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2015年2月定例会 追加代表質問 渡辺義信議員

印刷用ページを表示する 掲載日:2015年6月12日更新

渡辺義信議員

議員

渡辺義信

所属会派
(質問日現在)

自由民主党

定例会平成27年2月
質問等追加代表質問
質問日3月2日(月曜日)

29番(渡辺義信君)自由民主党、渡辺義信です。通告に基づきまして、以下質問いたします。

 まず、県外からの思いを生かすことについて伺います。
 
 知事は、今議会冒頭の議案の提案理由説明の中で「音楽活動、映画制作、スポーツやさまざまな交流を通じて福島県を応援する機運の広がりなどの我が県を照らす光を一層強め、県内の隅々にまで行き渡らせることが復興の前進につながる。」と言っておりますが、私もそこは大切な視点だと考えます。そこで、県外からの思いを生かすという視点で幾つか質問いたします。

 まず、ふくしまデスティネーションキャンペーンについて伺います。

 東日本大震災により大きなダメージを受けた本県の観光につきましては、関係者の努力により徐々に回復に向かってきてはおりますが、まだまだ本格的な回復には至っていない状況にあります。観光産業の裾野は大変に広く、地域経済への影響も大きいことから、知事は就任以来、観光の復興を福島再生の柱の一つに掲げ、みずからが先頭に立ち、福島のイメージアップに努めてきたところであります。

 そうした中、いよいよふくしまデスティネーションキャンペーンの開催が4月に迫ってまいりました。このキャンペーンの開催につきましては、県内の旅館・ホテル業を初め観光施設や運輸業など観光の風評被害に苦しむ多くの方が大きな期待を寄せているところであります。

 また、県はこのキャンペーンにあわせて宿泊費補助を行う「福が満開、福のしま。」旅行券事業を今議会の補正予算に計上しました。これは、誘客の起爆剤となると考えており、来県したお客様がリピーターとなっていただけるよう効果のあるものにしなければならないと考えております。

 このように、全国から多くのお客様をお迎えするふくしまデスティネーションキャンペーンは、福島の魅力をアピールすることができる絶好の機会であり、全力を挙げて取り組みを進めていただきたいと考えております。

 そこで、ふくしまデスティネーションキャンペーンに向けた知事の思いを伺います。

 東日本大震災の被災地支援をしているNPOが、7月に安達太良山周辺を舞台に、世界各地から600人規模が参加するウオーキングイベントを開催します。我が県の復興に関して、特に風評払拭については、多くの県外、海外の人に来県していただき、ここに住んでも安全なんだという実体験を口コミで広げていただくという視点が重要です。

 そういう意味では、県外の団体が企画して国内外からの集客を促していただけることは復興に向けて絶好の機会と考えます。

 そこで、オックスファム・トレイルウオーカー東北2015を復興のためにどのように生かすのか、県の考えを伺います。

 都市地域から過疎・中山間地域などに移住して地域活性化の活動をする者に、国から年間400万円を上限に支援される地域おこし協力隊という制度があります。全国的には1千人弱の隊員が、それぞれの地域で地域活性化の中心的な活動をしております。

 県南地方のある商工会において、地域おこし協力隊を活用した地域振興の企画がされました。地域振興計画をつくり、国の担当者と内容を詰めいよいよという段階になって、窓口は市町村になるとのことで、市町村の担当者に説明しました。市町村の担当者は地域おこし協力隊の制度に疎くて、それから1年以上進展がありません。

 県内では、前年度は22名の協力隊が7町村で活動していますが、若者がいない、予算がないという課題を解決できるこの協力隊制度を県はもっと積極的に活用すべきと考えます。

 そこで、市町村が地域おこし協力隊を十分に活用できるようにするため、県はどのように取り組むのか伺います。

 人気アニメの「新世紀エヴァンゲリオン」を制作した会社の子会社が来月三春町に制作スタジオをオープンし、ミュージアムも併設されると伺っております。

 「福島県をアニメの聖地にしたい。映画を通して福島県を発信したい。須賀川市の円谷プロ関連ミュージアム、田村市の星の村天文台、小野町のリカちゃんキャッスルなどとも連携し、広域的な青少年向け集客の仕組みづくりを目指したい。」と、その会社の福島市出身の浅尾社長が語っております。

 昨今のアニメーション文化は、社会現象を起こし、世論を形づくるほどの影響力を持っております。我が県の風評払拭を図る一つの手法としてこのようないわゆるコンテンツ産業も観光客の誘致に有効であると考えます。

 そこで、アニメなどのコンテンツ産業を観光の振興に生かすべきと思いますが、県の考えを伺います。

 次に、専門性を有する職員の育成について伺います。

 東日本大震災の被災によって非常事態となり、今も復興の途上にある我が県でありますが、ここまでの大規模災害の被災経験がなかった我が県には当然としてこれまでの経験やノウハウの蓄積がなく、今後の災害対策を初め復興・再生に向けた施策などを行う上で経験やノウハウ、人的な面で新たな課題が生じております。

 広く浅く業務に精通したゼネラリスト職員だけでは対応しにくいのが専門性の高い災害対策、復興・再生の業務だと考えます。復興政策に関するスペシャリスト職員が必要と考えるのです。

 そこで、復興・再生に向けた新たな課題に対応するため専門性を有する職員を育成する必要があると思いますが、県の考えを伺います。

 健康長寿の推進について伺います。

 原発事故発生以降、放射線による健康不安が広がる中、県は全国に誇れる健康長寿県を目指す基本方針として第2次健康ふくしま21計画を策定し、健康を支え、守るための社会環境の整備などを柱とした取り組みを実施しているところであります。

 この計画においては、健康寿命の延伸を柱の一つに掲げ取り組むとしております。寿命が延びても寝たきりの生活では意味がありません。限られた寿命の中でいかに将来まで充実した生活を送ることができるかが極めて重要であります。

 国においては、昨年6月、医療介護総合確保推進法ができ、医療と介護が一体となったサポートの推進などが求められており、平成30年度からは都道府県が国保保険者の中心的な役割、財政運営の責任主体になると示されております。このため、本県はこれら制度の大きな変革期に臨んで全国に誇れる健康長寿県の実現に向けた追い風と捉えるべきと考えております。

 そこで、健康長寿県の実現に向けどのように健康づくりを推進していくのか、県の考えを伺います。

 次に、医療と介護の総合的な確保についてであります。

 さきの9月議会におきまして、医療介護総合確保推進法に関する私の質問に対し、県は「広大な県土の約8割が過疎・中山間地域であり、医療や介護の社会資源が偏在している。」との認識を示し、「平成26年度は病床機能の分化・連携の推進、在宅医療の充実及び医療従事者の確保を柱とした福島県計画を策定し、地域の実情に応じた必要なサービスが円滑に提供できるよう取り組む。」と答弁しております。

 平成27年度は、この計画に新たに介護事業も加わってくるわけでありますが、社会資源の偏在や県民の高齢化の状況の中、医療と介護のサービスが途切れることのない一体的な提供体制が早期に実現されることが多くの県民の願いであります。

 そこで、地域における医療と介護の総合的な確保に向け県はどのような取り組みを行っていくのか伺います。

 医療従事者の確保についてであります。

 本県の医師数は、震災以前から不足しており、震災後においても地域偏在や診療科偏在、病院勤務医の不足など引き続き厳しい状況にあります。また、県内の病院における看護職員数は、県全体では震災前よりも増加しているものの、相双地域における人材不足は今もなお厳しい状況となっています。

 高齢社会が発展する中、県民の健康を守り、県民が心豊かに暮らしていくためには地域医療の充実強化と医療・介護の連携が不可欠であり、そのためにはその担い手である医師、看護師を初め理学療法士や作業療法士などの医療従事者の確保が最も重要であります。

 そこで、医療従事者の確保対策を一層推進するため県はどのように取り組むのか伺います。

 小規模企業の振興について伺います。

 常時雇用人数から見た中小企業の範囲を整理しますと、建設業、製造業においては中小企業が300人以下で、小規模企業は20人以下です。サービス業では中小企業が100人以下で、小規模企業が5人以下です。

 一言で中小企業といっても、中企業と小企業では規模的には桁が違うのです。よって、中小企業振興政策にかかわるとなると、小規模企業に対して企画力にたけた中規模企業が断然有利となるわけで、だから今回の小規模企業振興基本法の成立となったのです。小規模企業振興基本法の成立を受けて、今全国的にも中小企業という枠組みから小規模企業を特出しする政策が始まっています。

 我が県では現在、中規模企業と小規模企業を分け隔てなく支援対象としているため、小規模事業者のみを抽出した支援実績は把握できていませんが、この状態は小規模企業振興基本法の第3条基本原則と第7条地方公共団体の責務に反する状態と言えます。また、復興に向けて県内の経済、雇用を確立させていくためには、小規模企業を着実に振興させていかなければならないと考えます。

 そこで、県は小規模企業振興基本法を踏まえ、小規模企業の振興に関しどのような施策に取り組んでいくのか伺います。

 農政改革と農業振興について伺います。

 政府は、農政改革の一環として今月中にも農協組織の改革案を国会へ提出する段階となりました。今回の農協組織改革論議は、組織、制度にかかわる事柄に注目が集まっておりますが、政府が進めようとしている農政改革が主眼としているのは農業・農村所得を倍増する姿を目標に掲げ、強い農村を創出し、自立できる産業となることを目指すことであります。

 私は、この改革の方向性自体は正しいものであると考えており、現在は改革の具体的な先駆けとして農協組織改革が示された段階にあると認識しております。しかし、私の周りの農業者には、その目的を達成するため施策の具体的な内容やそれが持続的なものになるのかが見えてきていないことから、継続的な営農、将来への投資などに不安を持つ農業者が多くおります。

 そこで、知事は国が進める農政改革をどのように捉え、農業振興をどのように推進していくのか伺います。

 次に、本県の水田農業の振興についてであります。

 先日の我が党の代表質問に対し、県は昨年12月に策定した福島県の水田農業の振興方策に基づき、関係施策を展開して水田農業の持続的発展に取り組むとの答弁がありました。

 この方策の中で、県全体としての平均的な施策については理解しました。しかし、本県は地域ごとに地形も自然条件も異なり、主力作物も違うため、福島県の水田農業の振興方策の目標を実現するためには条件が合わない地域が必ず出てきます。ですから、それぞれの地域において、どのようにそれぞれの施策が進められていくのかが大変重要であると考えております。

 そこで、地域ごとの水田農業の振興をどのように進めていくのか、県の考えを伺います。

 鳥獣害対策について伺います。

 県のイノシシ管理計画では、現在4万9千頭いるイノシシを5年間で90%減の5千2百頭まで減らすと言っております。しかし、現在の手法だけでは、本当に達成されるのかと心配に思います。また、目標達成のためには超えなければならない壁は余りにも高いと感じております。さらに、目標達成までの間の被害防止も喫緊の課題です。

 イノシシを初め鳥獣被害防止対策について、県では柵の設置費用を補助し、狩猟者への助成と補助を上乗せしていますが、柵による対策は人と獣のイタチごっこの感は否めず、人件費的にも設置し切れるものではありません。狩猟者増加についても、ジビエ振興、獣のベクレル低下などによる狩猟者メリットが上がらないと、補助だけでは効果が薄いと言わざるを得ません。

 私の近所の高齢農家は、獣対策として犬のふんを畑の周りにまきます。まいた次の朝に畑に行くと、ふんをまいたラインの畑の手前まで来て山にUターンする獣の足跡が多数見つけられ、作物被害はないといいます。獣は犬の存在を感じるだけで里におりるのをためらうのです。

 この獣の性質を狙った追い払い犬という手法があります。訓練された犬を野に放ち、獣が里に下りるのを防ぐことにより農作物被害を食いとめるというものです。現在全国では25の県、71の市町村、県内では西会津町で取り組まれております。

 そこで、農作物の鳥獣被害を防止するため追い払い犬の活用など多様な対策を講じるべきと思いますが、県の考えを伺います。

 原発事故から4年が経過しようとしておりますが、本県が原子力災害から復興し、地域経済を再生させるためには、事業者が事業を再建し、自立、発展していくことが極めて重要であります。

 国と東電は、原発事故に伴う商工業者に対する営業損害賠償について、逸失利益の1年間分相当額を一括して賠償し、終了する素案を示しましたが、県内の商工業者等からは、事業者の現状とかけ離れているとして、営業損害賠償打ち切り反対の声が多く上がっております。

 原発事故に伴う営業損害の状態については、地域ごと、産業ごとにさまざまであり、一律に賠償の終期を決められるものではありません。国及び東電は、事業者や市町村などの意向を十分に反映した賠償を行うことはもちろんのこと、国は商工業者の営業状態が原発事故以前に回復し、事業再建を果たすことができるようあらゆる施策にスピード感を持って取り組んでいくべきであると考えます。

 そこで、事業者が一日も早く事業を再建し、自立することができるよう、国等に対し、事業者や市町村等の意向を十分に反映した商工業等に係る営業損害の賠償と事業再建策等を求めるべきと思いますが、県の考えを伺います。

 風化防止対策について伺います。

 阪神・淡路大震災から20年がたち、震災を知らない人がふえてきた神戸では、住民の防災意識が低下しないようにとさまざまな風化防止対策をしております。

 我が県においては、いまだ復興の途上であることを忘れられないための対外的な風化防止が重要でありますが、神戸と同様、県民の防災意識が低下しない仕組みも必要です。

 また、首都圏直下地震、南海トラフ地震に代表される全国的な次なる災害対策上、最も参考になるのが我が県の被災体験と災害対策とそれらの発信力です。

 そこで、震災及び原子力災害の記憶や教訓を後世に伝え、国内外に発信する拠点施設の設置に向けた県の取り組みについて伺います。

 教員の特性と人事異動について伺います。

 県内公立学校の教員は県が採用して、人事方針のもと全県的視野に立ち広い福島県の各地に赴任されます。といっても、福島県はとても広い県土であります。地域によっては気質も違います。それぞれの赴任先の地域に対する教員の思い入れも違います。

 生まれたふるさとに対する思い入れが強い教員もいるでしょう。育った環境とは違う地域で仕事をしたほうが能力を発揮できる教員もいるでしょう。都市部、僻地、それぞれに得意な教員もいるでしょう。その思い入れや特性と勤務地域のベストマッチングを教員の士気の高揚と教育の成果に生かすべきであると考えております。

 そこで、教員の士気を高揚し教育の成果につなげるため人事異動に教員の特性を反映させるべきと思いますが、県教育委員会の考えを伺います。

 我が会派の杉山議員の代表質問において、「教職員の不祥事の根絶に向け、さらなる対策を講じ、徹底を図るべき。」との質問がされましたが、教育長の答弁では、「全教職員に文書で不祥事根絶を訴え、緊急校長会を招集し、倫理観と自律心を指示し、学校訪問する。」と答弁しました。

 しかし、これでは、今まで幾度となく発生した不祥事のたびに行ってきた対策を今回もまた行うということであり、質問の趣旨である「さらなる対策」に対する答弁に値しないと考えますし、今まで根絶に至らなかったように、同じ対策では効果は期待できないものと考えます。

 そこで、教職員の不祥事の根絶に向けさらなる対策を講じ、徹底を図るべきと思いますが、県教育委員会の考えを伺います。

 次に、警察行政について伺います。

 私の地元のライオンズクラブが、毎年恒例の事業として県警察の協力を得て、中学生を対象とした薬物乱用防止教室を行っております。薬物乱用防止に関する講師認定を受けたライオンズクラブメンバーが講師になり、授業を行っております。

 その際、県警所属の薬物乱用防止広報車を学校内に設置し、警察官とライオンズクラブメンバーが一緒になり、薬物のサンプルやチラシを使って、全校生徒を対象として薬物の危険性を訴えております。

 授業を受けた生徒の感想文には、「身近な危険に驚いた。」、「たった1回でも脳が破壊されて、やめられなくなるのを知った。」などの感想が書いてあり、薬物の危険性を子供たちに知らしめる必要性と同時に、薬物乱用防止広報車の効果を実感しているところであります。

 全国的に危険ドラッグ使用による悲惨な事件事故が発生しており、県内でも危険ドラッグを使用しての交通事故が発生するなど身近にも危険ドラッグの脅威が迫っております。今や覚醒剤などの危険な薬は一部の限られた特別な人たちが使うものだというイメージは過去のものであり、1回ぐらい使っても大丈夫だろうというイメージも過去のものであります。

 こうした情勢から、本県の未来を担う子供たちを薬物の脅威から守るには、危険ドラッグの根絶はもとより、子供たちに薬物の危険性を理解させる薬物乱用防止教室が効果的であり、その際、薬物乱用広報車を活用することの効果は子供たちの感想からも明らかであります。

 しかしながら、この広報車を要請する際には警察官の派遣を伴うこともあり、また、以前の広報車は大きなバスだったこともあり、運転する警察官の確保や警察の業務負担を考えると広報車の貸し出しなどにより、広く活用できるのではと感じております。

 そこで、薬物乱用防止広報車を活用した啓発について県警察の考えを伺います。

 以上で私の代表質問を終わります。御清聴ありがとうございました。

議長(平出孝朗君)執行部の答弁を求めます。


 知事(内堀雅雄君)渡辺議員の御質問にお答えいたします。

 ふくしまデスティネーションキャンペーンについてであります。

 私は、本県が力強い復興をなし遂げていくためには、地域に活力を与える観光の再生が極めて重要な柱になると考えております。

 風評により観光客の回復が足踏みをする中、デスティネーションキャンペーンは、地域みずからが観光資源を発掘し、磨き上げた宝を本県を訪れる多くの観光客に実際に来て、見て、感じて、味わってもらうことで福島のすばらしさを実感していただき、全国に発信する貴重な機会であります。

 このため、JRとの連携による情報発信や首都圏でのPRキャラバンなどを通じ、私自身先頭に立って福島の魅力を直接全国の皆さんに訴えてきたところであります。

 今後はさらに、常磐自動車道の全線開通や太平洋・島サミットなどの好機を生かしながら、浜通りの市町村と連携したプロモーションや全県的な大規模周遊イベントの開催など、県内全域への周遊促進に取り組んでまいります。

 私は、このキャンペーンを契機に本県への旅行需要を喚起しながら、ふくしまならではのおもてなしと笑顔で感謝の心を伝えることにより、2度も3度も福島に行きたいと思っていただけるよう観光復興に全力で取り組んでまいります。

 次に、国の農政改革についてであります。

 農政改革は、農業の成長産業化を目指す産業政策と農山漁村の多面的機能を発揮する地域政策を車の両輪として、若者が希望を持てる農業・農村を目指しており、政策の継続性が求められていると受けとめております。

 本県農業が震災と原子力災害を乗り越え、豊かで魅力ある産業に発展するためには、さまざまな課題へ果敢に挑戦し、復興の芽を着実に花開かせ、福島の将来を担う子供たちへ食とふるさとをしっかりと引き継いでいくことが必要であると考えております。

 このため、引き続き避難地域等における営農再開への支援、きめ細かな検査による県産農産物の安全確保、風評払拭に向けた情報発信等に取り組むほか、トップセールスにも努めてまいります。

 また、農業短期大学校の機能強化による新規就農者の育成確保や農地の利用集積による生産性の向上、先端技術等を活用した新しい農業の研究実証、6次化商品の開発によるブランド力の強化、地産地消や輸出促進による販路拡大、さらには日本型直接支払制度による地域共同活動の強化などの取り組みに対し積極的な支援を行い、本県の基幹産業である農業の振興に全力で取り組んでまいります。

 その他の御質問につきましては、副知事等から答弁をさせます。

副知事(鈴木正晃君)お答えいたします。

 専門性を有する職員の育成につきましては、環境回復、風評・風化対策など新たな課題に対応できる人材の確保や専門的研修が重要であることから、環境業務に対応する任期付研究員等の採用、観光、環境、住宅関連の民間企業等在籍職員の受け入れ、政策研究大学院大学や民間企業への危機管理、観光分野等の派遣研修などを行っております。

 今後とも復興のさらなる前進に向け、専門性を有する職員の効果的な育成に取り組んでまいる考えであります。

企画調整部長(近藤貴幸君)お答えいたします。

 オックスファム・トレイルウオーカー東北2015につきましては、参加者が貧困対策や被災地支援等のために寄附金を募った上で4人1組で安達太良山麓50キロメートルを歩くイベントであります。

 これまで日本では、富士山周辺で多くの外国人の参加を得て実施されておりましたが、被災地に貢献したいとの主催者の申し出を受け、県としても開催に向け協力しているところです。

 今後も主催者と連携し、国内外の多くの方々に本県の魅力を体感していただくことを通じ、福島の正しい現状を伝え、海外も含めた風評の払拭につなげてまいる考えであります。

 次に、地域おこし協力隊につきましては、制度の周知や優良事例の紹介等により市町村の活用を促進してまいりました。

 今後は新たに先輩協力隊の体験談などを県のホームページで公開するほか、県と市町村による首都圏での合同募集説明会の開催や、さらには後継者不足に悩む地域産業に関する協力隊については県と市町村が共同で採用するなど、これまで以上に連携し、市町村が協力隊制度を十分に活用できるよう取り組んでまいります。

保健福祉部長(鈴木淳一君)お答えいたします。

 健康づくりの推進につきましては、長寿社会を心身とも健やかに過ごせるよう、健康寿命を延ばす取り組みが極めて重要であります。

 このため生活習慣病の予防を目的に、市町村に対してがん検診や特定健診の受診率向上のための支援を行うとともに、今般新たに国保の特定健診分析データを提供し、地域の特性に応じた保健指導への活用を促進するほか、本年4月から県立医科大学の医師を健康長寿推進アドバイザーに委嘱し、その専門的知見等を健康づくりに生かすなど、全国に誇れる健康長寿県の実現に全力で取り組んでまいる考えであります。

 次に、医療と介護の総合的な確保につきましては、限られた資源を有効に活用し、地域の特性に応じたサービスを提供することが重要となることから、地域課題の抽出や共有のため、先月、各圏域に多職種連携による地域在宅医療推進協議会を新たに設置したところであります。

 さらに、新年度は地域包括ケアシステムの構築に向けて市町村が行うモデル事業への支援に加え、病院、NPO、事業者等から提案のあった介護に関する理解促進や人材養成、勤務環境改善などの主体的な取り組みへの補助を新たに行うなど地域における提供体制の整備を積極的に進めてまいる考えであります。

 次に、医療従事者につきましては、不足が著しい医師や看護職員の確保はもとより、高齢社会の進展に伴い、本県の医療と介護の連携を推進していく上で理学療法士や作業療法士等の養成は喫緊の課題であると認識しております。

 このため、新年度部内に医療人材対策室を設置し体制の強化を図るとともに、修学資金制度の活用やキャリア形成支援、県内養成施設の整備検討など理学療法士等の職種を含めた保健医療従事者の確保対策に総合的に取り組んでまいる考えであります。

商工労働部長(星 春男君)お答えいたします。

 小規模企業の振興につきましては、これまで産業振興センターや商工会等を通じた経営支援、県制度資金による金融支援やハイテクプラザにおける技術支援等に取り組むとともに、今年度は中小企業の経営課題に対応する支援拠点を郡山市に新設し、支援体制の拡充を図ったところであります。

 さらに、新年度には小規模企業に特化したより低金利の制度資金を新設するほか、小規模企業等の設備投資を支援する機械貸与事業の融資枠を拡充するなど地域を支える小規模企業の支援の強化に積極的に取り組んでまいります。

農林水産部長(畠 利行君)お答えいたします。

 地域ごとの水田農業の振興につきましては、福島県の水田農業の振興方策に即し、市町村やJA等で構成する地域農業再生協議会が共通認識を持ちながら、地域の特色を生かして策定する地域水田フル活用ビジョンに基づき、連携して施策に取り組むことが重要であります。

 このため、地域協議会での魅力ある産地づくりに向けた交付金の活用や構成機関・団体独自の事業展開などの主体的な取り組みを促し、地域の特色ある水田農業が実現できるようしっかりと支援してまいる考えであります。

 次に、農作物の鳥獣被害防止対策につきましては、被害の実態を踏まえ、地域ぐるみでの総合的な対策を実践することが重要と考えております。

 このため、やぶの刈り払いなどの環境整備や侵入防止柵等の整備、有害捕獲等の対策に加え、犬などを活用した効果的な追い払いなど多様な対策を組み合わせて、市町村や猟友会等の関係団体と密接に連携しながら農作物等被害防止の取り組みを支援してまいります。

原子力損害対策担当理事(伊藤泰夫君)お答えいたします。

  商工業等に係る営業損害の賠償と事業再建策等につきましては、先月4日に原子力損害対策協議会として国及び東京電力に対し、事業者等からの意見を十分に踏まえ、被害の実態に見合った賠償が最後まで確実になされるよう求めるとともに、さらに国に対しては、事業の再開や転業の支援など被害者に寄り添ったきめ細かな事業再建策等の実施を働きかけてまいりました。

 今後とも事業者が早期に事業を再建し自立することができるよう、関係団体等と一体となって取り組んでまいります。

文化スポーツ局長(鈴木千賀子君)お答えいたします。

  震災及び原子力災害の記憶や教訓を後世に伝え、国内外に発信する拠点施設につきましては、イノベーション・コースト構想に位置づけられ、国際産学連携拠点に関する検討会において検討が進められております。

 2月に開催された同検討会においては、拠点施設の目指すべき方向性、担うべき機能、収集すべき資料等について県の考えを提案いたしました。

 今後は具体的な姿についてさらに検討を進め、被災県の立場から提案を重ねることにより、その実現を国に求めてまいる考えであります。

観光交流局長(五十嵐照憲君)お答えいたします。

 アニメなどのコンテンツ産業につきましては、今後の成長が見込まれる有望な産業であり、若い世代を中心に幅広い年齢層において支持されているものであります。

 特にアニメや映画などの情報発信力の高い分野は、これまでになかった新たな魅力の創出による観光誘客や地域活性化等も期待されることから、交流人口の拡大につながるよう市町村や関係団体と連携しながら、他の観光素材と組み合わせた周遊ルートをPRするなど積極的な活用を図ってまいります。

教育長(杉 昭重君)お答えいたします。

 教員の人事異動につきましては、人事の公平性、公正性、透明性を確保することに加え、教員一人一人に専門性や持てる力を最大限に発揮させることにより、学校を活性化し、教育の成果につなげることが重要であることから、今後とも教員それぞれの勤務経験や実績、能力等の特性をしっかりと評価し、全県的視野に立って適材適所の配置を行ってまいります。

 次に、教職員の不祥事につきましては、先般代表質問において御答弁申し上げた直後に再び県立高等学校教諭による逮捕事案が発生しましたことはまことに遺憾であり、重ねて深くおわびを申し上げます。まことに申しわけございませんでした。

 県教育委員会の現場へのかかわり方が不足していたことを反省し、これまでの取り組みの一層の徹底を図るとともに、新たに県教育委員会が県内全ての公立学校とともに外部の有識者等の意見も伺いながら、各校の不祥事根絶への目標と具体的な取り組みを行動計画として策定し、全ての教職員が一丸となって実践した結果をしっかりと検証し、さらに深化させる取り組みを繰り返すことにより、教職員一人一人に不祥事根絶の意識を徹底してまいります。

警察本部長(石田勝彦君)お答えいたします。

 薬物乱用防止広報車を活用した啓発につきましては、危険ドラッグ等の県内への広がりが懸念される中、視覚に訴える資機材等を備えており、効果的な啓発に資するものと考えております。

 昨年から運用している広報車は、従前の広報車と比べ小型であり、薬物乱用防止教室や街頭キャンペーン等に使用しやすくなっております。

 県警察としましては、警察職員やスクールサポーター等を弾力的に運用しながら、広報車を使用した啓発活動を強化してまいる考えであります。

議長(平出孝朗君)これをもって、渡辺義信君の質問を終わります。

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