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2016年2月定例会 討論 佐藤金正議員

印刷用ページを表示する 掲載日:2016年6月27日更新

佐藤金正議員

議員

佐藤金正

所属会派
(質問日現在)
自由民主党
定例会平成28年2月
質問等討論
質問日3月22日(火曜日)

43番(佐藤金正君)自民党議員会の佐藤金正であります。私は会派を代表いたしまして、今議会に提出されました知事提出議案第1号「平成28年度福島県一般会計予算」に対しまして、賛成の立場で意見を述べさせていただきます。


 県民とともに復興を進める内堀知事のもとでの2度目の当初予算編成となりますが、この1年間は多くの県民が復興を身近に感じた1年間ではなかったでしょうか。

 常磐自動車道の全線開通やふたば未来学園高等学校の開校を初め、復興に向けたさまざまな拠点施設の整備の進展、また、ことしに入りふたば復興診療所が開所し、双葉郡の医療が大きく前進いたしました。

 森林除染については除染の範囲を拡大し、森林の再生を目指す方針が示され、さらにはJR常磐線の平成31年度中の全線開通が明確にされるなど、集中復興期間における積極的な取り組みの成果が確実に実を結び、復興・創生期間のスタートダッシュを切るための確かな土台をつくることができました。

 これは我が党として、内堀知事を初め県職員の方々とともに震災後から積極的に、必ずや復興をなし遂げるという確固たる信念を持って国に対して強く要望を重ねてきた結果であり、復興へ向けた県民のたゆまぬ努力のたまものでもあると確信をいたしております。

 このたびの平成28年度当初予算編成は総額1兆8,819億円となりました。このうち震災・原子力災害対応分は1兆383億円が計上されておりますが、これは今年度を上回る予算であり、必ず復興を加速化させるという強い気持ちのあらわれと受けとめております。

 歳入については、公共事業が堅調であり、雇用・所得環境が改善していること、さらには税制改正の影響などにより2,284億円と前年度を上回っておりますが、震災復興特別交付税を除く実質的な地方交付税は2,070億円と前年度を下回るなど、一般財源総額の確保は依然として厳しい状況であります。

 また、震災から五年がたち、復興再生も活発化してきたことから、財政需要は膨大となり、必要な財源の確保は非常に厳しいものであったと思います。そのような状況の中において、原子力災害等復興基金を初めとする各種基金を有効に活用するとともに、事務事業の徹底した見直しや経費の削減を行い、さらには内堀知事を先頭に国へ対する積極的な要望を繰り返して必要な財源の確保に努めてきたことは高く評価されるべきものであると考えます。

 我が党県連としても、政権与党としてこれまでに培った国との強力なパイプを活用し、復興の加速化のための十分な予算を確保してまいりました。そして、この予算編成に当たっては、我が党の代表質問における知事の答弁にありますように、あらゆる方策を講じて財源を確保したところであり、歳出についても、第3次復興計画とふくしま創生総合戦略に基づく11の重点プロジェクトを中心に重点的、優先的に予算配分がなされ、復興の加速化を進展させるための実効性のある事業の構築に努めたものと理解をいたします。

 具体的な施策を見てみますと、まず初めに「避難地域等復興加速化プロジェクト」、「生活再建支援プロジェクト」についてであります。

 今後避難地域において見込まれる避難指示の解除を見据え、復興拠点の整備や生活インフラの復旧を初め、広域的に推進していくべき課題に主体的に取り組んでいくこととなっております。

 また、イノベーション・コースト構想、12市町村の将来像の実現に向けた取り組み、さらにはJヴィレッジの再整備など地方創生や世界のモデルとなる先進的な取り組みを着実に進めるための力強い予算が計上されたと感じております。

 次に、「環境回復プロジェクト」についてであります。

 除染については、引き続き市町村と一体となって着実な推進を図るとともに、仮置き場等の適正な維持管理にしっかりと取り組むための予算も計上されました。

 また、中間貯蔵施設につきましては、我が党としても関係自治体との意見交換を繰り返し、国に対して施設の整備及び輸送について今後の見通しを示すよう強く求めてまいりましたが、新年度に本格的な施設整備に着手し、段階的な本格輸送を開始するなど、中間貯蔵施設事業の方針が示されたところであります。

 今後方針どおりに事業を進めるためには、地権者の理解が大変重要となりますが、我が党の代表質問において、新年度から10人の職員を国に派遣するとの知事の考えも示されたところであり、さらなる地権者理解を進め、広域自治体としての役割をしっかりと果たしていくことを強く望むものであります。

 また、本年7月に全面開所となる環境創造センターにつきましては、環境、放射線の学習支援に取り組むとともに、福島の環境の現状や回復に向けた取り組みなどについて県内の子供たちを初め国内外の方々へ幅広く発信し、風評被害の払拭にもつなげていくことが期待されます。

 次に、「心身の健康を守るプロジェクト」について申し上げます。

 新年度から始まる新たな県民運動は、「健康」をテーマに全県的に展開されるものであり、全国に誇れる健康長寿県を目指した予算配分となっております。

 また、福祉・介護人材を確保するため介護福祉士等の養成施設整備への支援、キャリアアップへの支援、労働環境の改善などの総合的な取り組みを進めることとしており、ふくしま国際医療科学センターの新年度中の開所に向けた取り組みとともに、県民の健康の保持増進のためのきめ細かな予算が計上されております。

 次に、「子ども・若者育成プロジェクト」についてであります。

 福島の未来、それは子供たちの未来であります。そして、その子供たちが健やかでたくましく成長し、夢や希望を持つことのできる社会をつくっていくのは私たち大人の責任であります。震災からの復興に貢献したいという思いを持っている子供たちに避難者との交流を初めとする社会体験活動の機会を拡充して提供するなど、子供たちの主体性や地域の誇りを育むための重要な予算措置がなされております。

 次に、「農林水産業再生プロジェクト」、さらに「中小企業等復興プロジェクト」についてであります。

 農林水産業は、言うまでもなく本県の基幹産業であり、これまでも安全・安心な福島の食を国内外へ届けてきたところでありますが、農林水産業の再生に向けて、新規参入者の受け入れ体制の整備、あるいは新規就農者の育成・確保、地域産業6次化の推進を図るほか、エゴマなど注目度の高い本県の工芸農産物等について販売体制の確立や生産技術の開発に取り組みむための所要の予算が計上されております。

 また、中小企業等の復興については、各企業の経営課題の解決に向けた支援体制を強化するとともに、今後期待される分野である航空宇宙産業への県内企業の参入を促進し、新しい中核産業の一つとして航空宇宙関連産業の育成に取り組み、さらには伝統工芸産業等の競争力強化を図るなど、地域経済や雇用を支える中小企業等の振興のための大変重要な予算配分となっております。

 次に、「新産業創造プロジェクト」についてであります。

 いよいよ新年度からイノベーション・コースト構想が本格化してまいります。ロボットテストフィールドや国際産学官共同利用施設について国との連携を強化し、産業創出課内にロボット産業推進室を新設するなど、両拠点の整備を着実に進めていくための予算が計上されました。

 また、再生エネルギーの導入拡大を図り、企業、学校、家庭における省エネルギー意識の向上を図る総合的な取り組みを新たに実施するなど、経済的活力と環境との共生の両立を目指す福島ならではのモデル形成に向けた取り組みが進められることになっております。

 次に、「風評・風化対策プロジェクト」であります。

 震災から5年が経過した今もなお、農業、商工業、観光業などを初めとするさまざまな分野でいまだに根強い風評が多く、また、地震、大津波を初め原子力発電所の事故に対する国内外の人々の関心や記憶が薄れるなど、残念ながら風化が徐々に進みつつあります。

 そのため昨年のふくしまデスティネーションキャンペーンを起爆剤に本年のアフターDCを何としても成功させ、今後の観光誘客へつなげていくことが大変重要であると考えます。復興の歩みを着実に進める福島の姿、魅力ある食や観光などの福島の宝を国内外に発信していくための取り組みなど確かな情報発信と交流人口の拡大を図り、風評払拭と風化を防ぐための大変重要な予算であります。

 次に、「復興まちづくり・交流ネットワーク基盤強化プロジェクト」について申し上げます。

 安全・安心が確保された穏やかな日常生活を送ることは、全ての県民の切なる願いであります。復興を支える基盤整備の着実な推進を初め防災体制の強化に取り組むための予算も計上されているところであり、また、JR只見線の全線復旧については、我が党としても福島再生のための重要課題として継続的に取り組んでまいりました。

 1月21日には、沿線市町村で構成するJR只見線活性化対策協議会との意見交換会を行い、早期全線復旧に向けた切実な意見を拝聴してきたところであり、それらを踏まえた我が党の代表質問において「県と沿線市町村から構成する検討組織を今月内に設置し、復旧に向けた支援策等について市町村と連携し、積極的に推進していく。」との知事の考えも示されました。引き続き関係市町村と連携を深め、国やJRとの協議が円滑に進み、全線復旧に向けた取り組みが着実に前進することを強く望むものであります。

 最後に、地域創生・人口減少対策についてであります。

 国は少子高齢化に直面した我が国経済の活性化策として1億総活躍社会の実現を掲げておりますが、地方創生なくしてその実現はあり得ません。

 地方創生は復興とあわせて取り組むべき重要課題であり、昨年末に策定をいたしました福島県人口ビジョン、ふくしま創生総合戦略において、2040年に県民の希望出生率2.16を実現し、人口160万人程度を確保するとの目標のもとに、このたび編成された予算を有意義に活用し、意欲ある市町村や企業等と積極的に連携していくことが重要であります。

 このように、平成28年度福島県一般会計予算は厳しい財政状況の中にあっても財政の健全性に十分に配慮しながら、必要財源をしっかりと確保するとともに、「真のふくしまの復興」をかなえるためこれから迎える復興・創生期間のスタートにふさわしい予算となっていることから、私はこの当初予算を高く評価するものであり、当然に賛成すべきものと考えています。

 あの有史以来の大惨禍となった東日本大震災、そして原子力発電所の事故から5年がたちました。そして、その4カ月後に発生した新潟・福島豪雨災害、同じ年に県民に降りかかったこの大きな災難を我々は忘れるわけにはいきません。

 県民はあの日なれ親しんだはずの自然の脅威に茫然自失し、余りにも想像を絶する現実を目の前にして目標を失い、迷走せざるを得ませんでした。当時我が党は野党でありました。衆議院選挙区における議席は皆無だったため、当時の岩城光英参議院自民党政審会長のもとに原子力災害からの福島復興委員会を設置し、被災地の窮状を絶え間なく訴え続け、早期の復旧復興に向けて奔走しておりました。

 そして、平成24年の政権奪還後は復興を前進させ、福島の未来を切り開いていくことが政治の大きな責任であると強く認識して、前政権としては遅々として進まなかった時局を好転させるため、党本部に東日本大震災復興加速化本部が設置され、我が党県連内にも所属議員全員から成るふくしま復興本部を立ち上げました。

 集中復興期間の5年間、我が党はあらゆる政策、知恵を総動員し、県民の確かな安心と避難されている方々の生活安定を最優先に、復興の障壁となっているさまざまな難題に立ち向かってまいりました。その結果、復興加速化のための提言の形となって、これまで5回にわたる国への緊急提言につながったのであります。

 我が党組織が一丸となって県とともに国を動かし、風評・風化対策、県民の健康、被災者の生活再建などを初めとした県民の安全・安心のための多くの予算を確保することができたのであります。

 それを受けた今回の平成28年度福島県一般会計予算は、さきに述べました我々のこの5年間の行動が実を結んだまさに集中復興期間の集大成となった予算であり、復興・創生期間の初年度のスタートにふさわしい予算であると確信を持っております。

 「愚公山を移す」。どんなに困難なことでも辛抱強く努力を続ければ、いつか必ずなし遂げられる、それができるという例えであります。復興への深い思いがちりばめられたこの予算をこれから迎える復興・創生期間の礎として、決して諦めず、5年後に目指す「真のふくしまの復興」、そして「新しいふくしまの創造」を必ずなし遂げるため、我が党としても内堀知事を初め県職員の方々、そして全ての県民とともに決意を新たにして全力で取り組んでまいる覚悟であります。

 以上申し上げましたが、知事提出議案第1号「平28年度福島県一般会計予算」は当然に賛成するべきものと考えております。全議員の多大なる御理解、御賛同を心からお願い申し上げまして、私の討論を終わります。御清聴ありがとうございました。

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