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2015年2月定例会 討論 亀岡義尚議員

印刷用ページを表示する 掲載日:2015年6月17日更新
亀岡義尚議員 
議員亀岡義尚
所属会派(質問日現在)民主・県民連合
定例会平成27年2月
質問等討論
質問日3月20日(金曜日)

48番(亀岡義尚君)民主・県民連合の亀岡義尚であります。

 私は、会派を代表いたしまして、今議会に提出されました知事提出議案第1号平成27年度福島県一般会計予算につきまして、賛成の立場で意見を述べさせていただきます。

 今般内堀知事のもとで編成された本県の平成27年度当初予算においては、県政史上最大となる1兆8,994億円、このうち震災、原子力災害対応分として1兆287億円が計上されました。

 県はこの平成27年度当初予算について、本県の真の復興に向けてさまざまな課題に果敢に挑戦し、福島の未来を開く新たなステージへの一歩を踏み出すための予算として編成したとの考えを示されたところでありますが、厳しい財政状況の中、あらゆる方策を講じて編成されたものであり、県の意気込みが十分あらわれた予算になっているものと考えます。

 今回の予算の内容を詳しく見てみますと、まず歳入について、県税収入は復興需要に伴う公共事業の増加等による景気回復の動きが見込まれることから、今年度比9%増となる2,160億円が計上されておりますが、一方で震災復興特別交付税を除く実質的な地方交付税は今年度を下回り、一般財源の確保は依然厳しい状況と言わざるを得ません。

 また、復興・再生に向けた動きが本格化する中、財政需要は膨大となっており、必要な財源の確保は非常に厳しいものであったと思われます。

 こうした状況の中、原子力災害復興基金を初めとする各種基金の有効活用や徹底した事務事業の見直しに加え、知事みずから就任直後に国に緊急要望活動を行い、財源確保に努めるなど、あらゆる方策を講じて歳入の確保に取り組まれており、並々ならぬ努力の跡がうかがえるものであります。

 震災、原子力災害からの復興・再生を図るためには、国の集中復興期間後も長期的かつ安定的な復興財源の確保が必要であり、引き続きしっかりと財源の確保に取り組むよう強く希望するものであります。

 続いて、歳出については、福島県総合計画「ふくしま新生プラン」に基づく施策を効果的に展開するため、人口減少・高齢化対策プロジェクトを初めとする13の重点プロジェクトを中心に、現場のさまざまな声や思いに応えるための施策に対して、重点的・優先的に予算配分がなされております。こうした現場主義の視点に立って施策が展開されることで、復興に向けた動きがさらに進展するものと期待するところであります。

 それでは、具体的な施策について、県が重点的・優先的に予算配分を行った原子力災害からの復興・再生、産業政策、未来を担う子ども・若者の育成、県民の健康保持・増進、県土基盤の整備、地域創生、人口減少対策の区分ごとにそれぞれ検証したいと思います。

 まず、原子力災害からの復興・再生に関する施策であります。

 県内外にいまだ12万人もの多くの方々が避難を続けており、自立的な生活再建に向けた環境づくりが何よりも重要であります。あらゆる手段を尽くして復興公営住宅の整備を進めるとともに、避難されている方々へのきめ細かな支援、入居後のコミュニティー形成や周辺住民も含めた交流に対する支援にしっかりと取り組むための予算が計上されたところであります。

 また、帰還に向けた環境づくりについては、教育体制の確保に加え、県立診療所の整備や原子力災害の被災地域における農業復興支援、商業施設新設再開への支援など広範に取り組むこととされております。

 除染については、市町村に対する除染対策支援、県管理施設等の除染を迅速かつ確実に推進するための予算が確保されているものと理解いたします。環境の回復・創造を図るための拠点となる環境創造センターについては、平成27年度中の一部開所、平成28年度中の全面開所に向けて整備が確実に進められることとなっております。

 次に、産業政策に関する施策であります。

 本県の基幹産業である農林水産業の再生に向けては、地方ごとの特色を生かした水田農業の振興、農業短期大学校の教育・研修機能の強化による担い手の育成、新たな木材需要の創出、さらに水産業振興の拠点となる水産種苗研究生産施設について、平成29年度中の供用開始に向けて所要の予算が措置されるなど、各分野において取り組みの充実が図られております。

 商工業の振興については、企業立地補助金による新増設の支援のほか、被災中小企業や中小企業グループに対する施設復旧への支援や県制度資金による支援など、厳しい状況にある中小企業等の復旧・復興に向け引き続き配慮がなされたところであります。

 新産業の創出に関しては、まず再生可能エネルギーについては住宅用太陽光発電の普及拡大に加え、風力発電やバイオマス発電の事業化支援などの新たな取り組みや国との連携による電力系統接続対策も進められております。また、将来の産業集積等を見据え、福島再生可能エネルギー研究所との連携による次世代技術の研究開発や県内企業への技術支援等も盛り込まれているところであります。

 医療機器関連産業については、医療福祉機器の実証事業化に向けた支援に加え、医療機器開発・安全性評価拠点、福島県立医科大学における医薬品関連産業支援拠点の整備のため所要の予算が措置されております。

 さらに、新年度は新たな分野として、災害・医療福祉・農業など、幅広い分野でのロボット技術開発や現場での導入支援、県内企業に対する技術支援や普及啓発など、ロボット関連産業革命の地ふくしまを目指した取り組みを総合的に進めるための予算が措置されたところであります。

 これら新産業の創出に向けた取り組みの推進により、本県復興の推進力となるよう強く希望するものであります。

 次に、風評払拭・風化防止対策に関する施策であります。

 県産農林水産物等に対する風評払拭を図るため、米の全量全袋検査を初めとする徹底した安心・安全の確保と、国内外への魅力の発信に取り組むための対策が引き続き講じられております。

 また、実際に本県に来て、見て、味わっていただくことも重要であります。本年4月からデスティネーションキャンペーンが始まりますが、市町村や関係者との緊密な連携のもと、磨き抜いた観光素材と本県ならではのおもてなしにより、一人でも多くの方々に本県に足を運んでいただきたいと思います。

 風評払拭には、国内のみならず海外への発信も大切です。5月に開催される第7回太平洋・島サミットを最大限活用した世界への発信やその後の交流拡大にも配慮がなされているところであります。

 本県に対しては、いまだ根強い風評被害がある一方で、震災、原子力災害に対する関心が薄れ、風化が進んでいる現状もまた事実であります。こうした風評・風化対策には、部局横断的な連携・調整が必要であり、当初予算に計上された各種事業の実効性を確保する上からも、新たに設置される風評・風化対策監の役割は非常に大きいものと考えます。

 次に、未来を担う子ども・若者の育成に関する施策であります。

 本県の未来を担っていくのは、子供、若者であります。18歳以下の子供の医療費無料化措置が確実に継続されるとともに、新たに出会い、結婚から子育てまで切れ目のない総合的な支援を行う拠点の整備が進められますが、これらの施策は「日本一安心して子どもを生み、育てやすい環境づくり」に大きく貢献するものと考えます。

 また、子供たちがボランティア活動など社会体験を行う機会や中高生が劇作家、音楽家等のプロの支援を得ながら舞台芸術を創作・公演する機会を創設するなど、子供たちが成長するためのさまざまな機会の充実も図られております。

 次に、県民の健康保持・増進に関する施策であります。

 県民健康調査については、甲状腺検査などの着実な実施に加え、被災者、妊産婦に対する心のケアなどにも配慮がなされております。県立医科大学において整備を進めているふくしま国際医療科学センターについては、平成28年度の全面稼働に向けて整備が進められることとなっております。

 また、県立医科大学内に(仮称)福島県周産期医療人材養成支援センターを設置するための予算が措置されておりますが、懸案となっている周産期医療人材の確保に大きく寄与するものと考えます。

 次に、県土基盤の整備に関する施策であります。

 福島復興再生道路を初めとした本県の復興再生を支える道路、小名浜港や相馬港の復旧整備、さらにJR常磐線や只見線の早期全面復旧に向けた取り組みを推進するための予算が確保されております。引き続き円滑かつ着実に執行するための取り組みを行っていただきたいと思います。

 最後に、地域創生・人口減少対策に関する施策であります。

 人口減少対策は、本県にとって喫緊かつ最も重要な課題の一つでありますが、一方で市町村や地域ごとに抱える課題が異なり、対応が難しい状況となっております。新年度においては、こうした状況や市町村からの要望等を踏まえ、自由度の高い使いやすい補助制度が創設されております。地域ごとに異なる課題の解決に向け効果的な活用を望むところであります。

 以上のとおり、この予算は本県の未来を開く新たなステージへの一歩を踏み出すための予算として大いに評価できる内容であります。

 また、過去最大となるこの予算を着実かつ効果的に執行していくことも極めて重要であり、危機管理部やこども未来局の新設を初め県政の重要課題に対応した組織改編も行われることとなっております。成果の上がる取り組みを大いに期待するものであります。

 さて、さきの施政方針において、知事は「本県の復興の行く手には幾つもの高い壁が立ちはだかっていますが、乗り越えることを不可能だと諦めるわけにはいきません。」と強い決意を述べられました。私も同じ考えであります。

 震災や原発事故で失ったものを思うとき、4年たった今でも言葉がありません。そして、この悲しみも怒りも忘れることはできません。昨年10月、県政史上最も困難な時期に、県民の圧倒的な支持を得て内堀知事が就任されました。先日は、内堀知事の支持率が71.3%との報道がなされました。これは、内堀知事を初めとする県当局への評価もさることながら、知事が常々言っておられる「進取果敢」、県民が力を合わせて立ち上がろうとの知事のメッセージに、県民が呼応してくれた数値と言えるのではないかと思います。

 福島の復興は、知事が常々唱えるオール福島の精神で、私たち県民一人一人がともに力を合わせ、挑戦、チャレンジすることにかかっている、この一言に尽きると思います。

 知事におかれましては、平成27年度は国の集中復興期間の最終年となりますが、誰もが復興を実感できるよう、国や市町村との緊密な連携のもと広域自治体としての県の強力なリーダーシップを期待するものであります。

 もうじき福島は本格的な春を迎えます。私の地元も再び桃源郷の季節がめぐってまいります。そんな中、たくさんの子供たちが希望に胸を膨らませ、新生活を始めようとしております。私は、この子供たちの夢の先に福島の未来、復興への希望があると確信するものであります。

 以上申し上げましたが、知事提出議案第1号平成27年度福島県一般会計予算は当然に賛成するべきものと考えます。議員各位の御賛同を賜りますようお願い申し上げ、私の討論を終わります。御清聴ありがとうございました。 

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