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2015年6月定例会 代表質問 西丸武進議員

印刷用ページを表示する 掲載日:2015年9月7日更新

西丸武進議員

議員

西丸 武進

所属会派
(質問日現在)

民主・県民連合

定例会平成27年6月
質問等代表質問
質問日6月19日(金曜日)

56番(西丸武進君)民主・県民連合議員会の西丸武進でございます。

ただいまから通告に従い、会派を代表いたしまして質問させていただきます。

 その前に、少し私の思いを披瀝をさせていただきます。その思いとは、憲法問題についてであります。憲法が制定されてからことしで68年目を迎えましたが、国民の日々の努力によりまして、憲法のもと、今日まで平和を維持し、守り続けてまいりました。

 現在政治討論では、政府間、政府と政党間における考え方についてぎくしゃくする場面が多々あり、さらには各政党間の内部においても賛成と反対に分かれ、主張点が異なっております。

 こうした背景を国民がじっと見届けるとき、国民の気持ちは、安倍総理が今躍起になって進めたい新たな安全保障関連法案の考え方には、恐らくついていける人はごくわずかなのではないでしょうか。自民党、民主党、維新の党など各政党から人選された3氏の大学教授陣は、参考人陳述において明確に違憲であると言明されているだけに、焦って結論を出すものではありません。

 それよりも今、国民が国に期待していることは、国際的見地に立って平和的外交を積極果敢に発信していただきたいと願っているのではないでしょうか。そして、飢餓に苦しむ世界の人々に対して国際連帯の手をつなぎ、温かく手を差し伸べていくことが肝要かと思われます。

 テロは窮乏窮状から生まれます。テロは戦争で犠牲を受けた者が、また恨みとして仕返しをします。宗教は世界の真の平和希求に的を当て、同志愛に目覚めるべきではないでしょうか。

 日本がこれまで築いてきた戦後の平和の道、この約70年の歴史をさらに持続発展させるために、憲法のもと県民が輪となって前に進めていくことを願っております。

 それでは、質問に入らせていただきます。

 最初は、復興予算についてお尋ねいたします。

 震災の直後はその復旧を目指しさまざまな工事を進めてまいりましたが、工事の進捗は思ったとおりには進まず、手詰まり状態でありました。インフラ等の整備も資材不足、人手不足、中でも専門技術士不足に一苦労された記憶は今でも忘れることはできません。

 震災から4年3カ月たった中でようやく復旧から復興へと進み、今日では着実な第一歩を築いてきているのであります。福島県並びに各市町村はまだまだ復興は道半ばにあり、国の財源確保は28年度以降も当然として国の財源支援を見込んでおり、復興に欠かせません。福島県、そして各自治体も緊張感を持って国の動向を探っております。

 ここで質問させていただきます。知事は復興事業の見直しに係る地方負担の導入や一般会計への移行による本県負担の増加をどのように受けとめ、どのように対応するのかお答えください。

 次に、6月補正予算についてお尋ねいたします。

 県は今定例会に総額66億円を上回る補正予算案を提出しております。その内容は、主に復旧・復興に取り組むために必要な予算でありますが、今年度は1兆8,994億円に上る県政史上最大規模となる当初予算を編成したところであり、当初予算の中で整理し、事業化ができたものもあるのではないかと考えます。

 復興・再生を推進していくためには、適時適切に予算を編成していくことが重要でありますが、今年度が始まって数カ月しか経過していない現時点において補正予算を編成するに当たっては、その必要性等についてしっかりとした説明が求められるところであります。

 ここで質問させていただきます。6月補正予算編成に当たっての基本的な考え方についてお聞きかせください。

 次に、損害賠償問題についてお尋ねいたします。

 東京電力は、県民から多大な賠償の責任を求められておりますが、賠償問題は簡単に終わるものとは思っておりません。今、そしてこれからも東電は逃げることは許されません。

 さて、地方公共団体に対する原子力損害賠償金について、東京電力は県からの約215億円の賠償請求に対し約140億円を支払い、市町村等に対しては4月末時点で、約601億円の賠償請求に対し約87億円を支払ったと聞いております。しかしながら、事故から4年以上経過している現在、対応のスピードが遅いと指摘せざるを得ません。

 ここで質問させていただきます。地方公共団体に対する原子力損害賠償金の速やかな支払いに向けどのように取り組んでいくのか、県の考えをお聞かせください。

 さらに、県内の中小商店を初めとする中小企業はいまだ風評被害に苦しみ、東京電力による損害賠償は経営者にとっては大変不本意ながらも経営の安定に欠かせないものとなっております。

 国と東京電力は、今月7日の原子力損害対策協議会において逸失利益の2年間分を一括賠償するとともに、その後に損害が継続した場合には賠償を継続するとの考え方を示したところでありますが、これまで東京電力はかたくなに事業者への賠償を拒否する事例もあったと聞いております。

 ここで質問させていただきます。商工業等に係る全ての損害についてしっかりと賠償するよう東京電力に求めるべきと思いますが、県の考えをお聞かせください。

 次に、復興公営住宅についてお尋ねいたします。

 復興公営住宅の建設は、おくれればおくれるほど避難者の皆様には重い負担がのしかかってしまいます。復興公営住宅の入居募集は、新聞報道で復興公営住宅の2割が辞退との記事が掲載されました。避難者のニーズを的確に把握し、避難者に寄り添った募集業務を行うことが重要であると考えております。

 こうした中、避難者が暮らす応急仮設住宅につきましては、入居期間を平成29年3月までとし、それ以降は避難区域がある町村に限り追加延長を個別に判断するとの県の方針が示されました。そのためには避難者に対して復興公営住宅を一日も早く提供し、居住の安定を確保することが必要になるものと考えております。

 ここで質問させていただきます。第1は、復興公営住宅整備の進捗状況と早期整備に向けた取り組みをお聞かせください。

 第2は、復興公営住宅への円滑な入居にどのように取り組んでいくのか、県の考えをお聞かせください。

 次に、除染対策についてお尋ねいたします。

 側溝等に堆砂した土砂などは、一向にしゅんせつがはかどっておらず、側溝は満杯の状態に土砂が埋もれております。本来であれば、各市町村はこうした環境に対し、いち早くしゅんせつ等対策を講じなければならない立場にあるわけでありますが、なぜか放置状態のままであります。状態はたまるだけで悪化の一途をたどっており、雨季時期、台風時期だけに心配は募ります。広域自治体の指導責任は福島県にあるだけに、県の指導にも問題はあるものと指摘しないわけにはいきません。

 ここで質問させていただきます。市町村除染において道路側溝の除染を早急に進めるべきと思うが、県の考えをお聞かせください。

 次に、太平洋・島サミットについてお尋ねいたします。

 5月22日と23日の2日間、南太平洋の国々の首脳陣が一堂に会し、各国間の意見交換を初め、各国が抱える問題点等、課題解決に向けた互恵の方向性が見出されたものと評価いたしております。

 ここで知事にお尋ねをいたします。太平洋・島サミットが開催された成果と、それを生かした今後の取り組みについて知事の考えをお聞かせください。

 次に、知事の海外歴訪についてお尋ねをいたします。

 原発事故はいまだ収束していない状況にありますが、一方で常磐自動車道の全線開通、さらに、ふたば未来学園高等学校が開校し、若者が活躍する姿は私たちに元気を与えてくれております。

 しかしながら、海外では震災直後には地震や津波の被害、さらには原発事故の状況が報道で大きく取り上げられていましたが、その後本県の状況が余り報道されておらず、そして復興がどれくらい進んだのか、福島は4年前と余り変わっていないのではないか、福島のことはよく知らないなどといった声も伝え聞いているところであります。

 このため知事が先頭に立ち、福島県の復興が進む姿をしっかりと海外において発信することは大変重要かと思われます。7月には知事就任後初めてとなる訪問外交として、スイス、イギリスの2カ国を歴訪するとお聞きいたしております。

 ここで知事に質問させていただきます。欧州訪問において本県の復興が進む姿をどのように発信するのか、知事の思いをお聞かせください。

 次に、介護問題についてお尋ねいたします。

 高齢化が着実に進行する中で、急務策として改善策が求められているのは、社会福祉施設の充実強化であります。

 ところが、実態は逆の状況に至っており、これまで社会福祉施設で働いていた職員の方々が転職するケースがふえておりますだけに、社会福祉施設の維持運営も大変厳しい環境にさらされているものと思われます。こうした傾向はどの福祉施設にも共通として生じているだけに、ゆゆしき課題であり、問題であります。

 中でも介護を必要としている要介護者に対し、温かい対応策を考えるならば、労働密度の解消策、低賃金の解消策、職場環境の改善等は言をまちません。介護報酬等の切り下げは社会福祉施設職場をさらに追い討ちをかけておりますだけに、早急なる抜本的見直しが求められております。

 ここで質問させていただきます。第1は、介護施設職員の労働環境の改善に向けた県の取り組みについてお聞かせください。

 第2は、介護報酬の引き下げに伴う介護事業者や介護職員への影響をどのように捉え、どのように対応していくのか、県の考えをお聞かせください。

 第3は、福祉及び介護人材の確保についてこれまでどのように取り組み、今後どう進めていくのか、お聞かせください。

 次に、いわき四倉中核工業団地についてお尋ねいたします。

 現在、浜通り地方を復興工業団地として位置づけ、いわき四倉中核工業団地第2期区域の整備に取り組んでおられますが、いわき四倉中核工業団地は常磐自動車道のいわき四倉インターチェンジに近接した位置にあるとともに、国道6号バイパスの整備も進展されていることから、事業活動には大変有利な場所にあるものと思われます。

 震災前に造成が完了していた第1期区域には、首都圏から進出してきた企業や地元の企業が立地しているところに加え、双葉地方の避難企業が仮設事業所を利用して事業を行っているところでありますが、残る空き区画についてもほぼ立地の見通しがついていると聞いております。

 こうしたことから、第2期区域の早期完成が望まれておりますが、本県の産業復興を思うには、イノベーション・コースト構想を初め力強い取り組みが求められているところであり、中でも双葉地域に隣接しているいわき四倉中核工業団地は、浜通りの復興拠点としての産業集積が期待されるものと思われます。

 さらに、いわき四倉中核工業団地のみならず、本県において企業立地を促進するためには優遇措置を講じる必要があると思われます。

 そこで質問させていただきます。第1は、第2期区域の整備と企業誘致をどのように進めていくのか、県の考えをお聞かせください。

 第2は、企業立地を促進するため優遇措置を講じる必要があると思いますが、県の考えをお聞かせください。

 次に、農業の再生についてお尋ねいたします。

 今日の農業はこれまで以上に深刻化が進み、再生の道のりを塞いでおります。後継者も陰りが募るばかりで、担い手も限られております。

 農村のある地域は若者の流出による人口減少が進み、限界集落と言われるような地域も見受けられてきているだけに心配です。特に中山間地域においては圃場整備による生産性の向上もままならず、将来的に営農を継続していくことが難しい状況になっていると聞き及んでおり、私はこのままでは限界集落がますます増加し、地域が衰退してしまうのではないかと大きな懸念を抱いております。

 さらに、消費量の減少と全国的な過剰基調の影響により依然として米価は低い状況が続いていることから、米づくりに将来の展望を見出しにくく、田植えが終わった今なお元気がなく、意欲が低下している生産者が多いと受けとめております。

 ここで質問させていただきます。第1は、人口減少が進む農村地域において、農業の振興を通じどのように活性化していくのか、県の考えをお聞かせください。

 第2は、平成27年度産米の生産・販売対策にどのように取り組んでいくのかお聞かせください。

 次に、小型無人機の事故防止についてお尋ねいたします。

 まさかと驚きましたが、首相官邸や国会等の上空にドローンが自由に飛び交うことができるとは誰もが思わなかっただけに驚き千万です。

 福島県内に置きかえるなら、県庁や県警本部の屋上、第一、第二原子力発電所の屋上などを考えますと、危機管理上の規制がないだけに対岸の火事では済まされません。

 ここで質問させていただきます。県は、小型無人機による事故の防止にどのように取り組んでいくのかお答えください。

 次に、火山の防災対策についてお尋ねいたします。

 昨年の9月、長野県御嶽山の噴火により死者57名、行方不明者6名の人的被害が発生したところであります。警告情報が流されなかったため、多くの登山者は全くの警戒を持たないまま頂上を目指すこととなり、結果して魔の災害に見舞われる結果に至ったわけであります。

 先月にも鹿児島県にある口永良部島の新岳も爆発的噴火に至りました。改めて自然災害の恐ろしさについて身震いする思いを強く刻んだところであります。

 火山の監視・観測は、気象庁が担っているものでありますが、本県でも吾妻山の噴火警報レベルが2となっており、県としても吾妻山の火山活動状況の把握に努め、火山防災対策につなげていくことが必要と思われます。

 ここで質問させていただきます。吾妻山の火山活動の監視について県の考えをお聞かせください。

 次に、県警察本部の新庁舎についてお尋ねいたします。

 警察本部の機能につきましては、東日本大震災により庁舎が被害を受けたことに伴い、一部の課が民間ビルの中に詰められておりましたが、機能強化のために、現在平成30年の完成を目指して新庁舎の建設が進められているところであります。新庁舎が完成すれば、警察本部の各課が集約されるため、これまで以上に警察活動が強化されるものと期待いたしております。

 ここで質問させていただきます。警察本部新庁舎の活用について県警察の考えをお聞かせください。

 次に、道路整備についてお尋ねいたします。

 県道いわき石川線は昔から塩の道と言われており、今でもいわきと県中、会津を結ぶ大変重要な幹線道路であります。車の往来も激しく、特に大型車が多く見受けられており、物流道路、生活道路としての役割は大であります。また、海と空を結ぶ複合的役割をも担っており、ますます重要さを帯びております。

 この間、県の努力によりまして道路整備は目立ってきておりますものの、どうしても一部区間に狭隘、屈曲、急傾斜が見られておりますことから、道路整備上の工法判断が県に求められているものと思われます。

 ここで質問させていただきます。県道いわき石川線における皿貝工区と才鉢工区の対策工法と今後の見通しをお聞かせください。

 さらに、常磐自動車道についてお尋ねいたします。

 3月に全線開通した常磐自動車道は、その効果に地元は大きな期待をしているところであります。開通後交通量が増加してきており、片側1車線の区間では混雑や走行の安全性に不安を感じておりますが、今後中間貯蔵施設への搬入などにより交通量がふえることが予想されるため、早期の4車線化が必要と思われます。
 
ここで質問させていただきます。常磐自動車道いわき中央インターチェンジ以北の4車線化の実現に向け県はどのように取り組んでいくのかお聞かせください。

 次に、浜通りの医療についてお尋ねいたします。

 浜通りの医療問題は、今や最悪な状態に置かれておりますが、その要因は原発事故が全てであります。震災前を振り返るとき、双葉地方の医療拠点の役割は県立大野病院が果たしており、地域にとってみれば命を救う基幹病院でありました。

 現在双葉郡楢葉町に県立大野病院附属ふたば復興診療所の整備を進められておりますが、双葉地域の医療機関に対しましても支援を続けていくことが必要と思われます。

 ここで質問させていただきます。第1は、現在整備を進めている県立大野病院附属の診療所の概要と進捗状況についてお聞かせください。

 第2は、双葉郡の医療提供体制の整備にどのように取り組んでいくのか、県の考えをお聞かせください。

 次に、MERS、中東呼吸器症候群の対策についてお尋ねいたします。

 中東地域等から現在韓国において流行しているMERSコロナウイルス発症問題ですが、近隣国で拡大されておりますだけに、国内、そして福島県での心配は消えません。

 症状が重いだけに、お年寄りや糖尿病、慢性肺疾患などの基礎疾患のある人は重体化の傾向が生じておりますだけに油断はできません。

 ここで質問させていただきます。県はMERS、中東呼吸器症候群の対策についてどのように取り組んでいるのかお聞かせください。

 次に、「福が満開、福のしま。」旅行券の取り組みについてお尋ねいたします。

 本年6月1日、県内の宿泊施設等で利用できる「福が満開、福のしま。」旅行券をコンビニエンスストアの端末機を利用し、販売が行われましたが、発売開始後わずか22分で完売。購入できなかった方から約1千件の苦情や問い合わせがあったと聞き及んでおります。

 その後も転売目的でのネットオークションへの出品や、精算されずに失効した分が約45%もあったことから、残念な結果で終わっております。県内外からの関心が非常に高かっただけに残念でなりません。

 ここで質問させていただきます。「福が満開、福のしま。」旅行券第1期販売の状況を踏まえ、第2期以降の販売にどのように取り組むのか、県の考えをお聞かせください。
 
 次に、教育問題についてお尋ねいたします。

 特別支援学校についてでありますが、共生社会形成の観点から、障がいのある生徒と障がいのない生徒との相互理解や自己理解の促進につなげることができるよう、県立高等学校とのより密接な交流の場面がスタートされるなど、本県におきましても新たな取り組みが展開をされております。

 私は、障がいのある児童生徒を初め、支援を必要とする子供たちが地域においてそれぞれのニーズに応じた教育が受けられるよう教育環境の整備を進めることは、なお一層重要であると考えます。

 ここで質問させていただきます。県立特別支援学校の整備の成果を今後どのように生かすか、県教育委員会の考えをお聞かせください。

 次に、県議会議員選挙の投票率向上についてお尋ねいたします。

 県選挙管理委員会は先般、県議会議員一般選挙の選挙期日を本年11月15日に決定いたしました。

 最近の各種選挙の投票率は低下傾向にあり、4月の統一地方選挙では、10道県知事選挙の平均投票率は47.14%、前回比マイナス5.63ポイント。41道府県議会議員選挙では平均投票率が45.05%、前回比マイナス3.1ポイントとなっており、一部の選挙を除きほとんどが前回の投票率を下回っております。

 また、昨年の衆議院議員総選挙の本県小選挙区における投票率は過去最低の52.51%であり、特に20代では27.38%と3割を下回る危機的な状況となっております。

 若年層は、政治への無関心などが原因として指摘されているところでありますが、高齢者も投票区の再編により投票所が遠くなり、投票に行くのが容易でないとの声が聞こえております。本県の復興に向けて今後県民が主体となって取り組んでいくためには、県民の政治参加の意識が大変重要であります。

 本県の復興などの諸課題について有権者がみずからの意思を一票に託し、県政に参加するという意識を醸成させるためには、投票しやすい環境を整備することで投票率を向上させることが重要と考えております。

 ここで質問させていただきます。県選挙管理委員会は県議会議員選挙の投票率向上にどのように取り組むのかお聞かせください。

 以上をもちまして私の代表質問を終わります。御清聴ありがとうございました。

議長(斎藤勝利君)執行部の答弁を求めます。


知事(内堀雅雄君)西丸議員の御質問にお答えをいたします。

 復興事業の見直しに係る本県財政負担の増加についてであります。

 昨日、国の来年度以降5年間の復興事業のあり方について新たな方針が示されたところであり、その中で復興の基幹的事業や原子力災害由来事業の全額国庫負担に加え、本県が強く求めてきた避難地域12市町村内の県事業や相馬福島道路の全額国庫負担、さらには東北自動車道以西の道路についても、沿岸部や避難地域12市町村に関連する事業を引き続き復興特別会計で措置することなどが盛り込まれたことから、本県の財政負担の増加は相当程度軽減されたものと認識をしております。

 また、震災等対応雇用支援事業、企業立地補助金、イノベーション・コースト構想の実現に必要な財源など、国の来年度概算要求段階以降の調整に委ねられた事業もあることから、引き続き市町村と力を合わせ、国と協議を行い、本県の復興に必要な財源の確保に向け、全力で取り組んでまいる考えであります。

 次に、太平洋・島サミットにつきましては、本県初の首脳級国際会議として、先月いわき市において、安倍首相を初め、島嶼国等16カ国の首脳等が参加をして開催をされ、歓迎昼食会や被災地視察などを通し、震災からの復興・再生に向け着実に歩む本県の元気な姿や魅力を発信することができました。

 歓迎昼食会では、福島県産の食材をふんだんに使った料理や3年連続金賞受賞数日本一となった日本酒を提供し、皆様に大変御好評をいただき、本県の食の安全・安心や県産品のおいしさをしっかりお伝えできたものと確信をしております。

 また、被災地視察においては、津波被災地区における道路、防災緑地等の復旧・復興状況を確認いただき、被災者の心のケアに対する重要性など震災からの教訓を共有するとともに、サミットでの議論の成果として防災における連携強化などが盛り込まれた福島・いわき宣言が採択されたところであります。さらに、いわき市との連携による多くの市民が参加した歓迎イベントや子供たちとの触れ合いを通して、福島のおもてなしの心や人の温かさに触れ、交流を深めていただきました。

 今後は、今回のサミットで築かれた島嶼国とのきずなを生かしながら、島嶼国留学生の県内視察や地元学生との意見交換会を開催するなどさらなる交流の促進を図るとともに、さまざまな機会を捉えて復興に取り組む福島の魅力と今を世界に向けて積極的に発信してまいる考えであります。

 次に、欧州訪問についてであります。震災から4年3カ月が経過をした中、ふたば未来学園高等学校の開校や、新たな福島を創造する拠点施設の整備など、復興に向け着実に歩みを進める一方で、さまざまな分野に根強い風評が影響を及ぼし、また、時間の経過とともに震災の風化が進行するなど依然として厳しい状況にあります。

 このように、光と影が混在している福島の今と、これまで国の内外から多くの御支援をいただく中で復興がここまで進んだという姿を直接お伝えし、福島への理解を深め、共感の輪を広げていただく大きなきっかけにしたいとの思いから、私は来月12日よりスイス、イギリスの両国を訪問することといたしました。

 スイスについては、ジュネーブには40を超える国際機関や国連機関が設置をされ、世界への発信力が特に高いことから、国際機関や各国政府代表部の関係者などに対し、本県の現状を直接お伝えをするとともに、イギリスにおいては世界有数の大学であるユニバーシティ・カレッジ・ロンドンや在外県人会のロンドンしゃくなげ会など、本県に思いを寄せてくださる方々と連携をし、同大学での講演やイギリス国会議事堂でのレセプションを行うなど、本県が未曽有の複合災害から立ち上がり、これからも未来に向けて挑戦をし続けていくという強い思いを、私自身が今回の訪問を通じしっかりと発信をしてまいる考えであります。

 その他の御質問につきましては、関係部長等から答弁させますので、御了承願います。

総務部長(藤島初男君)お答えいたします。

 6月補正予算につきましては、当初予算編成後に生じた状況の変化や復興・再生に向けた新たな課題に迅速かつ的確に対応するため編成したところであり、本年4月に柳津町で発生した土砂災害の復旧や国から追加交付される復興交付金の基金への積み立て、避難地域12市町村における復興拠点づくりの支援に要する経費などを計上いたしました。

 これらの事業を着実に実行することにより、県民の安全・安心を確保し、一日も早い復興・再生に向けしっかりと取り組んでまいる考えであります。

 次に、地方公共団体に対する賠償につきましては、県が先行する形で東京電力と交渉し、その成果を市町村等と共有するとともに、東京電力との意見交換会を開催するなど市町村等への支援を行ってきたところであり、今後賠償金の支払いが進んでいくものと見込んでおります。

 しかしながら、東京電力による支払い額はいまだ十分とは言えないことから、賠償金の速やかな支払いに向け原子力損害賠償紛争解決センターに対する和解仲介の申し立て等も視野に入れながら、個々の市町村等の事情にも配慮しつつ、審査の簡略化等を東京電力に強く求めるなど粘り強く交渉を進めてまいる考えであります。

危機管理部長(樵 隆男君)お答えいたします。

 小型無人機につきましては、新たな可能性を有する技術であり、さまざまな分野での利活用が期待される一方、多くの人が集まる場所などでは一定のルールのもとで利用されることが適当であると考えております。

 このため現在国において進められている法規制やルールづくりに向けた検討状況を注視していくとともに、県民の安全・安心の観点から、当面現行制度の中で実施可能な事故防止対策として、多くの人が集まる県有施設における利用の制限やイベントでの使用の自粛を要請していくこととしたところであります。

 次に、吾妻山の火山活動の監視につきましては、早期に火山現象を察知して、適切な防災対策を講じていくことが災害の軽減を図る上で重要であると考えております。

 このため気象台と連携して火山性地震の回数等を毎日確認するとともに、火口カメラのリアルタイム映像を通して噴気の様子を観察するほか、火山活動に変化が見られた場合には、気象台や火山専門家とともに県消防防災ヘリや県警ヘリにより上空からの火山災害予防調査を実施しております。

 今後とも気象台、防災関係機関等と連携しながら、火山の活動状況の把握に努め、迅速な火山防災対策につなげてまいります。

生活環境部長(長谷川哲也君)お答えいたします。

 道路側溝の除染につきましては、市町村が策定する除染実施計画に基づき、優先的に実施してきた住宅や公共施設等の除染と調整を図りながら順次取り組んできており、本年4月末現在における道路除染の発注率が本年度末までの計画に対し約61%、全体計画に対し約43%となるなど、徐々に進んできております。

 側溝を含む道路除染の推進を図るためには、仮置き場の確保等が課題となっていることから、住民説明会への職員、専門家の派遣や県有地の提供等により仮置き場のさらなる確保に努めるとともに、効果的な除染技術の水平展開を図るなど市町村と一体となって道路除染の加速化に取り組んでまいる考えであります。

保健福祉部長(鈴木淳一君)お答えいたします。

 介護施設職員の労働環境の改善につきましては、これまで新人職員に対する職場内研修等の導入を促進するため、これらの取り組みを行う事業者への補助や先行事例等に関する研修会の開催などにより、人材定着を図るための取り組みを支援してまいりました。

 今月からは新たにモデル事業として介護職員が装着する介護支援ロボットを特別養護老人ホームなど16施設に試験的に導入したところであり、今後労働負担の軽減効果の検証や普及に向けたニーズ調査を行うこととしております。

 県といたしましては、引き続き働きやすい労働環境の構築に向け積極的に取り組んでまいる考えであります。

 次に、介護報酬の引き下げにつきましては、基本報酬の削減による事業者への影響が懸念されるものの、認知症高齢者などへの対応強化のための新たな加算の創設により収支の改善が見込まれ、また、処遇改善加算の大幅な拡充により、介護職員の賃金の改善が図られるものと考えております。

 今後国において処遇改善や経営実態の調査を行い、介護報酬改定の効果を検証することとしていることから、県といたしましては調査結果を注視し、必要に応じ見直しを求めるなど適切に対応してまいります。

 次に、福祉・介護人材の確保につきまして、施設等が実施する一般向けの初任者研修に補助を行うほか、人材不足が深刻な浜通り地方等の介護施設に県外から就職する方に対して就職準備金を提供するなど、人材の確保に向けた事業を総合的に展開しているところであります。

 今年度は新たに民間団体や事業者が小中高等学校を訪問し、生徒に介護の仕事を紹介する取り組みを支援するとともに、首都圏等で開催していた就職フェアを名古屋、大阪でも開催することとしており、今後とも福祉・介護人材の確保に向け積極的に取り組んでまいります。

 次に、双葉郡の医療提供体制につきましては、浜通り地方医療復興計画に基づき医療人材の確保や医療機関の再開・継続の支援、近隣医療圏における救急医療機能の強化に取り組んできたほか、楢葉町に整備する県立診療所の早期開設を進めるとともに、いわき市に開設予定の郡立診療所の整備を支援することとしております。

 また、帰還住民はもとより、廃炉や復興事業に従事する作業員の健康を守るため今後も継続して医療提供体制の構築に取り組む必要があることから、今月12日には知事から地域医療再生基金の期間延長、新たな財政支援、医療人材の確保等を国に要望したところであり、引き続き地元町村等の意向を十分踏まえ、関係機関と連携して地域医療提供体制の整備に取り組んでまいります。

 次に、中東呼吸器症候群、いわゆるMERSへの対策につきましては迅速で円滑な初動対応が求められることから、県医師会に対し、MERSが疑われる患者を診察した場合の連絡方法等、発生時の対応について協力を求めるとともに、今月15日には保健所担当者会議を開催し、MERSが疑われる患者が発生した際の検査、搬送、入院等、一連の対応手順の確認と採取した検体の取扱方法について実技研修を行ったところであります。

 また、県民に対しては、発生国から帰国後2週間以内に発熱等の症状が出た場合、最寄りの保健所へ連絡することなどについてホームページやツイッター等により周知するなど、引き続き県民の安全・安心を確保するため、市町村と連携して対策に万全を期してまいります。

 商工労働部長(飯塚俊二君)お答えいたします。

 企業立地促進の優遇措置につきましては、企業立地補助金や復興特区による課税の特例等、全国トップクラスの優遇制度を活用し、これまで企業立地補助金により614社の新増設を指定し、約7千名の雇用創出が見込まれております。

 これらの優遇制度は、産業の復興に不可欠なものであることから、国に対して来年度以降の制度の継続とイノベーション・コースト構想に基づく浜通り地域等における新たな立地支援策の創設を要望しているところであり、今後も一層の企業立地促進に向け必要となる優遇措置の実現を国に強く働きかけてまいる考えであります。

農林水産部長(小野和彦君)お答えいたします。

 農村地域の活性化につきましては、農村地域が有する国土保全や水源の涵養、地域文化の伝承などの多面的機能を発揮するための地域政策と、農業を産業として強化していく産業政策を両立させることが重要な課題であります。

 このため、日本型直接支払制度を活用した農地等の保全や条件不利地域の農業生産を支援するほか、地域の特色を生かした産地形成や地元産品を活用した6次化商品の開発とブランド化、農産物直売所等における販売強化を支援することなどにより地域の潜在的な可能性を掘り起こし、農村地域の活性化に積極的に取り組んでまいります。

 次に、米の生産・販売対策につきましては、生産面では種子購入経費を助成する緊急対策を実施したほか、関係機関団体と連携し、土壌改良や栽培方法の改善による食味・品質のさらなる向上、酒造業者等と結びついた新規需要の開拓など地域特性を生かした米づくりの支援等を通して産地競争力の回復強化に努めてまいります。

 また、販売面では、首都圏等を対象とするTOKIOを起用したテレビCM放送を初め、県オリジナル品種天のつぶを活用した有名シェフによる調理法の提案とその魅力をPRする懇談会の開催、県内外での大規模な商談会の開催などを通じて県産米の販路拡大に努めてまいります。

土木部長(大河原聡君)お答えいたします。

 復興公営住宅の整備につきましては、整備計画で掲げた4,890戸のうち本年5月末の時点で15地区、601戸が完成し、順次入居を進めております。さらに、525戸の建築工事に着手し、残りの3,764戸は調査設計など工事着手に向けた準備を進めております。

 また、整備期間の短縮を図るため、現場での作業が少なくなるよう施工性を優先した設計を行うことや、建物の買い取り方式を取り入れるなど、あらゆる手段を講じて早期整備に取り組んでまいる考えであります。

 次に、復興公営住宅の入居につきましては、避難者がニーズに合った住宅を確実に選択できることが必要であることから、住宅の構造や間取り、周辺の学校や病院、交通機関等の生活関連情報をパンフレットやホームページ等によりお知らせしてまいりました。

 今後さらに応募状況の小まめな情報提供を行うとともに、仮設住宅等に出向いて説明会を開催し、あわせて入居に関する個別の相談に応じるなど入居が円滑にできるようきめ細かに対応してまいります。

 次に、県道いわき石川線皿貝工区につきましては、全長約1.4キロメートルの現在の道路を広げる事業を進めており、今後一部区間ののり面の不安定な土砂や岩石を除去する対策に着手する予定であります。

 また、才鉢工区につきましては、のり面崩壊等の危険箇所を回避するため、約0.7キロメートルのトンネルや橋梁7橋を含む全長約3キロメートルのバイパス化による対策を進めており、両工区とも平成30年代前半の完成に向け、早期整備に取り組んでまいります。

 次に、常磐自動車道につきましては、全線開通後交通量は予測を上回っており、今後復興事業の本格化等によりさらに増加することが想定されることから、いわき中央インターチェンジ以北の4車線化は必要不可欠であると認識しております。

 既に4車線化に必要な用地は確保されており、現在の整備計画では交通量の増加に応じ残りを完成するものとしていることから、県といたしましては東北自動車道の代替機能強化や緊急時の安全性の向上も訴えるなど、4車線化の早期実現に向け沿線自治体等とともに引き続き国等関係機関に強く働きかけてまいります。

企業局長(鈴木清昭君)お答えいたします。

 いわき四倉中核工業団地第2期区域につきましては、浜通り南部の復興を加速させるため4月から測量や地質調査を実施し、早期の造成工事着手に向けて、現在関係機関との協議や実施設計を進めているところであります。

 今後とも立地補助金等のあらゆる支援制度を活用し、本県産業の将来を担うロボットや再生可能エネルギー、医療関連産業を初め、雇用創出効果が高く経済波及効果が期待できる企業の誘致に向け、地元いわき市と連携しながら積極的に取り組んでまいる考えであります。

原子力損害対策担当理事(成田良洋君)お答えいたします。

 商工業等に係る営業損害につきましては、今月7日の原子力損害対策協議会全体会議において、知事が直接国に対し今年度から2年間実施する集中的な自立支援策によって事業の再建を果たす覚悟を確認するとともに、東京電力に対し損害の範囲を幅広く捉え、事業の再建につながる十分な賠償を確実に行うよう強く要求したところであります。

 引き続き国、東京電力の対応を注視しながら、被害者の立場に立った賠償がなされるよう求めてまいります。

観光交流局長(橋本明良君)お答えいたします。

 「福が満開、福のしま。」旅行券につきましては、6月1日の販売以来、販売方法等に関して数多くいただいたお問い合わせや御意見等を重く受けとめ、現在第1期販売の検証や他県の販売方法の調査を実施しているところであります。

 第2期以降の販売においては、これらの結果を踏まえ、わかりやすく、かつ購入機会の公平性が担保されるよう検討してまいります。

病院局長(佐竹 浩君)お答えいたします。

 大野病院附属の診療所につきましては、双葉地方町村会からの要望等を踏まえ、双葉地域の復興と住民帰還を促進するため、民間医療機関の再開に先行して常設の内科と非常設の整形外科を診療科目とする無床の診療所として、来年2月楢葉町に設置することとしております。

 診療所整備の進捗状況につきましては、現在用地造成が進められ、今月15日には施設整備事業者を決定したほか、診療に必要なスタッフの確保やCT装置等の医療機器の選定など着実に取り組んでいるところでございます。

教育長(杉 昭重君)お答えいたします。

 県立特別支援学校の整備による成果につきましては、通学が困難な地域に分校を設置したことにより生徒の長時間通学の負担が軽減されたことや、高等学校内に併設したことにより両校の生徒の交流活動が充実し、相互理解が促進されたこと、さらには既存の校舎を活用したことにより、短期間で安全性の高い適切な学習環境が整備できたことなどが挙げられることから、今後の特別支援学校の整備に当たってはこれらの成果を生かし、地域や児童生徒等のニーズに応じた教育環境の整備を推進し、共生社会の実現に向け、なお一層努めてまいる考えであります。

選挙管理委員会委員長(菊地俊彦君)お答えいたします。

 県議会議員選挙につきましては、マスメディアを活用した広報や市町村選挙管理委員会と連携した県下一斉の街頭啓発を実施するとともに、若年層の投票率の向上のため、動画配信サイトへの広告掲載や若者のアイデアを取り入れた学生参加による啓発事業を積極的に展開してまいります。

 また、高齢者等、投票所への移動が困難な有権者の投票機会の確保につきましては、投票所や期日前投票所への巡回バスの運行や地域の公民館や集会所等に期日前投票所を設置するなど十分配慮するよう、あらゆる機会を捉えて市町村選挙管理委員会に周知し、投票率の向上に努めてまいる考えであります。

警察本部長(石田勝彦君)お答えいたします。

 警察本部新庁舎の活用につきましては、ライフライン断絶時の備えはもとより、総合指揮室等の危機管理機能を集約し、災害発生時等に県警察の中枢拠点として運用をすることとしております。

 また、東日本大震災の教訓から庁舎を低層にするとともに、災害時には庁舎の駐車場をヘリコプターの場外離着陸場として活用することができるよう、十分な広さも確保されているところであります。

 県警察といたしましては、今後の災害に迅速的確に対応するとともに、復興に向けた課題に着実に取り組み、県民が安心して生活できる地域づくりを県警察が一体となって実現するため新庁舎を活用していきたいと考えております。

議長(斎藤勝利君)これをもって西丸武進君の質問を終わります。

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