の復興・再生の担い手として活躍することが極めて重要であると考えております。

 このため県といたしましては、大学生や社会人などの若者によるまちづくりをテーマとしたワークショップを開催し、魅力あるまちづくり提案の発表や関係機関・団体との意見交換等を行い、若者が考えるふるさとや住みたくなるまちづくりの具現化を目指す取り組みを実施するなど、若者が将来の地域のリーダーとして活躍できるよう積極的に支援してまいります。

保健福祉部長(鈴木淳一君)お答えいたします。

 避難者への相談支援の強化につきましては、生活支援相談員を倍増し、新たに専任職員や主任生活支援員を配置するなど組織的な支援体制を整備するとともに、資質向上とスキルアップを図るため、基礎研修やテーマ別研修の開催など専門性の確保にも取り組むこととしております。

 また、避難者に関する訪問記録をケース台帳として電子化し、タブレット端末等で情報共有を行うとともに、民生委員やコミュニティ交流員等との連携支援ネットワークを強化するなど、これまで以上に避難者一人一人に寄り添い、きめ細かな対応を図ることにより避難者の健康の維持と生活再建につなげてまいります。

 次に、周産期医療を担う医師の確保につきましては、新年度新たに(仮称)福島県周産期医療人材養成支援センターを県立医科大学に設置し、関連する講座と連携して周産期医療を担う医師の育成や生涯のキャリア形成支援に取り組むとともに、周産期母子医療センターへの医療支援を行うなど体制の強化を図ってまいります。

 また、周産期医療を担う産科・小児科医の増員を図るため、この医師を目指す医学生や研修医に係る修学資金及び研修資金の貸与制度を改正し、貸与額の増額等を行うとともに、専門医として必要とする研修を義務勤務期間内として早期に実施できるようにするなど、周産期医療を担う医師の確保に県立医科大学等と一体となって全力で取り組んでまいる考えであります。

商工労働部長(星 春男君)お答えいたします。

  被災中小企業に対する支援につきましては、施設等復旧に対する補助や資金繰り支援、企業立地補助金による新増設の促進、企業の取引拡大や研究開発への支援、さらには安定的雇用の創出に向けた助成などに取り組んでまいりました。

 今後はこれらに加え、避難指示区域等における企業の新たな事業開拓等に対して中小企業等グループ補助金により支援するとともに、首都圏などの若年者を対象とした県内企業への就職支援や女性、高齢者が活躍できる場の創出に向けた取り組みを進めるなど、地域経済を担う被災中小企業の事業再開・継続に向けた支援を強化してまいる考えであります。

 次に、再生可能エネルギー関連産業の育成・集積につきましては、企業立地補助金による関連企業29社の新増設指定、福島再生可能エネルギー研究所と連携した県内企業の研究開発支援や人材の育成に加え、藻類バイオマス等の次世代技術の開発、研究会を通じた産学官のネットワーク形成、浮体式洋上風力発電の実証研究の推進による7メガワット風車の組み立て開始など着実に進展してきております。

 今後は研究開発成果の実用化に向けた支援や販路開拓のための国内外への出店支援等に重点的に取り組むとともに、イノベーション・コースト構想に掲げる関連産業集積の具体化に向けた検討を進めるなど、一層の育成・集積を図ってまいる考えであります。

 次に、医療機器関連産業の集積につきましては、研究会活動による県内企業の参入促進や人材育成、機器開発への補助、国内外の展示会への出展支援等に取り組み、全国屈指の医療機器生産県となるなど着実に進展してきております。

 さらに、今年度からは開発された医療機器の生産施設整備への補助制度を創設し、7社の新増設を採択したほか、販路開拓に向け県内の病院、福祉施設との交流会を開催するなど研究成果の事業化を重点的に支援するとともに、現在整備を進めている医療機器開発・安全性評価センターにより研究開発から事業化までの一体的な支援を行い、本県の医療機器関連産業のさらなる集積を図ってまいる考えであります。

 次に、転出した若者等の県内への就職支援につきましては、東京に設置しているふるさと福島就職情報センターにおいて、専門の相談員が就職相談や県内企業の情報提供、ハローワークの求人情報を活用した職業紹介を行うとともに、就職面接会や県内企業の見学バスツアーを開催するなどさまざまな支援を行ってまいりました。

 今後はこれらに加え、就職活動する学生の大半が利用する就職情報サイトの登録者に対し、本県の復興の状況や県内企業の魅力を動画で配信するほか、県内企業を対象とした効果的な採用活動を支援するためのセミナーの実施、さらには隣接県の大学と連携して本県出身学生に対する就職支援を強化するなど、県外へ転出した若者等の県内への就職促進に積極的に取り組んでまいります。

 次に、女性の活躍を促進するための就労支援につきましては、これまでワーク・ライフ・バランスに取り組む企業の認証や企業へのアドバイザー派遣等による女性が働きやすい職場環境づくりを初め、女性の再就職に向けた就職相談や職業訓練等に取り組んでまいりました。

 今後はさらに、働く女性応援中小企業認証制度を新たに創設するとともに、認証を取得した企業のより働きやすい職場環境づくりに向けた取り組みへの助成、経営者の意識改革や女性リーダー養成のためのセミナーの実施等により、女性が働き続けることができる職場環境づくりを促進するとともに、離職した女性に対する一体的な再就職支援の体制強化など女性の活躍を促進するための就労支援に積極的に取り組んでまいります。

農林水産部長(畠 利行君)お答えいたします。

  本県農業の復興・再生につきましては、農業生産の回復を図るため、これまで農地の除染や放射性物質の吸収抑制対策、きめ細かな検査による県産農産物の安全確保、避難地域等における営農再開の支援、風評払拭に向けたトップセールスなどに取り組んでまいりました。

 今後はこれまでの取り組みに加え、復興を牽引する担い手を確保するため、農業短期大学校の機能を強化するほか、飼料用米など需要に即した多様な米づくりと園芸作物への転換による水田農業の強化、6次化商品の開発による高付加価値化、避難地域等の農業復興の拠点となる浜地域農業再生研究センターの整備などに取り組み、本県農業の復興・再生を加速してまいる考えであります。

 次に、農業短期大学校の機能強化につきましては、学生が強い就農意欲とすぐれた経営感覚を習得できるよう、それぞれの学生に農場等の一部を割り当て、みずからの責任において生産から販売までを実践させるとともに、そのために必要な園芸用ハウスや牛舎、直売所などの施設を整備します。

 また、国の青年就農給付金が受給可能な長期研修制度を創設することに加え、復興を牽引する先進的な農業経営者等を講師として起用するなど、より実践的な農業教育を通じて学生の就農率の飛躍的な向上が図られるよう、しっかりと取り組んでまいります。

 次に、水田農業の振興につきましては、農業者が意欲を持って需給に見合った多様な米づくりなどに取り組み、農業経営の発展を図っていくことが重要であると考えております。このため優良な水稲種子購入への支援や切れ目のない県産米の消費拡大策を講じ、稲作農家の生産意欲の維持向上を図ってまいります。

 また、昨年12月に策定した水田農業の振興方策の実現に向け、多様な担い手を確保しながら、新たに創設したチャレンジふくしま水田フル活用緊急対策事業により、飼料用米等の非主食用米や園芸作物などの需要に即した作物の作付を強力に推進し、水田農業の持続的発展に全力で取り組んでまいる考えであります。

 次に、新たな木材需要の創出につきましては、公共施設の木造化や内装の木質化などを推進しているところであります。

 今後は県産材のさらなる需要の創出に向け、建築部材への用途拡大を目指したCltを初めとする新技術の開発や品質の向上につながる木材加工施設の整備を支援するとともに、本県独自の木造技術や県内各地の建築事例などをまとめた新たな建築マニュアルの作成・配布を行い、一層の普及活動を展開するなど、県産木材製品の開発促進や安定供給体制の構築に努めながら、新たな木材需要の創出に着実に取り組んでまいる考えであります。

 次に、「いわき丸」の活用につきましては、昨年10月の就航以来、水温や塩分濃度等の海洋観測を行うとともに、ヒラメなどの底魚調査では主要魚種が震災前の2倍以上の密度で生息していることや、海底土壌の調査では放射線量が2年前の半分以下に低下していることを確認してまいりました。

 今後は調査海域をズワイガニなどが生息するより沖合まで拡大し、海洋観測や水産資源状況の詳細な調査を行い、その結果を漁業者に提供するとともに、増加した魚介類を持続的に活用する新たな資源管理手法を開発するなど、本県漁業の復興がより加速するよう積極的に取り組んでまいります。

 次に、地域産業の6次化につきましては、実践的な商品開発やマーケティング等を学ぶ6次化創業塾を開講し、平成22年度以降250名を超える人材を育成してきたほか、昨年9月に開催した食の商談会では、当日成約が79件、商談継続が540件と過去最高に達するなど、販路開拓の支援に努めてまいりました。

 今後は売れる商品づくりを一層促進するため、1月に策定した新ふくしま地域産業6次化戦略に基づき、魅力ある商品づくりや販路拡大対策の取り組みを強化することとし、パッケージデザイン等の専門家の派遣や事業者みずからが行う対面販売への支援の充実に加え、商談機会の拡充など意欲ある事業者の販路開拓に向けた取り組みを積極的に支援してまいります。

 次に、県産農林水産物の風評対策につきましては、トップセールスやメディアを活用したPr、産地ツアーや消費者との交流会を通じて、安全性はもとより、おいしさや品質のよさを積極的にアピールしてまいりました。

 今後はこうした取り組みに加え、安全対策や生産者の思いを伝えるテレビ番組を拡充するとともに、新たに首都圏等でシンポジウムを開催し、復興に向けた取り組みを全国紙を通じて強力に発信するほか、産地ツアーの回数をふやし、食と観光の多彩な魅力をPrしてまいります。

 さらに、首都圏での大規模な商談会の開催や民間団体が行うPr活動への支援を強化し、販路開拓や取扱量の一層の拡大を図るなど風評払拭にしっかりと取り組んでまいります。

土木部長(松本英夫君)お答えいたします。

 復興公営住宅の整備につきましては、完成の見通しにおくれが生じたことから、設計や協議調整の迅速化、造成・建築工事における工期短縮等、各段階においてあらゆる手段を講じ、期間短縮に努めてまいります。

 こうした考えのもと、整備に携わる関係団体・機関が情報を共有し、総力を結集して取り組むためふくしま復興住宅供給促進会議を開催したところであり、引き続き期間短縮に向け、地域別、業種別の分科会の開催や施工者からの提案の積極的な採用などあらゆる方策を実施するとともに、厳密な進捗管理によりさらに整備を加速するよう全力で取り組んでまいる考えであります。

 次に、浜通りの復興に向けた道路整備につきましては、避難住民の帰還と震災や原発事故からの復興を加速させるため、国道288号など浜通りと県内の主要地域を結ぶ特に重要な8路線をふくしま復興再生道路と位置づけ、平成30年代前半までの完成を目標に戦略的に整備を進めております。

 また、各自治体の復興計画や新産業の創出・集積を図るイノベーション・コースト構想の進展を見通し、各拠点地区等から常磐自動車道や国道6号へのアクセスなど復興の基盤となる道路ネットワークの強化につきましても、引き続き市町村等と緊密に連携しながら積極的に取り組んでまいる考えであります。

 次に、県道布沢横田線につきましては、地域の実情を踏まえ、これまでに集落付近の道路拡幅や雪崩対策を実施しており、現在は金山町山入地内で鮭立橋の拡幅工事を平成27年度の完成を目指し進めております。

 また、松坂トンネルの車両のすれ違いが困難な区間において安全に通行できるよう、地域の方々や町の意見を聞きながら仮設信号機を設置するとともに、待避所6カ所の設計を進めており、引き続き用地取得に努めるなど早期整備に向け着実に進めてまいります。

原子力損害対策担当理事(伊藤泰夫君)お答えいたします。

 本年3月以降の商工業等に係る営業損害の賠償の素案につきましては、逸失利益の1年間分を定型的に賠償して終期とする考え方は到底納得できるものではないことから、今月4日、原子力損害対策協議会としてJA、商工会連合会、市長会、町村会等の各会長とともに、国及び東京電力に対し、原子力災害の特殊性や被害の実情をしっかりと確認し、事業者等の意向を十分に踏まえた上で素案を見直すよう求めてきたところであります。

 引き続き事業の再建につながる賠償が的確になされるよう取り組んでまいります。

子育て支援担当理事(小林武正君)お答えいたします。

 若者への結婚支援の推進につきましては、新年度新たに、(仮称)ふくしま結婚・子育て応援センターを設立し、このセンターを中心として、市町村や企業、ボランティアなどと幅広く連携し、若者の出会いや結婚をサポートする体制を構築いたします。

 具体的には、地域における男女の出会いなどをサポートする世話やき人の活動支援のほか、企業間の出会い交流イベントや結婚講座の開催、結婚に対する意識の啓発や機運の醸成など結婚支援の推進に総合的に取り組んでまいる考えであります。

避難地域復興局長(樵 隆男君)お答えいたします。

 福島再生加速化交付金につきましては、対象事業の拡充などを要望してきたところ、今回の改正により復興拠点の一体的整備を可能とする事業や帰還者のための公営住宅、道路、下水道等のインフラ整備が追加されるほか、複数年度にわたる事業が可能となる基金化が一部図られる見通しとなりました。

 県といたしましては、地域の復興と住民の帰還を着実に進めるため、市町村の計画する復興拠点の整備を支援するとともに、関連する道路、公営住宅、産業団地の整備や心と体の健康管理、さらには飲料水の安全確保などの各種施策に国、市町村と一体となって取り組んでまいります。

 次に、避難地域の将来像につきましては、市町村が計画している復興拠点を足がかりとし、広域的な連携を図ることにより、避難地域全体が発展していく地域構造を目指すことが重要であると考えております。

 短期的には復興拠点を核として、インフラの復旧、生活環境、産業、再生可能エネルギー、教育・文化の各分野において取り組むべき施策とその方向性を示すとともに、中長期的には帰還する住民や新たに移り住む住民が安心して暮らし、働ける地域の実現と新たな産業・エネルギー分野でのモデルとして世界に発信できる地域の創造を目指してまいりたいと考えております。

 次に、復興公営住宅の入居希望者への支援につきましては、相談員の増員により、生活再建に対する相談体制の充実を図るほか、高齢者の見守りや心身の健康づくりへの支援、さらには復興公営住宅整備の進みぐあいの丁寧な情報提供や入居者募集の前倒しによる早期の入居決定、応急仮設住宅の迅速かつ適切な修繕などを進めてまいります。

 こうしたハード・ソフト両面のきめ細かな対策を部局連携により取りまとめた上で、入居希望者に将来の見通しを早期に立てていただけるよう全庁を挙げて取り組んでまいる考えであります。

文化スポーツ局長(鈴木千賀子君)お答えいたします。

 東京オリンピック・パラリンピックにつきましては、本県においてさまざまな関連事業を実施することにより着実に復興へ向かう福島の姿を全世界に発信できる絶好の機会であると考えております。

 特に、事前合宿については誘致を希望する市町村が多いことから、県内施設の調査を行い、海外向けに施設を紹介するガイドブックを作成の上、地元自治体及び県内競技団体と連携し、各国のオリンピック委員会や競技団体等に働きかけを行うなど、事業の実現に向け積極的に取り組んでまいる考えであります。

 次に、民俗芸能につきましては、人々の心のよりどころであるとともに、地域のきずなを強めるものであり、復興への大きな力になるものと考えております。

 このため、今年度も避難地域の団体を中心にふるさとの祭りを開催し、発表の機会を確保することで継承への意欲を高めるとともに、後継者確保のため子供たちによる担い手交流会などを実施してまいりました。

 新年度は専門家による助言などを行うNPO法人と連携し、活動再開などに向けた情報共有や民俗芸能保存団体の状況に応じたきめ細かな支援を行い、地域の宝である民俗芸能の継承により一層積極的に取り組んでまいる考えであります。

観光交流局長(五十嵐照憲君)お答えいたします。

 福島空港の路線の維持・拡充につきましては、本県の広域交流ネットワークを支える上で極めて重要であると認識しております。このため国内路線においては、来月末から伊丹便が朝晩とも大型機材が導入され夜間駐機となること、また、札幌便は1往復となるものの、機材の大型化や利用しやすいダイヤが実現することから、利用圏域拡大の取り組みはもとより就航先の需要の掘り起こしを図りながら、修学旅行や団体旅行などのさらなる利用促進に努めてまいります。

 また、国際定期路線の再開に向け、関係機関等への働きかけを継続するとともに、東南アジア地域等とのチャーター便の運航を積極的に促進してまいる考えであります。

教育長(杉 昭重君)お答えいたします。

 公立小中学校における児童生徒の学力向上の取り組みにつきましては、学力調査において算数・数学の応用力など各教科の課題が明らかになったことを踏まえ、授業の改善、学習習慣の確立等総合的な対策が必要であると考えております。

 このため新たに学力調査の結果を迅速に分析し、個人ごとの指導にきめ細かに反映させることや、課題となった学習分野の指導方法をコアティーチャーが教員へ教授して授業改善及び指導力向上を図るとともに、家庭、地域と連携して学習習慣を確立する取り組みを拡充させることにより一層の学力向上に努めてまいります。

 次に、高校生の学力向上につきましては、生徒一人一人にそれぞれの進路希望が実現できる総合的な力を身につけさせることが大切であることから、入学時より個別面談等を行い、生徒に自己の適性や可能性への自覚を促しながら、各校の特色に応じて大学教授等による講義や演習、企業と連携したインターンシップ等を計画的に実施し、学習意欲を高めるとともに、授業においては生徒の主体的な活動を重視し、知識や技能を関連づけながら解決する探究活動を充実させるなど思考力や表現力の育成を図っており、今後ともこうした取り組みを進め、高校生の学力向上に取り組んでまいります。

 次に、児童生徒の体力の向上につきましては、一人一人に望ましい運動習慣や食習慣を形成することが重要であることから、これまで本県独自の運動身体づくりプログラムの普及、定着や教員の指導力向上を図る研修の充実等に取り組んでまいりました。

 今後は新たに外部指導者をすべての小学校に派遣し、運動の楽しさを実感させ、運動への興味、関心をより高めるとともに、体力や健康に関する情報を高等学校卒業時まで継続して記入できる手帳を児童生徒に配布し、学校と家庭が一体となって運動習慣や食習慣の改善を図るための総合的な取り組みを進めていくことにより、体力の向上を図ってまいる考えであります。

 次に、教職員の不祥事につきましては、教育に対する信頼の回復に一丸となって取り組んでいる中、今般校長等による重大な非違行為が発生しましたことはまことに遺憾であり、議員の皆さんを初め、県民の皆さんに対しまして深くおわびを申し上げます。まことに申しわけございませんでした。

 今回の不祥事を踏まえ、改めて全教職員に文書で不祥事の根絶を強く訴えるとともに、緊急に校長会を招集し、管理職はもとよりすべての教職員が高い倫理観と自律心を持ち、未来を担う子供たちのために全力を尽くすよう指示しているところであり、教育庁幹部職員と教育事務所長による学校訪問を通じて、不祥事根絶の徹底を図ってまいります。

 次に、活力ある学校のあり方について検討を進める市町村への支援につきましては、地域の実情に配慮しつつ、児童生徒にとって望ましい学習環境を整えることが最も重要であることから、今般文部科学省より出された適正規模・適正配置等に関する手引も踏まえ、学校規模によって異なる教育課題に柔軟に対応できる教職員配置や、魅力ある教育活動を進めるための小中一貫教育の導入に対する助言、カリキュラム編成の技術的援助などを通して、活力ある学校づくりに取り組む市町村を積極的に支援してまいる考えであります。

 次に、特別支援学校の教育環境の早急な改善につきましては、相馬守る学校は校舎の老朽化や児童生徒の増加による狭隘化を解消し、十分な教育施設を整備するため現在の場所から移転新築することとし、設置場所について地元自治体との調整を進めているところであります。

 また、あぶくま守る学校安積分校は敷地が借地であり、長期の存続が困難であることから、既存の特別支援学校に加え、児童生徒の長時間通学による負担を軽減するため、廃校舎や空き教室を活用して県中地区南部に新たに分校を設置することにより、児童生徒を受け入れてまいる考えであります。

 次に、地域の実情を踏まえた県立特別支援学校の設置につきましては、相馬守る学校やあぶくま守る学校安積分校の対応に加え、いわき守る学校くぼた校をこの4月に開校するとともに、田村市への分校設置に向けて調整を進めているところであります。

 今後も引き続き特別支援学校への通学が困難な地域や長時間を要する地域において、特別支援学級に在籍する児童生徒数の推移、地元自治体からの要望等も踏まえ、児童生徒の負担軽減を図るため、特別支援学校の新たな分校等の設置のあり方について検討を進めてまいる考えるであります。

警察本部長(石田勝彦君)お答えいたします。

 復興に取り組む本県警察本部長として所信を申し上げたいと思います。

 着任後、被災地を訪れ、避難指示区域等の状況を目の当たりにしてまいりましたが、被災された方々の苦難を思いますと胸に迫るものがあり、福島の復興を支えていかなければならないという意識がより一層強くなったところであります。

 今後とも行方不明者の捜索を継続しつつ、避難指示区域等における治安の確保や復興関連事業の進展に伴うさまざまな治安上の課題にしっかりと取り組んでまいります。

 また、「なりすまし詐欺」の被害防止、あるいは危険ドラッグ等の薬物乱用の根絶のほか、交通事故の防止など一般治安対策にもしっかりと取り組んでまいります。

 県警察といたしましては、県警察の総力を挙げて県民の安全・安心を確保することにより、福島の復興を治安面からしっかりと支えてまいる所存でございます。

 次に、県警察における国際テロの未然防止対策につきましては、現時点で県内における具体的なテロの危険に関する情報には接しておりませんが、現下の情勢を踏まえ、不測の事態に備えた幅広い対策が求められるものと考えております。

 そのため関連情報の収集はもとより、大規模イベントにおける対策の推進、公共交通機関やライフライン等の重要施設に対する警戒警備の強化、空港対策、爆発物原材料販売店に対する管理強化の要請など県警察の総合力を発揮した各種対策を推進してまいる考えであります。

 県警察といたしましては、引き続き危機感を持ち、関係する機関や企業等との連携を強化しながら国際テロの未然防止を図ってまいります。

議長(平出孝朗君)これをもって、杉山純一君の質問を終わります。

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