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2015年6月定例会 代表質問 宮川えみ子議員

印刷用ページを表示する 掲載日:2015年9月7日更新

宮川えみ子議員

議員

宮川えみ子

所属会派
(質問日現在)

日本共産党

定例会平成27年6月
質問等代表質問
質問日6月18日(木曜日)

38番(宮川えみ子君)宮川えみ子です。日本共産党を代表して質問いたします。

 初めに、集団的自衛権を行使するための安保法制・戦争法についてです。

 戦後長きにわたり、自民党政権自身が現憲法のもとでは行使できないとしてきた集団的自衛権行使を前提とした法案を安倍政権は国会に提出しました。

 国会の論議が進むにつれ、この戦争法案とその推進勢力が持つ深刻な問題点と危険性が鮮明になってきました。

 第1に、自民・公明両党がみずから推薦した憲法学者からも憲法違反と断定されたように、憲法をじゅうりんする違憲立法だということです。

 第2に、この法案を推進している勢力が異常な対米従属を特徴としていることです。大体日本政府は、戦後アメリカが国連憲章と国際法をじゅうりんして実行した数多くの先制攻撃の戦争に一度も反対したことはありません。しかもベトナム戦争やイラク戦争を支持し協力したことを検証し、反省する立場も全くないのが安倍政権です。無法を無法と言えず、アメリカによる無法な戦争に参戦することが集団的自衛権の一番の現実的危険です。

 第3に、過去の日本の戦争を「間違った戦争」と言えない政権が戦争法案を推進する危険です。戦後の国際秩序は、日・独・伊3国の戦争は侵略戦争という判定の上に成り立っています。その戦争への反省もない勢力が推進する戦争法がアジアと世界にとって危険きわまりないことは明白です。

 福島県上空には3つのオスプレイ飛行ルートがあり、沖縄、横須賀、佐賀の配備だけでなく、福島県も含め全土基地化も進むことになります。政府は今年度、アメリカから17機のオスプレイを購入しますが、軍事費の拡大は復興予算や社会保障の削減にもつながり、県民を苦しめることになります。

 県民の暮らしと安全、復興に重大な影響を及ぼす戦争法案です。安全保障関連法案の撤回・廃案を国に求めるべきと思いますが、知事の考えを尋ねます。

 次に、漏れた年金情報問題とマイナンバー制度の中止を国に求めることについてです。

 公的年金の個人情報大量流出事件、漏れた年金情報問題について、県民から心配の声が上がっております。生きていくのにただ一つのよりどころの年金なのに、余りにもずさん、しっかり取り組んでほしいという声です。

 年金事務を下請化し、個人情報125万件の大量流出を引き起こし、さらに拡大しかねない状況にあることから、国と関係機関はもちろんのこと、県も市町村と協力し合いながら県民の不安を取り除き、実質的な被害を引き起こさないようにすることです。

 これらのことを踏まえて、県警察における高齢者の詐欺被害防止対策について伺います。

 ことし10月より12桁の番号を国民に割り振るいわゆるマイナンバー制は、今回の事件で事の重大性がより明らかになりました。年金制度が民と官との間での問題なのに対し、マイナンバー制度はさらに勤務先の事業所に医療情報、銀行の預金情報など個人番号を伝えることになるので民と民と官になり、第三者が容易に番号を知ることができ、個人情報のだだ漏れが起きる危険性は年金の比ではありません。

 12月定例議会でも指摘したように、マイナンバー制度の中止、見直しを国に求めるべきですが、県の考えを伺います。

 次に、国の電源構成案と福島第二原発の廃炉についてです。

 国のエネルギー基本計画に基づき、2030年の電源構成比率は原発比率を20から22%にするとし、原発は事故前と同様の規模で使うという案です。

 再生可能自然エネルギー買い取り制度は2012年7月に導入され、太陽光普及は2年半で4倍になりましたが、風力、小水力、バイオ、地熱がほとんどふえていません。制度に問題があるのです。日本では太陽光と風力を足して年間電力の2%にすぎない段階で抑制しているのですが、デンマーク、ポルトガルでは風力は30%を導入しています。

 福島原発事故でこれほどの被害を受け続けている日本が何も学ばず、ドイツを初め世界が日本の原発事故を学び再生可能エネルギーにかじを切り、飛躍的に進めているときに、原発や石炭の比率を高めることは世界の流れと逆行しております。

 福島原発事故から4年以上たっても、事故原発に近づくことも収束の見通しも立たず、汚染水の管理もできず、避難者も11万人を超えている中、県民の気持ちを逆なでする異常な計画です。しかもコスト面から見ても、核廃棄物の処分費用も計算に入れず、原発は発電コストが「低廉で安定的」と勝手に位置づけていますが、重大な事故を引き起こしたらどれほどの時間と費用がかかるかわからないのです。

 原発被害を受け続けている県民の、また、再生可能エネルギー先駆けの地を目指す福島県として、原発の再稼動を前提とした国の電源構成に反対すべきと思いますが、県の考えを伺います。

 全国の原発は事故前と比べると11基が廃炉決定し、現在43基です。全ての原発を再稼動させても10数%にしかなりませんから、老朽原発の運転延長を初め新増設、福島第二原発の再稼動も視野に入れているのではないでしょうか。国の電源構成比率を決めようとしているときだからこそ、福島第二原発の廃炉を国に強く求めるべきと思いますが、県の考えを伺います。

 次に、原子力災害からの福島復興指針の改定についてです。

 自民・公明の与党が5月29日に出した第5次提言のもとで、去る6月7日に162人の参加で開かれたオール福島の県原子力損害対策協議会全体会では、国と東京電力に対し、「深刻な福島の実態を顧みない」、「旧緊急時避難準備区域を置き去りにしようとした賠償で新たな分断を持ち込む」、「福島第一原発の事故収束を完全に東電任せにする」など、厳しい意見が相次ぎました。実態を見ないで終期を決めることは大問題というのが共通の意見でした。

 ところが、国は原発被害を受けたオール福島の声をほとんど反映させないまま、与党提言を受けて今月12日に「原子力災害からの福島復興の加速化に向けて」の改定・福島復興指針の改訂版を閣議決定しました。

 これは、帰還困難区域以外の居住制限、避難指示解除準備の両区域の避難指示を2017年3月までに解除し、この地区の住民の精神的賠償は解除1年後で打ち切り、既に解除されている田村市都路地区、川内村の旧避難指示解除準備区域も対象には加えたものの、同じ扱いにするという内容です。営業損害賠償についても1年延ばしにするというものの、これも2016年度分までで一括で支払い、その後は打ち切りという内容です。

 今回の与党の第5次提言とそれに基づく政府の福島復興指針の改定は、東京オリンピックを誘致するための「汚染水は完全にブロックされている。」などの首相発言の延長線にあるもので、国の都合で事実を曲げる、原発再稼動や海外輸出のためにいつまでも福島原発事故を引きずっていたくない、大事故を起こしても5、6年で収束する、事故処理費用もできるだけ小さく見せたい、こういう政府の思惑があるでしょう。

 県民の置かれている実態を見れば、あと2、3年で打ち切る状況にないことは明らかです。福島県民の真の復興を目指すなら、実態を見て一人一人に寄り添った人間の復興のために必要な施策を行うべきです。福島切り捨てを許さず、県民一体となって国にはっきりと物を言うことが今求められています。

 まず、国の福島復興指針改定に対する知事の認識を伺います。

 次に、福島第一原発汚染水問題等についてです。

 日本共産党国会議員団・県議団・原発県連は、5月18日に第一原発を視察しました。4年2カ月たっての構内は整理され、落ちついてきているように見えますが、フランジ型のタンク群が目につき、接続部のゴムパッキンはどうなっているのか、仮設ホースもあり、海側堤防は仮設石積みのままでした。

 また、人の出入りが多い免震重要棟入り口付近は毎時13.9マイクロシーベルトと高く、労働者の健康管理はどうなっているのかなど、さまざまな課題があることを実感いたしました。

 東電は5月27日、福島第一原発のタンク群にためていた高濃度汚染水60万トンの全量処理が終わったと発表しましたが、18万トンは再浄化が必要ですし、トリチウムは残っており、原子炉建屋に流入する地下水は高濃度汚染水となって1日当たり300トンふえ続けています。汚染水問題等について以下質問いたします。

 5月29日に港湾内3カ所で採取した海水の全ベータが過去最高値を更新した問題は、移送中のビニールホースに穴があき、漏れた高濃度の汚染水が排水路を通じて海に流出したことが原因とのことです。汚染水の移送管が仮設のまま放置されていた理由を尋ねます。

 3月21日には、5、6号機西側の道路脇の土手の枯れ草が燃える火災が起きていますが、火災の広がりは重大な事態になりかねません。道路脇の土手の火災について、原因と対策、自衛消防隊の到着に時間がかかった理由についてお尋ねします。

 ナンバープレートのない車が構内を走行していましたが、発電所で構内作業に当たる車両の点検整備についてどのように行っているか尋ねます。

 初歩的なことが改善されていない重大問題があります。見落としがないようこれまで東電に対し申し入れた事項について点検をする必要があると思いますが、県の考えを伺います。

 頻繁な汚染水漏れ、死亡事故が起き、火災も連続してありました。一体国は何をやっているのかと批判の声が上がっています。作業もふえ施設も膨大になり、作業員も7千人が働いているといいますが、「国が前面に立つ」を言葉だけにせず、それに見合った対応が必要です。

 汚染水問題等の解決に向け、原子力規制庁と資源エネルギー庁の職員増員を含め、現地体制の強化を国に求め、国が前面に立つよう求めるべきですが、県の考えを伺います。

 次は、避難指示解除についてです。

 政府の指針改定では、「帰還困難区域を除き2017年3月までに避難指示を解除し、住民の帰還可能に」と言っていますが、従来政府が解除の条件としてきた年間被曝積算線量が20ミリシーベルト以下が確実であること、電気、ガス、上下水道、主要交通網、通信など日常生活に必要なインフラや介護、郵便などの生活関連サービスの復旧、子供の生活環境を中心とする除染の十分な進捗、県、市町村、住民との十分な協議と意見を聞くという3つの条件が果たして2、3年で満たされるのでしょうか。

 該当自治体の首長も「期限を切っての解除は問題だ。」と述べています。県は2017年3月までに帰還困難区域以外の区域の避難指示解除が可能と考えているのか伺います。

 次に、原子力損害賠償についてです。

 国が昨年12月末に営業損害賠償を打ち切る素案を突然打ち出したことに、業界団体を初め県民から批判・抗議が殺到し、素案は一旦撤回に追い込まれました。去る6月7日の県原子力損害対策協議会全体会では、与党の第5次提言も出された中での開催でさまざまな意見が相次ぎましたが、避難指示区域を抱えた8町の首長さんが現状や要望を述べた上で、2年間の集中的な自立支援での事業再開は難しいと発言しています。

 福島県労連の斎藤議長は、「福島県民の実態や原発事故の特性を見ていない、帰還困難区域以外を2017年3月までに解除し、それを前提に組み立てることは余りにも強引だ。」と発言しました。

 また、旅館ホテル組合の代表は、「組合員が減っていることや風評と原発事故は因果関係があり、努力して客を呼び込んでも汚染水事故などが起こるたびに影響を受け続けている。」と述べております。

 営業損害については、2016年度までの一律賠償打ち切りは大問題、とても認められないと損対協では多くの意見が出たように、原子力事故による商工業等に係る営業損害の賠償について終期を決められる状況にないと思いますが、県の考えを伺います。

 次に、自主避難者への住宅無償提供の継続についてです。

 15日に知事は、自主避難者への住宅無償提供を2017年3月で打ち切ると表明しました。国からの打ち切りを求められたと言います。自主避難者は、県内は約5千人、県外は約2万人と推計されていますが、6月6日に山形県労連などが開いた米沢市山形避難者相談会では、山林の除染が進まず不安だなどの声が出されたように、安心して帰られるような条件整備こそ先ではないでしょうか。

 全国各地の自主避難者の皆さんが住宅の無償化継続を求めて国や県に陳情しています。自主避難者への借り上げ住宅の無償提供は2017年4月以降も継続すべきと思いますが、県の考えを伺います。

 次に、中間貯蔵施設についてです。

 共産党県議団は、地権者の皆さんと懇談を重ねてきました。地権者の皆さんは、「国は原発は安全と推進してきた責任があるにもかかわらず、その立場に立っていない。私たちがなぜ家族と分断され、なれ親しんだふるさとを追われなければならないのかという気持ちを理解していない。」と言います。しかし、苦しみながらも、皆さんの多くは施設の必要性を十分認めています。

 事故を起こした加害者責任は国にあるのですから、国に対し、地権者に寄り添った話し合いが進む体制づくりを求めるべきですが、県の考えを尋ねます。

 国は担当職員を40人から60人に体制強化したと言いますが、地権者約2千4百人の状況からすれば全く不十分です。地権者との交渉を進めるためには、担当職員の大幅増員を国に求めるべきですが、県の考えを伺います。

 次に、復興財源の確保についてです。

 福島県の場合、原発事故でスタートラインに立つこともできない多くの避難者がいて、県民、自治体が全て被災者という認識に立ち、避難者支援など特に一人一人の人間の復興にかかわる事業を初め、福島復興事業については国が全額負担をすべきと考えますが、県の対応について伺います。

 次に、介護問題についてです。

 介護保険が導入されてから16年目を迎えましたが、当初言われていた介護の社会化が達成されるどころか、家族介護の負担は依然として重く、全国を見れば2004年以降、年間10万人以上の人が親族の介護を理由に離職し、介護を苦にした心中・殺人事件は2006年以降毎年50件以上起きていて、しかもこれは氷山の一角にすぎないという指摘です。

 今回の震災でその矛盾が噴き出したように、原発事故被災と避難生活によって、介護が必要になる高齢者がふえた被災市町村ほど保険料がはね上がりました。また、サービス利用の一割負担、支給限度額を超えるサービスは全額自己負担のため、低所得者ほど介護保険は使えず、家族介護への依存が高まっています。

 こうした中で、昨年度県は第6次介護保険事業支援計画を決定しましたが、この計画が要介護者や家族の要望に応えられるものになっているかどうかが問われます。

 入所待ち解消問題ですが、特別養護老人ホームの入所希望数と第6次福島県介護保険事業支援計画での定員数について尋ねます。

 特別養護老人ホームの入所希望者の待機解消に向けてどのように取り組んでいくのか、県の考えを尋ねます。

 今年4月から福島県の各被災自治体が、月額7千円から8千円台と全国的にも高い保険料となりました。低所得者、低年金者が介護施設や居宅サービスを受けやすくなるよう介護費用の軽減を図るべきと思いますが、県の考えを尋ねます。

 次に、子育て支援・子供の貧困対策についてです。

 安倍政権は子育て支援、女性の活躍を挙げながら、国や自治体の公的支援を後退させる子ども・子育て支援新制度が四月から実施されています。市町村も膨大な資料に忙殺され、保護者も保育料や運営はどうなるのか心配しています。待機児童解消をうたった新制度ですが、県内都市部を中心に自治体によっては昨年を上回る待機者が出ています。

 作成された支援事業・支援計画ですが、市町村計画を積み上げたものとのことですが、待機児童が多い3歳未満児で見ると、福島市で434人、郡山市で1,676人分が不足しています。現に5月段階の福島市では530人の待機児童です。地域の保育ニーズを満たすことができるよう支援策を講じるべきですが、県の考えを尋ねます。

 認可保育所に入所できなければ、所得にかかわらず一律の保育料を納めて認可外保育所に入所させなければなりません。3歳以上も補助対象にし、支援を強めるべきです。認可外保育所も含め、さらに保育料が軽減されるよう市町村を支援すべきと思いますが、県の考えを尋ねます。

 次に、学校給食費無償化についてです。

 非正規雇用の広がりやひとり親家庭の増大など、経済的に困難な家庭がふえ続けています。厚労省の調査では、子供の貧困率は16.3%で、実に6人に1人が貧困です。

 加えて福島県は、大震災や原発事故の被害を受け、子育て世帯の負担は大変なものがあります。県は、18歳以下の医療費無料化の継続や各種の施策を進めてきて、県内の合計特殊出生率は1.58と2年連続して上昇しています。県内の子育ても落ちつきを取り戻しつつありますが、さらに「日本一安心して子どもを生み育てやすい環境づくり」を目指すことを求めるものです。

 昨年の12月定例議会に続き、今議会でも給食費の無償化を求める請願が上がっていますが、公立学校における学校給食費については無償化すべきと思いますが、県教育委員会の考えをお尋ねいたします。

 高校生を対象とした給付型奨学金制度を創設すべきと思いますが、県教育委員会の考えを尋ねます。

 また、その間は貸付制度ではありますが、震災特例奨学金を県内全高校生が受けられるように制度を拡充すべきと思いますが、県教育委員会の考えを尋ねます。

 自主避難している児童生徒に対し、被災児童生徒等就学支援事業が適用になるよう支援をすべきですが、県の考えを伺います。

 マタニティーハラスメントについてです。

 少子化対策が叫ばれている中、子供を産んで働くことの困難さは改善されていません。生活ができないから、今の仕事を失いたくないからと妊娠を諦めたり、子供は1人だけという声も多く、ある産婦人科の医師は、このままでは出産を決意することさえ困難な方が多くなると訴えています。

 去る5月29日の福島労働局の発表によりますと、妊娠や育児休業などに関する不利益取り扱い、マタニティーハラスメントに関する相談が昨年比14件ふえ、51件に上ることが明らかになりました。体調不良なのに、休むと失業するかもしれない、派遣なのでとても子供を産んで働ける環境にないなど深刻です。企業に指導を求めることや労働環境の改善につながる問題でもあるので、働く人の権利意識の啓発も必要です。

 厚生労働省は、是正勧告に従わない悪質企業は企業名を公表するなど指導を徹底する方針を決め、全国の労働局に指示したとのことです。マタニティーハラスメント防止に向けて県はどのように取り組むのか伺います。また、その実態を把握すべきと思いますが、県の考えを尋ねます。

 次は、TPP、米価、イノシシ対策についてです。

 まず、TPP問題ですが、5月30日、JA新ふくしま主催でTPP参加反対の決起集会が開かれ、1,300人が参加しました。また、21日には地産地消運動促進ふくしま協同組合協議会主催の大規模集会が予定されています。TPP交渉で日米両政府はこの夏に合意することを狙っていますが、全国一斉に国が国会決議を守れとの動きが強まっています。

 こうした中で、アメリカはさらに21万トンもの米の特別輸入枠を迫っています。国会決議では日本でわずかに残る高関税の米、麦、牛肉・豚肉、乳製品、砂糖の5項目を聖域として対象外にとしていましたが、安倍首相はこの決議を無視し続けております。

 我が国の農業に多大な影響を及ぼすTPP交渉からの撤退を改めて国に求めるべきですが、県の考えを尋ねます。

 次に、米価下落対策についてですが、原発事故の風評被害を受けている福島県産米の再生産のために米価下落対策が必要と思いますが、県の考えを尋ねます。

 イノシシ対策についてです。この20年間でイノシシの被害がふえ続け、原発事故後は肉を食べることができなくなり、狩猟者の意欲も減退するなど急速に深刻さが増しています。田畑などの被害に加え、子供やお年寄りなども危険にさらされ、高速道路での事故や、いわき市では国宝白水阿弥陀堂庭園まで荒らされるなど一刻も放置できない状況です。

 福島県イノシシ管理計画を今年度からスタートさせ、5年間で10分の1に減らす計画がつくられましたが、実効ある対策が求められます。

 岐阜県は知事が本部長となり、猪鹿鳥無猿隊をつくり成果を上げています。イノシシの管理について推進体制を強化して取り組むべきと思いますが、県の考えを尋ねます。

 また、県はイノシシ管理計画の目標達成をするため、捕獲にどのように取り組むのか尋ねます。

 最後に、廃炉関連産業にかかわる地元企業育成についてです。

 JAEAが廃炉の研究施設をつくるための試験研究施設をつくっていますが、精密機械加工など高度な技術を持った地元業者はたくさんいるが、プレゼンテーションの機会もないと、浜通りの首長さんからの話でした。本格的なことはこれからと思いますが、県は被災地を初めとした県内企業がロボット開発などで廃炉関連産業に参入できるようどのように支援するのか伺います。

 以上で終わります。

議長(斎藤勝利君)執行部の答弁を求めます。


知事(内堀雅雄君)宮川議員の御質問にお答えをいたします。

 安全保障法制につきましては、我が国の防衛、安全保障政策にとって極めて重要な問題であり、国会において慎重かつ十分な議論がなされるべきであると考えております。

 次に、福島復興指針の改定につきましては、イノベーション・コースト構想も含めた福島12市町村の将来像の策定、事業者の事業再建に向けた支援策の拡充、営業損害賠償等への適切な対応が明記されているなど、国が福島復興に取り組む姿勢をあらわしたものと受けとめております。

 避難地域は今も厳しい状況に置かれており、解決すべき課題は山積しておりますが、避難地域の復興・再生を進めるため、さらには本県全体の復興を推し進めるため、その財源確保を含め、改定指針の実現に国が責任を持って取り組むことを引き続き強く求めてまいります。
 その他の御質問につきましては、関係部長等から答弁させますので、御了承願います。

危機管理部長(樵 隆男君)お答えいたします。

 東京電力福島第一原子力発電所の汚染水の移送配管につきましては、仮設から恒久設備への取りかえ工事を昨年から進めていたものの、同じ地区内で進められている凍土遮水壁の工事等の影響により本設化が進まず、仮設のままになっていたとの報告を東京電力から受けております。

 県といたしましては、先月29日に東京電力に対し、早急に仮設配管を本設化することやパトロール強化等管理の徹底を申し入れたところであり、今後東京電力の対応状況について確認してまいります。

 次に、土手の火災の原因につきましては、作業用のクレーン車がパーキングブレーキを解除しないまま走行したため、過熱、破損した部品が落下し、枯れ草に引火したためとされており、対策として東京電力は構内の車両整備工場において大型車両も整備可能とするなど、点検整備の強化を図ることとしております。

 また、自衛消防隊員が防護服やマスクを装着する必要があることから、到着が26分後になったとの報告を受けております。

 次に、作業車両の点検整備につきましては、東京電力は構内に設置した整備工場において、昨年6月から普通車の点検整備を進めており、ことし9月からは大型車両についても実施予定としておりますが、いまだ点検が行われていない車両もあることから、県といたしましては東京電力に対して全ての作業車両について整備士による定期的な点検整備を行うよう求めてまいります。

 次に、申し入れ事項の点検につきましては、廃炉安全監視協議会が行った措置要求や申し入れへの対応状況について、東京電力からの日々の報告や現地駐在職員による現場での確認、協議会による立入調査などにより確認、点検を行い、対応が不十分なものについては再度の申し入れを行うなど厳しく対応しているところであります。

 次に、現地の体制につきましては、原子力規制事務所と廃炉・汚染水対策現地事務所において、職員の増員を含め強化されてきておりますが、依然として汚染水のトラブルなどが発生していることから、先週行いました国への要望活動においても知事から改めて、国が前面に立って現場を含めた監視体制を強化し、指導監督を徹底するよう求めたところであります。

企画調整部長(近藤貴幸君)お答えいたします。

 マイナンバー制度につきましては、国民生活にとって重要な社会基盤となる制度であることから、セキュリティー対策の強化等について全国知事会などから国に対して重ねて要請等を行ってきたところであります。

 今回、日本年金機構から個人情報が漏えいしたことを受け、全国知事会として各都道府県の意見や要望を集約し、6月11日に国に対しセキュリティー対策を総点検し、国民の信頼が得られる安全対策を示すことや、情報漏えいが発生した場合の対応として被害の拡大防止対策を講じることなどを改めて緊急に要請したところであります。

 次に、国の電源構成につきましては、東京電力福島第一原発事故の現状と教訓を踏まえ、何よりも住民の安全・安心の確保を最優先に、国の責任において検討されるべきものと考えております。

 次に、東京電力福島第二原発の廃炉につきましては、これまで国及び東京電力に対し繰り返し求めてきており、今月12日に実施しました要望活動においても、国の責任において廃炉を決定することを知事から官房長官や経済産業副大臣に対し直接要請を行ったところであります。今後ともあらゆる機会を捉えて、粘り強く求めてまいる考えであります。

 次に、復興事業につきましては、現在国の策定作業が大詰めを迎えている来年度以降5年間の復興事業のあり方において、一部の公共事業等への地方負担導入などが検討されている一方、心のケア等の被災者支援や中小企業等グループ補助金などの産業復興は、復興特別会計で全額国庫負担とすることなどが示されております。

 個別具体的な予算については、国の来年度予算概算要求に向け調整することとなりますが、引き続きソフト・ハード両面において、復興に必要な予算が十分確保されるよう全力で取り組んでまいります。

生活環境部長(長谷川哲也君)お答えいたします。

 中間貯蔵施設につきましては、地権者の理解が何よりも重要であることから、これまで国に対し、地権者へのわかりやすい丁寧な説明と寄り添った対応、さらに体制の充実を求めてきており、今月12日にも改めて要請したところであります。

 県といたしましては、引き続き国に対し、地権者に寄り添った対応を強く求めてまいる考えであります。

 次に、担当職員の増員につきましては、地権者への説明を着実に実施するため、国に対し、これまで繰り返し人員体制の充実を求めてきたところであり、国では本年4月から職員を約40名から60名に増員し、現在も体制強化の取り組みを進めております。県といたしましては、引き続き国に対し、関係省庁と連携した人員体制のさらなる充実を強く求めてまいる考えであります。

 次に、イノシシの管理につきましては、ことし3月に策定したイノシシ管理計画に基づき、関係機関が連携し、一体となって対策を進めていくことが重要であることから、野生鳥獣被害対策庁内連絡会議等において、関係部局等との調整を図るとともに、地域ごとに市町村、猟友会など関係機関との連携を強化しながら、イノシシの積極的な管理を行ってまいります。

 次に、イノシシの捕獲につきましては、管理計画において今後5年間で安定生息数まで減少させることを目標に、年間1万8千頭程度の捕獲を行うこととしております。このため、これまで実施してきた市町村による有害捕獲や狩猟者による狩猟捕獲の取り組みを引き続き推進するとともに、今年度からは県による直接捕獲事業を新たに実施するなど、目標達成に向けて捕獲の強化に積極的に取り組んでまいります。

保健福祉部長(鈴木淳一君)お答えいたします。

 特別養護老人ホームの入所希望者数につきましては、平成26年4月1日現在、実人員で12,516人、うち在宅の中重度の入所希望者数は3,159人となっております。

 また、第6次福島県介護保険事業支援計画における整備計画の定員数につきましては、今年度から平成29年度までの3カ年で1,228人となっております。

 次に、入所希望者の待機解消につきましては、介護保険事業支援計画に基づき施設整備を進めるとともに、原発事故等により休止している施設についても、仮設施設の整備などにより早期の再開ができるよう支援しているところであります。今後とも計画的な施設整備を支援し、在宅の入所希望者の待機解消に努めてまいります。

 次に、低所得者などへの介護費用の軽減につきましては、施設入所者の居住費と食費について標準的な費用と自己負担額の差額を保険給付の対象としているほか、施設入所者と居宅サービス利用者の自己負担の一部などを軽減する事業により支援を行っているところであり、今後もこれらの制度の活用促進に努めてまいります。

商工労働部長(飯塚俊二君)お答えいたします。

 マタニティーハラスメントの防止につきましては、女性活躍、ワーク・ライフ・バランス普及啓発事業や管理職セミナー、女性リーダー養成研修などを通して、マタニティーハラスメントに対する労働者の意識改革を進めるほか、安心して子どもを生み育てることができる次世代育成企業の認証を進めることにより、マタニティーハラスメントのない職場環境づくりを促進してまいります。

 次に、マタニティーハラスメントの実態の把握につきましては、県が実施する労働条件実態調査の中で、マタニティーハラスメントに関する調査項目を追加するほか、県庁内に設置した中小企業労働相談所での相談業務を通じて、さらなる実態の把握に努めてまいります。

 次に、県内企業の廃炉関連産業への参入につきましては、約130の企業等から成る廃炉・除染ロボット技術研究会による廃炉現場の視察や調達情報の提供、マッチング活動のほか、県内企業が開発した災害対応ロボットの廃炉現場への導入に向けた廃炉推進カンパニーとの意見交換会などを実施しているところであります。

 今後は災害対応ロボットの研究開発に加え、ロボット要素技術開発を支援することにより、地元企業の技術力向上を図るほか、廃炉関連事業者と地元企業による展示商談会などを通じて取引拡大を進め、被災地を含む県内企業の関連産業参入を積極的に支援してまいります。

農林水産部長(小野和彦君)お答えいたします。

 TPPにつきましては、国に対して衆参両院農林水産委員会における決議を踏まえて交渉するとともに、国民には十分な情報提供と明確な説明を行うよう、先般実施した提案・要望活動においても強く求めてまいりました。今後とも県内関係団体の意向を踏まえ、全国知事会等と連携し適切に対応してまいる考えであります。

 次に、米価下落対策につきましては、昨年産の米価下落を受け緊急に種子購入経費の助成等の対策を講じたところでありますが、米の再生産のためには主食用米の需給バランスを図ることが最も重要であります。このため、飼料用米や園芸作物等への転換を積極的に推進するとともに、農家の収入減少の影響を緩和する経営所得安定対策等への加入を促進し、稲作農家の経営安定を図ってまいる考えであります。

原子力損害対策担当理事(成田良洋君)お答えいたします。

 商工業等に係る営業損害につきましては、事業の再建につながる賠償がなされるべきと考えており、今月7日に開催した原子力損害対策協議会の全体会議において、知事が直接東京電力に対し、損害が続く場合には賠償が継続されることを確認したところでございます。引き続き、事業者への的確な賠償が迅速になされるよう取り組んでまいります。

避難地域復興局長(伊藤泰夫君)お答えいたします。

 避難指示の解除につきましては、住民が安全に、安心して暮らすことができる環境をつくることが何よりも大事であり、除染を初めインフラや生活に密着したサービスの復旧等を進めていく必要があります。

 県、市町村、住民との丁寧な協議を初めとして、解除までに国が取り組むべき事項がしっかりと実施されているか注視するとともに、県の新規事業の復興拠点推進事業などを活用し、市町村が取り組む復興拠点整備を支援するなど、県としても避難地域の早期の復興に力を尽くしてまいる考えであります。

 次に、仮設・借り上げ住宅の供与期間につきましては、市町村の復興状況等を踏まえ、国との協議を重ねてきた結果、全県一律でさらに1年延長し、平成29年3月までといたしました。

 原発事故により避難指示区域以外から避難した方への平成29年4月以降の対応については、除染の進捗、食品の安全性の確保等、生活環境が整いつつある中、応急救助という災害救助法の基本的な考え方からこれ以上の延長は困難と判断し、災害救助法に基づく住宅の供与から県による新たな支援策へと移行していくこととしたところであります。

こども未来局長(尾形淳一君)お答えいたします。

 保育ニーズを満たすことにつきましては、認可保育所の整備による定員増や認可外保育施設から認可保育所への移行促進、3歳未満児を少人数で預かる小規模保育の導入など、保育の供給体制の確保に向けた市町村の取り組みが円滑に進むよう、引き続き支援を行ってまいる考えであります。

 次に、保育料の軽減につきましては、現在県独自に認可外保育施設も含め、第3子以降の3歳未満児を対象に保育料を軽減する措置を講じているところであり、引き続き保護者の経済的な負担が軽減されるよう市町村を支援してまいります。

教育長(杉 昭重君)お答えいたします。

 公立小中学校における給食費につきましては、学校給食法により学校給食の施設設備及び運営に要する経費については学校の設置者が負担し、それ以外の学校給食に要する経費については保護者が負担することとされており、また、いわゆる要保護、準要保護及び被災児童生徒については負担する給食費への支援が行われていることから、県教育委員会による支援については困難であると考えております。

 次に、高校生を対象とした給付型奨学金制度の創設につきましては、限られた財源を有効に活用し、より多くの生徒の修学を支援する上で貸与型が適していることなどから、給付型の創設につきましては困難であると考えております。

 次に、震災特例採用奨学資金につきましては、東日本大震災により被災し、経済的理由により修学が困難となった高校生を支援することを目的としており、経済に関する要件を撤廃する制度の拡充は困難であると考えております。

 次に、自主避難者に対する就学支援につきましては、今年度における国の被災児童生徒就学支援等事業交付金において、原子力発電所事故による災害を理由として、みずからの判断で他の地域へ避難している児童生徒を対象にすることとされたところであり、この交付金制度について周知してまいります。

警察本部長(石田勝彦君)お答えいたします。

 高齢者の詐欺被害防止対策につきましては、高齢者が最も多く詐欺被害に遭っているのが「なりすまし詐欺」であることから、これまで各種対策を推進しております。

 具体的には、高齢者宅への特別巡回連絡や地区の老人クラブ、町内会の会合に出向いて高齢者への広報啓発活動に努めているほか、高齢者が利用する機会が多い金融機関、医療機関、宅配・タクシー業者等に働きかけをして、高齢者が被害に遭いにくい環境づくりに努めているところであります。

 県警察といたしましては、今後もさまざまな手口への対応要領等についてわかりやすい広報啓発を行うなど、高齢者の詐欺被害防止を図ってまいります。

38番(宮川えみ子君)再質問いたします。

 知事に、安保法制、戦争法についての再質問です。沖縄県糸満市の摩文仁の丘には、福島県民の戦争犠牲者は軍人・軍属だけで66,304人、戦死者がまつられています。民間人も含め、多くの犠牲者を出したのが70年前の戦争でした。25万人の自衛隊の若者が殺し殺されることになる。自衛隊のリスクは高くなると、国会での論戦ではっきりしました。

 また、地方自治体も空港・港湾の利用も含め、組み込まれていくことになります。県民の安全と安心に責任を
持つ知事はその立場で、国任せでなく、はっきり求めるべきではないかと思いますが、再度質問いたします。

 それから、もう一点知事に再質問いたします。福島復興指針に対する認識についてです。国は適切に対応したものと言いますが、適切でしょうか。県民の声を十分聞いてつくられたのでしょうか。6月7日の県が取りまとめた損対協での各構成員の発言や意見です。

 中小企業団体中央会では、営業損害・風評損害の賠償を2017年で打ち切らないでほしいとはっきりと明記しています。旅館ホテル生活衛生同業組合では、浜・中・会津では状況が違うが、今度の原発処理作業の事故による風評再燃が懸念される。一括払いは受け入れられないと言っております。

 病院も深刻で、再建に向けてかけがえのないインフラの一つだが、これを支えている医師会は損害に対し、今後何十年と与え続けるであろう損害に対し完全賠償を求めると、厳しい意見です。

 こうした声は、結局先が見えない、見通せない、事故が収束するどころか、汚染水トラブルが続くということで、期限を示すその賠償はひどいということです。このように最もオール福島の声を反映したのは、206団体、162人が参加した6月7日の損対協だと思います。

 それからわずか5日間、5日後に政府が復興指針の改訂版を出しました。国は、県民の声を十分に聞いたのでしょうか、検討したのでしょうか。今回の福島復興指針改定は、避難解除の事実上の終期を示し、そして賠償も連動させ打ち切っていくものになる。このことは、実態を見ないものであるというのがオール福島の声だと思いますが、その観点から知事の認識を再度伺いたいと思います。

 それから、企画調整部長に電源構成案についての再質問です。福島県が目指す再生可能エネルギーの先駆けの地が抑制されていくと思います。この観点からの中止を求めるべきと思いますが、再度伺います。

 また、同じく企画調整部長に第二原発廃炉についての再質問です。国が提起している電源構成での原発比率は、40年超えの老朽原発を再稼働するか、新設するかしないと成り立ちません。ほとぼりが冷めたら福島第二原発を再稼働させるのではないかという可能性はあると思います。

 第二原発を廃炉にしないと帰れない、楢葉町民の声、いわき市から避難している住民の声です。今後2年間で帰還困難区域を除いて住民を帰還させるということと矛盾していると思いますが、この観点から第二原発の廃炉を強く求めるべき、行動を起こすべきと思いますが、再度質問いたします。

 それから、危機管理部長に再質問します。いまだにビニールホースを使っていて、穴があいて汚染水を漏えいさせた、火災を発生させた、消火に戸惑った、東電の対応がなっておりません。汚染水が漏えいするたびに、どれほどの風評被害、実害を引き起こすのか、県と県民を苦しませるのかわかっていないと思います。東電をしっかり管理監督する国の役割が見えません。国は努力していると口では言っておりますが、体制はどうなっているか、人数はどういうふうになっているか、ちゃんと東電を監督し切れているのか、この観点から再度質問いたします。

 それから、同じく県の対応ですけれども、県がホースの問題で申し入れて、全部やると言ってから2年もたっているのです。一体県もどういうふうに対応しているのですか。点検は、具体的にどの部署がどういうふうにしているのか、再度お尋ねします。

知事(内堀雅雄君)宮川議員の再質問にお答えをいたします。

 安全保障法制につきましては、我が国の防衛、安全保障政策にとって極めて重要な問題であります。このため、国会の場で慎重に十分に議論されるべきであると考えております。

 次に、福島復興指針における賠償の考え方につきましては、避難指示が解除できる環境が整うこと、今後2年間で確実に事業の再建を果たすことが大前提であり、それがなされなければ成り立たないことを原子力損害対策協議会の全体会議において私から申し述べたところであります。

 また、損害がある場合については、賠償を継続することも確認をしており、引き続き被害の実態に見合った賠償がなされるよう求めてまいります。

危機管理部長(樵 隆男君)再質問にお答えいたします。

 まず、国の監視体制についてでございますが、現地の原子力規制事務所におきましては、25年4月に15名だった職員が現在は20名にふえてございます。それから、資源エネルギー庁の体制につきましては、25年4月に現地事務所はございませんでしたが、現在は20名に増員になっております。

 こういった形で、県から要望を申し上げて、現地の監視の体制が増員をされてきておりますし、先ほども申し述べましたように、引き続きしっかりと監視するように申し入れてまいりたいと思います。

 それから、2点目でございますが、県の点検とその体制はどのようになっているのかということでございますが、現在県におきましても、県の駐在員、楢葉の駐在員を5名配置しておりまして、日々現場に赴きまして監視をしております。特に先ほども申しましたとおり、申し入れをした以降の事項につきましては、それぞれの報告を受けるなり、現場で現地を確認するなりして確認をしているところでございます。

企画調整部長(近藤貴幸君) 再生可能エネルギー先駆けの地を目指す本県の立場から、原子力発電の国の電源構成について反対をすべきではないかという御質問でございますけれども、東京電力福島第一原発事故の現状と教訓を踏まえまして、何よりも住民の安全・安心の確保を最優先に、国の責任において、国の電源構成については検討されるべきものと考えております。

 本県では、原子力に依存しない社会づくりを復興の基本理念に掲げ、2040年ごろまでに県内で使う全エネルギー相当分以上を再生可能エネルギーにより生み出すという意欲的な目標を掲げ、引き続き全力で取り組んでまいります。

 次に、県民の帰還を促進する観点から第二原発の廃炉を強く求めるべきではないかという御質問でございますけれども、事故から4年が経過した今もなお、11万人を超える方々が住みなれたふるさとを離れ、県内外に避難を余儀なくされ、根強い風評や、子育てを行っている方々の不安など、原子力災害の影響は県内全域に及んでいるということでございまして、県内の原発全基廃炉は県民の強い思いであると捉えております。

 今後とも福島第二原発の廃炉につきまして、あらゆる機会を捉えて国に強く求めてまいりたいと考えております。

38番(宮川えみ子君)再々質問いたします。

 知事にですが、期限を示されて、終期を示されれば、国と東電の思惑ははっきりしていると思うのです。東電は出したくないわけです。それに向かっていってしまうと思うのです。だから、そういう点においては、損害があれば個別になってしまうし、申し上げたということなのだけれども、私は期限を示すというこの見直し案がやっぱり問題だと思うのです。だから、知事は「期限を示すときではないですよ。」とはっきりと国と東電に求めるべきではないかと思いますが、再質問をさせていただきます。

 それから、危機管理部長に再質問いたします。口では厳しく点検と言いますが、実際に仮設のビニールホースに穴があいたということは大問題になったわけですよね。そういうふうなことなので、誰もがまさかそういう状態で残っていると思わなかったのではないかなと思うのです。

 新たに例えば車が点検していなくて、そこから火花が出て火事になったというのは、これはそれとして問題だと思うのですけれども、新たな事例が出てきて、それが問題になったということとは違って、1回大問題になったことがいまだに直っていないということなのです。そういう点では、このホースの問題だけについてどんなふうに点検をしたのか伺いたいと思います。

 私は、全体的にこの汚染水問題がおさまらないということが、一体どれだけ大変なことかと思うのです。知事がはんてん着て、この桃おいしいですよとか言ったって、どれだけお金をかけてやったって、1回これが出たらどういう状態になってしまうか。そういうことを本当に東電と国が認識しているのかなと思うのです。

 人数は、確かに若干はふやしたようですけれども、そういうことをちゃんとやれるような体制にしなくてはだめだと思うのです。そういういろんな努力が無になってしまうということを考えまして、私はホースの問題について再質問をいたします。

 それから、企画調整部長に電源構成の問題についての再々質問なのですけれども、県としては、再生エネルギーで頑張るということなので、私も頑張ってほしいとは思うのですけれども、国がそういうふうな立場に立たないと、なかなか進んでいくのは大変だと思うのです。だから、やはりそういう問題については具体的に言わなくてはならないと思うのですけれども、どうも弱いというか、具体的ではないというふうに思うのです。そういうことについて、どのようにこの電源構成問題について国と意見交換をしているのか、そしてそういう観点から中止を求めると、そういうふうなことを話し合いをしているのか、それを示していただきたいと思います。

知事(内堀雅雄君)宮川議員の再質問にお答えをいたします。

 国は、これからの2年間で除染、インフラの復旧、事業の再建などの加速化に取り組む決意を示しており、それがしっかり実施されることが大前提であります。

 県といたしましては、関係自治体や住民とともに国の取り組みを注視し、広域自治体として実施すべきことを実施し、また、国、東京電力に対し的確な賠償への対応を含め、申し上げるべきことを申し上げてまいる考えでございます。

危機管理部長(樵 隆男君)再質問にお答えをいたします。

 汚染水等の水回りのホースの件についてでございますが、先ほど答弁でも申し上げましたとおり、基本的には仮設から恒久設備に移管をするということが基本でございます。

 しかし、原子炉建屋、それからタンク、それから水処理施設、この間の水を移送する必要がございます。その移送の期間に応じて恒久的にホースを設置する場合と、あと水の移送期間が短い場合にはどうしても仮設のホースを併用せざるを得ないということでございます。その時期時期において恒久施設設備と仮設のホースを使い分けていくというところでございますので、仮設のホースが全てなくなるということは工事の性格上なかなか難しいと思います。

 私どもは、その時々でしっかりとそのホースの管理、敷設をした場合の試験通水の問題とか期間が長引いた場合のホースの点検について、基本的には東京電力がしっかりと体制を組んでホースの管理をしていくということを監督、監視をしてまいりたいと思っております。

企画調整部長(近藤貴幸君)国の電源構成に関する再質問についてお答えいたします。

 国の電源構成につきましては、東京電力福島第一原発事故の教訓や反省を出発点として、何よりも住民の安全・安心の確保を最優先に、国の責任において検討されるべきものと考えております。先般行いました国への要望活動、これにおきましても福島第二原発、県内の原発の全基廃炉及び本県の再生可能エネルギーの取り組みの支援について国に対して強く要請してきたところでございます。

議長(斎藤勝利君)これをもって宮川えみ子君の質問を終わります。

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