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2016年2月定例会 追加代表質問 古市三久議員

印刷用ページを表示する 掲載日:2016年6月16日更新

古市三久議員 

議員

古市三久

所属会派(質問日現在)

民主・県民連合

定例会平成28年2月
質問等追加代表質問
質問日2月29日(月曜日)

36番(古市三久君)民主・県民連合の古市三久です。会派を代表して質問をいたします。


 初めに、地方創生についてです。

 昨年6月、まち・ひと・しごと創生基本方針2015「ローカル・アベノミクスの実現に向けて」が閣議決定をされました。地方創生の基本方針は、地方創生の深化を目指すとして、ローカル・アベノミクスの実現となっています。背景には、毎年10万人ずつ20代を中心に若者が地方から東京圏へ流出していることがあります。この流れに歯どめをかけるためには、地方に魅力のある職場を生み出す必要があり、そのためにはアベノミクスの効果を地方にも波及させ、経済成長の底上げを図るローカル・アベノミクスを浸透させるということになっています。

 厚労省の賃金構造基本統計調査によれば、労働者への決まって支給する現金支給額は、2012年から14年にかけて東京都では3.8%増加しておりますが、全国平均では1.2%の増加にとどまっています。ボーナスは、2011年から13年にかけて東京都は11.4%増加しておりますが、全国平均は2.7%にとどまっています。東京での就職の魅力が高まっているのは明らかであります。主要産業における所定内給与の上昇を東京と全国平均を比較すると、全ての産業で東京の賃金上昇率が全国平均を上回っています。

 安倍政権によって実際に推進されているのは、大都市、大企業重視の政策と言わなければなりません。さらに、安倍政権はTPPを推進し、地方経済の柱である農業経営を困難にしています。このように、アベノミクスの第二ステージは効果が見込めないだけではなく、ローカル・アベノミクスにおいても地方経済にとって明るい兆しは見えておりません。
 まち・ひと・しごと創生基本方針2015に沿って地方創生にどのように取り組んでいくのか、知事の考えをお尋ねいたします。

 大きな2つ目は、復興・創生期間における復興の取り組みについてです。

 東日本大震災から五年目の春を迎えています。いまだに県内外で10万人弱の住民が避難生活を送っています。政府は自治体及び避難住民の帰還を急いでおりますが、原子力災害の特異性もあり、思惑どおりには進んでいません。集中復興期間後の福島の復興再生は、取り残されている原子力災害からの回復と言わなければなりません。

 昨年6月に政府が閣議決定した福島復興指針改訂版に掲げた4つの方針の実現に向けた取り組みが求められていると思います。これまでの集中復興期間の取り組みを踏まえ、復興・創生期間の復興の見通しを県民に示す必要があると思います。

 知事は、集中復興期間における復興の成果や課題を踏まえ、復興・創生期間の復興にどのように取り組んでいくのかお尋ねいたします。

 大きな3番目は、TPPについてです。

 昨年10月、アメリカ・アトランタにおいて「守るべきものは守り、攻めるべきものは攻める。」との意気込みで交渉に臨みましたが、日本の数少ない攻めの分野だった自動車はわずか2.5%の乗用車本体関税を撤廃するのに25年を要し、関税削減の開始は15年目からで、14年間は現状維持、トラックは25%の関税を29年間維持し、撤廃は30年目という気の遠くなるような時間を要します。

 農産物は、重要5項目、568品目のうち約3割の174品目で無関税を受け入れ、牛肉は73%、豚肉も67%の関税撤廃率になりました。5項目について、再生産可能となるような除外または再協議の対象とする、10年を超える段階的な関税撤廃も含め認めないことを求めた衆参農林水産委員会決議に反することは言うまでもありません。

 さらに、関税を撤廃しない農林水産物についても、発効七年後にアメリカ、オーストラリアなど5カ国からの求めがあれば再協議に応じる規定があることが判明しました。

 TPPに対する農業支援などをまとめた関連政策大綱は、農業政策の財源についても明確にはなっていません。飼料用米への助成継続は、関税収入の減少が避けられない中で、将来にわたって実効性を担保できるかという重大な懸念が残っています。

 米の輸入量がふえ、牛・豚肉の関税削減幅が大きくなるなど、国内農業への影響がより深刻になるのはTPP発効から数年あるいは10年以上たってからであり、対策が本当に必要になるのはそれからです。

 関税削減期間中ずっと予算を確保し、長期間にわたって財政支援を担保することが可能なのかが問われています。財政制度審議会が11月、飼料用米を初め転作作物に対する助成削減を求める提言を発表するなど、農業予算抑制は既に始まっています。

 TPP協定が成立したら、牛肉、豚肉、卵等も国産の表示ができなくなることが明かになってきました。さらに、ISDS条項があることからも、畜産物、野菜、魚、それらの加工品にも国産の表示ができなくなることも明らかになりました。

 このように、食品の安全性は大きく損なわれてしまいます。これは平成の不平等条約と言われるTPPのほんの一こまにすぎません。

 そこで、質問いたします。

 TPPにより、農産物だけの関税収入は年4千億円減ることになります。この農産物の関税収入が減る4千億円について、私たちが負担をすることになります。牛・豚肉が安くなった分、国民が税金でそれを賄うことになります。牛肉についての関税を直接生産者に支払いしている畜産振興交付金1千億円がなくなります。

 そこで、牛肉等の関税収入の減少による本県の畜産振興対策への影響をお尋ねいたします。

 農業への補助金そのものがISDS条項の対象になることが今度の協定文で明らかになりました。農業への補助金は除外されておらず、例外事項ではありません。TPPは内国民待遇を定め、相手国の企業を自国民と同じように公平で平等に扱わなければならないとされています。

 また、1回のISDS条項の裁判に6億円かかることがわかりました。アグリビジネス大企業にとっては、得られる利益からすれば、6億円の裁判費用は何でもないということであります。国の農業への補助金制度について、ISDS条項により締結国の投資家から提訴されないのかお尋ねいたします。

 TPP対策と称した大区画などの圃場整備は、ウルグアイ・ラウンド決着時のように効率化や生産性向上につながらないばらまきになるとの懸念も指摘されています。TPP対策としての国の予算を活用し、大区画化などの圃場整備を進める場合どのような効果があるのか、県の考えをお尋ねいたします。

 国は耕作放棄地の固定資産税の課税強化を平成28年度税制改正大綱に盛り込みました。本県は全国1位の耕作放棄地面積があると言われておりますが、県は耕作放棄地の固定資産税の課税強化について、耕作放棄地の解消にどのような効果があると考えているのかお尋ねいたします。

 昨年3月に閣議決定した食料・農業・農村基本計画では、飼料用米の10年後の生産努力目標を現状の10倍の110万トンに設定しています。主食用米が減る分のほとんどを飼料用米の増産に回す計算になっています。国内で飼料用米をつくるよう求めている一方で主食用米を輸入拡大することは政策の整合性がないと言わざるを得ません。

 TPPで牛肉、豚肉の関税率大幅減、乳製品の低関税輸入枠新設などにより安価な外国産の肉がふえ、飼料用米の受け入れ先である国内の畜産・酪農農家が廃業に追い込まれることになれば、飼料用米推進策も頓挫することになりかねません。

 そこで、3点伺います。

 1つは、輸入米の流通増加に伴う影響と備蓄米保管後の売却に伴う影響について、県の考えをお尋ねいたします。

 2点目、本県の飼料用米について、来年度と10年後の生産面積の目標をお尋ねいたします。

 3点目、本県の主食用米と飼料用米について、10年後の生産面積比率の目標をお尋ねいたします。

 福島県産米は、原発事故の風評被害などで価格が下がり、業務用に多く流通しています。家庭用米の需要が減る中で、外食等業務用米への販路拡大に取り組んできた稲作農家も少なくありません。

 低価格米の輸入米がふえれば、業務用の需要が奪われることも予想されます。低価格輸入米は東日本震災の被災地の農業復興にも影響することが予想されます。県産米の業務用向けの割合について、震災前後でどのように変化しているのかお尋ねいたします。

 大きな4番目は、人口減少についてです。

 国税庁の民間給与実態調査では、2014年、1年を通して働いても年収200万円以下のワーキングプアが1千139万2千人に達しています。1千万を超えるのは9年連続で、全労働者に占める割合は24.0%、4人に1人となります。

 また、民間企業で働く非正規雇用者の労働者全体に占める割合は4割になりました。20歳、30歳代の男性で配偶者がいる割合は正規労働者の半分以下という統計もあります。非正規雇用者の増大は少子化の加速、社会保障の縮小という悪循環に陥ることになります。

 昨年9月、改正労働者派遣法が成立しました。不安定雇用の拡大につながることは言うまでもありません。待遇改善、安定雇用を置き去りにしたまま非正規雇用をふやせば、安倍政権が掲げる希望出生率1.8の実現は望むべくもなく、今回の派遣法改正は少子化対策に逆行するものと言わなければなりません。人口減少対策として婚姻率を上げるべきと思いますが、県の考えをお尋ねいたします。

 婚姻率を上げるためには住宅対策も不可欠であります。

 2点お尋ねいたします。

 新婚世帯を対象とした県営住宅への優先入居について配慮すべきと思いますが、県の考えをお尋ねいたします。

 2つ目は、婚姻率を上げるためには、結婚に伴う住宅確保への経済的支援が必要と思いますが、県の考えをお尋ねいたします。

 地方からの人口流出を食いとめるためには、新卒者にとって魅力的な職場を地元につくり出すことであります。学校基本調査によれば、高卒就職者のうち出身都道府県以外に就職した割合が全国平均の18.4%を大きく上回る県外流出者が見られるのは東北や九州の諸県です。出身地から流出した高卒者の就職先は、東京都が全体の31.4%と圧倒的な比重を占めています。

 アベノミクスの進展とともに、全国の高卒県外就職者の東京都への就職割合は2013年3月、29.9%、14年3月には30.2%、15年3月には31.4%と増加傾向にあります。安倍政権はローカル・アベノミクスによって地方再生に力を入れているように宣伝をしておりますが、実態は大都市、大企業重視の政策になっています。その結果、地方からの人口流出が拡大し、東京一極集中が進んでいるのが実態です。

 若者の県外流出防止策として新規卒業者等の県内への就職促進にどのように取り組んでいるのか、県の考えをお尋ねいたします。

 ひとり親世帯に配る児童扶養手当、第1子は据え置きになりました。ひとり親世帯の過半数を占める子供1人の世帯には恩恵が及びません。働くひとり親世帯の貧困率はOECD加盟34カ国で日本が最悪になっています。県内の児童扶養手当を受給しているひとり親世帯のうち、子供が1人の世帯数と2人以上の世帯数をお尋ねいたします。

 来年度、診療報酬の引き下げ、年金の給付水準据え置きに加え、子育て世帯臨時特例給付金が打ち切られます。県内の子育て世帯臨時特例給付金の対象児童数をお尋ねいたします。

 新3本の矢の第2の矢は「夢をつむぐ子育て支援」となっています。来年度は所得制限つき無償化の対象範囲を拡大しました。一方、防衛費は史上初めて5兆円を超える大判振る舞いをしています。防衛費を削り、全ての幼児を対象にした教育の無償化の矢を放つべきと思います。県内の幼稚園就園奨励費補助金の受給者数と全幼稚園児に対する受給割合をお尋ねいたします。

 希望出生率1.8に向けて保育の受け皿を40万人から50万人にふやすとしていますが、保育士の給与水準引き上げも人事院勧告に連動した1.9%にとどまり、人手不足の解消にはほど遠い内容と言わなければなりません。公的支出を抑制し、低賃金の福祉労働者を利用する状況を続ける限り、保育環境の改善は望めまないと思います。

 2点伺います。

 県は、保育士の確保にどのように取り組んでいくのかお尋ねいたします。

 2つ目、県は民間保育所の保育士の処遇改善にどのように取り組んでいくのかお尋ねいたします。

 大きな5番目は、貧困対策についてです。

 国民生活基礎調査によると、日本の貧困率は16.1%で過去最高、6人に1人が貧困状態にあります。貧困を象徴するのが生活保護の増大です。2015年受給者世帯は過去最多を更新しています。20年前の2.5倍で、おおむね60人に1人が生活保護を受給しています。

 現在、生活保護受給世帯の約半分は高齢者世帯であり、80万世帯を超え、目立つのは高齢者の単身世帯の増加です。ひとり暮らしの貧困率は2012年、女性で44.6%、男性で29.3%に達しているとの調査報告もあります。

 これまで生活保護は特定の人たちの制度という印象でしたが、身近な問題に迫ってきています。県内の平成23年度以降の生活保護受給世帯数と全受給世帯に占める高齢者世帯の割合をお尋ねいたします。

 我が国は教育に占める公的支出が低いため、教育費の負担は重荷となり、少子化の原因の一つと指摘されています。

 そこで、県内の小中学生の学校給食費を無料化した場合、どの程度の経費が必要になるのかお尋ねいたします。

 家計の苦しい世帯の子供に援助する就学援助は、1995年度には対象児童生徒数は77万人でしたが、2013年度には150万人、全体の15.42%、6人に1人が利用しています。

 小中学校の児童生徒を対象として実施されている就学援助について、県内における震災前及び直近の受給者数と全児童生徒に対する受給割合をお尋ねいたします。

 低年金受給者にはアベノミクスの恩恵が届かないという観点から、15年度補正予算に1千万人に1人3万円を給付する予算が盛り込まれました。1回きりの一時的なものでは消費効果も乏しいし、高齢者の疲弊を根本的に解決するにはほど遠い対策と言わざるを得ません。県内の年金生活者等支援臨時福祉給付金の対象者数をお尋ねいたします。

 子供の貧困問題はますます深刻になっています。学校の教員だけでは対応が困難な事例が増加しています。安心して学校生活を送ることができるように、福祉的な視点から問題解決に取り組むスクールソーシャルワーカーの重要性は増しています。

 特に定時制高校は深刻な問題を抱えています。今後も教育相談を必要とする児童生徒は増加することが予想され、それに伴い、スクールソーシャルワーカーへの期待もますます高まっていくと考えます。

 2点お尋ねいたします。

 1つは、スクールソーシャルワーカーについて、今年度の支援件数と主な支援内容をお尋ねいたします。

 2つ目は、スクールソーシャルワーカーの増員を図るべきと思いますが、県教育委員会の考えをお尋ねいたします。

 大きな6番目は、介護についてです。

 安倍政権は2020年初めまでに介護離職者をゼロにするという矢を放ちました。その具体策が介護保険事業計画です。計画どおりに受け皿ができても待機者を賄えないのが実態のようです。介護離職者ゼロにするには、入所希望者全員が入所することが前提となります。

 法人認可の規制緩和を進める案も浮上していますが、介護職員の確保ができなければ絵に描いた餅になります。安倍政権は介護報酬を引き下げる一方で介護職員の待遇改善を行うというあべこべな対応策に終始しています。介護職員を初め介護事業全体の底上げを図らない限り、介護離職ゼロの矢は折れることは目に見えています。

 現在親の介護施設が見つからないとの理由で仕事をやめる介護離職者が年10万人を超えています。特養入所の待機者は50万人を超え、そこで特養の増設を打ち出していますが、介護離職を防止する政策は施設から在宅介護へシフトする地域包括ケアシステムを進めてきたこれまでの政策と矛盾すると思いますが、県の考えをお尋ねいたします。

 特別養護老人ホーム入所に待機する高齢者は13年9月現在で52万4千人います。特養の増設などで50万人以上の受け皿ができても入所希望者を賄えないのが実態です。

 国の補正予算で県内に整備される特別養護老人ホームの定員数と整備により待機は解消されるのかお尋ねいたします。

 取得可能日数は93日のままで、現在1回しかとれない介護休業を3回まで分割取得を可能にしました。介護休業給付金についても、給付率を賃金の40%から67%に引き上げました。企業に浸透している評価主義が休業取得を阻害していることも事実です。

 県内における介護休業の取得状況と介護休業取得率の向上に向けた県の取り組みについてお尋ねいたします。

 介護職員不足により入居者を制限せざるを得ないとの声も聞かれます。介護職員の不足により入居者の受け入れを制限している県内の特別養護老人ホーム及び介護老人保健施設について、施設数と制限人数をお尋ねいたします。

 大手信用調査会社二社は老人福祉・介護事業者の倒産状況を発表しました。介護保険法が施行された2000年以降最悪としています。倒産した介護事業者の中心は新規事業者で、小規模事業者としている点と、倒産の一因として介護報酬の大幅引き下げを挙げている点で分析は共通しています。

 このように、安倍政権は介護報酬を大幅に引き下げて事業者の経営を悪化させ、倒産に追い込んでいます。一方では、介護施設の増設により介護離職者ゼロという夢のような皮算用も行っています。

 県内の介護保険事業所について、今年度における新規指定件数と廃止件数をお尋ねいたします。

 介護の人材確保には介護人材全体の労働条件等の底上げが必要になっています。介護職員処遇改善加算の対象とならない職員の処遇を向上させるべきと思いますが、県の考えをお尋ねいたします。

 大きな7番目は、原発事故についてです。

 汚染水に関する基本方針は、凍土壁の運転と地下水管理、そして原子炉建屋底部の汚染水の除去とドライアップ及び建屋の止水となっています。そして、2020年までに建屋内滞留水の処理を完了することが目標になっています。

 10月の第37回特定原子力施設監視・評価検討委員会の中で検討委員の1人から「確実な凍結に至る見通しは立っていないのではないか。」という指摘がなされています。規制委員会委員は2014年の小規模実証試験で凍土壁は実行可能であることを確認済みと指摘を退けました。

 特定原子力施設監視・評価検討会の議論などからは、凍土壁は汚染水の増加をとめる決め手にはなり得ないことが浮き彫りになってきています。ドライアップや建屋の止水が不可能であれば、計画は破綻します。

 最近原子力規制委員会の委員の1人が事故で溶け落ちた核燃料について「取り出すことがよいかも含めて検討する必要があると思う。」と述べ、今後の調査の結果によっては取り出さない選択肢も検討する必要があるという考えを示しました。以前から指摘されておりますが、デブリが取り出せない状態であるということを示唆した言葉という見方もできます。

 事故から5年、東京電力の隠蔽体質の新たな事実が明らかになりました。問題なのは、情報隠蔽によって依然として県民の安全は損なわれていることです。残念ながら廃炉作業もその延長線上にあると指摘せざるを得ません。

 そこで、五点お尋ねいたします。

 1つは、福島第一原発の凍土遮水壁の効果について、県の考えをお尋ねいたします。

 2つは、福島第一原発の凍土遮水壁を運用した際にどのようなリスクがあるのかお尋ねいたします。

 3点目は、福島第一原発の護岸エリアに設けられた地下水ドレンの水が汚染されている原因をお尋ねいたします。

 4点目は、福島第一原発の一号機から四号機までの建屋内に滞留している高濃度汚染水の総量と汚染レベルをお尋ねいたします。

 5点目は、福島第一原発の建屋地下に滞留する汚染水を除去するまでどのくらいの期間を要するのかお尋ねいたします。

 大きな8点目は、木材利用の推進についてです。

 木材は、先人たちが植えて育てた森林から伐採、収穫し、建築用材として利用した収益により、次の森林を植えて育て、森林資源を循環的に利用することでそこにかかわる林業や木材産業の活性化につながります。そのためには、年々充実しつつある本県森林資源の活用を図るため身近な公共施設の木造化を推進することが重要な取り組みであると考えます。

 2点伺います。

 1つは、県は林業の活性化に向け公共施設の木造化の推進にどのように取り組んでいくのかお尋ねいたします。

 2つ目は、県は森林・林業の再生に向け担い手の確保にどのように取り組んでいくのかお尋ねいたします。

 大きな9点目は、原子力損害賠償についてです。

 原発事故は、周辺地域社会のあらゆる側面に影響を及ぼし、県民全てが不利益をこうむっています。加害者は東京電力で、その最たるものは放射能被害です。避難指示区域の住民にはそれなりの賠償は支払ってきたと思います。そのほかの住民は低額な賠償で我慢を強いられています。

 いわき市のように避難者を受け入れている自治体は、交通問題、医療、介護、地価の上昇など日常生活にさまざまな負担を強いられています。避難先自治体には1人4万2千円の特別交付税が措置されてはいますが、直接住民の利益にはなっていません。

 震災から丸5年を迎える今日、今さらさらなる賠償はなじまないという声も聞かれます。原発は収束を見ず、除染も十分に成果を上げておらず、避難は長期化しています。原子力災害収束の出口は見えず、関連被害の継続に、避難指示区域以外の住民は不安と不満を鬱積しているのが実態です。

 避難者を受け入れている地域の住民に生じている日常生活における負担についての精神的損害の賠償を東京電力に求めるべきと思いますが、県の考えをお尋ねいたします。

 大きな10番目は、再生可能エネルギーについてです。

 再生可能エネルギーについては、太陽光、風力、小水力などのほかに、地中の安定したエネルギーを活用する地中熱があります。

 県内での地中熱の利用については、震災以降関心が高まっており、ヒートポンプ等とあわせて公共施設の冷暖房や道路の融雪などに利用されておりますが、まだまだコスト高により一般家庭への普及が余り進んでおらず、今後地中熱利用のコスト低減などに向けた技術開発を進めることが重要であり、県の積極的な支援が必要になるものと思われます。

 そこで、県は地中熱利用に関する技術開発をどのように支援していくのかお尋ねいたします。

 11番目の質問は、甲状腺がんについてです。

 最近、「ロシア政府報告書から読み解く甲状腺がんの実態」というのが雑誌に載りました。これによると「チェルノブイリ原発事故被災地では、事故後2年目に甲状腺がんがふえ、4年から5年目に大幅に増加した。甲状腺がんは、事故時5歳以下のグループに増加したが、この層に多発したのは事故から10年後ごろ、彼らが10代になった後である。事故直後数年間を見ると、事故時10代後半の層に甲状腺がんがふえている。甲状腺がんがふえたとされるロシアの被災地の一部では、児童の甲状腺被曝量は数ミリグレイから数10ミリグレイと推定されている。」となっています。

 県民健康調査検討委員会は、チェルノブイリ甲状腺がんとの違いを「チェルノブイリでは4、5年後に甲状腺がんが増加した。チェルノブイリでは、事故時5歳以下の層に甲状腺がんが多発した。福島県では、被曝線量がチェルノブイリ被災地と比べてはるかに少ない。」などの3点を強調することにより、甲状腺がんの原発事故からの因果関係を否定しています。

 ロシア政府報告書は2年目から甲状腺がんがふえていることを認めています。福島県の実態と類似しているとも言えます。福島県の甲状腺がんの発生率は、疑いを含めると通常の60から100倍以上と言われています。スクリーニング効果では説明できないとの指摘もあります。放射線によるものなのか、過剰診断の結果なのか、県民に正しい情報を提供することが求められていると思います。

 以下、4点質問いたします。

 1つは、甲状腺検査でこれまでに発見された甲状腺がんについて、多発しているという認識なのかお尋ねいたします。

 2つ目は、甲状腺検査の対象者でこれまでに一度も検査を受けていない人数をお尋ねいたします。

 3点目は、県民健康調査における甲状腺検査以外の検査から甲状腺がんと診断された人数をお尋ねいたします。

 4点目は、県立医科大学における甲状腺がんの手術人数について、原発事故前とその後の推移をお尋ねいたします。

 最後の質問は、イノシシ対策についてです。

 中山間地域では、住民の高齢化や過疎化が進み、農地や山林にも人手が入らないことから、里にまでイノシシが出没するなど、鳥獣被害は大きな課題となっております。

 そこで、中山間地域におけるイノシシによる農作物等被害防止対策について、県の考えをお尋ねいたします。

 以上で私の質問を終わります。


議長(杉山純一君)執行部の答弁を求めます。


知事(内堀雅雄君)古市議員の御質問にお答えいたします。


 地方創生の取り組みについてであります。

 本県では、震災以前から人口減少が続き、特に進学期や就職期の若者の県外流出が顕著であることなどから、就業者や消費者の減少による経済成長率の低下が危惧されるところであります。

 このため昨年末に策定したふくしま創生総合戦略では、各種仕事づくりに加え、労働生産性の向上の観点から、都市圏のプロフェッショナル人材の県内への還流を促すための体制整備や県内企業の上場化支援、2次、3次産業が牽引する売れる6次化商品づくり、さらに就業率向上の観点から、保育施設の整備や3世代同居・近居の支援などを盛り込んだところであります。

 地域に人材と資金を呼び込めるような生産性が高く活力にあふれた産業を形成し、若者や女性、働き盛りの世代にとって魅力のある職場を生み出し、地域経済の活性化につなげてまいります。

 次に、復興に向けた取り組みについてであります。

 震災から間もなく5年を迎えます。この間、県民の皆さんの懸命な御努力と国内外からの温かい御支援により、会津と中通りの公共土木施設の復旧完了、常磐自動車道の全線開通や国道6号の自由通行化、ふたば復興診療所の開所、県内総生産の回復など着実に復興の歩みを進めているところであります。一方で、多くの県民の皆さんが避難を継続し、県全域で根強く残る風評、不透明な原発事故の見通しや除染など厳しい状況は今も続いております。

 そうした中、復興をさらに進めていくためにはこれからの5年間が正念場であり、昨年末に策定した第3次復興計画に基づき、帰還に向けた生活環境の整備やイノベーション・コースト構想を初めとする産業、なりわいの再生など、避難地域等の復興をさらに加速させるとともに、農業、観光等の風評対策や新産業の創出など復興へ向けた重点プロジェクトの取り組みを中心に全力で取り組んでまいります。

 今後とも前提となる復興財源の確保を図りながら、市町村や国と力を合わせ、県民の皆さんが誇りと希望の持てる、そして将来世代に誇りを持って引き継ぐことのできる魅力ある福島を築いてまいる考えであります。

 その他の御質問につきましては、関係部長等から答弁をさせます。


危機管理部長(樵 隆男君)お答えいたします。


 凍土遮水壁の効果につきましては、凍土遮水壁は地下水バイパスや敷地の舗装、サブドレン、地下水ドレン、海側遮水壁とあわせて実施し、これらの相乗効果により原子炉建屋内の高濃度汚染水を減らす効果があると考えております。

 次に、凍土遮水壁運用によるリスクにつきましては、凍土遮水壁の完成により原子炉建屋周辺の地下水位が急激に低下し、建屋内外の水位が逆転して汚染水が外部に流出する可能性があることから、水位の状況を見ながら凍結を進める必要があります。

 また、凍土遮水壁は一旦凍結すると解凍までに時間を要するため、水位の逆転が生じないよう必要に応じて注水等の地下水位の回復措置が必要となります。

 次に、護岸エリアの地下水ドレンの汚染原因につきましては、事故当時に建屋内の高濃度汚染水がトレンチを通して護岸エリアに漏れたことや、大気中に放出された放射性物質が降雨等により地下に浸透したことによる汚染が残留しており、海側遮水壁でせきとめられた地下水の水位が上昇し、これらの汚染源に触れたためと推定されております。

 次に、建屋内の高濃度汚染水につきましては、東京電力の公表資料によりますと、総量約6万4千トン、汚染レベルは最も濃度が高い全ベータで1リットル当たり約3千5百万ベクレルとなっております。

 次に、建屋地下に滞留する汚染水を除去するまでの期間につきましては、中長期ロードマップによれば、建屋周辺の地下水のくみ上げや凍土遮水壁、敷地舗装等の対策により建屋への地下水流入を抑制し、汚染水の水位を低下させ、建屋壁面の配管貫通部等の止水を行うことにより2020年度内に建屋内汚染水の除去を完了するとされております。


保健福祉部長(鈴木淳一君)お答えいたします。


 県内の平成23年度以降の生活保護受給世帯数につきましては、平成23年度が13,667世帯、平成24年度が13.224世帯、平成25年度が13,053世帯、平成26年度が13,081世帯、直近の平成27年12月は13,205世帯となっております。

 全受給世帯に占める高齢者世帯の割合は、平成23年度からそれぞれ41.8%、43.3%、45.8%、48.1%、49.4%となっております。

 次に、県内の年金生活者等支援臨時福祉給付金の対象者につきましては約23万人となっております。

 次に、介護離職を防止する政策につきましては、必要な介護サービスの確保を図るための緊急対策であり、在宅サービスも含めて介護サービス全般の充実を図ろうとするものであります。

 県といたしましては、地域包括ケアシステムを構築するため、今回の国の追加対策を活用しながら、人材の確保にもしっかりと取り組んでまいります。

 次に、国の補正予算で県内に整備される特別養護老人ホームの定員数につきましては、第6次介護保険事業支援計画に基づく1,228人のうち174人分の前倒し整備を予定しております。

 県といたしましては、施設入所の必要性が高い高齢者が入所可能となるよう計画的な整備を支援し、待機解消に努めてまいる考えであります。

 次に、介護職員不足により入居者の受け入れを制限している県内の特別養護老人ホームと介護老人保健施設の施設数及び制限人数につきましては、平成27年10月1日現在、11施設、193人となっております。

 次に、県内の介護保険事業所の今年度における指定件数と廃止件数につきましては、2月1日現在で新規指定は175件、廃止は62件となっております。

 次に、介護職員処遇改善加算の対象とならない職員の処遇につきましては、介護支援専門員や生活相談員、調理員等のスタッフも介護職員同様に介護サービスの重要な担い手であることから、これまでも全ての職種について処遇改善を図るよう国に要望してきたところであり、今後も引き続き働きかけてまいりたいと考えております。

 次に、県民健康調査でこれまでに発見された甲状腺がんにつきましては、症状のない方を対象として広く実施した検査の結果発見されたものであり、何らかの症状があり、医療機関を受診してがんと診断された方の人数とは発見の経緯が大きく異なることから、単純に比較することは難しいものと考えております。

 次に、県民健康調査の甲状腺検査の対象者でこれまで一度も検査を受けていない方の人数につきましては、昨年12月末現在、61,931人となっております。

 次に、県民健康調査における甲状腺検査以外の検査から甲状腺がんと診断された人数につきましては把握しておりません。

 次に、県立医科大学における甲状腺がんの手術人数につきましては、平成22年度15名、平成23年度38名、平成24年度36名、平成25年度66名、平成26年度87名となっております。


商工労働部長(飯塚俊二君)お答えいたします。


 新規卒業者等の県内就職促進につきましては、高校教員の企業現場研修を初めとする学校・企業連携事業を実施するとともに、今年度は県内の4大学、首都圏の7大学と学生の地元定着を促進する協定を新たに締結し、取り組みを強化したところであります。

 今後とも高校と企業との連携や大学との就職支援協定等を一層推し進めるなど、新規卒業者等の県外流出防止に向けしっかりと取り組んでまいる考えであります。

 次に、介護休業の取得状況につきましては、平成26年労働条件等実態調査において、介護休業を取得した実績のある県内事業者は6.0%となっております。

 県ではこれまで優良取り組み事例の紹介や企業認証制度を通して取得率の向上に努めてきたところであり、今後国が進める介護休業の分割取得や介護休業給付金の引き上げ等を内容とする法改正の状況などを踏まえ、一層の取り組みを進めてまいる考えであります。

 次に、地中熱事業に関する技術開発につきましては、福島再生可能エネルギー研究所と連携し、県内企業等が行う地中熱の分布に関する調査や低価格のヒートポンプの開発等を支援してきたところであります。

 今後とも大学や県内企業と連携し、地中熱の効率的利用に向けた研究開発や未利用の廃校施設を活用した実証試験を進めるなど、関連技術の早期の事業化に取り組んでまいる考えであります。


農林水産部長(小野和彦君)お答えいたします。


 関税収入の減少による本県の畜産振興対策への影響につきましては、国の総合的なTPP関連政策大綱において、農林水産分野の対策に支障を来さないよう、その財源については政府全体で責任を持って確保するものとされております。

 次に、ISDS条項につきましては、海外企業の投資に関し、国内企業等と差別化しないことを原則として、投資家と国との間の紛争解決の手続を規定したものであり、国が農業への補助制度を設計するに当たっては、紛争が起きないよう適切な対応がなされるものと考えております。

 次に、圃場整備の効果につきましては、作物の増収や品質の向上、営農経費の節減、耕作放棄地の発生防止などに加え、担い手農家等への農用地の利用集積が促進されることから、農業の競争力の強化につながるものと考えております。

 次に、耕作放棄地の固定資産税の課税強化につきましては、所有者に農地の有効活用を促すことで担い手への農地の利用集積による耕作放棄地の発生抑制や再生・活用が促進されるものと考えております。

 次に、輸入米の流通増加に伴う影響につきましては、国の総合的なTPP関連政策大綱において輸入量と同量を国産の主食用米から買い上げる仕組みが示されていること、さらに備蓄保管後の売却についても売却先として最大の飼料用米市場においては需要が供給を大きく上回る状況になっていることなどから、その影響は見込みがたいと考えております。

 次に、飼料用米の来年度の生産面積目標につきましては6,500ヘクタール程度としております。

 なお、10年後の生産面積目標については、毎年国による主食用米の需給見通しに基づき生産量が割り当てられてきたことから、県としての目標の設定は行っておりません。

 次に、10年後の主食用米と飼料用米の生産面積比率につきましては、目標値の設定は行っておりません。

 次に、県産米の業務用向けの割合につきましては、集出荷団体等を対象に行った流通状況のアンケート調査によると、全体量の約八割が最終的な用途がわからない卸売業者向けとなっているものの、明確に業務用向けと回答した割合は、平成20年産米で5%であったものが平成24年産米では11%と増加傾向にあります。

 次に、公共施設の木造化の推進につきましては、ふくしま県産材利用推進方針に基づき、部局連携のもと復興公営住宅や県庁北庁舎など県有施設への木材利用を進めているところです。

 また、現在50の市町村において木材利用方針が策定されており、この方針に沿って整備される施設への支援を通じて公共施設の木造化の推進に努めてまいります。

 次に、林業の担い手の確保につきましては、高性能林業機械の導入による作業環境の改善、個人事業主への労災保険の加入促進などの福利厚生の充実等に努めているほか、新年度から高校生と教諭を対象とした現地見学会において、高性能林業機械による伐採の現場や大規模な製材工場の見学を行い、担い手の確保に努めてまいります。

 次に、中山間地域におけるイノシシによる農作物等被害防止対策につきましては、やぶの刈り払い等の環境整備や侵入防止柵の設置について集落に対して支援するほか、侵入防止柵の自力での施工が困難な場合には、民間業者への委託経費も支援できることとしております。


土木部長(大河原 聡君)お答えいたします。


 新婚世帯の県営住宅への優先入居につきましては、世帯主が障がい者の世帯や幼児を扶養している世帯等を対象としておりますが、さらに対象を拡大することについては、福島県人口ビジョンにおける出産・子育ての希望に応えられる社会の実現に向けた取り組みや優先入居の応募状況を踏まえながら、慎重に検討してまいりたいと考えております。


原子力損害対策担当理事(成田良洋君)お答えいたします。


 原発事故による精神的損害につきましては、これまで被害の実態に見合った賠償を行うよう東京電力に繰り返し求めてまいりました。

 引き続き被災地の実情を訴えながら、個別具体的な事情による損害への的確な賠償はもとより、国による施策の実施も含め、福島の復興再生に向けて国及び東京電力が責任を持って取り組むよう求めてまいります。


こども未来局長(尾形淳一君)お答えいたします。


 婚姻率を上げることにつきましては、これまでも独身者を対象とした話し方や身だしなみを学ぶための講座の開催のほか、世話やき人を養成し結婚相談に応じてまいりました。

 今後は市町村や企業との連携を一層密にし、若者の出会いの場づくりやITを活用した結婚相談機能の充実などの施策を通して若い世代の結婚の希望がかなえられるよう取り組んでまいります。

 次に、結婚に伴う住宅確保への支援につきましては、経済的理由で結婚に踏み出せない若い世代の負担を軽減するため、新たに所得が300万円未満の新婚世帯を対象に住宅を確保するための費用を助成する市町村を支援することとしております。

 次に、児童扶養手当につきましては、昨年10月末現在で県内で手当を受給しているひとり親世帯のうち子供が1人の世帯数は10,648世帯、2人以上の世帯数は7,595世帯となっております。

 次に、子育て世帯臨時特例給付金の対象児童数につきましては、昨年10月末現在で228,965人となっております。

 次に、保育士の確保につきましては、保育士の資格取得を目指す方への修学資金の貸し付けに加え、新年度から新たに資格を持つ方の再就職を促進するため、2年間の継続勤務により返済を不要とする条件のもとで、転居に要する費用など就職の準備に必要な経費について貸し付けを行う制度を創設することといたしました。こうした取り組みなどを通じて引き続き保育士の確保に取り組んでまいります。

 次に、民間保育所の保育士の処遇の改善につきましては、本年度から開始された子ども・子育て支援新制度において、新たに職員の平均勤続年数などに応じて賃金を加算する措置が講じられたところであります。

 県といたしましては、国においてさらなる処遇改善措置が講じられるよう引き続き全国知事会などと連携して対応してまいります。


教育長(杉 昭重君)お答えいたします。


 幼稚園就園奨励費補助金につきましては、平成26年度における受給者数は18.871名で、全幼稚園児に対する受給割合は75.0%となっております。

 次に、県内小中学生の学校給食費を無料化した場合に必要となる経費につきましては、平成26年度の給食費をもとに試算すると約80億円となります。

 次に、就学援助につきましては、その受給者数は震災前の平成22年度においては18,791名で、全児童生徒に対する受給割合は10.6%であり、直近の調査年度である平成25年度においては22,412名で、14.4%となっております。

 次に、スクールソーシャルワーカーの支援件数につきましては、今年度の4月から12月までで約2,800件となっております。

 また、主な支援内容は不登校や家庭環境の改善、発達障がいへの適切な対応などであり、今後とも家庭や地域の民生委員、市町村の保健福祉部局や県の児童相談所等の関係機関と連携しながら、児童生徒の心に寄り添ったきめ細かな支援に努めてまいる考えであります。

 次に、スクールソーシャルワーカーにつきましては、大学等の関係機関の協力を得ながら、平成23年度以降、毎年度その増員を図ってきており、今年度は41名を配置しているところであります。

 新年度につきましては、教育事務所及び市町村教育委員会に7名増員し、48名を配置する予定であり、今後も教育相談体制の充実に努めてまいる考えであります。


36番(古市三久君)再質問を二点したいと思いますが、保健福祉部長にお尋ねいたします。


 最初の質問の多発かどうかということに対して明確な答弁はされなかったと思うのですが、多発ではないということなのか、それともわからないということなのか、その辺についてはいかがでしょうか。

 それから、福島医大のがんの手術数が報告されましたよね。これは全体を足しますと233件ぐらいになるかと思うのですが、震災前の医大の甲状腺がんの手術というのは大体1年間に16件ぐらいですよね。そういう意味では、非常にこのがんの手術の数がふえていると思うのです。

 平成27年3月段階で、多分これは県の調査検討委員会の中での話だと思うのですけれども、医大では97名の方が手術をしているというようなことが言われておりまして、部長答弁の数でいうと200人以上の件数になっているわけですよね。つまりこれは福島県内の方が手術したのか、よその方が手術したのか中身はよくわかりませんけれども、ふえていることには間違いないわけですよね。

 なおかつ、筑波大あたりでも、国の医療情報からすると甲状腺がん検査の数がふえているわけです。福島県の調査委員会は、多発と言っている方もいらっしゃいますけれども、公式的には多発というようなことは言っていないのかどうかわかりませんが、そういう意味で非常にゆゆしき問題ではないかなと思っているのです。

 なおかつ、県の調査委員会は、2年に1回の検査でがんになった方しか数として数えていないわけですよね。しかしながら、このように手術数が非常に多いわけなので、その辺について県の検討委員会で調査するというか、どういうふうになっているのか調べていく必要があるのではないかと思うのです。それが県民に対する安心・安全を担保していくというようなことになるかと思うのです。

 したがって、自由診療というか、医大で診断された方の甲状腺の診断数についても県民健康調査の中でしっかりと捉えて、把握をしていく必要があるのではないかと思いますが、その辺について2点お尋ねしたいと思います。


保健福祉部長(鈴木淳一君)再質問にお答えいたします。


 がんの件数につきましては、一般的ながん罹患統計などに比べますと数10倍のオーダーで見つかっているというのは事実でございまして、県民健康調査検討委員会の甲状腺評価部会の中でも報告をされておりまして、その事実関係につきましては、検討委員会の中間取りまとめの中にも記載される見込みとなっております。

 ただ、その発見数が多いこと自体を多発という表現で言うのかどうかとか、その辺につきましては、発見される経緯が、実際ぐあいが悪くなってお医者さんにかかってそれでがんと診断される経緯が一般的なわけですが、今回の県民健康調査甲状腺検査の中では、子供さんを全員対象にして受けてくださいということで検査をしているということで経緯が違っているので、直接比較して何倍だからどうというふうには申し上げられないのではないかということでお答えをさせていただきました。

 なお、甲状腺検査以外の方の把握につきましては、全員の子供さんにそういうことも含めまして検査をしっかり受けていただけるように我々もまた努めていきたいと思います。


36番(古市三久君)つまり医大の手術数が非常に多いということについては県も把握しているわけですよね。

  健康調査検討委員会で見つかった数と比べれば百数十件以上多くなっているわけですよね。

 したがって、何年から計算するかにもよりますけれども、多くなっていることは間違いないので、それが健康調査で見つからなかったからそれは関係ないのだと、そういうふうな考えなのか、それともそれらについても、福島県の、当時18歳以下の方々の甲状腺がんになった方、つまり2年に1回の検査でわからなくて、たまたま行ってわかったという方もいて手術する方もいらっしゃると思うのです。

 そういう方について調査検討委員会で把握をして、そういうものも含めて甲状腺がんの数の中に入れていくべきではないかというふうに私は思いますが、県の考えをお尋ねしたいと思います。


保健福祉部長(鈴木淳一君)再質問にお答えいたします。


 医大での手術件数につきましては、御指摘のございましたとおり平成24年からの3年間で97名分が県民健康調査甲状腺検査の中から見つかって手術に至ったということで、その分は少なくとも甲状腺検査の結果多くなっていると言ってもいいかと思います。

 この甲状腺検査の枠組みに乗らない方が把握できていないので、どんなふうな方がいらっしゃるかよくはわかりませんが、甲状腺検査は、県、それから県立医大でさまざまな専門医、認定医の方をそろえたり、それから一定の専門性とか信頼性と言ったらいいのでしょうか、そういったものを備えたところできちんと検査をし、さらに手術に至るまでの間にはさまざまなガイドラインや判定会みたいなことを経て手術をさせていただいているというのが我々の枠組みですので、なるべく県民の方にその枠組みに乗っていただけるようにお願いして、これからも取り組んでいきたいと思いますし、また逆に手術だけではなくてサポート体制も含めて充実を一段と図っていきたいと考えております。


議長(杉山純一君)これをもって、古市三久君の質問を終わります。

 

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