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2016年2月定例会 一般質問 安部泰男議員

印刷用ページを表示する 掲載日:2016年6月20日更新

安部泰男 議員

議員安部泰男
所属会派
(質問日現在)
公明党
定例会平成28年2月
質問等一般質問
質問日3月3日(木曜日)

20番(安部泰男君)20番公明党の安部泰男でございます。通告順に従い質問いたします。


 未曽有の複合災害である東日本大震災と原発事故が発生してから5年が過ぎようとしております。集中復興期間に当たるこれまでの5年間で、常磐自動車道の全線開通やふたば未来学園高校の開校、さらにはふたば復興診療所の開所など復興に向けた取り組みが着実に進み、本県の光が見え始めてきていると実感しております。

 一方で、本県の復興はいまだ道半ばであり、克服すべき課題はまだまだ山積みの状態でありますが、中でも先般のダボス会議の場でも知事が発言されていたとおり、風評と風化、この目に見えない二つの逆風にいかに立ち向かっていくかが、まさにこれからの復興・創生期間において県が取り組むべき最重要課題であると考えます。

 これまでも復興への道のりにおいては国内外からさまざまな支援をいただいてきたところでありますが、今後風評・風化対策を進めるに当たっても、本県に心を寄せ支えてくれる多くの力が必要であり、特に本県と地理的にも近く、人の交流や経済的な側面でつながりが強い首都圏との関係を強化することが非常に有効であると考えます。実際にこれまで東京都による被災地応援ツアーを初め職員派遣などさまざまな分野で支援をいただき、本県の復興を力強く後押ししていただいております。

 そこで、風評払拭と風化防止に向け首都圏との関係を強化すべきと思いますが、知事の考えをお尋ねいたします。

 少子高齢化、そして人口減少が進む中で政府は、1億総活躍社会を目指して、一人一人の事情に応じたさまざまな働き方が可能となる社会への変革やワーク・ライフ・バランスの確保を課題に挙げております。

 安倍首相は先日の施政方針演説で、「1億総活躍社会への挑戦を始める上で、労働時間に画一的な枠をはめる従来の労働制度、社会の発想を大きく改めていかなければならない。」と、フレックスタイム制度の拡充や仕事の成果で評価する新しい労働制度、長時間労働の抑制、年次有給休暇の確実な取得ができる仕組みをつくり、働き過ぎの防止を訴えました。

 県は復興・再生に向けた行財政運営方針の中で復興を加速させる執行体制強化の取り組みとして、復興再生に向けた人員の確保や復興再生を担う人材を育成する方針を示しています。また、県は勤務成績の評定による人事管理制度の導入を新年度から予定されております。

 言うまでもなく、有為な職員を継続して確保するには、多様な働き方を受け入れる発想の転換が求められております。

 そこで、県職員の働き方改革を進めるべきと思いますが、県の考えをお尋ねいたします。

 東日本大震災の教訓を機に、平成25年12月に国土強靱化基本法が公布、施行されました。基本法には、「地方公共団体の責務」と、「都道府県又は市町村は、国土強靱化地域計画を定めることができる。」と明記されております。

 この国土強靱化地域計画の策定により、今後どのような災害が起こっても被害の大きさそれ自体を小さくすることが期待できるとともに、計画策定後は国土強靱化に係る各種の事業がより効果的かつスムーズに進捗することが期待できるため、国は平成27年1月に「国土強靱化地域計画に基づき実施される取り組みに対する関係府省庁の支援について」を決定し、国土交通省や農林水産省、さらには消防庁所管の補助金など関係府省庁所管の交付金、補助金などにおいて支援が講じられるとともに、その交付の判断において一定程度配慮されることとなっております。

 私は、昨年の2月県議会定例会で国土強靱化地域計画の策定について質問いたしました。そこで、今後も発生が予測される大規模自然災害などから県民の生命、財産を守るため、国土強靱化地域計画を早急に策定すべきと思いますが、県の考えをお尋ねいたします。

 次に、21年前、淡路島北部を震源とするマグニチュード7.3の地震により大きな被害を出した兵庫県を本年1月に公明党県議団で訪問してまいりました。

 兵庫県は昨年、今後発生が予測される南海トラフ巨大地震と津波による被害に備え、職員の初動の指針となる応急対応行動シナリオを策定いたしました。職員がほぼ全員対応できる平日昼間と集まる人数が限られる休日夜間に分け、1週間後までの動きを9段階で設定し、部局ごとに時系列でとるべき行動をチェックしながら業務を遂行できるようにしております。

 南海トラフ巨大地震の被害を想定して、災害発災30秒後から3分後までとする第1段階から1週間後までの九段階に業務を津波対応、救出捜索、医療、避難者緊急支援など10種類に区分した上で、段階ごとに具体的な業務内容を示した表を作成し、集まった職員の数などに応じて優先順位を確かめながら対応できるようになっております。

 また、災害対応の長期化に備えて、職員の疲労軽減のため3交代で8時間ずつ休憩時間を設定して無理なく24時間態勢を維持することにも配慮しております。「今後も訓練する中でシナリオを見直し、より実践的に練り上げたい。」と、担当者の積極的な姿勢が印象的でございました。

 災害を予測してその対応に経過時間ごとの業務を設定し、予定表をあらかじめつくっておくという考え方は、本県の地域防災計画でも時系列行動計画として採用されております。

 そこで、時間の経過に応じた災害対応について県の考えをお尋ねいたします。

 障がいを理由とした差別を禁止する障害者差別解消法が本年4月から本格的に施行されます。差別解消法は国や自治体、民間事業者に「障がいを理由に窓口対応の順番を後回しされた」などの差別的な取り扱いを禁止し、あわせて「目や手が不自由な人のために代読や代筆をする」、「意思疎通が苦手な人に絵カードを活用する」といった個別の状況に応じた合理的配慮を可能な範囲で行うことも求めております。こうしたことは障がい者の活躍の場を広げる上で欠かせない取り組みであります。

 差別解消法では、行政機関に対して、どのような場合にどんな手助けが必要なのか、差別の考え方や具体的な事例を記載した職員対応要領の策定を求めるとともに、民間事業者に対しては、国が策定するガイドラインに基づき業界団体や各事業者が指針に沿って主体的に取り組みを進めることを求めております。

 ちなみに愛知県では、県職員の対応要領の策定を義務化する条例案を12月定例議会に提出し、大村知事は「県民各層の差別解消の機運を高め、障がいを理由とする差別解消の推進を図る。」と決意を表明しており、差別解消に意欲的に取り組む姿勢を示しております。

 職員の対応要領については、法律上国は必ず策定しなければならないとされておりますが、地方自治体の場合は努力義務にとどまるため策定できるのか、法律の施行に間に合うのか、自治体の対応が注目されております。

 そこで、県は障害者差別解消法を踏まえ障がい者への差別の解消にどのように取り組むのかお尋ねいたします。

 また、県教育委員会においても職員対応要領を策定すると伺っています。障がい者への差別を取り除いていくことは教育現場においても極めて重要な課題であり、特に障がい者とその家族、その他の関係者が感じている社会的障壁を取り除いていくためには、どこに相談すればよいのかを明らかににし、広く周知すべきと考えます。

 そこで、県教育委員会は障がい者などからの相談窓口について設置と周知にどのように取り組んでいくのかお尋ねいたします。

 さらに、障害者差別解消法では、教育現場においても障がいのある子供が十分な教育が受けられる環境が整っているかという観点から評価することが重要であるとともに、障がい者本人や保護者から社会的障壁の除去を必要としている旨の意思表示があった場合、必要かつ合理的な配慮に努めることが求められており、公立学校においてはこの合理的配慮の提供が法令上義務化されることとなっております。

 そこで、県教育委員会は公立学校における障がい児等への合理的配慮にどのように取り組んでいくのかお尋ねいたします。

 発達障がい児に対しては、母親を含めた早期からの支援と医療・保健福祉機関や保育所、幼稚園、学校などと連携した支援体制を構築していくことが重要であると言われています。

 このたび厚生労働省は、発達障がい児の早期発見には身近なかかりつけ医師の対応が重要と判断して、地域に開業している小児科医師を対象とした研修を始めると明らかにいたしました。国民のおよそ10人に1人が発達障がいを抱えているとも言われる中、発達障害者支援法が2005年4月に施行され、本県にも発達障がい者支援センターが整備されました。

 そこで、発達障がい者支援センターによる相談支援の実績をお尋ねいたします。

 先日、岡山県の発達障がい者支援について視察してまいりました。岡山県では、県支援センター一カ所で全県の相談業務に当たるのではなく、それぞれの市町村にコーディネーターを配置しているため、よりきめ細かな支援が可能になっているとのことでした。

 そこで、県は地域における発達障がい児への支援にどのように取り組んでいくのかお尋ねいたします。

 昨年上半期に全国の警察が摘発した子供に対する虐待事件の被害者は、過去最多だった一昨年を上回る情勢にあることが報道されております。また、子供の自殺や性暴力、さらには誘拐や連れ去りなど子供の安全な生活環境を確立するために、学校や医療、保健、福祉などの関係機関との細かな情報共有がますます必要となっています。

 ところで、子供がいじめ、虐待、体罰、誘拐、痴漢、性暴力などさまざまな暴力から自分の心と体を守る暴力防止のための予防教育プログラムであるCAPプログラムは、既に各自治体で実施されてきた経緯があります。

 本プログラムは子供の発達段階や環境、ニーズなどにより、およそ3歳から8歳の子供たちを対象とするCAP就学前プログラムと、小学校3年生以上、また、中学生や障がい者の子供などを対象とする複数のプログラムが用意され、どの発達段階においても参加者である子供が主体となり、ロールプレイ・役割劇を通して課題の発見と解決に向けて主体的、協働的に学ぶ内容となっています。

 公明党は社会全体で子育てを支援する「チャイルドファースト」を提唱しながら、子供の安全を守る環境整備に取り組んでおりますが、子供の主体性を生かしながら子供の権利意識を向上させるCAPプログラムは継続していくべきと考えております。

 そこで、子供が暴力から自分を守るための人権教育プログラム、いわゆるCAPについて県の取り組みをお尋ねいたします。

 がん患者の生存率上昇などを踏まえ、厚生労働省は2016年度予算案で「がんとの共生」を掲げ、がんになっても安心して暮らせるための取り組みを進めるとしております。具体的にはがんの痛みを和らげる緩和ケアを地域で受けられる体制を整備するほか、就労支援にも力を入れるとのことであります。

 10年調査の厚生労働省の推計によると、仕事を続けながらがん治療のため通院している人は約32万5千人で、男性では60代、次いで50代が多く、女性では50代、次いで40代が多く、いずれも働き盛りの世代であります。

 一方、がん患者のうち体力の低下や勤務調整が困難などを理由に依願退職や解雇された人の割合は10年間ほとんど変化はありません。このような現状を踏まえ、政府は昨年12月にがん対策加速化プランを策定し、就労支援の具体化に言及しています。

 そこで、県はがん患者への就労支援にどのように取り組んでいくのかお尋ねいたします。

 昨年、まち・ひと・しごと創生法に基づき、今後予想される人口減少に歯どめをかける野心的な目標を掲げたふくしま創生総合戦略が公表されました。今年度から5年間の施策をまとめた戦略の基本目標には、人口減少対策として県内への新しい人の流れをつくる社会増対策があります。

 その一つに定住・二地域居住推進プロジェクトが挙げられ、本県においても市町村などで特徴ある取り組みが行われていますが、全国の自治体でも人を呼び込む手厚い施策が実施され、自治体間の競争が高まっています。人の流れをつくるためにはこれら他の自治体に打ち勝つ特徴的なメニューを全国に発信する必要があります。

 そこで、定住・二地域居住をどのように推進していくのか県の考えをお尋ねいたします。

 また、若者の県外流出を抑制し、県内環流を促進させる仕事を支える若者の定着・環流プロジェクトを進める上で、意欲と能力のある県外の若者が県内で就職、活躍できるよう取り組むべきと思います。

 そこで、県は県外の学生による県内への就職活動をどのように支援していくのかお尋ねいたします。

 原発事故以降、県内の漁業者はみずから海域の瓦れき処理に当たる一方で、風評という見えない敵と戦いながら来るべき本格操業への道を探っているのが現状であります。今議会の代表質問で知事は、新年度から水産試験場の整備に取り組むとの力強い答弁をされました。漁業関係者にとって心強いことと思います。

 一方で、本県の水産業の再生に向けて取り組むべき課題は山積しております。水産物のモニタリングの継続はもとより、この4年間の試験操業により、沿岸域の水産資源が現在どのような状況なのか詳細はわかっておりません。そして、何よりも今後40年にわたり続く廃炉作業とそれに伴う汚染水など放射性物質が魚介類にどのような影響を与えるかなど、新しい水産試験場に課された使命はたくさんあります。

 そこで、県は新しい水産試験場における研究についてどのような考えで進めていくのかお尋ねいたします。

 県営住宅は低額所得者等に低廉な家賃で住宅を供給し、生活の安定と社会福祉の増進に寄与してきましたが、一方では、県営住宅の老朽化や高齢化の急速な進行によるバリアフリー化への対応など課題が山積しています。

 このような中、高齢者世帯及び低額所得世帯は増加傾向にあり、県営住宅への入居需要はますます高まっています。ここ最近では、全体の応募倍率は約10倍で、母子・父子世帯や子育て・高齢者・多子世帯、さらには障がい者世帯などを対象とする優先入居についても約五倍の応募倍率となっており、新たな需要に対応し切れていない現状が続いております。

 そこで、県は県営住宅への多くの入居希望に対応するためどのように取り組んでいくのかお尋ねいたします。

 また、今回策定された福島県人口ビジョンで2020年には社会動態プラス・マイナス・ゼロ、2040年には県民希望出生率2.16を実現し、2040年に県総人口160万人程度を目指すとしています。さらには、県外自治体でも同様に総合戦略を策定し
ていることから、自治体間で人口の移動がこれまで以上に活発になる可能性があります。

 国土交通省では、全国でふえ続ける空き家を準公営住宅に指定し、所有者が生活費負担の大きい子育て世帯などに貸すことを認める動きもあります。

 本県の復興・創生を進めていく上で、原発事故災害避難者にとどまらず、母子・父子世帯や子育て・高齢者・多子世帯並びに障がい者世帯などの優先入居対象者の住環境整備は喫緊の課題であります。特に子育て世代の皆様から、「何度も県営住宅の入居募集へ応募しているが当たらない。」という問い合わせが数多くあります。

 そこで、県は母子世帯などの県営住宅への入居についてどのように取り組んでいるのかお尋ねいたします。

 先日県内の学校の先生から、「少人数教育を継続するために教員数の充実が必要である。しかし、現状は非常に厳しい状況にあり、教員の業務負担が増して退職者の増加につながっている。」という御意見をいただきました。また、「このような状態が続くのであれば、いつ現状の勤務体制が崩壊してもおかしくない。」と訴えていました。

 昨年10月、文部科学省が教職員定数に係る緊急提言を発表いたしました。主な内容は、公立学校の教職員定数について、国の財政制度等審議会が児童生徒数の減少に合わせて教職員定数を機械的に削減すべきとの考え方が示されたことに反論し、少子化が進む一方で、子供の貧困と教育格差の拡大やふえる発達障がい児童生徒への対応、いじめ、不登校、暴力行為などの生徒指導上の課題など児童生徒への指導は近年困難化している状況にあり、これらの多様な課題を抱える子供たちが社会で活躍できるようにするための指導体制の整備は一刻の猶予もないと指摘しています。

 一方で、OECDの国際調査等で明らかなように、日本の教員は世界で最も長時間の勤務を行っている現状を示しながら、教育改革を学校が真に実行できるようにするため、加配定数を含む教職員定数の充実を強く求めるとともに、効果的な運営を通じて学校が期待される教育機能を最大限発揮するためチーム学校の取り組みを進め、専門人材を活用することや、コミュニティ・スクールを導入して地域の知恵や活力を学校づくりに生かすことが非常に重要となると指摘しています。

 加配定数を含む教職員定数の充実が望まれるところですが、厳しい財政状況から、すぐに教員勤務環境の改善を図ることは難しいと思います。

 そこで、県教育委員会は教員の多忙化の解消に向けどのように取り組んでいるのかお尋ねいたします。

 また、県教育委員会は公立小中学校におけるコミュニティ・スクールの導入に向けどのように取り組んでいくのかお尋ねいたします。

 以上で私の質問を終わります。


副議長(満山喜一君)執行部の答弁を求めます。


知事(内堀雅雄君)安部議員の御質問にお答えいたします。


 風評払拭と風化防止に向けた首都圏との関係強化についてであります。

 1都3県から成る首都圏は地理的にも近く、3千6百万人の人口を有し、従来から経済活動や人の交流等において本県とつながりが強い地域であります。

 しかしながら、震災後は原発事故の影響により農林水産物の販売量や教育旅行等が減少し、今なお回復していないことから、首都圏との関係を再生、強化することが風評払拭と風化防止に当たり極めて重要であると考えております。

 これまでも政令指定都市を含む首都圏の九都県市と調整を進め、各種広報やイベントにおける本県の復興状況や観光情報等の発信に加え、学校関係者への教育旅行の説明機会の確保、経済・商工団体への県産品活用の呼びかけなど本県の希望を踏まえた御支援をいただいており、震災から丸5年を迎える今月には、各広報誌での本県復興に関する一斉広報、また、新年度にはさらなる福島応援に向け首長が一堂に会する首脳会議が本県で開催されることとなっております。

 今後も首都圏とのきずなをさらに深めながら、福島への共感と応援の輪を広げ、風評と風化の克服に粘り強く取り組んでまいります。

 その他の御質問につきましては、関係部長等から答弁をさせます。


総務部長(藤島初男君)お答えいたします。


 県職員の働き方改革につきましては、職員一人一人が家庭や生きがいを大切にし、仕事と生活の調和を図るために重要であることから、超過勤務縮減に向けた意識の醸成、年次休暇等の取得促進、業務や会議のあり方の見直し等に取り組んでいるところであります。

 今後はフレックスタイム制などについても、国や他県の状況などを参考としながら、本県の実情も踏まえ検討してまいりたいと考えております。

危機管理部長(樵 隆男君)お答えいたします。


 国土強靱化地域計画につきましては、大規模自然災害等に備え、県土の強靱化に関する施策の総合的かつ計画的な推進を図るため策定するとされております。

 県といたしましては、これまで国との調整や庁内での検討を行ってきたところであり、今後県の総合計画や復興計画との整合を図りながら計画の策定に向け検討を進めてまいりたいと考えております。

 次に、時間の経過に応じた災害対応につきましては、県地域防災計画において、災害発生から1週間までを時間の経過に応じて7つの段階に区分し、本部の設置、通信の確保、避難指示や県民への周知、医療救護など52の業務ごとに着手する項目を時系列行動計画として定めております。

 また、これらをマニュアル化した上で災害対策本部の運営に関する訓練に活用しているところであります。

 引き続き他の先進事例も参考としながら必要な改善を加え、迅速かつ的確な初動対応につなげてまいります。


保健福祉部長(鈴木淳一君)お答えいたします。


 障がい者への差別の解消につきましては、障害者差別解消法に基づき、今年度中に障がい者への差別的取り扱いや配慮すべき点についての考え方等を整理した県職員向けの対応要領を策定するとともに、幅広い関係機関・団体がネットワークを構築し、相談、紛争等への適切な対応を行うため、地域協議会を設置することとしております。

 新年度は県職員に対する研修を行うほか、地域協議会の活動を通して民間事業者への周知啓発を図り、社会全体として障がいを理由とする差別の解消に向けた取り組みが推進されるよう努めてまいる考えであります。

 次に、がん患者への就労支援につきましては、療養生活の質の維持向上のためにも治療と仕事の両立が重要であることから、県内に九つあるがん診療連携拠点病院内のがん相談支援センターにおいて、専任の相談員ががん治療に対する疑問等のほか、就労についても相談に応じてまいりました。

 今後は本年4月から福島公共職業安定所に配置されるがん患者等の就労支援を行う専任の就職支援ナビゲーターとセンター相談員との連携を推進し、相談機能の充実に努め、がんに罹患しても安心して暮らせる社会の実現に取り組んでまいる考えであります。


商工労働部長(飯塚俊二君)お答えいたします。


 県外の学生による県内への就職活動に対する支援につきましては、東京に設置したふるさと福島就職情報センターを拠点としてきめ細かい就職相談等を行うとともに、今年度は新たに首都圏の7大学と就職支援協定を締結し、県内への就職支援を強化していくこととしたところであります。

 今後は各大学との協定に基づく取り組みを着実に実施するとともに、大学のゼミと連携して県内企業を訪問するバスツアーを実施するなど、県外の学生による県内への就職活動をしっかりと支援してまいる考えであります。


農林水産部長(小野和彦君)お答えいたします。


 新しい水産試験場における研究につきましては、原子力災害に起因する本県特有の課題を解決するためには、幅広い知見を有する国や大学などの研究機関との連携を強化する必要があると考えております。

 このため放射性物質の魚介類への移行メカニズム、水産資源の把握と適切な漁獲方法、海洋環境の変動が漁場に及ぼす影響などの新たな課題の究明に当たっては、それぞれに最適な機関との共同研究や委託研究を行うなど柔軟な対応を検討してまいる考えであります。


土木部長(大河原 聡君)お答えいたします。


 県営住宅の入居希望への対応につきましては、老朽化した住宅の計画的な改修や退去後の住宅の速やかな修繕などにより供給戸数の確保に努めております。

 また、福島県住生活基本計画の見直しの中で県民の住まいの実態や住宅需要の動向を踏まえ、県全体の公営住宅の供給目標量を定め、市町村との役割分担を考慮しながら県営住宅の適切な供給について検討してまいる考えであります。

 次に、母子世帯等の県営住宅への入居につきましては、募集に当たっては募集戸数の約1割を母子世帯や子育て世帯等を対象とした優先入居枠に設定するとともに、抽せんに当たっては、当該優先入居枠で落選した場合でも一般入居枠での再抽せんを可能としているところであります。

 今後ともこうした方法により母子世帯等の入居に配慮してまいります。


こども未来局長(尾形淳一君)お答えいたします。


 発達障がい者支援センターにつきましては、平成18年10月の開設以降、障がいを抱える方やその家族からの生活全般にわたる相談に対応するとともに、医学的な診断や発達検査に基づく助言などを行っております。

 平成26年度の相談支援の実績は前年度より139件多い1,160件となっており、年々増加傾向にあります。

 次に、地域における発達障がい児への支援につきましては、保護者と市町村や医療機関などとの調整を行う発達障がい地域支援マネジャーを各保健福祉事務所単位に配置し、発達障がい者支援センターと連携しながら身近な地域で適切な支援が受けられるよう努めてまいりました。

 今後とも福祉や労働、医療、教育等、幅広い分野の関係機関で構成する連絡協議会において、地域支援マネジャーが把握した地域課題等を協議し、具体的な支援に結びつけるなどよりきめ細かな支援に取り組んでまいります。

 次に、子供が暴力から自分を守るための人権教育プログラム、いわゆるCAPにつきましては、いじめや虐待、連れ去りなどの具体的場面を寸劇や人形劇等に盛り込んで暴力への対処法をわかりやすく教えることを通して、子供が本来持っている生きる力を引き出すことを目的とした有効な教育プログラムの一つであります。

 このため県といたしましては、震災後継続的にCAP実践者の養成研修を開催し、これまでに47名が新たな実践者として登録され、学校等の現場で活動しているところであり、引き続きCAP実践者の養成に取り組んでまいります。


観光交流局長(橋本明良君)お答えいたします。


 定住・二地域居住の推進につきましては、東京都内に設置した移住・就職相談支援窓口や、首都圏で開催し知事が出演した大規模イベント及び移住セミナー等を通じ、移住を希望する方々が必要とする情報をきめ細かく提供してまいりました。

 地方創生の流れにより全国的に地方への関心が高まる中、県といたしましては、市町村や民間事業者等との連携のもと、本県の魅力にさらに磨きをかけ戦略的かつ効果的な情報発信を進めるとともに、定住・二地域居住の受け入れ環境整備に全庁を挙げて取り組んでまいる考えであります。


教育長(杉 昭重君)お答えいたします。


 障がい者等からの相談窓口の設置と周知につきましては、障がいの有無によって分け隔てられることなく、相互に人格と個性を尊重し合いながら共生する社会の実現を図っていくことが重要であると考えております。

 このため新年度から、障がいを理由とする差別に関する相談に応じる窓口を教育庁の関係各課内に設置するとともに、ホームページ等でその周知を図りながら、障がい者やその家族等からの相談に適切に対応してまいる考えであります。

 次に、公立学校における障がい児等への合理的配慮につきましては、児童生徒が障がいの有無にかかわらず平等に教育を受けられるよう必要かつ適切な配慮を行うことが重要であると考えております。

 このため今後は全ての教職員が法令等の趣旨を理解し対応できるよう、具体的な事例を含めた研修を行うとともに、本人や保護者と合意形成した配慮事項を個別の教育支援計画に記載し、児童生徒が適切な指導と必要な支援を受けながら学ぶことができるよう取り組んでまいる考えであります。

 次に、教員の多忙化の解消につきましては、各種会議や研修等の精選、作成書類の電子化を進めるとともに、学校運営効率化のための取り組み事例集に基づく業務分担の見直しや部活動休養日の設定等により積極的に取り組んでいるところであります。

 今後は取り組み事例集を改訂するなど、これらの取り組みをさらに促進することにより児童生徒と向き合う時間を確保するとともに、教員一人一人の力量が十分に発揮され、より質の高い教育活動が推進されるよう教員の多忙化の解消に取り組んでまいります。

 次に、コミュニティ・スクールにつきましては、地域住民や保護者が学校運営に参画し、主体的に地域の子供たちの成長を支えることで地域とともにある学校づくりを進めるものであり、国がコミュニティ・スクールの導入に向けた事業を推進しております。

 県教育委員会といたしましては、今後とも国のこの事業を活用してコミュニティ・スクールの導入を希望する市町村を支援してまいる考えであります。


副議長(満山喜一君)これをもって、安部泰男君の質問を終わります。

 

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